八王子料金所を出たところで、車を停めた。考えてみれば、車を停めるのは諏訪湖SAでお昼ご飯を食べたとき以来だ。サイコロを外で振る、というのに至っては、塩尻IC以来となる。
・・・普通の旅行だったら、それくらいのロングドライブは当たり前だ。でも、われわれがやっているのは、あくまでも「サイコロの旅」だ。いやぁ、大地を踏みしめてサイコロを振るっていうのはやっぱりいいねぇ。
ほら、料金所から出てくる車が、みんなこっちを見ているヨ。もう、そんな視線にも、慣れた。
まさか八王子ICで高速を降りるとは考えていなかったので、あまり今後のルートについては検討がなされていなかった。しかし、われわれが目指すのは、ひたすら国道20号線甲州街道を使って、新宿方面に向かうということだ。まずは、八王子市街に入って、国道20号線に合流するところから始めないと。これが、間違って北上して入間だの青梅だのに向かってしまうと、話がややこしくなる。
おかでん「さぁ、えー、17時36分。私が今度サイコロを引き継ぎまして、八王子インター出たところでサイコロを振りたいと思います。右側に行くと、川越、昭島、横浜と書いてああります。八王子バイパス。・・・あれ?右側って北なのに、横浜にも行けるんだ。ええと、左側が、八王子市街、ということなので、とりあえず16号線左折、八王子市街を狙います。でも、右行って横浜ってよく分からないな・・・(後注:八王子近辺は、市街を通る道と市街を迂回するバイパスの2本、16号線が走っている。八王子に用が無く、もっと南に向かいたい場合は、一度北上してからバイパスに入った方が近道)。ま、とりあえず、八王子市街を狙います。偶数で右折、奇数で左折」
♪何がでるかな、何がでるかな・・・それええええっ
おかでん「5!奇数!左!」
しぶちょお「左!」
おかでん「オッケ!八王子市街に向かいまーす!」
車は八王子市街に向かう。
しぶちょお「いや、でもまだサイコロの強運は続いてるぞ。まだまだわからん」
確かに、崩れるときはどかっと崩れるのがサイコロの旅だ。・・・というか、サイコロ2なんて「崩れていない時」ってあったっけ?というくらいグダグダだったわけだが。
ただ、次の選択肢は非常に重要な一投となる。念願の「最終国道」、国道20号線に合流するわけだが、東に向かえれば天国、西に向かえば・・・ええと・・・
おかでん「おい!そのまま相模湖まで引きずり戻されるぞ!途中に分岐が全然無いじゃないか!」
日没を前にして、今更相模湖方面に戻るのは、とてつもなくイヤだ。ご飯食べるところ、寝るところ、全てに不自由しそうだ。
おかでん「泊まるところだったら・・・ラブホテルくらいならありそうだけどな、あの辺り」
ひび「いや、それはちょっと」
おかでん「うわ、ちょっと緊迫してきたな。俺、次のサイコロ振る勇気と自信なんて無いぞ?」
ちなみに、この段階で国道20号線でゴールまで一直線、の確率は・・・1/96。あちゃー、無理っぽそう。
でも、われわれのモチベーションは、最高に達していた。おかでんが「夕飯とか宿とか、この際どうでもいい!この足で、ゴールの地を踏みしめたい!」と叫ぶと、しぶちょお、ひびの両名も「その通りだ」と大いに賛同した。サイコロ2とは大違いのテンションの高さだ。確かに、確率論ではまだまだゴールは難しい。しかし、物理的な距離はもうすぐそこだ。ここまでいい流れで来たのだから、一泊して流れを断ち切りたくは、無かった。行けるところまで、行け。
おかでん「えー、17時50分。国道20号分岐が迫ってきてます」
しぶちょお「おかでん急げ。右折レーンがもうすぐそこだ」
おかでん「わ、ではすぐにサイコロを振りたいと思います。それ」
♪何が出るかな、何がでるかな・・・
いよぅ!
おかでん「3!奇数!」
・・・(沈黙2秒)
おかでん「OK?オッケオッケオッケぇ。オッケー、オッケー。今みんな考えたね?どっちがどっちだったっけ?って。あー。まずは、最悪相模湖方面という可能性は潰した」
しぶちょお「これで随分と楽になったんじゃないのか?」
おかでん「まあ・・・どうだろうね?高速と併走する形になるので、高速のインターがあるたびに『乗る?それともやめとく?』っていう選択肢が出てくるけどね」
ひび「国立府中の罠」
おかでん「今から高速に乗っちゃうと、『西方面に逆戻り』の可能性がでてくるので、乗らない方がいいんだよね」
おかでん「えー、17時・・・53分。八王子市街で、国道20号線東行きを選択したんですが、すぐに国道16号の分岐がやってきました。右に曲がってしまうと、橋本のほうに向かってしまいます。うわ、橋本界隈って国道が入り乱れてるなあ。でも、そのいずれもが東京方面に向かっていないというのは問題だ。一歩間違えると相模湖逆戻りだし、南に下がると平塚とか茅ヶ崎だし。偶数で、16号南下。まだまだ混沌とした戦いは続きそうです。で、奇数で20号真っ直ぐ」
それっ
♪何がでるかな、何がでるかな・・・奇数!カモン!
サイコロは運転席の隙間に挟まった。
おかでん「1!奇数!」
ひび「ひゃぁーーーー」
ぱちぱちぱち。ひびが思わず拍手をする。
しぶちょお「強いぞぉ。ここにきてべらぼうに強いぞぉ」
おかでん「いや、これはねぇ、このサイコロの着地の仕方はねえ、パターンによっては『判別不能!もう一回!』って言いかねないけども。でも、これ、1ということでいいね?」
ひび「微妙に・・・」
おかでん「(畳みかけるように)1でいいね?」
ひび「うにゃあ」
写真だと分かりづらいが、サイコロは隙間に挟まった関係で、やや宙に浮いていた。斜めに傾いてもいて、完全に着地したとは言いづらかった。
運転の合間で、振り向いてサイコロを確認したしぶちょおは
しぶちょお「うううううん。僕はもう何も言わない」
ひび「運転席からはよく見えないから・・・」
結局、「これは1である」という事になり、国道20号直進が確定した。
おかでん「えー。18時ちょうど。国道16号バイパスの交差点が近づいてきました。東に向かうわれわれに対し、南北に貫く形で16号線が走っています。即ち、三叉路ってわけですね。最悪なパターンが、北上して、またさっきの八王子インター入り口のほうに引きずり戻されるという『八王子サーキット』。まぁまぁマトモなのが・・・いや、良くはないんだけど、16号線南下。これで間違って太平洋側に出てしまったとしても、そしてなおかつ西側に向いてしまったとしても、まぁ、伊豆方面の温泉があるからいいかなと。そして、一番ベストなのが真っ直ぐ突き進んで、甲州街道を東京23区方面に向かうって事ですね」
ひび「確率1/3!厳しいなあ」
しぶちょお「試練だぞ、これは」
おかでん「確かに相当厳しいね、ええと、1,4が出れば右折、2,5が出れば直進、3,6が出れば左折だけど・・・」
しぶちょお「ここをもしクリアできれば、強い!」
おかでん「確率的にはどうなるんだ?ここが1/3で、あと1/2、1/2、1/2か。ということは、1/24でゴールできる。まぁ、真っ直ぐ甲州街道を進んだ場合、だけど」
しぶちょお「随分減ってきたな。でも、まだ1/24あるのね・・・」
おかでん「ま、今まで高速道路を突っ走ってきたのが、『乗りに乗っている』とみるのか、『運を使い果たした』のかがここではっきりするな。では行くぞ?」
何がでるかな、何が出るかな・・・はいっ
ひびが誰よりも早く、大きな声で叫んだ。
ひび「2!!」
おかでん「2!オッケーーーーー!いやー、有終の美ってこういう事だなあ。凄い凄い凄い」
ひび「ひゃーーーぁ」
しぶちょお「まて、まだ企画は終わってないぞ。ここで気を抜くなよ?」
おかでん「いやー、凄いなあ」
しぶちょお「よくぞここまで・・・」
ひび「ひゃーあ、ひゃーあ」
おかでん「ここまで運がいいとは・・・。あり得ない、今までのサイコロではあり得ない『何か』が来てるーッ」
早速次の分岐について、車内では吟味が始まった。これは本当にエンディングが見えてきた!外は日没で真っ暗になってしまったが、もう誰も「宿」や「食事」を口にする人は居なかった。ゴールするまで、今日という日は終わらない覚悟だ。
しぶちょお「終わったな・・・」
おかでん「イヤ待て、まだある、まだある」
ひび「で、・・・・これ」
カーナビを操作するひび。次の分岐となる国立府中ICあたりを表示する。
しぶちょお「これはまあ、どうするか、だね国立は」
おかでん「あぁ・・・」
カーナビでは、国立府中ICと甲州街道を繋ぐ僅かな距離の連絡路は国道扱いされていなかった。しかし、おかでんが手にしているロードマップでは、国道の赤い色が塗られていた。この辺りは、従来の国道20号線とは別に、「日野バイパス」を建設中らしく、北八王子から国立府中ICあたりがマップ上では点線扱いとなっていた。完全開通すれば、堂々とした国道扱いになるようだけど、現時点においてはカーナビとしては国道認識していないようだ。
しぶちょお「うぅん」
ひび「ふぅん」
しぶちょお「・・・無し、でいいね?」
おかでん「いいけど、その前に。僕の地図だと、バイパス作っている途中で、途中行き止まりのピストン国道があるんだよ」
しぶちょお「えっ、どこに?」
おかでん「ここからしばらく行った先。1kmほど行った北八王子あたりからぐいっと」
こちらの地図を助手席のひびに手渡す。
ひび「あっ、確かに!えっ、えっ、じゃあ、ここに入ってしまった場合は?」
おかでん「ピストンするよ、貫通してないから」
ひび「ピストン!」
おかでん「ピストンになると、方向逆になるからね。非常に気まずい」
・・・
一同、ナビと地図を見比べながら、しばらく黙り込んでしまった。どっちが正しいのだろう?
おかでん「ええと、一度ナビを現在地に戻して?」
しぶちょお「ほい」
おかでん「ああー、これは・・・バイパスとして地図上に書かれてないねえ・・・国道扱いじゃないな?」
しぶちょお「これか?この道路の事か?」
ナビ上の一本の道路を指さす。
おかでん「あ、それだ。・・・うーーーーん」
しぶちょお「おかでんの地図っていつ作られたヤツだ?」
おかでん「え?えーーーーと、1998年って書いてあるな」
しぶちょお「それだったら多分このカーナビさんの方が新しいはずなんよ。まあ、地図が結構いい加減なナビだけど。どうしよう?」
おかでん「実際に走ってみて、青看板でこっちも国道ですよーっていう標識があったら、サイコロ振ろう。何も目印が無かったら、カーナビを信じてスルーということにしよう」
そのまま国道を突きすすむ。問題箇所では、三人がかりで分岐した道路の先に「国道20号」の看板が無いかどうか、必死で捜したが、結局見つからなかった。
状況証拠がそろわない以上、この日野バイパスピストンはスルー、となった。
おかでん「ふー、まさかここでスルーになるとはな・・・」
しぶちょお「仕方がないよ、ナビでは国道扱いされてないし、実際に道路標識でも発見できなかったんだから」
おかでん「これでまた一歩、ゴールに近づいてきた。国立府中のインター入り口も、この調子だと国道扱いではないかもしれない。そうすると、ついに確率は1/2に!もし国立府中で国道があったとしても、1/4だ。おい、なんだか僕ぁ怖くなってきたんだけど」
しぶちょお「怖いねえ。ゴールするっていう事がどんなことなのか、考えると怖いよ」
・・・
この後、国立府中インターの入り口まで車は進んだが、ここにもやはり国道の表記は全く見あたらなかった。カーナビでも国道の表示が無いことから、ここもスルーという事になった。最後の最後になって、一気に2つも分岐をパスさせて貰ったことになる。サイコロ運だけではなく、地図運にも恵まれてきたということだ。
残るは調布インターに入るか・入らないかという選択肢、のみ。
調布インターに入らなければ、そのまま23区にゴールインすることになる。決戦の場は、すぐそこだ。
18時50分。調布インター手前にある、東京スタジアム、通称名味の素スタジアムの前に車は停まった。最後となるかもしれない、サイコロを振る場所だ。まさに、最終決戦にふさわしい会場だ。これ以上ないお膳立てをしてもらっている。
ここで、1/2の確率でサイコロ史上初のゴールが確定する。しかし、それだけではない。万が一・・・といっても、確率は二分の一なのだが・・・調布インターに迷い込んでしまったとしても、そこから1/2の確率で高井戸インターに向かう事ができるわけであり、これもゴールインとなる。
即ち、既にこの地に立っている時点で、3/4の確率でゴールができる状況となっているのであった。
ただし、間違って高速に乗って、八王子方面に引きずり戻されると相当悲惨な目にあう訳だが。でも!ここまでの強運で今日の午後は進んできたのだ、今更そんな悲劇はあり得ない。あってはいけない。なんとしてでも、一発でゴールを出さないといけない。
三人とも、漆黒の闇に包まれる味の素スタジアムを見上げ、精神統一をはかる。
おかでん「ただいまの時刻、18時54分。東京スタジアム/味の素スタジアムにやって参りました。えー、ここで、最後の一投にしたいと思います。偶数がでれば、見事、23区にゴールイン。奇数が出れば、調布インターから、また、中央高速に入ります。ただし、高速に乗っても、まだ1/2の確率でゴールインできるわけで、非常に高確率でゴールできると言えます。とはいっても、ここで一発でゴールを出しておかないと、後々ずるずると悪い方向に向かってしまいそうな気がしますので、今、ここで、気合いを入れて、決着をつけたいと思います。一発で、偶数出して、決めたいと思います・・・さあ。みなさんココロの準備は大丈夫ですか?」
しぶちょお、ひび、無言でうなずく。
おかでん「偶数ですよ、2,4,6、と強く念じてください」
ひび「ぐうすう、ぐうすう、ぐうすう・・・」
おかでん「偶数。さあ、味の素スタジアムよ、見てろよ!これが最後の、一投になります!はいっ!」
♪なっにっが
ガシャン。
最後、ということで激しく踊っていたため、手にしていたICレコーダーが堅いコンクリートの上に落ちた。飛び出す電池。サイコロ振り一時中断で、ICレコーダーの復旧作業にあたる。幸い、故障することなく、無事復旧した。
数分後、ますますテンションがあがっている状態で、もう一度サイコロ振り直しとなった。おかでんは、厳かに「ここは、4を出して決める。」と、サイコロの目まで指定。
おかでん「それでは、改めまして。サイコロを振りたいと思います。いろいろ弊害がありましたが、じゃあ行きますよ!偶数!」
しぶちょお「偶数!」
おかでん「ラスト一発!ハイッ!」
♪何がでるかな、何がでるかな、これが最後の一投!!!!!!!!
高々と投げられたサイコロ。一度、東京の夜空に吸い込まれたのち、万有引力によって地面に引き戻された。地面を転がるサイコロ。追いかけるわれわれ。
おかでん「きたーっっ!4!やったああああああああああ。やったぁ、やったぁ、やったぁ」
遠くから走ってくるしぶちょおとひび。
ひび「やったあ!」
おかでん「4が出た、4が出たぁ。はははははは」
ひび「きゃーーーーっ」
おかでん「来たぁぁぁぁっ。イエス!イエス!Yes!Yes!きたぁぁぁぁぁ」
ひび「きたあああああ」
おかでん「ゴーーーールイン、できます!・・・いや、まだ握手とかすんの、後にしよう」
ひび「ふぅ」
おかでん「到着してからだ、無事」
ひび「はぅ」
おかでん「来た!」
ひび「はははははははは」
おかでん「4!予告通り来た!やったぁぁぁぁぁ」
しばらく、全員笑いっぱなしだった。馬鹿みたいに笑った。ココロのそこから笑った。サイコロ3、最後は奇跡の連発でゴールイン。あり得ない、今までの経験をふまえると、あり得ない事が今まさに目の前で起こっている!
誰も、現実とは思っていない。これだけ苦労してきたので、これが夢だ、とは思わないが、それにしても希薄なリアリティ。こんなカタルシスが、あってもいいのか!?アワレみ隊ネタ企画系ツアーにおいても、ハッピーエンドがあって良かったんだ!
アワレみカーに戻る。サイコロを振ればゴールではない。最後、東京23区に入らないといけない。車は、最終目的地点へと転がり始めた。
おかでん「いやー、最後ゴールインに向かっていくわけですが。いやー。今、ICレコーダーを回していますので。まだ総括するにはちょっと早いかもしれないけど。いやー。このまま先に行けば世田谷区・・・あ、その前に三鷹市が入るのか(後注:実際には三鷹市は通りません)。あぁー。ははははは。いやー。」
さっきからずっと「いやー」と言ってばかりだ。感慨にふけっぱなしで、頭がぽーっとしている状態。
しぶちょお「いやぁ、本当にねぇ」
しぶちょおも、意味不明な事を言ったまま、陶酔している。
ひび「ははははは」
横には、やっぱり意味不明で笑っている人もいる。
おかでん「ははははは。ストレートで。はっはっはっはっは」
ひび「一体どこで道から逸れるかとドキドキしてたんですけど、最後まで逸れませんでしたねえ」
おかでん「狙い澄ましたかのように、ずばっと進んだもんな。午前中の混乱ぶりがうそのようだ」
ひび「どこからこうなったのかな?・・・塩尻?」
おかでん「もっと言えば、麻績インターじゃないか?あそこから、途中高速を降りたり、中部横断道に迷い込んだりしたけど、でも小規模な修正であとはずっと真っ直ぐだったからな」
ひび「凄い!」
しぶちょお「調布インター通過するよ?ここで、『実はインター入り口は偶数方面でした』ってなってたら大変だけどな」
おかでん「おい!怖い事を言うなよ、今こうして余韻に浸っているのに。大丈夫だよな?」
しぶちょお「大丈夫だ。インターに入るのは左折、奇数方面だ」
おかでん「良かったぁ。ああ・・・最後の分岐点を、ただいま通過しました。あぁ・・・いやぁ・・・」
またぽーっとしてしまい、黙ってしまう。
おかでん「後は真っ直ぐ行くだけ。もう、分岐は無いよ?ピストンも、サーキットもないよ?真っ正面に、ゴールがあるだけだよ。でも、この目で『世田谷区』っていう看板を見ないと、まだ信じないよこの状況は。何があるかわからないからね」
しぶちょお「事故で通行止になってた、とかだったら、Uターンもあり得るからな」
おかでん「うわ、それはがっかりだなあ。がっかりすぎる」
19時15分。ついにわれわれは東京23区の一つ、世田谷区に足を踏み入れた。車で通過したのではない、この二本足で・・・三人で、6本の足で、しっかりと東京の大地を踏みしめている。
奇跡は、ある。
何百分の一の確率の中を、ひた走ってきたわれわれは、今、こうしてゴール地点に立っている。
サイコロ1。冬季通行止の国道のため、立ち往生してリタイア。
サイコロ2。2日とも、愛知県から出ることができず、熱田神宮からスタートしたにも関わらず熱田神宮に引きずり戻された。ピストンとサーキットの連発で、参加者全員精神的に参ってしまった。
そして、サイコロ3。紆余曲折があったものの、今、こうしてゴール地点にいる。出発地点の長野県庁から数百キロも離れた、この東京の地に。
アワレみ隊国道走破サイコロの旅3。
19時20分、世田谷最果ての地、給田4丁目14番地の標識の前で記念撮影し、その企画を終えた。
ありがとう、サイコロ。そして、ありがとう、こんな馬鹿企画に参加した良き仲間たち。
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