アワレみ隊奥のマゾ道

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[05/04 AM13:14 No.041 道の駅 いかりがせき(津軽「関の庄」) 累積走行距離1519.5km]

青森県一番目の道の駅は、「いかりがせき」だ。先ほどの「やたて峠」から8kmしか離れていない、非常に至近距離の道の駅だ。おかげで、10分足らずで移動完了。他の道の駅もこれくらい近いとありがたいんだけどねえ・・・と思わずぼやいてしまうが、逆にこれほどまでに近いと車に乗ったり・降りたりでせわしなくてイヤだ。

いかりがせき

この道の駅は広くて立派な施設だった。何しろ、写真のようにでかい門までできている。そういえば、「かづの」にしてもそうだが、この辺りはゴージャスに作るのが好きな土地柄なのだろうか。

門の脇で記念撮影

スタンプを無事ゲットし、門の脇で記念撮影。

碇ヶ関の古来からの歴史と文化を味わって貰うために、建物は庄屋屋敷風に造ってあるんだとか。

とんでもない大庄屋だ。どれだけ農家を搾取すればこんなでかい建物が建築できるというのか。

いいや、だから庄屋屋敷「風」なんだけど。

またぎソーセージ

歴史と文化を味わうのはちょっと時間が足りなくて難しかった。が・・・

ばたばたばた

風にたなびく赤いのぼり。そこには「またぎソーセージ」と染め抜かれた文字いが。

またぎソーセージ?非常に惹かれる。

歴史と文化を味わう替わりに、碇ヶ関の味覚を堪能することに決めた。

二人そろってまたぎソーセージ

「あれ、しぶちょおも?」

気が付いたら二人とも同じ事を考えていたようで、二人そろってまたぎソーセージを購入していた。

中に何が入っているのかは確認しそびれたが、恐らく猪肉あたりが入っているんじゃないか。非常においしゅうございました。

今日は、「ひない」で秋田の味覚を満喫し、そして今ここで青森の味覚を満喫だ。

・・・「またぎソーセージ」が青森を代表する味覚とは思えないが、まあいいか。そもそも「またぎ」って青森じゃなくて秋田じゃなかったっけ?まあいいや。

何度も「まあいいや」を繰り返しながら、うまいうまいと食べた。

[05/04 PM13:41 No.042 道の駅 ひろさき(サンフェスタ石川) 累積走行距離1531.9km]

車は北上を続ける。次は「ひろさき」。「いかりがせき」のゴージャスさがない、比較的堅実な道の駅。道の駅というかドライブインといった風情だ。

ひろさき

でも本来、道の駅ってこんな感じなんだよな。

道路情報表示ディスプレイの前で撮影

手頃に記念撮影する場所がなかったので、道路情報表示ディスプレイの前で撮影。とりあえず「道の駅ひろさき」という字があるので良しとしよう。

 がんばっ亭

「手作りおかずとおやきの店 がんばっ亭」というお店を発見。

「見ろ、われわれの事を応援してくれているぞ」

「ありがたいねぇ」

「でも、何かフザケているような印象も受けるわけだが」

「気にするな!気にしだすときりがないぞ!好意だけありがたく受け取っておこうじゃないか」

青森湾

東北自動車道の終点目指して北上を続けているうちに、正面に海が見えてきた。

青森湾だ。

いよいよ、遠いところに来てしまったなあ、という感慨ひとしおでハンドルを握る。

先ほどから、「酸ヶ湯温泉に行くことになってしまったわれわれは今後どういうルートを取るべきか」と地図とにらめっこしていたしぶちょおが、海を見て一つのひらめきがあった。

「海をフェリーで渡る、という手もあるな」

「フェリー?」

「津軽半島の先端に道の駅が4つあって、下北半島も先端に道の駅があるんだよ。本来だったら、陸奥湾をぐるっと回り込んでいかないといけないんだけど、これだと半日コース、へたすると1日コースだ。でも、平舘海峡を横断するかたちで、津軽半島と下北半島を横断するフェリーがどうやらあるみたいなんだな」

「おお、というとどういう事になる?」

「フェリー使わないで移動したら、恐らく明日は大移動になるんだよな。まず、『24.ふかうら』に行かなくちゃいけないし、津軽半島をぐるっと回って、青森市街を通過して、下北半島に。うーん、下北半島に到着するのがやっと、だろうな。それが、フェリーを使えば確実に数時間は時間短縮が図れるはずだ」

「いいじゃん。もうフェリー使うしかないな。酸ヶ湯で遅れた分、フェリーで取り返さないと」

「ただし、フェリーの時刻がわからんのよ。いつ出航するかによって、この案が採用されるかどうかは変わってくるんだけど」

「それは重要だな、フェリー乗れるか乗れないかだと天国と地獄だ」

青森にやってまいりました

下道に降りて、青森湾沿いに進む。別に普通の海なのだが、「青森の海」という認識でいると、すごく旅情を感じてしまうのはなぜだろう。「なんだか、最果ての地にきちゃった」感ありありで、湾内の穏やかな波も「ざっぱーん、ざっぱーん」と荒波のような印象を受けてしまう。非常にステレオタイプだ。

湾岸の道を走る

久しぶりに、1時間以上に及ぶノンストップドライブが続いたので車の中はややダレ気味。車中では、「東北地方における混浴文化の今後と育成方針について」というしょーもない議論がかわされていた。東北新幹線ができたことによって、確実に東北の混浴文化は廃れつつあるという。これは非常に残念な事だ。そこで、われわれ二人は「東北混浴文化を絶やさぬよう、混浴風呂に接した場合はできる限りさりげなく接しよう。異性を好奇の目で見るようなマネだけは絶対にすまい」ということで意見が一致した。

おっと、正面にちょっとした繁華街が見える。どうやら浅虫温泉に到着したらしい。

[05/04 PM14:48 No.043 道の駅 浅虫温泉(ゆ~さ浅虫) 累積走行距離1591.4km]

なんやかんやで1時間ちょっとの行程で、浅虫温泉到着。非常に効率の悪いルート選定となったが、それもこれも「フェリーに乗れたらラッキーだよな期待感」と「酸ヶ湯温泉に定時に到着しようシフト」の賜物だ。

道の駅 浅虫温泉

ここの道の駅も結構でかい。ただし、敷地面積は狭いようで、道の駅の建物が国道4号線に面していた。駐車場は裏手。なかなか珍しい構成だ。

記念撮影

記念撮影。

記念撮影

もうそろそろ15時。あまりゆっくりはしてられない、いろいろ売店があったのだが、素通りしてスタンプだけ押して退却。

さて帰ろうか、としたところでしぶちょおが「ちょっと待って」と呼び止めた。「ちょっと駅に行って来る」という。この道の駅浅虫温泉は、JRの駅がすぐそばにある位置関係だ。でも、何を今更JRの駅に?

時刻表

しぶちょおは、時刻表が目当てだった。

「あー、フェリーの時間か」

「そう、いまのうちに調べておかなくちゃ。この結果次第で明日どうなるか決まってしまうから」

ぺらぺらと時刻表をめくる。

頭を抱えるしぶちょお

「だー」

「どうしたしぶちょお」

「あかん。駄目だ。1日2便しかない。しかも、9時20分発と13時50分発だ」

津軽半島の蟹田と下北半島の脇野沢を結ぶ下北汽船フェリー「かもしか」は、1時間で平舘海峡を横断する非常に便利が良い航路だった。しかし、1日2便はさすがにきつい。

明日は、弘前平野界隈の道の駅を1つもしくは2つ制圧した後、「24.ふかうら」まで遠征し、「11.十三湖高原」>「20.こどまり」>「19.みんまや」>「12.いまべつ」と進んでいき、フェリー乗り場がある蟹田に到着しなければならない。地図を見る限り、6時間~7時間くらいはかかりそうなコースだ。

これが、道の駅野宿だったら早朝出発にしてどうにでも対処は可能だ。しかし、よりによって今晩は酸ヶ湯温泉泊。今日、思い切って深夜まで使って先に進むわけにはいかないし、明日だってそんなに朝早く宿をチェックアウトするわけにはいくまい。

「やっぱり、宿で朝ご飯食べたいよな」

「うん、それはぜひ食べたい。温泉宿の朝食はぜひ食べたい」

二人の意見は一致している。ということは、出発できるのは朝8時、もしくは9時近くになるわけだ。

「駄目じゃん。13時50分に間に合わない」

間に合わないとなると、馬鹿正直に湾沿いにひた走るしかない。明日の今頃、この道の駅の前の国道4号線を走り抜けている可能性、大。うわ、すげぇ不毛。

「・・・でも、仕方がないよな」

「うん、仕方がない。酸ヶ湯温泉を中途半端に満喫するのは惜しいもんな」

道の駅制圧に対してモチベーションが高い二人だったが、酸ヶ湯温泉の前においては、酸ヶ湯最優先なのであった。フェリーに間に合わなかったら、はいそれまでよ。まあ、ショートカットなんて都合のいいことは諦めて、大人しく下道を走りなさいってこった。

「それにしても、そろそろ日程的にヤバくなってきたな。岩手県、26カ所も道の駅がある。この調子でいくと・・・日程内ではクリアできないだろ」

「酸ヶ湯温泉、ミスったか?」

「あり得る。ひじょーにあり得る。よりによって、道の駅ルートから逸れたところにある宿だし」

「でも、酸ヶ湯温泉のために企画未達成だったら、なんか許せるかもしれん」

「さあ、どうかな。103カ所まで行って、あと3カ所!って時にタイムオーバーになった日にゃ、悔しくて酸ヶ湯に泊まった選択を恨むと思う」

[05/04 PM15:44 No.044 道の駅 なみおか(アップルヒル) 累積走行距離1631.3km]

時間がそろそろやばくなってきたので、この後は「10.なみおか」>「17.いなかだて」>「3.虹の湖」と行脚して、酸ヶ湯温泉に向かうことにした。

なみおか

浅虫温泉から高速道路で折り返し、浪岡インターから下道に入り道の駅なみおかへ。ここでも1時間近くかかった。この程度の距離で1時間となると、明日の津軽半島ぐるり一周は一体何時間要するんだ・・・と、憂鬱になる。

敷地が長い

道の駅なみおかは、施設がずらりと並んでいて「スタンプを最短で探す」人泣かせだった。一体どこにスタンプがあるんだ。

アップルヒル第二駐車場→

しかも、「道の駅なみおか」と書かれた手頃な看板が見あたらなかったので、記念撮影場所にも苦慮。

しょうがないので、「アップルヒル第二駐車場→」と書かれた案内掲示の前で撮影をした。

[05/04 PM16:18 No.045 道の駅 いなかだて(弥生の里) 累積走行距離1648.8km]

ショートカットしようとして、市街地の狭い道を走ってみたりしたが微妙に作戦失敗に終わりつつ、徒労感漂いつつの中でいなかだてに到着。

道の駅 いなかだ

ここは、弥生時代の水田跡、しかも北限の水田跡が発掘された「垂柳遺跡」の博物館が併設されている、らしい。

「らしい」・・・。

ラリーストの悲しいところだ。道の駅は、単なるSS(スペシャルステージ)の中継点に過ぎない。

記念撮影

記念撮影をする。

確かに、案内板の地図を見ると「弥生の広場」といった施設もある。

しかし、ここの特徴は、「テレトラックつがる」という岩手競馬の場外馬券売り場が併設されていることだろう。非常に広大な駐車場・・・道の駅の数倍もある・・・が用意されていた。

[05/04 PM16:43 No.046 道の駅 虹の湖(虹の湖公園) 累積走行距離1659.0km]

まだ午後5時前だが、本日最後の道の駅となる。虹の湖。「にじのみずうみ」と呼ぶのかと思っていたが、どうやら「にじのこ」が正解らしい。

道の駅 虹の湖

霧が出始めていて、客足が少ない事もあってやや神秘的なおももちの道の駅だった。

ありがたいことに、入り口のところにでっかくお手製の「道の駅スタンプ所」と張り紙がしてあった。これならば、どこの建物に行けばスタンプが置いてあるのか、一発でわかる。

本当は、この虹の湖は明日でもいいんじゃネーノ、という話が車中で行われていた。この地に立ち寄ったことで、既に「17時までに酸ヶ湯到着」は達成できなくなっていたからだ。しかし、明日のフェリーに一縷の望みを託すためにも、この道の駅は落とせなかった。「しゃーねーなー」とぼやきながら、訪れることになった。

記念撮影

記念撮影。本日制圧の道の駅は14カ所。過去二日間の行程と比べるとやや物足りないが、日没前の段階でここまで進めたというのは非常に上出来と言えるだろう。しかし、「1日平均15カ所回って、ようやく7日間で105カ所。これでも106カ所巡りには僅かに足りない」という状況であることを考えれば、14カ所しか回れていない現状というのは非常に今後に影響を及ぼしそうだ。

今のところ3日間で46カ所なので、1日平均15.3カ所を回っている事になる。かろうじて、106カ所をクリアできるペースといえる。

明日は、大移動の日だ。道の駅数はそれほど増やせないはずであり、平均値を落としてしまいそうな予感がする。この企画、非常に、厳しくなってきた。

酸ヶ湯温泉に向かう

まあ、こむつかしい事を考えるのは明日でも良かろう。とりあえず温泉に浸かろうじゃないか。

温泉好きなら、一度は行ってみたいと思う温泉地の一つ、酸ヶ湯温泉。千人風呂が有名なところだ。さて、ミッションオールクリアだから早く現地に向かおう。

道は、ガスで覆われてきた。視界がずいぶんと悪い。

雪が道路脇にみっちり

酸ヶ湯の手前にくると、雪が道路脇にみっちりと残っていた。まだここは5月といえども、早春の気配だ。

酸ヶ湯温泉

ガスのため視界のすべてがぼんやりとしている中、大きな建物が見えてきた。

酸ヶ湯温泉、到着。

建物の前に、大きな駐車場があるのでドライブインのようにも見える。高さは無いが、横幅と奥行きがありそうな建物だ。今日一日は、この温泉のためにあったと言っても過言ではない。

酸ヶ湯温泉玄関

車を降りると、辺り一面を覆い尽くす硫化水素の香り。

「おおおう」

「ぬーぅ」

二人とも、思わず意味のない声をあげる。温泉地にキターというヨロコビが声になると、どうしてもうなり声に近くなってしまうものらしい。

入り口は、防寒のためだろう、建物の大きさの割には小さめの扉となっていた。その上には、年期が入った「酸ヶ湯」という木の看板が出ていた。

古い看板なので、思わず右から左に読んでしまい「湯・・・ヶ・・・酸?何だ?」と思ってしまったのは内緒だ。

酸ヶ湯温泉フロント

チェックインをする。

酸ヶ湯温泉ってもっと鄙びたところかと思っていたのだが、意表をつかれた。非常に大きなフロントがある。まあ、確かにあの建物の規模だと当然これくらいのサイズにはなるし、そもそも「千人風呂」と呼ばれるくらいの大きな風呂があるくらいだ、収容人数が大きいということくらいは想像がつくはずだったのだが。

フロント前のロビー

フロント前のロビーだけでもこれだけの広さがある。バスケットボールのコート1面は余裕でとれる広さ。

ロビー内には、日帰り入浴の「よそ行きの服」を着た人と、宿泊客の浴衣姿が混在してあっち行ったりこっち行ったりしていた。

スーツ姿のフロントマンが部屋に案内してくれた

スーツ姿のフロントマンが、「お部屋までご案内いたします」と言って誘導してくれた。増改築が繰り返し行われた事がありありな建物の中を歩く。とても長い廊下だ。

「ほー」「へー」

二人そろって、通り過ぎていく光景に早くも興奮気味だ。後でじっくりと観察しないと。

やはり、歴史のある宿は宿の中に「見どころ」がたくさんあって良い。

2食付きで9,000円の部屋

「こちらです」と通された部屋に一歩踏み込んでみる。おや、湯治棟になるという話だったので、よっぽど古びた建物で狭い部屋かと思っていたのだが、案外そうでもないぞ。6畳で、バストイレ別。案外やるじゃん。

確か、これで宿代は2食付きで9,000円ちょっとだったはずだ。思いっきり我慢を強いられるかと思っていたので、これは予想外。

ガスコンロが据え付け

あ、なるほど、さすが湯治を前提にしているだけあって、ガスコンロが据え付けてあった。冷蔵庫が妙なところにあるが、ここ以外に場所がないから仕方がない。本来、普通の宿だったらこの窓側には洗面台があったり椅子と机があるが、この部屋の場合はコンロと、冷蔵庫と、クローゼット。さすがにこういうところで場所の効率化を図っているということか。

部屋

暖房がついていた。もう5月だというのに、この地ではまだ冬だ。昨日までは半袖姿だったおかでんだが、さすがに今日はフリースを着用している。

二人して室内の写真を撮りまくる

早速、二人して室内の写真を撮りまくる。

アワレみ隊の場合、「宿の部屋に入った直後」「食事の前」は必ず写真撮影タイムとなる。この文化を知らない人は「何やってんの」と呆れるが、もう古くから染みついた風習なので、やめられない。

本来ここは湯治で長逗留する人向けの部屋なわけだが、ご時世だからだろう、旅館として泊まりたい人が多いから、結果的に湯治部屋が旅館部屋として使われているらしい。ゴールデンウィークの最中だというのに部屋が確保できたのは、たまたま偶然なのか、それともいつでも空いているのかは不明だ。

窓の外

冷蔵庫の隙間に体を押し込んで、窓の外を眺めてみる。

・・・特に庭があるわけでもなんでもなかった。石垣が見えるだけだった。これ、窓の外を歩けば各部屋の中が丸見えだぞ。

6号館廊下

湯治の人気が無いのかと思ったが、この「6号館」と呼ばれているブロックは湯治客向け用の施設として新設されているようだ。まだ施設が全て新しい。あまりに古くなったので立て替えたのかもしれない。

まだぴかぴかだ。

トイレ

お手洗いもこんな感じ。水回りは古くなるとすぐに痛みが目立つところだが、全然問題なし。非常にきれいだ。

自炊施設

自炊施設もほらこんな感じ。「湯治=古くさい施設」という印象が非常に強かったので、これは新鮮な光景だ。乾燥機付きの洗濯機まで用意されている。

流しが用意されている

こちらには流しが用意されている。

そういえば、各部屋にコンロはあるようだが、わざわざここにもコンロがあるのはなぜだろうか。部屋によってはコンロ無しの部屋があるのかもしれない。

戦利品

湯治棟の奥に進んでみると、おおー、各部屋の入り口には「戦利品」がたくさん並べてあった。お酒、お茶、野菜、その他いろいろ。廊下が物置場になってしまっているのは、恐らく廊下の方が冷たいので自然の冷蔵庫になるからだろう。それとも、部屋がものすごく狭いからだろうか?

まあ、いずれにせよダイコン泥棒など発生しないのどかな場所なのだろう。

「今朝、ウチのダイコン盗まれたんだけど、よく見たら隣の部屋の奴のおみそ汁ン中にダイコンはいってるのよ、あれってウチのダイコンじゃねーのかって気になって」

なんて事はないか。湯治ってことは長逗留になるわけで、「お隣さんとのお付き合い」も大事だろうし。

立派なお土産屋

フロント脇には、立派なお土産屋があった。小さなサービスエリアの売店くらいの広さはある。これもちょっと意外。でも、ここは一軒宿なので、お土産屋があるとありがたいのは事実。青森産にんにくを使った煎餅をお土産に購入。

名物千人風呂の入り口

ロビー奥が、名物千人風呂の入り口となっていた。この宿には、「千人風呂」の他にもう一つ「玉の湯」という二種類のお風呂がある。千人風呂の方は、混浴。決して、「男子風呂で千人、女子風呂で千人、あわせて二千人風呂」というわけではない。

のれんが「酒」の字に見えるので、おかしいなあ、いくらなんでも酒って事はないよなあとしばらくにらめっこしていて、ようやく気が付いた。あっ、「湯」って書いてあるんだ。

ねぶたさん

ふと横を見ると、ご存知ねぶたさんがギロリとこちらを睨んでいた。いや、僕らお風呂に入りに来ただけですから。そんなに警戒しなくっても。

「泣く子はいねかぁ」

「いや、それはなまはげだろ」

「あれ、そうだったか」

千人風呂入り口

銭湯の番台みたいな部屋が、男性入り口と女性入り口の中間にあった。日帰り入浴の人は、ここで入浴券を提出して中に入ることになる。

ちなみに、脱衣場は別々だが、浴室は一体型だ。ただ、体育館のように広い浴室の半分くらいまでは、衝立が立てられており、男性女性が仕切られている。聞くところによると、年々この衝立は長さが伸びているらしい。さすがに、女性側が混浴を許容しづらい環境になってきたということか。

ということもあって、「朝8時~9時」「夜9時~10時」は女性専用タイムに設定されていた。この時間は男性の入浴は不可。恥ずかしい女性は、この時間に千人風呂に入るが吉。

東北にて。

当然お風呂の中までデジカメを持ち込むわけにはいかない。ましてや混浴だし。

というわけで、廊下に張ってあったポスターでご容赦。

これでは雰囲気が伝わらないか。

千人風呂ポスター

ではこっちのポスターで。これも良くわからないか。

酸ヶ湯温泉のオフィシャルサイトで、千人風呂の構図が表示されていたので、そちらを確認するとわかりやすいと思われる。

上記サイトの写真は、ちょうど男性更衣室から浴室に一歩足を踏み入れたところにある階段から撮影したもの。正面に熱の湯があって、一番奥に打たせ湯である湯滝が見える。

んで、中に入って面食らったのが、正面の湯滝で女性があぐらかいてお湯を浴びているではないか。もちろん全裸なわけだが、肌のつやからして若い女性っぽい。のっけから動揺してしまった。こ、これが東北の混浴風呂って奴ですか先生!

「若い女性っぽい」と表現が曖昧なのは、「直視しちゃいかん」と敢えて目をそらしたため、あまり人物評価ができなかった為だ。見てみたいけど、見ちゃ駄目。このアンビバレンツな心境が混浴風呂の醍醐味(だいごみ)なのか。「そんなの関係ないよ、自然体で構えているのが一番いやらしくなくて正解」と地元の人から言われそうだが、まだまだ若輩者、自然体では対応できませぬ。

混浴=オバチャンたくさん という印象だったのだが、決してそうではないのだな。それにしても、堂々と胸をさらけ出す形で、平然としていたのは素晴らしいことだ。

ちょうど夕食前の時間で、一番お風呂が混む時間帯だった。そのため、女性も何人か千人風呂にやってきていた。へぇー、いいねえこういう雰囲気も、と「異国情緒」に感心することしきり。

実際のところは湯煙がものすごく、あまり遠くまでは見渡せないくらいの視界だった。また、夕暮れ時ということもあって室内は薄暗い。お湯が乳白色であることもあって、女性にとって激しくハードルが高い混浴ではなさそうだ。ただし、いくら衝立があるとはいっても、肝心の湯船は間仕切りなしだし、熱の湯に浸かろうとすると完全に男性ゾーンに侵入しなければならないしで、その点で抵抗感は感じるだろう。

風呂上がり、しぶちょおがニヤニヤしながら言う。

「いやー、やっぱり混浴風呂ってのは女性の方向いてちゃ駄目ね。逆に、女性に背中を向けないと。男達が、みんな一斉に女性の行く方向に首をふるのが見られてとても楽しかった。まるで首振り扇風機のように、同時に首が動くんだよ」

なるほど、そういう楽しみ方もあったか。

ちなみにおかでんはこの千人風呂にはメガネをかけて入ったが、これは決して「女性を眺めよう」というつもりではない。視力が悪いので、露天風呂などの広いお風呂はメガネなしでは足下が危ないからだ。ましてや今回は湯煙でますます視力が奪われる。しかし、そうはいっても神様は「お前、下心出すんじゃないぞ」と勘違いしたらしく、天誅を下してきた。・・・メガネフレームの塗料が一部、溶けた。強酸性のお風呂なので、お湯がフレームに付着すると塗料がとけてしまうらしい。そういえば、湯を飲んでみたが「うえー」と声を挙げてしまうくらい酸っぱかったっけ。

夕食

夕食だー。19時過ぎに夕ご飯を頂くなんて、なんだか信じられない。

いや、目の前に料理があるんだから、信じろ。

そうなんだけどね、まだ体がゴトゴト揺れているような気がしてならんのですよ、これが。3日間ものあいだ、ずっと車の中にいて、しかも寝る場所といったらテントか健康ランドの仮眠施設。車から降りて、畳の上でくつろいでもまだ「微妙に揺れている感じ」が体を覆い尽くす。

そんな中で、あきらかにこれまでとは毛色が違う、「いかにも温泉旅館の料理」が目の前に並んじゃうと・・・どきどきしてしまう。うわあ、ぜいたくだなあ、って。

今回は貧乏企画をやっているようだが、実は結構お金がかかっている企画だ。酸ヶ湯温泉に泊したからではなく、それ以外でもガソリン代や高速道路代が馬鹿にならない。参加人数が多ければ割り勘金額が減るのだが、2名だとダイレクトに負担がくる。

いや、銭勘定の話はやめよう。せっかくの料理がおいしくなくなる。

箸袋

箸袋。

夕食おかでん

縦書きのものと、横書きのものがある。「ひば御箸」とかいてある。

夕食しぶちょお

夕食を頂くひとたち。周りのテーブルが空いているのは、お客さんがいなくてガラガラというわけではなく、みんなさっさと夕食を食べてしまったからだ。われわれは、「21時までに夕食を食べおわればいいんだよね」ということで、ギリギリまでお風呂に入ってから食堂に向かったため、ほぼ一番最後になってしまった。

それに加えて、おかでんはビールを飲むので、余計に時間がかかる。

すっかり日が暮れていた

食後、窓の外を見たらもうすっかり日が暮れていた。

ぼんやりと、各部屋の灯りがともる。こんな光景を窓際で眺めるという事自体、ぜいたくな時間の過ごし方だ。

・・・ま、とはいっても明日からまた過酷な旅に戻るわけだけどな。今日は3日目、中日ということで「今まで頑張ってきたご褒美」ということだ。

酸ヶ湯温泉探検

古い温泉旅館は大抵増改築が行われており、作りがいびつであったり強引な導線構造になっているものだ。だから探検しがいがある。食後、われわれは酸ヶ湯温泉探検に出かけた。

まさに「探検」という言葉がふさわしいくらい、建物の作りが面白かった。近代的なホテルのように画一的な作りではなく、行く先々で微妙に作りが違っている。

たとえばこのフロアは、ふすまを開けたら即部屋になっているのだろう、廊下にスリッパが並べられていた。

格子の引き戸

こちらの部屋は、格子の引き戸がある。ちょっと高級な部屋なのだろう。廊下を、仲居さんが下膳したお皿を満載したカートを引っぱっていた。この界隈は部屋食になっている模様。

玉の湯

千人風呂の他にもう一つある、「玉の湯」に向かう。こちらは、階段を上った二階に位置する。24時間男女別のお風呂。

硫黄泉のため金属が黒く腐蝕しま

玉の湯入り口脇にあった流し。

「硫黄泉のため金属が黒く腐蝕します」と注意書きプレートが貼ってあった。

確かに、蛇口周りが真っ黒だ。わざわざこういうプレートを用意しているということは、「蛇口が黒い=掃除が行き届いていない」というクレームが過去にあったのかもしれない。いやそんなこと無いんですよお客さん、こりゃもう仕方がないんですから、という事を主張したいと思われる。

シュシュポッポ

玉の湯で一風呂浴びたのち、さらに探検は続く。

1階の通路奥に、「シュシュポッポ」というカラオケスナックがあった。何の変哲もない扉の奥は、中の様子は伺いしれない。

店名の下に営業時間の記述があった。

ダンスタイム 9時~16時
カラオケタイム 19時~23時

なるほど、どうやらお年寄り向けのお店らしい。「ダンスタイム」があるというのがなかなか味わい深い。しかも、9時から16時という真っ昼間の時間帯もやっているというのが、ちょっと変わっている。長期滞在の湯治客向け、ということなのだろう。

怖いもの見たさに中を覗いてみたかったが、お金を払ったうえに人生の先輩方の歌声を拝聴するのはちょっと有り難くなかったので、謹んで辞退。

部屋に戻って、旅館利用案内を読んでいたらこのお店に関する記述があった。カラオケ一曲200円、お酒(本醸造)550円・・・といった記述の中に、「かけそば470円」「玉子60円」という食べ物の記述があって、何だか不思議だった。

じょうずなお湯との、つきあい方。

壁に貼ってあった「じょうずなお湯との、つきあい方。」と書かれた10箇条。

(1)お湯が体に合うと解ったら、三まわり10日間が望ましい。(もっともけんちょに効果が表れます。)

(2)顔からの発汗促進のため、入浴前に茶、さ湯、水などをコップいっぱい程度飲んでおくこと。(汗をかくことで体内の水分と温泉成分とが入れ替わってしまうため…と云われている。ですから入浴前に顔を洗うのは、損になります。)

(3)湯治中は顔にも体にもセッケンは使わない。(せっかく体にしみつつある温泉成分を洗い流すことになってしまう。帰宅後も泉効を保つために一両日は入浴を避けること。)

(4)湯治中は化粧は、しない。((2)と同じ理由です。)

(5)入浴中は浴槽から出て、ひとやすみあんどはしない。(続湯が苦痛になったら、腰湯、立湯、足湯、あるいは手湯、とにかく体の一部をお湯に入れる。)

(6)入浴は食事後、一時間~二時間後に。(てき度な間隔をおいて、入浴回数を決める。過浴は薬の飲み過ぎと同じです。)

(7)入浴後は、す早く部屋に帰り一時間程フトンで休むこと。(その間に温泉の体を治す霊力が大活躍する。温泉療養者が宿では万年床したままなのもこのためである。)

(8)飲み湯は量、回数に注意すること。(酸ヶ湯ではオチョコいっぱい、一日二回おすすめしていますが不安な方は、医師と相談して飲むこと。)

(9)関節炎患者は浴後の道中に発汗状態の患部が外気にふれ患部を冷やさないよう注意のこと。

(10)湯もどしは一週間~二週間ぐらい後か、あまり間をおかない方が良い。

へぇー、と感心させられる。「温泉の体を治す霊力」とか、ちょっと胡散くさい内容もあるが概ね納得だ。さすがに、長年湯治客を受け入れてきているので、経験則が体系化されているということなのだろう。

若返り10則

こちらは、「若返り10則」というのがあった。どうもこの温泉は10箇条で並べるのが好きらしい。さすがに「10代に若返り」ではなかった。

1.バランスの取れた食事。
2.体内をきれいに、毎日の排便、深呼吸。
3.十分な休養。
4.レクリエーションと運動。
5.ユーモアのセンス。(自然と笑顔になります。)
6.怒り、憎しみ、嫉妬を押さえる。
7.交友、若い仲間ともつき合う。
8.仕事を楽しく、家事も、もちろんです。
9.社会的活動、町会役員、婦人部活動など。
10.ひらかれた心。

後半ネタ切れでちょっと苦しくなった気がしなくもないが、まあごもっともな内容だ。「温泉に浸かろう」という記述は若返りの対象には入っていないのだな。

八甲田山の紅葉

秋になると、温泉裏手の八甲田山が色とりどりに紅葉するらしい。

この季節に訪れると、相当楽しめそうだ。八甲田山をトレッキングして、紅葉を楽しんで、吹き抜ける秋風を満喫して、下山して酸ヶ湯温泉で汗を流して、ビールを飲む。

最後のビールは余計?馬鹿いっちゃいけない、これが一番重要だ。

うろうろ探検を続ける

まだうろうろ探検を続ける。右を見たり、左をみたり、とにかくせわしない。見どころ満点だ。廊下を歩いているだけで、飽きさせない。

温泉療養相談室

「温泉療養相談室」という看板が掲げられた部屋があった。へぇ、さすがは巨大湯治場だけある、こういうサービスもやっているのか。

「温泉のせいでメガネフレームの塗装が剥げちゃったんですけど、どうすれば直りますか?」と聞きたかったが、営業をしていなかったので断念。大体、そんな質問してどんな解答を期待するのだ、お前は。

ガラス戸には、

「湯かぶれ ・湿疹 ・かゆみ ・発赤 軟膏ございます」

なんて書いてある。

フィットネスクラブに「パーソナルトレーナー」がいるように、この相談室も「最近、思ったように温泉の効果が出なくって・・・どうすればより一層温泉の効能を引き出せますかね?」といった相談をする人がやってくるのだろう。

売店

湯治部がある宿なので、当然日常品を売る売店もあった。興味深かったが、さすがに夜9時にもなれば営業はしていなかった。おっと、営業時間を見ると午後5時までだぞ。相当早い店じまいだ。さすがは湯治客相手。旅館部利用の人にとっては午後5時といえばチェックインしている最中の時間だ。

寝静まる湯治部屋

湯治部屋は既に静かになっていた。もう就寝時間なのだろう。廊下にたくさん並べられている野菜類が、暗闇の中で無言を貫いていた。

うつらうつらしているおかでん

部屋に戻って作戦会議。ビールを飲んで、既に相当うつらうつらしているおかでんであったが、方針を決めないことには寝るわけにもいかない。

当面の目標は、13時50分蟹田発の下北汽船脇野沢行きに乗ることになる。幸い、宿の朝食は朝7時からということなので、朝7時半には出発をしたいところだ。そのためにも、朝食を食べに行く前には身繕いと荷造りを完了させておく事を決定した。となると、朝起きてお風呂入って、着替えて髭剃って、ええと、6時起きだな。

7時30分に出発することができれば、蟹田まで6時間20分の時間がある。相当厳しいが、頑張るしかあるまい。

「今晩のうちに、道の駅を1つくらい攻略しに外出するか?」という話も出たのだが、往復が相当面倒くさいのとその1つを完了させたところで大した時間短縮にはならない感じだったので没となった。

もし、13時50分までに蟹田に行くことができれば、明日は八戸界隈まで進出することができる。そうすれば、明後日はスムーズに岩手県入りだ。逆に、所定時刻までに蟹田入りに失敗すれば、明日はせいぜい下北半島どまりだ。この差は大きい。

明日、この旅最大のタイムレースとなる。心してかからないといけない。・・・ただし、スピードは出し過ぎないように。

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