二日目のドライブ実習は、前日と逆回りでのドライブとなったため、難航した。急な登りがあったり、登りながらのカーブがあったりするコースレイアウトと共に、朝ということもあって路面が凍結している。昨日までは上手く運転できていたところで、車が挙動を乱すことを繰り返した。
そうなるともう、どうにもならんので、カメラ撮影をやっているスタッフさんも含めてえいやえいやと車を押し出すことになる。
今日もカメラさん、われわれの練習風景を撮影していたが、寒い中木立の中でカメラを構えていて大変そうだった。
途中、運転を一時中断して、牽引の方法について学ぶ。
牽引用ワイヤーのくくりつけ方、くくりつける場所、前の車と後ろの車の連携の取り方などを学ぶ。
・・・すまん、今となっては全部忘れた。
「はーい、見ていてくださいねー」と先生がやるだけじゃなくて、全員が一人一人ちゃんとワイヤー操作をやらせてくれるので良心的だ。人が少ない教室はこれだからい。ありがたい。
車2台しかないわけだし、これで申し込み人数多数だったらと思うとぞっとする。「じゃあ、次のグループ1周回ってきてください。残りのグループはここで待機」なんてことになっていたら、寒くて倒れちゃいそうだ。
前の車で後ろの車を牽引する。あんな細いワイヤーでちゃんと引っ張ることができるもんだと感心。
牽引技術をひととおり習ったところで、あとは時間いっぱいまではドラテクを磨き上げる、ということでコースをぐいぐいと走り回る事になった。
2WDと4WD、交互に乗り換えつつ操作するが、「まあ、事故の心配がない場所だから」という点ではつるんつるん滑る2WDは愉快。とはいっても、坂道登れず立ち往生し、後ろにじりじりと下がり始めたらホンマどうすればいいのかわからなくなるし、これが現実の路面で起きたらと思うと恐怖だ。当たり前の話だが、雪国に住むには4WDは必須。
で、4WDを運転するときは気楽なものだから、ついつい調子に乗ってスピード出しちゃう。タイム測定やってるわけではないのだけど、少々挙動を乱してもぐいぐい前に進んでくれるその駆動力は魅力。
・・・と、やっていたら。
おかでん、直角ターン曲がることができず。そのまま除雪された雪山に突撃してしまった。
一緒に乗っていたしぶちょおともども、大爆笑する。
いやー、全く曲がらなかった。ハンドルを切っても、曲がらなかったんだわ。見事に、吸い込まれるようにまっすぐ突っ込んでしまった。
で、車をバックさせてみたら・・・
「おい、何かが落ちてるぞ。車のパーツじゃねぇか?」
「ああ!?」
何やら、細長いものが落っこちてる。あんなの、さっきまでは落ちてなかったぞ。
車の前部を確認してみた。ちょいとわかりにくいが、どうやらバンパー下部が外れてしまった模様。車破損。わちゃー。
何しろ、これだもの。
わだちを見ると、ブレーキを強く踏んだんだろうなーという形跡はあるものの、とにかくまっすぐ、雪山に向かってつっこんどる。ぴくりとも曲がった形跡がない。
最後の最後になって、雪山の恐ろしさを身をもって体得した雪上ドライビング教室だった。
この後、午後は例のピコラカンパーニャで食事後、「好きな教室を受講して良い」ことになっていた。早々に退却しなければいけなかったばばろあとしぶちょおは残念がりながら昼食後退却していったが、残ったジーニアスとおかでんの2名は、クロスカントリースキーで湖周辺のアニマルトラッキングを楽しんだ。
アニマルトラッキングとは、動物(もっぱら兎とか狐とか)が雪面につけた足跡を追いかけていって、どういう行動をとったのかを観察すること。見失う事がもっぱらだが、中には羽と血まみれの惨殺体となった鳥が転がっていたり、なかなか探偵の気分になって楽しいものだった。「素晴らしい!スピードと爽快さばかりを追求していたノーマルなスキーと違って、これは楽しい!」と大はしゃぎする二人だった。
このクロスカントリースキー、足首部分が板に固定されていないので、ぺこん、ぱこんと音を立てながら前に進むことができる。だから歩くのが楽。そして、雪面部分にギザギザのシールが貼ってあるので、斜面において「あーれー」と後ろに滑っていくことはない。力強く、進行方向にしか勧めない。道なき道を進むには大変に結構なスキー板だ。ただし難点があって、エッジがないため、前に滑り始めたらストップすることができない。きゅっ、と体をひねってストップなんてできないので(上手い人はできるが)、一度滑り始めたら「あーれー、助けてー」といって、倒れて止まるしかない。こういう変なスキーをコントロールするのも、大変に楽しい一時だった。
最後、唯一の客であったわれわれのために、無印のスタッフの人がわざわざ軽井沢駅まで車で送ってくれた。本当にありがとうございます。道中いろいろ話を聞いてみたら、キャンプ場のスタッフの人は、ごく一部を除いて冬のオフシーズン中は、東京池袋の無印良品のオフィスで事務仕事をやっているのだという。で、キャンプシーズンになると各所属のキャンプ場へと散っていく。なかなかに大変な仕事だ。大草原で放牧をやっている人みたいに、季節によって移り住まないといけないわけだから。家族がいるとなかなか気苦労が絶えないっぽい。好きでないとできない仕事だろうな、と尊敬。
なんてことを話しながら、やっぱ無印のキャンプ場はええわあ、と再認識した次第で。今後もこのキャンプ場、いろいろ活用していきたいものだ。
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