小笠原遠征

おが丸、朝の雑踏

07:02

朝7時前、まだ扉が開いていないレストランの前には既に行列ができていた。寝苦しい一晩を過ごし、早起きしてしまった人たちなのだろう。やることもないし、周囲ではまだ寝ている人もいるし、「ま、さっさと朝ご飯にしよう」と判断したに違いない。

同士よ!

さて、朝ご飯だけは昼・夜とメニュー構成は違っている。朝から「おが丸島塩ステーキくらはい」と言ってもそれは無理。昼、夜と違うメニュー構成だし、和食洋食それぞれあることから、「さてどうしよう」と悩む人続出。なかなか列が前に進まない。

焼きたてパン

07:04

昨晩まで麺コーナーだったところには、パンが置かれていた。なんとこのパン、おが丸の中で焼いている「焼きたてパン」。カウンター背後を見ると、冷凍パン生地をオーブンで焼いていた。なるほど、こういう「焼きたて」もあるのだなと感心。

ただおかでんは朝は和食派なので、パンのコーナーは焼きたてに敬意を表しつつも素通り。

焼き魚を中心とした和食

07:09

で、そろえましたるは焼き魚を中心とした和食、ってことで。

鯖の塩焼き、ほうれん草のお浸し、なすの煮浸し、ご飯、みそ汁、納豆。

これで締めて1,100円近かったような記憶がある。たけー。

でも、暖かい鯖をつつきながら、青野菜の小鉢を食べつつ白米を頂く、というのは何ともシアワセな気分になれるもんです。昨晩のピザよりはるかにハッピーな気分。ま、当たり前か。

大変に男らしいメニュー

07:09

割り切りとメリハリの達人であるしぶちょおは大変に男らしいメニュー。

ご飯、冷や奴、ほうれん草のお浸し、茄子の煮浸し。以上。

「あれっ。おみそ汁は?」

「高いからいらん」

あまりに潔くて感動してしまった。

洋食メニュー

07:09

一人だけ洋食メニューを選んだばばろあの朝食。

ロールパン、クロワッサンにベーコンエッグ、そしてヨーグルト。この人ホントにヨーグルト好きだな。

「で、これ、いくらしたん?」

と聞いてみたら、

「えーと・・・あっ、1,000円近くもしとる!」

「えっ、これだけでか!」

まったく、船上レストランはプロレタリアートの物価感覚で物を頼むとびっくりすることだらけだ。カフェテラス方式というのがまたくせ者ですな。最後のお会計の段になって「あっ、やりすぎた!」って事に気づく。

朝の外部デッキで潮風にあたる

07:26

朝の外部デッキで潮風にあたる。シャワーを怠っていると、すぐに髪がごわごわ、肌はべたべたになるので注意だ。

聟島列島(むこじまれっとう。ケータとも呼ぶ)を一番に発見してやるぜ、とメガネなおっさん3人が遠方を凝視している。視力トレーニングやってるような状況。

Aデッキにある軽食コーナーで一息

07:54

まだしばらく島影は見えないということだったので、Aデッキにある軽食コーナーで一息。

せっかく遠路はるばる訪れてきてくれたしぶちょお、ばばろあに感謝の意を込めてコーヒーを御馳走する。

・・・と思ったらばばろあ、「ソフトクリームください」だって。

そこまで甘い物が好きとは思わなかった。ちなみにここのソフトクリームは、ご丁寧に「おが丸ソフトクリーム」と命名されていた。

船首に陣取り、聟島列島を探す

08:12

船首に陣取り、聟島列島を探す。もうそろそろ見えてきても良いはずだ。

撮影する二人

08:14

あ、あれか?

水平線に、なーーーんとなく、うっすーーーーらと何か突起物が見える気がする。

なんとなく島が見える

08:19

しばらくすると、はっきりと見えてきた。島だ!陸地が見えてきたぞ!

といっても、単なる岩礁であり島と呼ぶにはあまりに無理があるのだが。

あまりに遠方だったので、上の写真だとほとんど写っているように見えないが、ちゃんと島は「見えた」。「心の目で見えた」んじゃないぞ、本当に見えたんだぞ。うそじゃないぞ。

父島が迫ってきた

10:17

このあと、グラビアアイドルの写真撮影会のごとく、単なる岩礁群である聟島列島を激写しまくっていたが、興奮のあまりデジカメモードを「白黒」にしてしまった。以降の写真は、なぜか思い出の一枚、みたいなセピア色の写真に。

というわけで途中ばっさり割愛。

父島が迫ってきた頃、イルカの群がおが丸に伴走し、飛び跳ねたり追いかけっこしているのが間近に見えた。すげー、水族館以外でイルカって初めて見た。一同大興奮。

「カメラ、カメラ!」

とデッキにいる人全員大慌てでカメラの用意をするのだが、デジカメ独特のフォーカスの遅さで、フォーカスがあった時点では既にファインダーからはイルカは消えていた。もの凄いスピードだ。

ついに来たぞ、南の島に。イルカも出迎えてくれた。迫ってくる父島は、さすがに小笠原諸島最大の島だけあって、大きい。25時間半・・・はかかっていないが、とにかく1日がかりで、ここまでやってきたというのはとても感慨深い。また、こんなところにも、といっては現地の人に失礼だが、人が住んでいるということにも驚きと感動を覚える。

写真は白黒の三日月山。もうそろそろ入港しまーす。

父島港に入港

10:32

おがさわら丸、24時間半の航海で1,000キロ先の小笠原諸島父島、父島港に入港でござーい。

結局、通常の航行予定時刻よりも1時間前倒しでの到着、ということになったわけだ。よく頑張ったぞ、おが丸。

ははじま丸乗り場

10:32

おがさわら丸乗り場の端に、この後われわれが乗船する予定のははじま丸乗り場があった。明らかに施設が小さい。「すんません、間借りしますよ・・・」ってな雰囲気だ。

ははじま丸出航はこの日は13:30(日によって出航時間が違うので要注意)なので、あと3時間は父島で自由行動できそうだ。ラッキー。

お出迎えの人たち

10:34

島ならではの光景だなあ。

民宿やダイビングショップなど、お出迎えの人たちが看板を持って待ちかまえている。「おかえりなさーい」なんて言って手を振ってるよ。僕たちは今晩は母島宿泊なので彼らとは関係がないが、何だかうれしくなってしまう。

さあ、下船だ

10:36

さあ、下船だ。1日ぶりに地面に足を踏み込むぞ。

下船口には小笠原海運の人が待ちかまえていて、乗船券を回収していた。数がぴったりそろっていればいいのだけど。足りなかったりした日にゃ、大捜索網だ。

出口は二カ所用意されていて、2等客室「以外」の上等客席の人専用の降り口が用意されていた。押し合いへし合いの2等貧乏人たちからは「そっちの出口も使わせろー」ぶーぶーという不満の声が出たが、こればっかりは財力の差だ。諦めるしかない。

ヤマト/カモツ

10:47

ここにもクロネコヤマトが進出しているんだからすごい。港の脇で、宅急便の受付をやっていた。べらぼうに高い輸送料になりそうだが、実際は特例措置で「都内から都内へ荷物を送るのと同額」なんだそうな。

昼過ぎにここをもう一度通過したら、「ヤマト/カモツ」という看板が外され、「チッキ受付所」になっていた。

チッキとはもともと鉄道用語で、宅配便が無かった時代、鉄道を使って駅留めで荷物を送ることを差す。おかでんが子供の頃、お中元が届いたーなんていったら、わざわざ二駅ほど先のチッキ受取所に荷物を取りに行ったもんだ。

おが丸は今日、とんぼ帰りで東京に向かうため、そのチッキを取り扱っていたのだろう。

トンネル

10:49

とりあえずははじま丸出航までの間、食事+ビジターセンターで小笠原の歴史のお勉強、という予定になっている。

父島中心部にとりあえず向かう。

途中、山をくりぬいたトンネルがあった。ばばろあ、激しく興奮。

「こういうのも、絶対戦争中に作られた何か意味があるものだぞ」

「そうなん?単に海沿いの道をショートカットするために作ったんじゃなくて?」

「いや絶対そうじゃって。うわ、なんか凄いことになってきた」

ばばろあは一人激しく、静かに興奮しっぱなし。

父島メインストリート

10:50

さて、島中心部に向かう、といってもメインストリートがこんな感じ。がらーんとしているんである。

この日父島に宿泊する人たちは、迎えのマイクロバスに乗ってそのまま移動しちゃってる。あれだけの人混みだったおが丸の人達は一体どこへ消えたんだ。

シュロの木

10:50

南国ですねえ。シュロの木が南国の穏やかな風を受けてたなびいていた。

・・・というのは聞こえがいいんだけど、小雨降ってるんですけどー。晴れてれば最高なんだが。

鳥居と石段

10:51

山の方を見ると、ながーい一直線の階段があって、その先には鳥居があった。1,000km離れた小笠原でも鳥居があるのは、何だか面白かった。「25時間かけて来ても、まだ日本だった」というのが、何とも奇妙な感じ。

「津波がきたら、あの階段を一気に駆け上って避難しなくちゃいけないんだろうな」

「無理。絶対無理」

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