宮島かき祭り2007

焼き上がった牡蠣の浜焼き。まあ、要するに焼き牡蠣だ。

2個200円だけど、小降りなものが含まれている場合は3個一皿になっている場合もある。

こちらはカキフライ。いい色に揚がってますな。400円だったかな?

いかん、鹿どもが集まってきだした。

この時期、母親に寄り添う子鹿の姿が見られて大変に可愛らしいのだが、その純朴な目つきは大きくなってからも保ち続けて欲しいものだ。大人の鹿は、「隙あらば・・・」という大変に怪しからん目つきをしとる。

奈良の鹿のように、鹿せんべいをあげたらお辞儀をするようなマナーを知っているわけでもなく、こいつらはまったくもって礼儀を知らない。まあ、お辞儀をする奈良公園の鹿ってのもあれはあれで相当に変なのだが、それにしても「礼」は日本の基本となるマナー。お礼をされて悪い気持ちになろうはずがない。

時折、ばばろあが「ひょーう」と意味不明な声を発しながら鹿を追いかけてけちらしつつ、ビールで乾杯。

ちと寒い時期ではあるが、異常気象の暖冬のおかげで冬場、それほど重装備でなくてもビールをぐいっと飲めるのは素晴らしい。

はっはっは、屋外でビールは旨いのぅ。どうだ、思い知ったか鹿どもめ。

後ろでは、「私たちにもごちそうしてー」と、所在なさげに鹿がうろうろしていた。知るか。

ためしに焼き牡蠣の殻を投げてみたが、ひと舐めしてすぐに口から吐き出した。失敬なやつめ。

で、焼き牡蠣ですよん。

醤油もなにもかかっていない、味付け無しの状態だけど、海の潮味がたっぷり詰まっているのでこれでもう十分。できるだけ熱いうちにじゅるりと。これが旨いんだなあ、もう。

牡蠣が食べられない人ってのが一定数存在するのは知っているし、牡蠣嫌いの人たちの言い分もよく分かる。確かにキモい食いもんだと思う。磯臭いし。でも、この美味さを知っちゃうとですね、もうね、牡蠣のように心がぷるんぷるん、とろけちゃいそうになっちゃうんですよアハーン。

はあ、シアワセです。

とはいえ、水族館前で、特に居心地の良いベンチがあるわけでもない中途半端な場所で、行列に再度並びつつ牡蠣を入手するというのはちと面倒。「どうしたもんかなー」と言いつつ、桟橋方面に戻る。

途中、甘いものに目がないばばろあが、「チーズもみじ(あんの代わりにチーズが入っているもみじまんじゅうのこと)はでき立てが旨いんよ」といいつつ、実演販売をしているお店で、でき立てとおぼしきチーズもみじをあちこちで買いまくっていた。後で聞いたら7個も食らったらしい。胃腸が弱い男だと思っていたが、チーズもみじだけは別腹だったか。

そんな中、発見されたのが「揚げもみじ」。何だ、これは。

広島人とはいえ、観光地宮島なんてそう頻繁に行くことはない。最近の宮島のトレンドはとんと疎かったのだが、こんなものが今じゃ売られているのか。

店頭で調理実演しているのを見ると、あー、タイトルそのまんまだ。すげー。もみじまんじゅうを、そのまま油で揚げとる。

こりゃあ、ハイカロリー食として、冬季登山の際にペミカン同様使えるのではないか、と真剣に考えてしまう。

甘いものは食べないし、間食もしない性分のおかでんではあったが、何だか気迫に押されてしまい揚げもみじを3人仲良く購入。

店内で、お茶を頂きつつ、割り箸にさされたフライを頂く。

んー、香ばしい。けど、普通のもみじ饅頭独特のしっとり感が好きな僕にはちょっとくどいし、良さが消されちゃったような気がするのですよ。でも修学旅行生には絶対お薦めだな、これ。お立ち寄りの際には、旅の記念にぜひどうぞ。

旅の記念といえば、一体これは何だ。

世界遺産という肩書きがあれば、ビジネスの幅っていろいろ広がるんやねえ、と感心してしまう一こまでありました。

焼き牡蠣とカキフライと、揚げもみじだけでは微妙におなかが空いていた。本当は牡蠣を食って食って食いまくるつもりだったのに、アテが外れた感じ。

んなわけで、ちぇるのぶが今度は「手作りにぎり天」の屋台に激しくバキューム。つられてワタクシもバキューム。ああ、意志が弱い。

で、二人そろって購入したのが、「ベーコンチーズ」だったっけ。そんな名前のやつ。うわあ、ジャンキー。というか、和風の練り物がアメリカーンになってしまったよママン。

修学旅行生などの「歩き食い需要」を狙ってか、こういう「箸に突き刺してありますよ料理」ってのは結構売られていた。なるほどうまい商売だ。

桟橋近くのメイン会場まで戻ってきたが、相変わらずの大混雑状態。少しお客さんの数は減ったようだが、それでも相当な人手だ。

人手をかき分けながら、フェリー乗り場を素通りして奥の広場のほうに向かってみたら・・・あらら?「かきの浜焼き体験コーナー」ってのがあるぞ。

おい、これじゃないのか?バーベキュー感覚で牡蠣をビシバシ自分で焼けます、ってのは。しまったぁ、フェリー降りて、「土手鍋最後尾」の看板とか行列に目が行ってしまい、こっち側に目が行き届かなかった。目標物、今頃になって発見しちゃったですよ?

お互い、顔を見合わせる。各自、ベーコンチーズだのもみじまんじゅうだのカキフライだの、様々なものが既に胃袋の中に収まっておるわけでして。

とはいってもこれは魅力。

一斗缶の中に炭が入っていて、その上に網が載せられている。その一斗缶を取り囲むようにパイプ椅子が並んでいて、そういう「コロニー」が広い広場にびっしりと。遠くからみるとビアガーデン会場のようにも見える。

みんな、めいめい牡蠣を焼いている。日差しもぽかぽか陽気だし、こりゃあ食べないわけにはいかんだろう。胃袋の具合なんて知ったことか、ここでもう一度、何事も無かったかのように牡蠣を焼いて食らうぞ。

と、いうわけで行列に並び、牡蠣の浜焼き体験セットをゲット。座席数が多いこともあって、すんなり行列は進んだ。

ここは、施設使用料としてお一人様300円。これで、割り箸、軍手、貝割りナイフ、紙皿などが支給される。で、炭火一斗缶コンロを使う権利を得るというわけだ。ただし、1時間限定。ホワイトボードに1時間後の時間を記した「2:00」という大きな字が書き込まれた。

あとは牡蠣なんだが、1かご1,000円。われわれはさすがにそれなりにおなかにものが詰まっていたので、とりあえず2かごを注文した。2かごで30個入り。これで2,000円っていうのだから激安だ。素晴らしい。

ちぇるのぶは、この期に及んでまだ別のものを食べていた。牡蠣入り太巻きだそうな。バンクラデシュ勤務から帰ってきて間もないので、日本食がよっぽど恋しかったか。

それにしてもこの男、南京に1年居たり、バンクラデシュに赴任したりと、なんともマニアックなところを点々としている男だ。あともう一回バンクラデシュには行く事になるんだと。

さて、愛しの牡蠣ちゃんたち。びっしりと並べてみましたよ。炭の火力十分なれど、さすがに殻が分厚いためかなかなか火が通らない。がんばれ、頑張れと応援しつつ、待ちきれずにビールを飲むわたくし。

できたー。

殻の開きが悪いヤツは、殻むきナイフでぐりぐりしてぱかりと。

見よ、このぷっくりとした牡蠣を!これぞ広島牡蠣の醍醐味(だいごみ)だ。宮城や厚岸の牡蠣も大変に美味だけど、大きさとジューシーさに関しては広島産のは特筆に値する。ましてや、オイスターバーで見かけるような洋ものの牡蠣なんて、モウ全然お話にならないっすわ。

なんていうかですね、水風船?そんな感じで、口にすると旨みがはじけるんですよ。熱い!でも旨い!

さあ、口の中で「熱い」という感覚と「旨い」という感覚、どちらが超越するかと競い合ってみよう。

・・・ダメだ、やはり生体反応としては「熱い」という身の危険の方を強く察知するようだ。あちちっちちち。

2かごで30個。一人あたり10個。多いようで、少ないようで。でも、われわれの胃袋状態においては、ちょうど良い量だった。なんやかややっているうちに1時間近く時間は経過したし。欲張って、3かご、4かごも調達していたら、時間が間に合わずに「どうすんの、これ」ってなっていたかもしれない。

それにしても素晴らしい一時よ。大感激の一時間だった。牡蠣を目の前の炭で、自らの手で焼いて、食らう。こんなシンプルでありながら、美味なることを満喫できるなんて。

広島市内の平和公園の片隅に、こういう事ができる浜焼きガーデンなんて作ればいいのに。人気出ると思うけどなあ。もったいない。広島って牡蠣の産地にもかかわらず、庶民がふいっと牡蠣を気軽に食らう事ができるような屋台やお店が非常に少ないと思う。惜しいことだ。

赤字でひいひい言っている広島中心地紙屋町の地下街「シャレオ」(名前がだせー)の起死回生策として、そういうお店を出すというのも有りだと思うけどねー。ブティックとかそんなんじゃなくて。だって、広島中心地で観光客がおみやげ物や特産品を買う場所って全然無いんですぜ。すごくもったいない。

まあ、広島経済界にあれこれモノ申してもはじまらん。とりあえず今日は廿日市市どうもごちそうさまでした、ということで広島市ではなく廿日市市に大枚を落として、現地を後にしたのでありました。

いや、大変に満足度高い一日でございました。今年は暖冬だったから良かったけど、これが通常の寒さだったら、浜焼きはちょっと拷問かもしれん。牡蠣がもう少し暖かい季節の産物だったら最高なのにねぇ。ま、こればっかりはどうしようもないので、ドイツのオクトーバーフェストみたいに、5,000人が収容できるような馬鹿デカいテントを広場にこしらえて、その中で牡蠣食い地獄を展開するとか、そういうのって良いと思うんですがダメでしょうか。入場料金とっても、十分お客さんが入ると思うんだけどなあ。

いろいろまだ言い足りないことはあるけど、まあいいや。とにかく牡蠣は旨い、ということで今日はおしまい。

(この項おわり)

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