名古屋おいしいとこどり

大須の商店街

大須の商店街にやってきた。

やたらと活気があるアーケードだ。人だらけ。そして、お店だらけ。一本のアーケード自体が結構長いが、それが複数本、タテヨコにあるのだから結構な規模だ。最近、「大型郊外店の出店で客足が落ち、商店街がシャッター街になって・・・」なんて話ばかりを聞くが、この地に関してはそんな気配を微塵も感じさせない。

しかも感心させられるのが、店の種類が豊富ということだ。様々なお店が軒を連ね、ぶらつくだけでも相当楽しい。

「いや、そりゃ地方中核都市の商店街だから当然でしょ」と思うかもしれないがとんでもない。広島市の「本通り商店街」を例に出すと、一応シャッター街にはなっていないものの、この10年でドラッグストアと携帯ショップだらけになってしまった。そのせいであまり面白い商店街ではなくなった。

この大須の商店街が面白い原因の一つは、間口があまり広くない店が多い、ということもあるのだろう。そのため、小規模経営の店舗が多く、結果的に意欲的な新しい店が流れ込んでいると思う。「いいなあ、いい場所だなあ」と感心することしきり。

服飾店なんて、店頭にディスプレイしきれないものだから、入口上の建物の壁にまで服を張り出している。そのやる気は素晴らしい。

ミリタリーショップ発見

商店街の多様性を伺わせるのが、これ。軍曹殿、左11時の方向にミリタリーショップ発見しましたであります。

はっきりいってマニア向けのお店だ。そんなにバンバン儲かるタイプの店ではない。でも、そんな店がこの商店街の彩りになっているのだから楽しいではないか。店子代はあまり高くなく、マニア向け店舗でも商売が成立するのか?

まあ、それをいったら東京の上野アメ横にも「中田商店」というミリタリーグッズの店はある。あれは・・・非常に有名な店なので、商売としては成立しているんだろう。

「とりあえず中を見てみよう」

とばばろあが店内に踏み込む。

おかでんはサバイバルゲームを趣味としているので、「ゲーム向き」な装備にしか興味がない。もっと言うと、陸上自衛隊関係しか興味はない。しかしばばろあは「食い倒れ帳」にて米軍レーションの歴史について文章を書くなど、全般に詳しいし興味津々だ。一時は第二次大戦中のドイツ軍毒ガスマスクなんぞを収集していたが、今はさすがにやめているそうだ。

※「食い倒れ帳」は2000年~2014年までアワレみ隊OnTheWeb内に存在したコーナー。ばばろあが単独執筆していた。現存せず。

時計を買うばばろあ

米軍関係の品物が中心だったので、おかでんは早速店内の陳列に興味を失ってしまったのだが、ばばろあはショーケースに釘付け。何が彼をそうさせるのかと思ったら、何の変哲もない時計だった。

米軍関係のものらしいということ、新品であるということは説明を受けて理解したが、その他ばばろあからの解説はほとんど忘れた。とにかく、いいものらしい。で、その「いいものである」証明として、自ら衝動買いしちまいやがった。すげえ。お値段、二万数千円だぜ。しかも、ニコニコ現金払い。

早速腕にはめてみてご満悦のばばろあだったが、残りの二名はさすがにその光景に引いた。

「いや、今買っとかんと次来たときには無いかもしれんけえ、しょうがないんよ」

と彼は言うが、それにしても思い切りが良すぎだ。それだけのブツだと理解しておこう。確かに、四国在住のばばろあにとって、こういうマニア系の商品を、実店舗で入手するのはちょっと難しい。名古屋に来たときこそ、こういう買物をしなくちゃいかんと思っているらしい。

スガキヤ

商店街を歩いていると、赤くて目立つ看板を発見。

「あ!スガキヤだ!」

そうだった、名古屋名物といえばいろいろあるが、このスガキヤも名物の一つとしてカウントして良かろう。

スガキヤはおかでんが学生時代に一度食べたきりだ。このお店はラーメンに特徴があり、とにかく何とも形容しがたい謎なスープだ。あまりに謎すぎて、多分初めて食べた人は「口に合わない」と思うかもしれない。しかし、何度か食べてくるとたまらん味へと変貌してくるらしく、名古屋のソウルフードの一端を担っている。

ただ、その癖が強いスープ故に関東に何度か進出しては撤退、を繰り返し2009年時点では一店舗も東京界隈にはない。東京人にの嗜好にはあわないらしい。

あとこのお店の特徴なのは、「レンゲとフォークが一体となったオリジナル食器」だ。フォーク部分でラーメンすすって、レンゲでスープ呑めば一つで済むじゃん、あったまいぃーっていうわけだ。これも初めての人にとっては度肝を抜かれる奇抜さ。しかしさすがにこれは奇抜すぎたようで、現在は普通の箸になってしまったらしい。

スガキヤメニュー

外に掲示されているメニューを見て、思い出した。そうだ、スガキヤってラーメン&ソフトクリームという変なラインナップの店なんだった。あり得ない組合せのようだが、「学校帰りに、ちょっとだべるために立ち寄る」には最適。小腹が空いた人はラーメン、甘いの食べたい人はアイスクリームだ。しかもこのお店のラーメンは290円。すっげえ安い。学生や小さいお子さん連れのママさんのたまり場になっていそうな予感。

「スガキヤのラーメンって独特の味だったと記憶しているけど・・・なんだっけ・・・」としばらく思案したが、さすがに15年近く前の記憶だ、全く覚えていない。では早速久しぶりの再会を、とも思ったが、さすがにコンパルエビカツサンドを食べた後にそれは無謀だ。やめとけ。

ケバブとトルコアイスを売る店

「あれ?」

なにやらカラフルな、日本的ではない色合いの看板のお店があると思ったら、店内にはイスラム系な顔つきの店員が偉そうにしている。いや、別にその人が本当に偉そうにしているわけではないのだが、中東の人ってなぜか日本人からしたらエラそうに見える。若干不機嫌そうに見えるし。

ということは逆もまたしかりで、多分彼らから日本人を見ると、全員が貧相で卑屈に見えるんだろうな。

話がずれた。このお店、何かと思ったらなんとケバブとトルコアイスを売る店だった。トルコ人だったのか。いや、トルコ料理出しているからトルコ人とは限らないのだが。

どこからどう流れ着いて名古屋に来たのか気になるし、そして大須の商店街という一等地をゲットできたのかというのも気になる。人生いろいろじゃのぅ。ケバブを売る店は最近若干見かけるようになったとはいえ、移動屋台だったり簡易店舗だったりと、シンプルなものがおおい。こうやってどっしりとトルコ人が店舗を構えているのって、実は見た記憶がない。凄いぞ、名古屋。

そもそも異国料理というのは、地方にいけばいくほど受け入れられないものだ。地方中核都市レベルでもその傾向は大して変わらない。だから、こうやってケバブ屋とはいえ、トルコ料理があるというのには驚かされる。

先ほどのスガキヤはラーメンとアイス。こっちのトルコ料理店ではケバブとアイス。両方ともアイスを売っているという点では共通しているが、やっていることは全然違う。

トルコアイスといえば、にょーんとスライムのように伸びるアイス。一度食べてみたいとは思っているが、いまだに食べてはいない。今回も食べない。さすがに有限の胃袋、トルコ料理で腹を満たす訳にはいかん。

大潮屋

「おー、これこれ」

商店街を歩いていたら、しぶちょおが一軒のお店の前で立ち止まる。「大潮屋」というお店だ。お好み焼き、大判焼き、みたらし団子を売っているお店のようだ。

「実はこれも隠れた名古屋名物なんよ」

と、なぜかしぶちょおはうれし恥ずかしな顔で説明する。お好み焼きが?何で?そんなの、噂に聞いたこともないし、夢に出てきたことすらない。

「いや、味そのものは普通なんだけど、何軒か名古屋にあって、これがまたいいんだ」

はあ、そうなんですか。

お店はテイクアウト専門のようで、イートインスペースがない。大判焼きとみたらしをお持ち帰りにするのは分かるが、お好み焼きもですか。いやそりゃ、広島でもそういう店はあるけど、イートイン完全排除というのは思い切ったな。

お好み焼き

「うわ」

思わず、調理中の店内を覗き込んで声を出してしまった。

せわしなくお好み焼きを焼いている鉄板を見ると、そこには「言われないとお好み焼きとは気がつかない」、一風変わったモノがじうじう音を立てていたからだ。

「これ、お好み焼き?四角いぞ」
「そう、このお店のは四角いの」

なるほど恐るべし。丸いお好み焼きよりも、四角い方がはるかに鉄板の上を効率よく使うことができる。鉄板一面、隅から隅までお好み焼きだらけだ。テトリスで負け確定寸前状態。

相当こんがり焼かれていて、焦げる手前やんけ、という色合いがB級グルメっぽくてこれまたよろしい。しかし、ぱっと見どう見てもお好み焼きではない。かろうじてお好み焼きと分かるのは、生地の下に入りそびれたキャベツの千切りがはみ出ているからだ。

お好み焼き

これ、どうやって作っているんだ?まさか、四角い巨大な生地を鉄板に一枚こしらえて、その上に巨大お好み焼きをつくって、何か未知のテクノロジーでそいつを裏返しにして、最後に均等に1人前ずつ切り分けている・・・わけはないよな。謎だ。きっと作っている人は宇宙人かカッパに違いない。

これだけあって220円

「このお店の凄いところは、値段が安いことだ」
「そう?いくら?」
「220円」
「えー?」

うそだろ。何でそんなに安いんだ。都内某所のもんじゃ焼き屋よ、これを見ていたら猛省してくれ。アンタら価格設定高すぎ。

とはいえ、店内でお好み焼きやもんじゃを食べるとなると、客の回転率はすこぶる悪い。しかもお酒を飲まないお客さんだったら、客単価が低すぎてもうけにならん。食材の原価率はもの凄く低くても、案外あの手の粉モン屋というのは最終利益が低いのかもしれん。そうでなければ、どう考えてもあり得ん値段の店が多すぎる。・・・と、性善説で語ってみるテスト。実際は本当にぼったくってるのかもしれん。

それは兎も角、テイクアウト店なら当然客の回転はすこぶる良いので、価格が抑えられるのは間違いない。220円という破格値も、そういうところから来ているのだろう。

いや、待て待て待て。

包んで貰って手にしたソレは、相当ずっしりしているぞ。これで220円ってやっぱりちょっと破格値だ。よく考えたら、同じ粉モンのたこ焼きが400円とか500円している現実を考えたら、これ、安すぎだ。「たこ焼きは奇麗に焼くための技術が必要だから」というのもあろうが、だとしても220円は・・・。

さっきから220円、220円と連呼しっぱなしだな。まずは落ち着け。

包みを開けてみる。二重に梱包されていて、外の包装紙を外すと中はアルミホイルだった。さらにそれを開けると、お好み焼きご開陳。お好み焼きは二つ折りにされて入っている。

あらためて実物を見るとすごいボリュームだ。これ、女性だったら一食分になるぞ。「ちょいと小腹が空いたので」とおやつにするレベルではない。おかでんだったら、これ一枚でビール1リットルは余裕だ。それ、できたてのうちに食べよう。

お好み焼きにかじりつく

本当は自宅に持ち帰って、お皿なんぞに移し替えて、レンジで温め直して食べるのが良いのだろうがわれわれはそうもいかぬ。

「ええと、どうやって食べればいいんだ?」
「かぶりつくしかあるまい」

というわけで、非常に不安定なお好み焼きを、苦労して3人でかじる。男三人間接キスだー、わーいとはやし立てるのはやめなさい。

お好み焼きが落ちないように気をつけるのだが、あまりに慎重になりすぎると銀紙を一緒に食べてしまう。それは人類の飲食の中でほぼ最悪の部類に属する事なので、注意だ。

食べてみてびっくり。具だくさんだぜ、これ。値段が値段だけに、キャベツだけが入ったへなちょこな粉モンかと思っていたんだが、それ以外にも豚肉、イカ、玉子が入っていた。結構ゴージャスだ。食べてみて、余計この価格設定がわからなくなった。

うーん、大都市・名古屋の真ん中でこの物価、この量だからなあ。どうなってるんだ一体。東京近郊って、ホントの金持ち以外住んじゃいけない場所なんじゃないかと真剣に悩む。物価感覚がどうやら全然違うような。

その割には名古屋市営地下鉄が初乗り200円、と相当お高いのが不思議なんだが。

大須観音

大須観音にやってきた。雑多で面白い商店街が立派に残っているのは、この観音様の門前町だからという理由が大きいのだろう。とはいえ、高齢者向けの洋品店や団子や煎餅屋といった、ありがちな門前商店街に留まらず時代にあわせて発展していったのは素晴らしい。

というわけで、観音様に「名古屋でええもん見させてもらってます。ありがとうございます」とお礼申し上げておく。参拝者は結構多く、信仰篤い観音様のようだ。なんでも、「日本三大観音」の一つなんだと。おや、ということは浅草寺のお仲間、というかライバル、というか、そんな関係なのか。ところで「三大」って誰が決めたんだ。そしてその根拠は何だ。

以前アワレみ隊企画で「日本三大の旅」をやったことがあるので、とてもその辺が気になる。

ビルの壁面から仁王様

聖観音様にごあいさつした後、また商店街に戻る。今度は先ほどとは違う方に行くことにした。しぶちょおが「ういろうを買わないといかんからな」と言う。さっきから彼はういろう、ういろうと言っているが、そんなに名物なんか。てっきりういろうって小田原の銘菓だと思っていたのだが。

そのういろう店があるという商店街方面には、なんとビルの壁面から仁王様が御案内。顔を真っ赤にして、目をひんむき、「こっちじゃ」と叫んで・・・いや、うめいている。大丈夫ですか。お体の調子が悪いなら無理をなさらずにお休みください。どうやら、この仁王様が身を挺してでも伝えたかった先は、大須仁王門通りというらしい。

それにしても斬新だな。マンション?の壁面にこんな広告を出すというのは、ありそうで無いぞ。斬新だ。

しかし、風雨にさらされるために、時間の経過とともにあちこち傷んできそうだ。その際のメンテナンス費用は相当かかると思う。まさに仁王様、身を挺してらっしゃる。頑張れ仁王門通り。

ありがたいのはこのマンションで、外見は何だか異様だが、この広告収入のおかげで大規模修繕費の毎月積立費用が少し軽減されていると思われる。winwinの関係ですな。

精力剤の自販機

凄いモノを発見した。

凄いモノというのは、凄い場所にあるものではなく、むしろ何の変哲もないところに潜んでいるものだ。それがこれ。一見なんの変哲もない自販機だが、「Let’s元気」と書かれているところがまず怪しい。良く見ると、売っているもの全てが精力剤なのだった。これは壮観の一言。

普通のジュース類が売られている片隅に、ひょっこり「赤まむしドリンク」が混じっているくらいなら時々見かける。しかし、7個×3列=21種類の精力剤が並んでいるのは壮観の一言。そりゃもう、まさに「Let’s元気」だ。試しに、全商品一気飲みしてどれだけ元気になるか試してみたいくらいだ。

上段には、チオビタ、アリナミンV、グロモント、リポビタンDなどの「コンビニでも良く見かけますね」系の商品が並ぶ。ここで油断させておく。お金投入口付近である下段もユンケルシリーズをずらりと並べ、やっぱり油断させる。しかし中段がなんとも壮絶。

「神秘の力 絶倫パワー」だの「超絶倫配合! 絶倫ロイヤル」だの「絶倫無双 コブラ」なんてのが並ぶ。店長イチ押しのPOPが貼られている商品は「絶倫無双摩訶(マカ)」だって。すげぇネーミングだ。こういうのは、本当に薬効があるかどうかもあるが、「その気にさせる」プラセボ効果も重要だ。名前は派手であればあるよどよろしいようで。絶倫無双、って一体どんな暴れっぷりなんだよ。

なんでこんな自販機が忽然と?と思ったら、脇にあるお店がすっぽん屋だった。なるほどそういうことか。

ここで「じゃあどんなものか試してみよう」としないあたりが、われわれが大人になった証というか、つまらない人間に落ちぶれた証というか。でも、男3人でこんなのを飲んだら、この後一体どういうことになってしまうのか。まさにとんでもない絶倫無双状態になりそうな予感。

青柳総本店

「ここだ」

と二人がお店に入っていく。見るからに老舗の和菓子店でございます、といった風情。ええと、看板には「青柳総本店」と書かれている。ういろうを売っているお店だな。創業明治十二年ということなので、相当な老舗だ。

お店の紋にカエルが描かれているのが面白い。しかも、両手両足を広げて万歳状態。思わず、「人間に捕獲された宇宙人」の写真を思い出した。

ういろう

へー、いろいろ売られているもんだなあ。ういろうなんて食す機会がまずないので、よく知らなかった。ようかんの派生品だと思っていたので、一口サイズで売られていたり、カラフルだったりするのにはちょっと驚いた。

なんでもようかんは小豆で作るのに対し、ういろうは米などで作るんだそうだ。だから、ようかんは「黒」だが、ういろうはカラフルにできる。なるほどねえ。

大須ういろ
ういろ

ういろうをしこたま食べたいという訳ではないので、適度な量のものが欲しかったようだ。青柳総本店では手頃なものが見つからなかったので、もう一軒の方に行く、という。移動してみると、確かにすぐ近くにもう一軒ういろう店があった。こちらは「大須ういろ」というお店。

ういろ

「ういろう」では汎用性が高く商標登録できないので、このお店は「ういろ」と名乗り、商標を持っている。

こちらもいろいろあって面白い。真空パックに一口サイズで入っているものが多く、時流に即して進化しているのがわかる。和菓子も変わっていくのだね。時代が止まっている世界かと思っていたが、大間違いだった。

「ばななういろ」なんてものもあって、相当な意欲作だ。これで成功すりゃ、「マンゴーういろ」とかいろいろ果物シリーズが出るかもしれん。最終目標は「味噌煮込みういろ」だな。頑張れ。

CESARI

「おうこれこれ、ここでピザ食わんと」

ばばろあが言う。ぴ、ピザ?名古屋まで来てピザですか?しかもこれから食べる?

困惑する。

見ると、確かにピッツェリアだ。CESARI!!(チェザリ!!)というお店らしい。

何でピザ・・・。この外観からは、どう考えても「きしめんピザ」とか「味噌煮込みピザ」なんてものは出てこないだろう。正当派ピザ、オンリーと思われる。

しかも、しぶちょおとばばろあ、テイクアウトにするか店で食べるかで議論しとる。いや、何もそんなんで議論せんでも。穏健派しぶちょおは「既に結構食べ歩いてきたし、ここはテイクアウトでイイのではないか」と言うが、このお店に思い入れがあるらしいばばろあは「いや、ピザはできたてを食わんと意味ないで」と強固に主張する。

ばばろあは2週間前も名古屋に来ているのだが、その際に発見したお店なのだという。ただ、胃袋など様々な都合によってその際は食すること叶わず、だったので今回の訪名こそは必ずやピザをかじるぜ、と意を決していたらしい。

「名古屋らしい食べ物」を中心に食べてきたし、これからの滞在中もそうなる予定だが、特にそういう「縛り」を設定しているわけではない。何となくアワレみ隊で名古屋に集まって、なんとなく過ごすくらいしか予定がないので、イタリアンを食すというイベントが割って入っても「それ、ルール違反」とはならんのだった。

特にばばろあは、このお店が石窯でピザを焼くというところに強く反応したようだ。最近そういう店は増えて珍しくはなくなったが、ばばろあの生活圏内にはなかなかないのかもしれない。

食べ歩きピッツァ

われわれは、ばばろあのイタリア人のごとく情熱で「店内でできたてを食べる」事になった。蚊帳の外のおかでんは何が何だかさっぱり。

でも、店先の看板を見てブッたまげた。「食べ歩きピッツァ」と銘打っていて、なるほどピザを食べ歩きってのはちょっとうれし楽しいね、と思っていたのだが、サイズが尋常じゃない。直径23センチだって。相当デカいだろ、それ。どうやって「食べ歩き」するんよ、というサイズだ。誇らしげに、「New!大きくなりました(15cmから23cmに)」と書いてある。いやそりゃ素晴らしい企業努力なので絶賛したいが、食べ歩けるかそれ?

だいたい、23センチのピザなんていったら結構な値段するだろ。しかもちょっと小しゃれた店だし。・・・って、えー、350円だってー?うそだろ、おい。目を疑った。そうか、食べ歩き用に小さくしているから、安いんだな。23センチというのは店内で食べる用の事だよな、きっと。・・・って、えええ、350円で23cmって書いてある。何じゃこりゃあ。スーパーで伊藤ハムなんかが売っているチルドタイプのピザ並じゃないか。どうなっているんだ。先ほどのお好み焼きに続いて、衝撃を受けたわたくし。ああ何だか疲労感が。名古屋は奥が深い。

最近はピザが随分と安くなったのは事実だ。おかでんが良く通う近所のバルも、30cmピザを800円で出す。もちろん具はシンプルだが、それで十分。宅配ピザが具だくさんすぎるんだ。とはいえ、350円って次元が違いすぎるぞ。しかも、先ほどのお好み焼きと違い、こちらはイートインも可能だ。お店、儲かるんか?

お品書きを見ると、言うまでもなく全品350円というわけではない。ピザ5種類のうちの2種類が350円だ。とはいえ、一番高いやつでも850円なのだから、呆れる。トッピングでもうけるつもりか?でもそんなのはたかが知れている。

さらに呆れさせたのは、「セルフピッツァランチ」なんてのが営業時間中ずっとやていて、350円のピザにドリンクつけて500円、というものだった。もうこうなるとマクドナルドなんぞで食事をするのが馬鹿らしくなってくる。普通、飲食業ってドリンクでもうけるもんでしょ?何で格安で提供しちゃうかなあ。もうけそびれてるやん。

何なのだ、このお店は。

これは面白い。おなかは全然空いていないが、3人でシェアすれば問題あるまい。よし店に入ろう。ようやくおかでんのモチベーションに火がついた。

店内には大きな石窯

店内には大きな石窯が。

これだな、ばばろあを虜にしたのは。

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