名古屋おいしいとこどり

若鯱家アスター

若鯱家の店頭には、「名物カレーうどん」の文字と共にカレーうどんの丼が。

見るからに熱を溜め込んでいるっぽく、お笑いリアクション芸人向け食材として最適だ。

「ちゅるうま」というキャッチフレーズがつけられているが、多分「ちゅる」とやった時点でカレーが刎ねる。言うまでもなくカレーうどんはゲリラ戦闘兵器であり、しかも精度が悪いために大抵自爆して自分のシャツに染みを作る。こんな危険なものを「ちゅるうま」などとピースフルに形容するとは、なんと怪しからん事をするんだ若鯱家。

けしからんので早速食べてみることにする。ただし、「ちゅる」だけは勘弁してくれ。そっと、もぐもぐと食べる。

名古屋の味じまん

グランドメニューの他に、「名古屋の味じまん」というメニューもあった。

手羽先、味噌串カツ、海老天巻き、天むす、どて味噌煮、エビフライ・・・

一体名古屋にはどれだけの名物があるんだ。赤味噌を使うなどの「いかにも名古屋らしい」ものだけでも相当あるというのに、今回のカレーうどんのように「実はこれも名物」っていうのが有象無象ある。2泊3日であらかた食べるのは無理だぞ、これ。恐るべし、名古屋。

エビフライで思い出したが、先ほど立ち寄ったLACHIC。思わず笑ってしまったお店があった。レストラン街紹介の看板の中で、「活魚料理食堂」を標榜するお店があったのだが、そこに掲示されている写真がエビフライだった。普通、活魚料理ならお頭付きの活き作りとか、刺身盛りあわせを写真に据えるだろうに、エビフライとは。名古屋人のエビフライ好きをまざまざと見せつけられた気がした。

若鯱家のグランドメニュー

「ほう?」

若鯱家のグランドメニューは、おおよそうどん店とは思えない、縦長の冊子。ファミレスのようだ。それを最初にめくると、「名物カレーうどん」とどどーんと1ページを割いて紹介されているのだった。本気で名物らしい。

見開き右側が、オリジンなカレーうどんで、左側にはトッピングが紹介されていた。カレーうどんだけで何種類あるんだオイ、というありさま。東京では・・・いや、名古屋以外では、カレーうどんといえばそれ一種類であり、トッピングでメニュー1ページも費やすことなんて無いぞ。

ロースカツ、温野菜、揚げ餅・・・など組合せられること8種類。さすがだな。よく考えると、CoCo壱番屋のカレーライスにあれだけのトッピングがあるのだから、カレーうどんにだってあって当然だよな。その論理でいえば、納豆なんぞもうどんにトッピングしてもいいよな。いや、誰もやらないと思うけど。それをやるとつゆが粘る。

きっと、チャレンジャーが「カレーうどん、トッピング全のせ!」なんてやらかしていると思うが、どうなんだろう。でも、推定されるオチとしては、「丼にトッピングが乗り切りません。トッピングは別皿になりますが、よろしいですか?」と言われてしょんぼり、という事になりそう。それじゃ、単に単品でエビフライやカツを頼んだのと一緒だ。

なお、カレーうどんは820円。ちょいとお値段高め。

メニューいろいろ

このお店、カレーうどん専門店かと思ったが、さすがにそれだけでは商売にならんようだ。いろいろなうどん、きしめん、丼物まで扱っている。そんな中発見しました、「味噌煮込うどん」という文字を。

ううむ、先ほど山本屋本家で食べそびれた味噌煮込うどんがこんなところに潜んでいたとは。気分は、ドラクエではぐれメタルを取り逃がしたものの、直後にまた遭遇した感じ。

「これは・・・いっとけ、という暗号か?」

誰からの暗号だよ。

でも、若鯱家としてはあまり味噌煮込うどんはプッシュしていないようだ。若干大きめに掲載はされているものの、どうだ!という感じではない。やはりここは大人しく、まずはカレーうどんを食べろということなのだろう。

「そこで相談だ」
「何の相談だよ。『そこで』、って何から繋がる接続詞だよ」
「いやまあ聞いてくれ。この店に来たからには、カレーうどんはデフォだと思う。それは理解した。しかしだ、併せて味噌煮込うどんも注文するというのはどうだねキミィ」
「いいんじゃないか?食べられるなら」
「食べられるのは間違いないんだが、何だか大変下品な、何かを冒涜しているかのような気になってしまうのだが」
「まあね、でも今回の企画の趣旨は『名古屋名物を食べる』だからなあ」

こんな時、しぶちょおの対応は決まっている。「やれ」とも「やめとけ」とも言わないが、微妙におかでんの背中を押すような挑発的な台詞をひょいっと挟んでくる。で、まんまとそれに乗るおかでん。おかでん自身、誰かに背中を押して貰いたいというスタンスで相談に乗っているので、誰も困らないという構図。

「おっちゃんおっちゃん、無理せんほうがええで。もうええ歳なんじゃけえ」

ばばろあは専らなだめ役。ばばろあは相手のことを「おっちゃん」と呼ぶ習性がある。

「一人で栗のお菓子食ってた奴に言われたくないぞ」
「いやあれは違うんよ、甘いものは別腹じゃろうが」
「その考えは全く理解できん。ならば僕は味噌煮込みとカレーうどんは別腹」
「そっちの方がよくわからん」

カレーうどん

うどんなので、ゆでるのに結構時間がかかる。立ち食いのお店のように、ゆでおきを出さないところが好感。客単価が1,000円近くもする店でそれは無いと思うが。

夕方から参加したちぇるのぶは教壇に立つ立場の人間なので、最近の学生事情なんぞを聞きながら待つ。

到着したうどん。

まず写真はばばろあ注文のカレーうどん、揚げなすトッピング。940円。

「揚げなすは嫁に食わすな、というもんな」

カレーうどん定食

しぶちょおとちぇるのぶが注文した「カレーうどん定食」。1080円。

「ちょ、ちょ、ちょ、カレーうどん定食って何だ」

見ると、ご飯と、鶏から揚げと、漬物の小鉢。こんな定食が存在するのか。なお、このサイドメニューは4種類から選ぶ事ができ、他には「おろし串カツ」、「味噌串カツ」、「エビイカフライ」がある。偶然か必然か、全部揚げ物だ。名古屋人、メチャ揚げ物好きか?

それにしても恐るべしだな。うどん食って、それをおかずに白米も食べるとは。うどん王国の住人・讃岐人でもそんなことはしないだろう。それを可能にしているのが、「カレー」という魔法のスパイスなんだろうな。

カレーうどんと味噌煮込うどん

お待たせいたしました、おかでん注文の品、カレーうどんと味噌煮込うどん。

一つのトレイに乗せてきたので、店員さん、すごく重そうにしていた。あぶない、万が一これをひっくり返したら大惨事だ。

それにしても茶色いなあお前達。眼下にある我が食べ物を目にして、つくづくそう思った。茶色すぎるよ。何しろ、カレーと味噌だもんな。そりゃそうだわ。塩分多そう。高血圧でない健康体に産んでくれた親と、健やかに育った自分の食生活に我ながら嫉妬する。こういうのを食べられるうちが華だ。

さて、どっちから食べれば良いのか。悩む。「麺は伸びるから早く食べなさい」と子供の頃から躾けられてきたが、麺と麺が並ぶとさあどっちが先だ。

寿司の場合、味が淡泊な白身を先に食べ、脂身が多いネタは後にするというのが定番。それと同じようにこの料理も・・・おい、どっちも味がすっげえ濃いんですが。

思案の末、味噌煮込みの方が、早く麺がグズグズになりそうなのでそちらを優先させることにした。

味噌煮込うどん、大きな油揚げが入っているのが特徴的だ。あと、鶏肉、椎茸、葱、蒲鉾といったところが具として入っている。この巨大な揚げ、カレーうどんの方にも入っていたのでどうやら名古屋での定番らしい。

ではさっそくずずずいと。気をつけろ、鍋で煮込んでいるから激熱だぞ。

「あれえ?麺が固い」

10分だか20分だか知らないが、相当鍋の中で煮込まれているはずなのに麺が固い。そして、なにやら独特の食感。地粉で打ちました、みたいなワイルドな口当たり。何だろう、これ。

「味噌煮込みうどんの麺は固め、というのが定番だよ」

としぶちょおが教えてくれた。そうなのか、これはわざとなのか。しかも、うどんを打つ際に塩を入れない製法なので、食感が普通のうどんとは違うんだと。なるほどねえ。

時々、鍋の締めでうどんだ!わー、なんて盛り上がる事があるが、鍋奉行がチョンボしてタイミングを間違え、ぐずぐずのうどんをお見舞いされる事がある。あのむなしさ、切なさを思い出すと、この固い麺というのは大層口にあう。ありがとう名古屋。良き発明哉。

それにしてもあれだけ煮込んでまだアルデンテ状態って、一体どうなってるんだこのうどんは。ゆでる前はこん棒みたいになっているのではあるまいか。完全犯罪に使えるな。ガチガチのうどんで相手を殴り殺し、その後凶器は味噌煮込みだ。で、かけつけたデカたちに振る舞う。証拠隠滅完了。まさか鑑識もうどんが凶器とは思いつくまい。

そんな飯がまずくなる冗談はさておき、もっとこの味噌煮込みって赤だしで辛くてくどい味なのかと思っていたのに意外とあっさり。鶏からいい出汁が出ているせいもあるのだろうが、それほど塩辛くもなくおいしく食べることができた。白米を傍らに置かないと塩辛くて食べられないかと思っていただけに、良い意味で予想を裏切られた。おいし、おいし。これで安ければ最高なんだが。

カレーうどんを食べる人たち

一方のカレーうどんだが、これまた特徴的。

カレーうどんは全国数多あるし、ご家庭でも「昨晩食べ残したカレールーを、うどんにかけて食べる」なんてのは日常的光景だ。しかし、そんな料理を「名古屋名物」たらしめている訳がこれを食べるとよく分かる。

こっちにも、味噌煮込うどん同様に巨大なお揚げさんが入っている。和風だぞ、ということを無言のPR。会釈する俺。いや、そんなのはどうでもいいんだけど。しかし、和風だからといって、いわゆる「お蕎麦屋さんのカレー」とは全然違うのだった。何だ、これ?和風出汁は使われている模様だが、なんか違う。とろみも、片栗粉を使ったものではないそうだ。しかし、粘度は相当高い。まさにルー状態。見た目はまろやかだが、結構ぴりりとしていてスパイシー。唐辛子や胡椒などが入っていると思われるが・・・。うーん、よく分からない。

あと、麺が太い太い。「かじりつく」という表現がぴったりだ。食べごたえ、あるなあ。

このお店、よーやるよと感心する。味噌煮込みにしろ、極太麺のカレーうどんにしろ、ゆでるのに相当時間を要するものばかりだ。客の回転を考えたら、麺を細くしたいという誘惑に駆られるに違いない。でも、極太で勝負し続け、チェーン展開しているのだから立派だ。

いやー、名古屋恐るべし。いろいろあるもんだなあ。参った。

腹ごなしでカラオケ

食後の腹ごなしでカラオケ。

中国に1年間留学していた経験があるちぇるのぶが中国語の歌を歌い出したので、「せっかくだから歌で世界一周しとけ」という話になった。

しばらく考え込んだちぇるのぶが次に選んだ曲はベートーベンの第九、四楽章。まさかこんな曲がカラオケに登録されているとは思わなかった。しかも、「歓喜の歌」部分ではなく、第四楽章冒頭から演奏が始まったので一同びびる。まさか、ソロパート含めて四楽章全部(だいたい15分くらい?)聞かされるんじゃあるまいか、と。さすがにそういうことはなく、適当に省略されていたが。

第九でドイツ語が出た後は、ビートルズだったかなんだかで英語を歌っていた。結局、日本-中国-ドイツ-英、と4カ国巡りで世界一周終了。

この日の夜はしぶちょお宅で一泊。

2009年03月21日(土) 2日目

レンタカーを借りに行く

二日目朝は、関ヶ原に行く事になっていた。そのため、前日のうちにレンタカーの手配はしてあった。まずはそのレンタカーを取りに、営業所があるところまで移動する。

しぶちょお自身は車を持っているのだが、既に「アワレみカー」と呼ばれていたデミオ2世代は現役を引退。今では2シーターのロードスター乗りになってしまっている。そのため、こうやってアワレみ隊でどこか行くぜ、となると車を外部から調達するしかない。

今朝もひびさんに「お体の方は如何でございましょう」を打診してみたが、「うにゃー」という回答だった。朝から花粉症の影響は甚大のようだ。可哀想だが、彼女はお留守番。アワレみ隊が万が一全滅という憂き目にあった時、唯一の生き残りとして後を任せることにする。

喫茶店
喫茶店メニュー

「ほら、喫茶店があるぞ」

しぶちょおが前方を指さした先には、確かにお店があった。まだ朝8時前だというのに、大絶賛営業中。おお、元気いっぱいだなあ。しかも今日は土曜日、ビジネスユースはあまりないだろうから、こんな朝から営業しても客って来るのだろうか?

「それにしてもレトロな雰囲気だな」
「名古屋の喫茶店ってこんなのばっかりだぞ、ほら、店名を見ろ」
「ありゃ。『ハッピー』だって。30年、40年前につけられたネーミングっぽいな」

それだけ愛され続けている、ということだ。名古屋の喫茶店はモーニングをはじめ、過剰なまでのサービスが有名。しかし、サービスばっかりではなく、ちゃんと利益を出して営業を続けていられるのだから素晴らしい経営努力だ。

「それにしても何だね?店名の下に『コーヒー!コーヒー!』って大喜びして連呼している文字があるのだが」
「さらにその下に書かれている『イトウコーヒー』、これは名古屋では定番のコーヒーだぞ」

おっと、そうなのか。一般的に上島珈琲(UCC)などを喫茶店の看板で見かけるが、そういえばイトウコーヒーというのは初めて見た。これも名古屋独特なのか。確かに、喫茶店文化花盛りの名古屋においては、独自のコーヒーメーカーがあってもおかしくない。

「あとは、名古屋のコーヒー店として『コメダ珈琲』を押さえておくべきだな」

としぶちょおはさらに蘊蓄を語る。なにそれ。聞いたことがない。

「コメダ珈琲は愛知県中心の喫茶店チェーン」

としぶちょおは言う。後で調べたらなんと300店舗以上もあることが判明。すげえ。そんなに大量出店しているコメダ珈琲だが、関東では全く知名度が無いというのがもの凄いギャップだ。関東進出みたいな大げさな事せんでも、中京地域だけで十分やっていけるんだろう。それだけ喫茶店が日常に浸透しているってこっちゃ。

「このお店で朝飯食うの?」
「いや、車を8時に受け取る事を昨日レンタカー屋と約束してるんで、車が先。その後ちぇるのぶを拾って、そこからどっかで食事」

ということで、われわれの間で話題をいくつも提供してくれたこのお店だが、スルー。

店頭の看板には、なぜか「モーニングセット 550円」というのと、「モーニングサービス」というものが二つ並んで紹介されていた。これは一体なんだ?

「誤解しているようだが、俗に言う『モーニング』ってメニュー名じゃないから。あくまでも『モーニングサービス』であって、朝であればドリンクを頼んだら勝手にパンやゆで玉子がついて来ちゃう、という仕組みだよ」

としぶちょおは言う。へええ、知らなかった。

つまり、知ったかぶって名古屋の喫茶店に出かけ、「すいません、モーニングください」と言っても「はあ?」と言われるのがオチ、ということだ。朝であれば、「ブレンドコーヒーください」などと言えば、ほっといてもモーニングサービスは受けられる。勉強になるなあ。

レンタカーを借りる

昨日空振りとなった、担々麺のお店「ダンダン亭」の近くにあるレンタカー屋で車を借り受ける。1300cc~1500ccの車が無かったので、トヨタの商用車であるサクシードだ。格好いい!うはあ。

レンタカー屋のお兄さんも「商用車ですので・・・」とお奨めしてこなかったが、日帰り名古屋近郊旅行で高級車は不要。おかでんが「いいですいいです、商用車を安く借りられるならそれに越したことはないです」と押し切ったという経緯がある。

さすがに商用車だけあって、シートは固くて乗り心地は悪い。後部座席においてはヘッドレストがないので、急加速急減速をやられたら確実にむち打ちだ。でもまあ、これくらいどうということはない。

「名古屋って、ホントこのサクシードばっかり見るんよ」

としぶちょおが言う。

「商用車、といえばこれか、姉妹車のプロボックスのどっちか」
「じゃあ数えようぜ、今日一日で何台のサクシードを見るか」

助手席のばばろあがむちゃな事を言う。

「凄い数になるぞ、多分」
「まあ、とりあえずやってみようや。・・・あ、早速一台」

早すぎる。

それからも次々とサクシード系の車が現れるので、言い出しっぺであるばばろあは大変。雑談すらできないありさまになってしまった。何しろ、うっかり気を散らしているとサクシードが通り過ぎていく。道路上だけ気にしていてはダメで、駐車場にもさりげなく停車しているので注意は全方位だ。

「余計な事を言い出してしまった」感が、開始10分くらいでありありと。

モーニングを食べに喫茶店に

ちぇるのぶを自宅前でピックアップ後、モーニングを食べに喫茶店に向かう。

車内ではちぇるのぶが

「え?これから朝飯なの?俺、さっきもうたっぷりご飯食べて来ちゃったよ」

と困惑していた。すまん、周知漏れだ。コーヒーでも飲んでいてくれ。ただし、ここは名古屋の喫茶店だ。朝に訪れる以上、コーヒー頼んだらモーニングサービスが付いて来ちゃう。

「ここにしよう」

としぶちょおが車を停めたのは、夏になるとオープンテラスが出現しそうなお店。なんだかしゃれてるぞ。店名を「Lava cafe」という。名古屋の喫茶店って、老舗天国なのかと思っていたが、こういう今風な店もあるんだな。「喫茶店文化」が高度経済成長時代の人たちとともに高齢化していっているわけではなく、現在進行形でまだまだ発展している証だ。

店頭の黒板

店頭の黒板。モーニングの告知がされている。

「すべてのドリンクにモーニングサービスが付きます!」

と書いてあるとおり、あくまでも「ドリンクを注文したら、追加料金なしでおまけの料理が付いてきます」というスタンスなのだった。

しかしそのおまけがすごい。トースト、サラダ、一品デリ、デザート。このプレートをつけたら+200円、なんてことはなく、無料っていうのだから凄すぎる世界だ。一体どういう金銭勘定になっているというのか。

店内はおしゃれな雰囲気

外観の通り、店内はおしゃれな雰囲気。有閑マダムがハーブティーでも飲んでれば様になりそうなお店だ。いやはや、「モーニング」なんて、過去の遺物で老舗喫茶店だけのイベントかと思ったけど、こういうセンスの店でも元気にやっているとは。

「全てのドリンクにモーニングサービスが付きます、と書いてあったよな。ということは、ビール頼んでも出てくるのかね」

などと朝から不穏な事を口にしてみるが、残念ながらメニューにはビールの文字はなかった。そりゃそうだ、ここは喫茶店だからな。

プレート1
プレート2

めいめい注文をする。

モーニングサービスに付くトーストは、小倉トーストかバタートーストかの選択ができますよぅ、と店員さんから言われた。やはり名古屋といえば小倉トースト、といきたいところだったが、昨晩食べ過ぎてまだ胃の中がうどん祭り中なのでやめておいた。

出てきたプレートが写真の通り。店同様、プレートの上もちょっとおしゃれ。それにしてもこれが「サービス」で付くとはねえ。にわかに信じられない。東京だったら、これで300円取ってもおかしくない。思わず、手元のコーヒーと見比べながら原価計算、そしてこの店の経常利益などを計算してしまった。そんなゲスい事はやめなさい、朝は気持ちよくゴハン食べなさい。

本日の一品デリはスクランブルエッグ。シンプルながらも、ちょっと手間をかけたものだ。ゆで玉子どうぞ、なんてのと比べものにならない手間がかかっている。サラダにしてもしかり。一体どうなってるんだ、名古屋は。

もっとも、これでは朝ご飯としてはちょっと物足りない、という気もする。そりゃそうだ、あくまでもサービスだもの。おなかいっぱいになって貰うのが目的ではない。ただ、「物足りない人」のために、+50円で大盛りモーニングにできるという。参りました、よく考えられている。

風力3

食後、名神高速道路に乗り関ヶ原を目指す。

途中、一の宮を通過する際にたくさんのホテル群が目に付いた。高速道路のICではよく見かける光景だ。それぞれの宿が高級感を狙ったりフレンドリーさを狙ったりとあれこれ策を練っているのだが・・・こりゃ一体なんだ。

「HOTEL 風が・・・はこんだ物語 南の風 風力3」

だって。

「おい、あれは一体どれがホテルの名前だ?全部か?」
「南の風、じゃないのか?」
「いやわからんぞ、風力3かもしれん」
「そんなのはどうでもいい。何が言いたいんだあれは」
「待て待て、その前に『風力3』の3が意味するのは何だ」

全てにおいて訳がわからん。風力3mだろうか。あと、風がはこんだ物語って何だったのだろう。別れ話か?

「あああっ、訳がわからんようになってもうた!」

ばばろあが叫ぶ。さっきまで必死にカウントしていたサクシード選手権だが、数が分からなくなってしまったのだった。

何しろ、工事現場があるねえ、とふと見やると、そこにはサクシードとプロボックスだらけ。「うわああ、1,2,3,4・・・」とたった2~3秒でカウントせねばならず、大混乱に陥ってしまったのだった。

関ヶ原ICを下りる

関ヶ原ICを下りる。

「関ヶ原」という言葉を聞くと、なんだか勇ましくなる。さあ攻め込むぜ、と。

で、攻め込む先なのだが、「関ヶ原ウォーランド」という。

関ヶ原ウォーランド

なんつー名前だ。冗談なんだか本気何だかわからん施設だが、運営している方はちゃんと入場料を取って真面目にやっているらしい。

「ええと、秘宝館みたいなもんか?」

「いや、それよりはまともだと思うぞ。何しろ、園内のあちこちに、コンクリート製の戦国武将の人形が置いてある」

ああ、それはどこかで見たことがある。200体くらいの規模で、コンクリート製の戦国武将が躍動感溢れるポーズで敷地内のあちこちで戦っている場所があると聞いたが、ここの事だったのか。コンクリート人形という段階で何だか怪しいが、その場所が「関ヶ原ウォーランド」という名前であると知ると、ますます怪しい。怪しい場所にはぜひ行ってみないといかん。

ただ、怪しいだけあって現地到着までやや手間取った。何度か伊吹山の有料道路付近を行ったり来たりして、ようやく発見。

到着した先には、お城を模したような壁が。この壁の向こうが「ウォーランド」となっているらしい。横文字だけど、一応和風なのね、さすがに。関ヶ原という場所柄、どうしても「関ヶ原の合戦」を想像してしまうが、実は第二次大戦の連合国軍との戦いを再現したテーマパークです、なんて正体を告げられたらひっくり返る。

駐車場

駐車場はやたらめったら広い。

土地が余っていたので安く買いました、というのではなく、実際にそれだけ来場者があるのかもしれん。知らなかった、侮れないな、ウォーランド。

公共交通機関は全くない場所なので、車で来るしかない。駐車場が必須ではある。

とはいえ、観光バスなんぞが何台も駐車しているのだから立派だ。観光スポットとして旅行代理店も一目置いているようだ。

麗守都(れすと) 関ヶ原

売店兼食堂が入っている建物。ウォーランドの対面にあるのだが、この名前がすごい。「麗守都(れすと) 関ヶ原」だって。なんだこの当て字。ヤンキーでも今時こんな当て字はしないだろう。一体ここの経営者、何者だ?相当な奇人と思われるのだが。あ、悪い意味じゃなくて、良い意味で。

これから中に入るウォーランドのできがとても気になる。

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