名古屋おいしいとこどり

骨せんべい

しぶちょおが各位に「うなぎボーン頼んでいい?これ好きなんだよなあ」と言う。

確かに、メニューを見ると「うなぎ骨せんべい」の文字が。330円。

確かにこれは、ぱりぱりしていて口寂しい時には最適だ。骨を揚げたものがこんなにおいしいなら、他の魚の骨せんべいがあっても良さそうなのに、ほとんど見かけないのはなぜだろう。骨がデカすぎて喉に刺さるのかもしれん。少なくとも、間違って鯛の骨をせんべいにしたら、油で揚げたとはいえ喉に骨が刺さると思う。

うまき

あと、骨せんべいのお供に「出し巻き玉子」も注文された。600円。出てきたのは、単なる出し巻きではなく、中にうなぎが入っている、俗に言う「う巻き」という奴だった。さすがうなぎのしら河、言わなくても当然うなぎが入ってるぜ、というわけか。

ということは何だ?「ポテトサラダ」を頼んだらうなぎがニーハオしていたり、豚の角煮の中にもうなぎがボンジョルノしていたりするんか。いやさすがにそれはないか。

日本酒

しぶちょおの提案を引き継ぐ形で、今度はばばろあから「ちょっと日本酒呑まん?」という提案が。確かに、出し巻きとか骨せんべいがあって、何も手元にないのは惜しい。その提案に乗ることにした。

昔のおかでんだったら、率先して「さあ着席するや否やすぐに清酒を注文だ」というありさまだったのだが、老いたもんだ。

考えてみれば、うなぎって調理に時間がかかるんだったな。注文が入ってからうなぎを捌いて、焼いて、蒸して(名古屋の場合は蒸さない関西風か?)、たれつけて・・・を繰り返すので、なんやかやで30分以上はかかる。昔はうなぎを待っている間、個室で男女が裸でアマレスをやっていたという話だから、それだけ時間がかかっていたということだ。

ということを考えると、骨せんべいなどをアテにして、ちびりちびりとあら一献いかが、とさしつさされつ、というのも良いかもしれぬ。

名古屋チ●コー!

お酒をちびりちびりと呑んでいたら、店の壁に貼ってあるニワトリのポスターが目に付いた。

地鶏の王様、名古屋チ●コー!

いかんな、田縣神社に参拝した直後だからか、それともお酒のせいだからか、何度見ても「コーチン」の字が「チ●コー」に見えてしまう。

「ううむ、名古屋チ●コーにしか見えぬ」

とうめいていると、ばばろあも同意した。多分田縣神社のインパクトのせいだ。ところでコーチンって何だ?

確かに地鶏の王様にふさわしい知名度と歴史を誇る名古屋コーチンだが、おかでんはいまだに食べた事がない。お店で売られているのを見たことがないくらいだ。どうなっているんだ?この鳥。ちなみに一番良く目にし、なおかつ食する機会が多いのはなぜか鳥取の大山地鶏。

上ひつまぶし

「うなぎは調理に時間がかかるからね、こうやってゆるりゆるりとお酒を飲んで待つのが良いのデスよこれがモウ」

などと言っていると、「お待たせしましたー」とひつまぶし登場。あれー。

いや、それほど待たなかったデスが。その証拠に、卓上にはまだ骨せんべいも玉子焼きも残っているし、三人でシェアしたはずのお酒一合も空になっていない。

そりゃそうだよな、1,600円で上ひつまぶしを提供しているくらいだ、注文が入ってからさばいていたらきりがない。大半の工程は既に済ませてあるのだろう。

写真はばばろあ、ちぇるのぶが頼んだ「上ひつまぶし」。木の桶にみっちりとご飯とうなぎが詰まっている。うなぎが表面を覆い尽くしているので、遠目からは桶に蓋がついているかのようだ。卓上によくある七味が入った木の容器みたいに見える。

この桶にご飯が入っているとなると相当な量だぞこりゃあ、と目をひんむいたが、さすがにそういう事はなく、上げ底になっていた。

なお、ばばろあは肝吸いを追加注文しているので写真にそれが写りこんでいる。

ひつまぶし

で、これがしぶちょおとおかでんが注文した「上ひつまぶし(ご飯大盛り、180円増し)」。別に大盛りでなくても良かったのだが、ひつまぶしは味の七変化を楽しむ食べ物。途中でご飯が足りなくなったら悲しいので、保険をかけておいた。

木の土台の上に、陶器の四角い器。特異なデザインだな、これ。鰻重では定番である、塗りものの入れ物には意地でも入れたくない、と主張しているかのようだ。

お盆の上には、ひつまぶしをひつまぶしたらしめている薬味セットがあり、漬物。そして、空のご飯茶碗にしゃもじ。釜飯でも食べるかのようだ。新鮮な光景だ。うなぎ食べるのに、お茶碗って今までで初めての体験だ。お重か、丼だもんな。

ご飯大盛り

ご飯大盛りは大層結構なのだが、残念ながらうなぎがご飯を覆い尽くせていない。白い部分がはみ出してしまい、何だか寒そうな景色。普通盛りと同じ桶(おひつ?)でいいので、そのままご飯を増やしてくれたらうれしいのだが。

ひつまぶしの作り方

ではひつまぶしを食べましょう、と相成った訳だが、どうやって食べるんだっけ。

三段ロケット方式になっていて、食べ方を変えるということは知っているが、どの順番で何を、というところまでは覚えていない。

しかしご安心を、焼き海苔の袋の裏側にちゃんと段取りが書いてあった。これを見ながら食べれば奥さん、貴女もプロ級のテクニックですよ。

しぶちょおが

「まず、しゃもじでご飯を四分割するんだ」

と教えてくれる。そして、自らお手本として、うな丼状態のものに十字にしゃもじで分け目を作り始めた。こうしておけば、後になって「ご飯が足りない!しまったぁぁぁ」という悲しい事態を防ぐことができるというわけだ。ご利用は計画的に。九州ラーメンのように替え玉は途中でできないので、最初に綿密な設計図を書いておくべし、と。なるほど勉強になるなあ。いつもお前には助けられてばかりだな。

あれ?でも、四分割したら、うなぎ三変化した後1/4残ってしまうんだが?「これを恵まれない人に差し上げてください」とでもするのか?

「それは一番気に入った食べ方でもう一度食べる用」
「おお、そんなに親切設計なのか」

やけにユーザーフレンドリーな食べ物だな。一つの料理で一体何回俺らを楽しませればいいんだ。

薬味を乗せる

取説によると、まず最初にひつまぶしを5~6回、しゃもじでかき混ぜよ、と書いてあったがそれはやらなかった。混ぜちゃうのに何だか背徳感を感じてしまったからだ。カレーがそうであるように、「混ぜる派」と「混ぜない派」の論争だ。おかでんはご飯にたれがかかっている部分といない部分のコントラストを愛する。

一段ロケットとして、まずはノーマルに頂く。うん、おいしい。普通においしいので写真を取り忘れた。

お茶碗で頂いていると、物足りなく感じてしまうが、安心せよ、あとこの工程が3回あるから。

二段ロケットは「薬味を添えていただく」というもの。ねぎ、刻み海苔、わさびがあったので、それぞれ乗せて食す。

ああ、こりゃおいしいや。うなぎの薬味って山椒くらいしか知らなかったが、わさびがとてもよくあう。脂っぽいうなぎが、とてもさわやかになるのでいくらでも食べられそうだ。

おっといかん、薬味類もご利用は計画的にをしておかないと、後で足りなくなるぞ。うなぎ飯だけ上手いこと分割できていても、上に乗せる物が無くなりゃ意味がない。

お茶をかける
茶漬けひつまぶし

大変に満足しつつも三段目燃焼開始。

次は「お茶漬けでさらさらとめしあがれ」だ。高級食材であるうなぎをお茶漬けにしてかっこんじゃうのは何ともぜいたくな話だ。

今気がついたが、回を重ねるごとに何か要素が追加になっていく料理なんだな。

(1) 普通にうなぎ飯を食べる
(2) (1)+薬味
(3) (2)+お茶

つまり、最終段階であるこの三番目のお茶漬けが、集大成ということになる。交響曲の終楽章で盛り上がったところ。ではその盛り上がりをそのままいただいちゃいます。

あっ。

お茶漬けなので、あっという間に食べ終わってしまった。うは、もったいない。

不思議なお茶漬けだ。食後のシメには向かないし、単品メニューで登場するのはちと無理があるような存在。しかし、ひつまぶし三変化の三番目に食べると、妙にしっくりくるのよねこれが。多分、「酒のつまみにもなる唯一のお茶漬け」かもしれん。

ひつまぶしの余韻を堪能

おかでんは最後の「お取り置き」は二段階目の「薬味乗せ」にした。各自、めいめいのお気に入りでひつまぶしの余韻を堪能。

写真は「名古屋名物ひつまぶし」ののぼりを手に余韻に浸るばばろあ。

ちょっとぜいたくなお昼ご飯だったけど、これぞ名古屋!という料理に出逢うことができてとても良い旅の締めくくりとなった。感謝感謝。

それにしても名古屋は奥が深い・・・。あんかけスパや台湾ラーメンのように既存料理が改良されたもの、みそカツのようにご当地の独特な特産品を使ったもの、そしてひつまぶしのように、それそのものは全国どこにでもあるけど、食べ方が一風変わったもの。いろいろなバリエーションがある。名古屋の人は想像力が豊かなのだろう。

名古屋で一番安い弁当屋

今池からJRの千種駅まで歩く。おかでんはこの足で各駅停車を乗り継いで東京へ戻る予定。

その道中、「名古屋で一番安い弁当屋」なるものを発見。お値段を見てびっくり、250円だった。あり得ねぇ。どうなってるんだ。安いなあ。
すぐ近くに河合塾があるので、貧乏予備校生目当てなのだと思うが、それにしても安い。

興味津々で店内を覗き込むと、店先に「輪ゴム付きは315円」と書いてあった。えっ?250円の弁当には輪ゴムが付いてなくて、輪ゴムが欲しけりゃ315円だぜ、ということなのか。とんでもねぇビジネスだ。弁当容器をフタするための輪ゴムで65円。

・・・と思ったら、どうやら違うらしい。輪ゴム付きの弁当容器に入っているタイプのお弁当が315円で、輪ゴム付きではない弁当容器に入っているものが250円、ということらしい。サイズや中身が異なる様子。それを「輪ゴム付き」か否か、で表現しているから大変に紛らわしい。ちなみに店頭には315円のものしか並んでおらず、既に250円は売り切れていた。予備校生、買いあさったな?

とはいえ、315円の弁当も凄い。500円、600円はするであろうサイズの容器に入っているのだから、315円でも十分に格安。予備校生諸君、どんどん食べて脳にブドウ糖を送り込みたまえ。

きしめんの立ち食い屋

名古屋駅で東海道本線に乗り換える。

その際、ホームできしめんの立ち食い屋を発見。・・・きしめん。これももちろん名古屋名物だよなあ。今回は食べていないよなあ。最後の最後で、これ、食べとく?

悩んだ。相当悩んだ。しかし結局、おなかいっぱいなので諦めた。さらばきしめん。また次回にお会いしよう。

この後、鈍行列車を乗り継ぎながらの帰京となったわけだが、乗り換え駅(熱海や浜松など)での短距離走は久々の体験。いいオッサンが、席確保のために隣のホームに猛ダッシュするのはさすがに恥ずかしかった。ついつい釣られてやってしまったが、ホームで走ったらいかん。次回からは新幹線だなあ。

名古屋。また機会があれば訪れたい。ぱっと思いつくだけでも、まだまだ名古屋名物というのはいっぱいある。次回のターゲットは、「夜中にならないと営業を開始しないラーメン屋」だと思っている。なおこのラーメン屋、オーダー時にオッチャンに指定すると、うどんや蕎麦をミックスして丼に盛ってくれる変な店だ。一体どんな味がするんだろう、気になる。

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