一面の畑。そういえばこの辺りは高原野菜の一大産地だったな。
「せっかくだから地元産の野菜を食べたいねえ、キャベツ欲しいね」
としぶちょおと会話する。
廻り目平キャンプ場から15分ほど信濃川上方面に戻ったところに、ナナーズというスーパーがある。結構大きいお店なので、買い出しにはうってつけだ。朝9時から営業しているというのもナイス。
ここで2泊3日分の食材の買い出しを行った。品そろえ豊富で、買い物に不自由は感じなかった。
廻り目平キャンプ場に宿泊する人は、大抵ここで買い出しをしているんだと思う。ナナーズ様々だ。
キャンプ場に戻ってきたら時刻は11時過ぎ。このころになると駐車場は車でほぼいっぱいになってしまった。お昼ごはんを食べてから廻り目平に行こう、と計画していた人はご愁傷様です、昼には駐車場満車でございます。あとはどこか路肩に駐車するとか、狭いスペースに無理やり車を押し込めるしかない。
テントサイトもずいぶんと混んできた。われわれがテントを張ったときは比較的周囲が広々していたのだが、雨後の竹の子のようにポコポコテントがおっ立ちはじめた。「暗黙の了解でこの辺りまでは我が陣地」と思っていた場所にテントが立ち、なんだか残念な気持ちになる。
買いだした食材一式(要冷蔵品を除く。要冷蔵品はクーラーバッグの中に入れてある)。調味料なども結構調達したため、お金はそれなりにかかった。レシートの長さが今回購入した物品の多さを物語っている。
キャベツを買おうと思ったのだが、なぜかキャベツは群馬県産。あれれ、川上村産じゃないんだ。
キャンプの買い出しにはビニールの買い物袋より段ボールに限る。がっしりしていて持ち運んでも壊れないし、最後はたき火の炊きつけに使うことができるので一石二鳥だ。
ごみはお持ち帰りください、というのがこのキャンプ場のルール。しかし、金峰山荘で購入したものでありあれば、分別したうえで有料のごみ袋に入れたら、山荘にて引き受けてくれるらしい。ちなみにごみ袋は一枚100円。
ここにやってくる客は全員車なわけだから、極力ごみは減らして家に持ち帰りたいところだ。
さっそくお昼ごはんの準備にかかる。これまでのキャンプは、お昼ご飯をどこか別の場所で食べてから現地に向かうというやり方をしてきた。しかし今回は初日お昼ご飯から現地で自炊。初の試みとなる。
お昼ごはんは香港風焼きそばを作ることになっている。キャベツ、ピーマンを細切りにする。あと、調味料を各種取りそろえ。今回の調味料はオイスターソースが決め手。しかしそれ以外にもデスソースや輪切り唐辛子をスタンバイして、辛くする気満々だ。
にんにくのみじん切りを油でいため、香り立ったところで冷凍シーフードミックス投入。キャンプにおいては、こういう冷凍食品はありがたい存在。クーラーバッグ内では保冷剤の役割もはたしてくれるからだ。もっとも、このシーフードミックスは初日昼ごはんで使われたため、大して保冷の意味をなさなかったが。
シーフードがフライパンの熱で解凍されたところで、キャベツとピーマンを投入。
おかでんは写真撮影、調理はしぶちょおと役割分担。
野菜がしんなりしてきたところで麺を投入。ふたをしてしばらく蒸らす。
オイスターソース、ブラックペッパー、ハバネロ、輪切り唐辛子、デスソースなどで味付けして、香港風焼きそばの完成。うまそう!これは食欲をそそるビジュアルだ!これだけでご飯2杯食べられる!いや、ビールだったら1リットル飲める。
さあ、熱いうちに食べようじゃないか。
乾杯!
しぶちょお、おかでんともに持っているものがちょっと特殊。おかでんは例のごとく昼間っからビールだし、しぶちょおはファンタ、しかも1.5リットルペットボトルだ。しぶちょおはファンタをラッパ飲み。おかでんは甘いジュースは飲まない性分なので、しぶちょお専用ファンタだ。
おいしいなあ。シーフードがふんだんに入っているので、食べごたえある焼きそばに仕上がっている。そして、デスソースなんぞで辛くしてあるので、ビールが進むったらありゃしない。500ml缶1本じゃなくて2本にしておけばよかった、と後悔したくらいだ。でも、今晩は焼肉を予定しているので、そこで存分に飲めばいい。昼から鯨飲するのはやめとけ。夜のときの感動が薄れる。
その夜の食事だが、お昼ごはん終了後速やかに準備に取り掛かった。
今夜は二大メインイベントが用意されており、そのうちの一つ:スペアリブを作るためだ。スペアリブを作るといっても簡単。スペアリブ用肉にフォークをぶすぶす突き立てて細かい穴を作り、そのあと肉にスペアリブソースをかける。それだけ。あとは時間の経過が最高のスパイスとなる。数時間漬け込んでおけば、あとは焼くだけというお手軽さ。
しぶちょおは早朝からの疲れがたまっていたので、テントの中でお休み。
テンション高いおかでんは、まだまだ元気いっぱい。このあたりの地図を確認しつつ、散歩に出かけることにした。
駐車場から「屋根岩パノラマコース」という遊歩道が伸びているので、その遊歩道を踏破することにした。ぐるっと回って1時間半あれば十分らしいので、ちょうど足慣らしにはよさそうだ。
遊歩道沿いにテントがちらほら。この辺りは日当たりがあまり良くないが、平らな場所なので陣取られているのだろう。このほか、あちこちで「よくぞこんなところに」といった場所にテントが張られていた。
そびえたつ屋根岩。
あそこも登攀対象になるのだろうか。登っている人がいないかと目を凝らしてみたが、だれも登っていなかった。みんなどこの岩にへばりついているんだろう?
だんだん登りが急になってきた。とはいえ、余裕で登れる斜度。
登りの途中に展望台らしきあずまやがあった。一息つくにはちょうど良い。
あずまやからの光景。とても美しい。
「日本のヨセミテ」と言われる場所なだけある。深い緑に覆われた谷、そしてむき出しになった岩肌。さすがにヨセミテほどダイナミックではないが、日本でこういう風景を楽しめる場所はなかなかないだろう。
登ってきた甲斐があったというものだ。
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