見上げると大きな岩がそびえていた。たぶんこれが「屋根岩」と呼ばれるものだろう。
誰か登っている人がいるかな、と思ったが、姿は見えなかった。でも、何やら声だけは聞こえる。緑に隠れているところでうごめいているらしかった。声だけして姿見えず、ということから、天狗と遭遇したような気分になる。
尾根岩パノラマコースは屋根岩直下を通る道になっているかと思ったが、岩肌から結構離れたところを巻くルートになっている。そのせいで、岩に取りついている人の姿は確認ができなかった。
そうこうするうちに道は下り坂に。踏破するのに90分程度のトレッキングコースなので、登ったァ、と思ったらすぐ下りだ。運動不足の方にお勧めのルート。
ある程度下ったところで、第一クライマー発見。大きな岩がごろんと地面に転がっているのだが、そこに張り付いていた。
なんだこれ。ロッククライミングとはちょっと違うな。ロッククライミング、といったらもっと高い岩を登るはずだが、これは低い。ロッククライマーの初心者が練習しているのだろうかと思ったが、先ほど見かけた「背中に背負っているベッドマット」を地面に敷いて落下の際のけが防止に使っている。
後で知ったのだが、これはロッククライミングではなく「ボルダリング」というれっきとしたスポーツであるらしい。Wikipediaによると、
ボルダリング(Bouldering)とは、フリークライミングの一種で2mから4m程度の岩や石を確保無しで登るスポーツである。
とのこと。
「ベッドマット」とおかでんが呼称したマットは、「クラッシュパッド」と呼び、やはり墜落時の怪我予防として使われていた。
それなりの人数で1パーティーを組んでいる人たちは、「登る人1名、墜落時にクラッシュパッドがずれて怪我しないようにパッドを押さえる人2名、登る人が姿勢を崩して落ちないようにするため、そばでいつでも体をささえられるよう身構える人1名」で構成されていた。一人登るんでも結構大がかりだ。確かに、うっかりすれば自分の身長の2倍もあるような岩から落ちるので、その防御は必要だろう。
なるほど、道理で駐車場でボルダリングの装備をした人をたくさん見たわけだ。
あちこちに、よじ登りたくなるような岩がごろごろ転がっている。高さもちょうどお手頃。こりゃボルダリングの聖地だわ。あっちの岩登って、次はこっちの岩登って・・・なんてやっていたら、あっという間に一日が終わってしまうに違いない。
さらに下っていくと、テント村が見えてき始めた。
隠遁生活でも送る気か、というくらい駐車場から離れたところにテントを張っている人がいる。トイレや水汲みに行くだけでも一苦労だろうに、という場所。
たぶん、「すぐ隣に他人のテントがあるのは息苦しい。解放感が欲しい」という人がこういうところにテントを張るのだろう。その気持ちはよくわかる。アワレみ隊も、飯能河原でテントを張っていたころは、水もトイレも不便なところにテントを張っていたっけ。
駐車場に近づくにつれ、テントが増えはじめた。
うわ、確かにこれは密集しているな。この様子を見たら、人が少ない不便なところにテントを張りたくなるのはごもっともだ。既にテントが張られているすぐ横に自分のテントを張るのはなんとなく気が引けるし。
アワレみ隊のキャンプ地に戻ってきたのち、まだ時間も体力も余裕があったので廻り目平キャンプ場をざっと見て回ることにした。
歩いていると目についたのが、大きなテント。どうやらこれは据え置きにしているらしい。ここを利用すれば、テントを持参しなくてもキャンプができるというわけだ。もしくは、うっかりテントを忘れてしまった!というときも安心。まあ、そんなミスをやらかす人はそうそういないと思うが。
テントを覆うようにタープが設置されているが、これをやるとどんな意味があるのかは不明。雨をしのぐことができる?
さらに歩いていくと、「ここからは有料サイトです 1サイト2,000円」というエリアに遭遇。有料サイト!そんなものもあるのか。
あらかじめ言っておくが、「有料サイト」という言葉からエチーなwebサイトを連想なんかしていないからな。ホントだぞ。
中に入ってみると、ウッドデッキにブルーシートが覆われた状態のものがいくつか並んでいた。ウッドデッキは水平に作られており、これだとテント生活がさぞや快適だろう。廻り目平のキャンプ地はほぼすべて斜面で構成されているため、水平であるということだけでも価値がある。ただ、一泊700円のところが2,000円になるわけで、差額1,300円/dayを払う気になるかどうかは別問題。今日はあいにく誰も利用していなかった。
しかし、別の日にここを通りかかったら、利用客がいた。ある程度はニーズがあるらしい。
バンガローもあります。テントはどうも落ち着かない、という人はバンガロー生活というのも選択肢としてあり得るだろう。
ただしこのバンガロー、なんだか湿っぽく見えるので、おかでんとしてはあまり利用したいとは思わなかった。
一棟一泊6,000円。
車が車道いっぱいに停まっている。さすが海の日三連休。
一人用のテント。可愛かったのでつい撮影してしまった。
フライシートがテントのてっぺんにしかついていないので、防水性という点ではやや心配。雨が降ったら中に浸み込まないのだろうか?
本日の「セクシー賞」進呈。
川沿いのテントサイト。ここは比較的平ら。
このサイトが一応廻り目平キャンプ場の「メイン会場」になるらしい。キャンプ場のマップを見ると、われわれがテントを張っている駐車場の片隅は特にテントサイトとしては記載されていない。野良サイトというわけだろうか。
このサイトに張られているテントは大きなものが多い。ボルダー(ボルダリングをする人)たちとは明らかに違う、キャンプ目的の人たちが集っている。
我がアワレみ隊テントサイトに退却。お昼ごはんを食べたころと比べると、ずいぶんテントが密集してきた。われわれのサイトのすぐそばにもテントが張られて、圧迫感を感じる。
それにしてもこの写真を見ればわかるとおり、それなりの斜面にテントを張っていることがわかる。夜、テントの中で寝ていたら、体がずり落ちてしまいそうだ。
そろそろ夕食の準備開始。
今晩は焼肉。焼いて焼いて焼き尽くすぞ。
とうもろこしを一本購入してあったので、まずはそれを下ゆでする。
そうだ、すっかり忘れていた。
スペアリブにデスソースを混ぜておこう。
アフターデスを多めにスペアリブに練りこみ、さらに輪切り唐辛子を投入しておいた。アフターデスが入っていれば、輪切り唐辛子ごときはほとんど意味をなさないはずだが、一応彩りとして。・・・彩り、といっても赤ばっかりだが。
エリンギのバターホイル包み焼きもスタンバイ。
炭をおこす。風呂入りにいっている間に、炭に着火していることを期待しつつ。
ナナーズに買い出しに行っているのか、駐車場のあちこちで「場所取り」がされていた。駐車場の場所取りなんて初めて見た。
金峰山荘の風呂。19時まで入浴が可能。入浴料400円なり。
キャンプで風呂に入ることができるのは大変ありがたい。ただし、ここの風呂はボディソープやシャンプーといったアメニティがないので、各自で持ち込むこと。
金峰山荘の入口にある温度計を見ると、20度だった。標高1,570メートルあるので、さすがに気温は下界と比べてやや低め。7月下旬とはいえ、快適に過ごすことができる。
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