アワレみ隊結成20周年記念

07:39
佐田浜港のターミナルに到着。まだ新しい、二階建ての建物だ。一階は券売所と待合室、お土産物屋が入り、二階には喫茶店がある。

「うん、これは見たことがない。やっぱり20年前とは違うぞ」

確信した。20年の歴史の間に、「佐田浜港」は少々移転してしまったらしい。

われわれは、何も「昔と今が全く一緒じゃないと悔しい」というわけではない。かといって、新しくなっているのを歓迎したり、嘆いたりもしない。ただひたすら、淡々と昔と今の違いを発見するだけだ。センチメンタリズムというのは、案外ないものだ。

ターミナルの建物には、「TOBA Marine Terminal」と書かれてあった。佐田浜港、なのに「鳥羽マリンターミナル」を名乗っているのだから、ややこしい。

07:41
ターミナルの入口に、鯉のぼりが掲げられていた。そうか、こどもの日がついさっきあったばかりだからな。

でも、「屋根より高い」のが鯉のぼりのはずなんだが、ここの鯉は「屋根より低い」のだった。

「近くで見ると、シシャモみてぇ」

と、風情もへったくれもない事を考える。

07:44
ターミナルの中、待合室。朝早いけど、そこそこ人がいる。島の人たちが多いようだが、中には釣り竿を何本も抱えた太公望もいた。伊勢湾の入口に位置する島々なので、いい魚が釣れるのかもしれない。

乗船する船は09:05発。まだ1時間以上も時間に余裕がある。この時間を使って、あれこれ探検しよう。

アワレみ隊のいいところは、こういう時に「まあ、ゆっくりしようや」と大休止しちゃう人がいない、ということ。みんな、周辺に興味津々で、めいめいウロウロしはじめた。

07:44
鳥羽市営定期船航路図。

佐田浜を起点に、答志島、菅島、坂手島、そして神島を船で結んでいる。これを見ると、神島だけぽつんと離れていることが分かる。これぞ離島、という感じがして、いいねえ。まさに、離れ孤島のキャンプ向けの場所といえる。この島を発掘した、怪しい探検隊(椎名誠)はすごいとあらためて思う。しかもこの島には、キャンプ向けな砂浜があるし。ただし、水の工面だけは相当苦労することになるのだが・・・。

08:10
8時になると、有人の券売所がオープンした。自動券売機で乗船券を買うことができるのだが、われわれが買おうとしていたのは「周遊券」なので、有人券売所で買う必要があった。

周遊券。これさえあれば、鳥羽の島々を巡ることができる。鳥羽に戻って来なけりゃ、複数の島を行ったり来たり自由。料金は、神島を往復する運賃と一緒だ。だからこそ、アワレみ隊はこの券を買ったわけだ。神島往復運賃と同じで周遊券が買えるなら、せっかくだから別の島にも立ち寄ろう、というわけで。

目指すは、「答志島」。佐田浜港を出港し、菅島を経由して答志島の「和具」で下船。1時間ほど答志島を散策したのち、神島行きの船に乗り、昼前に神島に到着、というわけだ。どうだどうだ。

07:55
佐田浜港は、船が頻繁に離発着している。船好きにはたまらないかもしれない。船を眺めながらコーヒーを楽しむ、というのはちょっと優雅な週末の過ごし方かも。

離島を結ぶ定期船の他、観光遊覧船も就航している。今日はゴールデンウィークということもあり、遊覧船に乗船する人が結構いた。多島美を船上から楽しむにはちょうど良いとおもう。

08:43
沖合いを見ると、やたらとでかい船が停泊しているのが見えた。いわゆる「豪華客船」ってやつだ。デカすぎて、佐田浜の港の中までは入ることができなかったらしい。しかし、こんなところに停泊して、一体何をしようっていうんだ?

08:47
カメラを取り出し、豪華客船を撮影するアワレみ隊ご一行様。カメラは、時には望遠鏡の役割も果たす。20倍ズームをフルに活かし、船体に書かれている船名を読み解く。

「・・・コスタ・ヴィクトリア、って書いてあるぞ」

すぐさま、その場でスマホを取り出し、wikipediaを調べて見る。おお、確かにコスタ・ヴィクトリアという客船は存在するぞ。船客定員、最大2,464人。すげー。一つの町がすっぽり入っているようなものだ。そんなのが海の上に浮かんでいることに驚きを覚える。

デジカメで観察していると、ひっきりなしに小さな船(はしけ)がコスタ・ヴィクトリアと佐田浜港の間を行き来している。どうやら、朝になったので、乗客が上陸しはじめたらしい。陸に上がって、どこに観光に行くのだろう?伊勢神宮まで遠征するのかな?

はしけが着岸する岸壁には、制服を着たコスタ・ヴィクトリアの船員さんが立っていた。外国人だ。さすが、外国の船。

吉田松陰のように、こっそりはしけに乗り込んで、あの船に密航してみるのも面白いかもしれない・・・なんて妄想たくましくしたが、船員さんが監視している以上、無理だ。断念。

08:15
さて、船の時間までまだしばらくある。この間に、われわれは20年前の痕跡を求めて、歩いて見ることにした。

20年前、われわれは鳥羽駅に降り立ち、佐田浜港まで歩いていった。その途中、1枚の写真を撮影しているのだが、その場所を特定するためだ。一体どこだったっけ。

「あそこじゃないか?」

しぶちょおが指さす先には、「パールビル 名店街」という建物があった。

昔の写真は、二階部分から1階に向けて、階段を下りているという構図だった。えーと、それ以上の事は、覚えていない。パールビル?全く記憶にないなあ。

08:21
とりあえず、鳥羽駅に行ってみることにした。駅から港に向けて歩いて行けば、その途中で探している「階段」が必ず見つかるはずだ。

鳥羽駅の改札口に到着。うーん、記憶はまだ甦らない。建物の古さからいって、20年前から変わらない作りのはずだが、やっぱり覚えちゃいないや。20年前ここに下り立った時は、「島に行くぞ!」という高揚感に包まれて、駅の事なんて全く考えてはいなかったはず。

08:22
鳥羽駅改札口から、鳥羽マリンターミナルに向けて歩いてみることにした。

陸橋になっていて、そのまま歩道は「鳥羽パールビル名店街」に繋がっている。港に行くには、パールビルの中を通って、土産物屋さんを冷やかしながら行く事になる・・・のだが。あれれ。扉が閉まっているぞ。

鳥羽パールビルの入口は、ぴったりと閉じられていた。昨日今日閉められたものではなさそうなので、単なる休館日というわけではない。おそらく、相当前に閉館してしまったらしい。道理で、外観が随分くたびれているわけだ。鳥羽観光の要の場所にある建物だけど、観光客の減少に耐えられなかったのだろうか。

08:26
20年前、写真を撮ったのはこのパールビル2階から1階に下りていく途中と思われる。

さて、パールビルが閉館しているので、どうしたものかな・・・と、建物を外から回り込んでみる。

おっ、ここに階段があるぞ。昔、これを使ったのだろうか?とりあえず、のぼってみよう。

08:28
おかでんのスマホの中に、20年前の写真をあらかじめ入れておいた。その写真を見ながら、当時の場所を確認してみる。

あっ、ここだ、ここだ!ここに間違いない。20年前、われわれは確実にこの地を歩いた。雨が降る中、たくさんの資材を運びながら。

08:28
写真と実際の光景を見比べながら、当時の場所を正確に確認していく。

「多分、そこ・・・うん、もうちょっと下」

などと言いながら。

1993年のアワレみ隊。

荷物を抱えながら、階段を下りているの図。前にいるのが蛋白質、後ろがちぇるのぶ。

08:29
そしてこれが、2013年のアワレみ隊。

蛋白質がいないので、しぶちょおに演じてもらった。

間違いない、ここだ!

そうかぁ、パールビル自体は閉館してしまったけど、階段はまだ健在だったか。時代の流れを感じる。ここで記念写真を撮ることができて、良かった。

・・・いや、これを「記念写真」と呼んで良いのだろうか?二人ともカメラ目線じゃないし。でも、20年の歴史を感じさせる、不思議な写真であった。

08:34
コスタ・ヴィクトリアのはしけがひっきりなしに着岸している、桟橋。

古い感じがする。

ひょっとしたら、20年前、われわれが神島に向かった際に使った桟橋はこれだったのかもしれない。いや、違うかもしれない。記憶に残っていない。でも、少なくとも20年前にもこの桟橋はあったはずだ。

パールビルは閉鎖しても、桟橋は残って活用される。

08:41
鳥羽マリンターミナルに戻ってきたわれわれは、建物の2階から1階にかけて、芝生のスロープになっている事に気がついた。

「斜面といえば、あれをやるしかあるまい。」

アワレみ隊といえば、その20年の歴史の中で、思い出深いでき事がいくつもある。その一つが、「大丈夫か!」だ。それは、2002年にアワレみ隊が蕎麦の食べ歩きで長野を訪れた際に撮影した動画。

やっていることといえば、「銃に打たれて倒れる兵士を演じるばばろあ」に対して、「大丈夫かー!と駆け寄るおかでん」という構図で成り立っている。その場の成り行きで撮影したものなので、特にオチとか何かがあるものではない。ただ、唐突感のある映像なので、いまだに時々みんなで見返しては笑っている、そんな動画。

たまたま、その動画が2本残っていたので、YouTubeにあげておいた。もし暇なら、見てみて。今から11年前の、アワレみ隊。(リンク省略)

というわけで、この「大丈夫か!」の2013年バージョンを、鳥羽マリンターミナルで撮影してみた。

三脚にデジカメを据え付け、2階部分から見下ろす形で撮影した動画が、こちら。(リンク省略)

一方こちらは、1階部分から、しぶちょおが撮影したもの。(リンク省略)

上の動画と同じものだが、別アングルということで。どちらもそれなりに味がある映像になっていると思う。演歌のBGMが郷愁を誘う。

「いい歳したオッサンが、みっともなくゴロゴロ転がっているだけの動画」

と切り捨てるのではなく、これに味を見いだすことができれば、アワレみ隊OnTheWebの読者としてはいい感じで熟成されてきていると思います。

08:58
さて、芝生の上をゴロゴロ転がって、スカッとしたところで船がやってきた。09:05発の「菅島~答志~和具」行き定期船だ。鳥羽の島々を巡り、またこの佐田浜に戻って来る航路となっている。われわれはこの船で、ひとまず和具へと向かうことになる。

09:01
この時間だというのに、乗客はけっこういた。島民が多いようだ。朝イチで本土に渡り、用事を済ませて帰るところだろうか。明らかに観光客観光客した風情なのは、われわれだけの気配。

菅島も、答志島も、観光客向けの島というわけでは決してない(もちろん、観光客歓迎ではあるが)。だから、わざわざ訪れるというわれわれはちょっとマニアックなのかもしれない。

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