長崎の過去と今-19

朽ちていく建物、護られる建物(その19)

ブラックダイヤモンドとアワレみ隊

17:15
軍艦島上陸クルーズ、無事終了。長崎の船着き場に戻ってきた。

クルーズ船「ブラックダイヤモンド号」とともに記念撮影するアワレみ隊。

男3人で記念撮影なんて、色気もへったくれもないのだが、後日これらの写真を見たばばろあが「やっぱ記念撮影は必要じゃね」とつぶやいていた。

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単なる観光地の写真だったら、プロが撮影したものがネットにいくらでも転がっている。見たけりゃそれらを参照すればいいし、なんなら自分でそれらの写真をスクラップして(私的利用の範囲内で)自分のPCに保存しておけばいい。

結局、「観光名所で自分たちが写り込んでいてナンボ」なんだと思う。すっげえ当たり前のことだけど、今更そう思う。だから、三脚を立ててセルフタイマーでオッサン3名が記念撮影、というのは見栄えが悪いけど、それでもやる。

だてに20年以上活動を続けているアワレみ隊じゃないぞ。1980年代からずっと時系列で「成長と、円熟と、老い」を見続けることができる。これって貴重なことだ。

それはともかく、「軍艦島上陸クルーズ」はとても良かった。他のツアーとは比較していないのでなんとも言えないけど、申し込んだ時点では「なんかチャラそうだな」という印象だったから、良い意味でその予想を覆された。

チャラそうだ、と思ったのは、ブラックダイヤモンド号という名前と真っ黒な船の外装がイキってる感じだったし、「軍艦島上陸クルーズ」というロゴが、ひび割れたコンクリートを模していて、それもなんか漫画的というか安っぽく見えたからだ。軍艦島を「ヒュー、なんか廃墟パネエっす!」って感じで紹介しそうな予感が・・・。いや、今だから言える、それらは全く杞憂だったと。

高島に上陸し、石炭資料館を見学できるツアーはここだけ。多角的に軍艦島を学びたければこのツアーがおすすめだ。

他にも、軍艦島に実際住んでいた人がガイドさんを務めるツアーがあったり、少人数でしっかりとレクチャーしてくれるツアーがあったり、それぞれに特色があるらしい。もしまた軍艦島を訪れる機会があるなら、別のツアーも利用してみたいものだ。

出島1

17:24
徒歩で宿に戻ることにする。その途中に「出島」があるので、出島に立ち寄る。

出島といえば、言わずと知れた「江戸時代、日本が唯一オランダに対して商取引を認めていた地」だ。小学生でも知っている、歴史の常識。

でもその割には、実際どんな施設が現存するのか、よく知らない。

出島2

「修学旅行の時に行った筈なんじゃけどね、覚えとらんねえ」

ばばろあが言う。

僕は行った記憶がない。修学旅行ではばばろあと違う班・・・だったと思うけど、どうだったっけ。そもそも行ってないのか、それとも行ったけど、行ったことさえ覚えていないのか。

いずれにせよ、全く記憶にないのは間違いがない。確か、周囲はすっかり埋め立てられてしまい、町に埋没してしまって全く魅力がなかったはずだ。

前方に出島が見えて来た。

「おい、なんかそれっぽいのが見えるけど、デカいぞ?」
「あんなん、あったっけ?」

一同騒然とする。

出島3

看板がある。

「ややや、結構本格的にあるっぽいぞ」
「昔からこうだったっけ?」
「いやー、こんなんなかったと思うで。最近じゃろ?」

描かれている地図は、昔のものかな?と思ったがちゃんと周囲が埋め立てられている。現在の地図らしい。こんなのがあるのか!

出島4

「おい、通り抜けるようなレベルちゃうぞ?」

中を覗き込んだばばろあが甲高い声を上げる。

遅れて覗き込んだ僕も、蛋白質も、思わず「うおっ」と声を上げてしまった。

中には、まるで「日光江戸村」のような、時代劇のセットのような、昔風の建物がずらっと並んでいたからだ。

出島5

「いやいやいや、完全に油断していた。こんなん、宿に向かうまでの間にものの数分、だと思っていたのに」

ぱっと見ただけでも、この地を見てまわるのに10分20分レベルじゃ済まないことがわかる。

しかも・・・

出島6

「あっ、入場料金、とるのね」

これだけ立派に再興されてりゃ、そりゃそうなるよなあ。無料というわけにはいかず、大人1名510円なり。

かなり油断していた。出島に時間もお金もかけるつもりはなかったので、動揺する一同。

出島7

「とはいえ、入らないというわけにはいくまい?」
「だなあ、なんか今日一日であれこれ入館料でお金がかかってるけど、この光景を見て今更引き下がるわけにはいかないしなあ」

とはいえ、時刻は既に17時25分。観光施設なんだし、屋外だし、さすがにもう営業はしていないだろう?「やっぱ営業していなかったね、残念だったね、じゃあまたの機会に」と思って諦めようとしたら・・・あれっ、18時まで営業してるの?絶妙なタイミング。

「どうする?」
「入らないという理由が見当たらないな」

というわけで、結局入ることに。

出島8

いかんな、頭が切り替わらないぞ。さっきまで昭和産業遺跡の軍艦島を見ていたのに、戻るやいなや今度は江戸時代だ。でも、廃墟じゃなくて立派に再現されているんだから、もう何が古いんだか新しいんだか、さっぱり。

(つづく)

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