長崎の過去と今-21

朽ちていく建物、護られる建物(その21)

時計を見る

18:02
当時の時計の復刻模型をしげしげと眺める二人。

ちなみに蛋白質、ばばろあは理系、おかでんは文系だ。

広告

とはいえ、文系理系問わず、こういうメカを見るとワクワクしてしまうのは、若くても歳を取っていても一緒。

特にこの時計の場合、周囲をアクリル板で囲ってあり中身が丸見えになっている。外装の装飾は見えられないものの、中身のからくりがよくわかってとても面白い。

写真を見ればわかるとおり、それぞれの建物はかなり力の入った展示になっている。これで入場料510円というのはむしろ安いと思う。おすすめ。

遠藤周作文学館のポスター

いちいち建物を紹介していたらきりがないので省略。

出島には出入り口が二カ所あり、我々は入ったところからまっすぐ突っ切ってもう一つの出入り口から出ることにした。そうすると、ちょうど宿がある方角だからだ。

出入り口のところにある建物に掲示版があり、蛋白質における今回の旅行の主目的、「遠藤周作文学館」のポスターが貼ってあった。

「おお、これこれ!」

蛋白質が嬉しそうな顔をする。

現在、「敢行から50年-遠藤周作『沈黙』と長崎」展を開催中らしい。会期は5月21日まで。

「おい蛋白質、ギリギリ間に合って良かったな。沈黙展は5月21日までだったぞ」
「でも多分5月22日以降も『沈黙』の展示はやっとると思うで?なにしろあんな辺鄙なところに記念館を建てるんは、沈黙の舞台だったからじゃろ?沈黙を扱わんわけにはいかんじゃろ。おいそれより蛋白質、定休日は大丈夫なんか?」

ばばろあの指摘を受け、蛋白質が「あっ」と声を出してあわててスマホを取り出す。

「折角あっちまで行ったのに、定休日でした、って話じゃったら目も当てられんで。まあ、明日の夜泊まる池島に行く途中じゃけえ、別にええんじゃけどね」
「大丈夫!やっとっる!明日はちゃんと営業しとった!」

勝ち誇ったような声で蛋白質がスマホの画面を見せてくる。

「いや、見せんでええから。で、やっとるんじゃね?」
「やっとる。大丈夫」
「それはわかった。でも明日どうするんか考えとけよ?じっくりそこで見るんか、見ないんか」

実は以前からばばろあは、メールを使って蛋白質に「遠藤周作文学館でどれだけ時間をかけたいか?」ということを聞いていた。ここまで熱望している場所なのだし、彼自身の信仰ともからむ場所だ。ひょっとすると、半日でも滞在したいかもしれない。我々も折角訪れるからには館内を見学するけど、さすがに半日はいらん。30分程度で十分だろう。だから、蛋白質には「ずっといたいんなら、わしらその間別のところに行っておくけぇ」と伝えてあった。

出島ミニチュア

出島のミニチュア模型があった。ミニチュア、といってもかなり大きい。

なんだ、歴史の教科書で見た図と全然違うぞ?結構な賑わいがあったんだな。

出島ミニチュアアップ

出島の町並み。まるで宿場町のようだ。

ただし全体的に奥行きはない建物。宿場町の商人の家なら、蔵があったりして間口の割に奥が深い家であることが多いのだけど。

中華街方面とホテル

18:28
出島を出ると、すぐそこが長崎中華街。そして正面に見えるのが今晩の宿、ホテルマリンワールドだ。ばばろあはつくづく良いポジションの宿を確保したものだ。

長崎駅とは離れたエリアだけど、駅前よりもこちらの方が賑わっている。何故ここまで昔の国鉄は線路を引っ張ってこられなかったのだろう?当時、「機関車の煙は汚い」とか「家畜が驚くからやめろ」とか反対運動があったのだろうか。

ホンマ宝石

18:28
ホンマ宝石。

ニセモノは扱っていませんよ、という力強い宣言。宝石を買うなら是非ここで。

びっくりしたのが、「Amazon.co.jpからも発注OK」と書いてあったこと。あ、マーケットプレイスを使っているのかこのお店。というか、Amazonって宝石も扱っているんだな。実物見ないで宝石って買っていいものなのか!とびっくり。

オチないか?医院

18:29
「落ちないか?医院」

大丈夫です、3階部分ですけどしっかりした建物です。崩れて落ちる心配はないと思います。安心して開業してください。

廊下

19:01
ホテルに戻る。今回はシングル3部屋を確保してある。

「えっ、3人で一部屋じゃないの?」

蛋白質に聞くと、

「わし、最近いびきがすごいんよ。いびきで迷惑かけるわけにはいかんけぇ、別の部屋にした。明日(池島)もわしだけ別の部屋にしてあるし、明後日(嬉野温泉)も空き部屋があったらそうしてもらうつもり。安心せぇ、一人部屋にこもってやらしいことをするつもりはないけぇ」

いや、別にそこは心配していないけど、そうなのか。「大家族主義」アワレみ隊としては残念ではあるが、まあ、しょうがない。そもそも、このようなホテルにおいて「トリプル部屋」っていうのはなかなかなかったりもするし。

ホテルの部屋

あれ。

中に入ると、ツイン部屋だった。

「えっと、何かの間違いかな?」

一旦外に出て両隣の部屋の様子を見ると、みんなすんなり部屋に入ってしまったようだ。ちゃんとツインで3部屋、確保されているらしい。ツイン部屋をシングルユースで、ということだ。

そうこうしているうちに、蛋白質が外に出てきた。

「散髪行ってくるわ」
「待て、今からか?」
「ああ、10分あれば終わるから集合時間までには戻る」
「何も今行かなくても」

先ほどホテルまでの道すがら、1,000円カットの散髪屋を発見した蛋白質、「散髪に行く」と言い出したのだった。ばばろあと僕が驚き、「なんで旅先で、わずかな時間で散髪?」と不思議がったのだけど、彼は「是非行く」という。

ばばろあから「やめとけ」と諭され、一旦は諦めた筈だったんだけど、結局彼は気を取り直して出撃していった。そんなに髪がうっとおしかったのだろうか。

それはともかく、ツインの部屋だ。

このホテルマリンワールド、どの部屋にも「<」(不等号)の形をしたガラスになっている。この不等号出っ張りガラスを一部屋にした場合、どうしてもシングル部屋にするにはスペースが余ったのだろう。なので、エーイとどの部屋もツインにしておいて、一人泊ならばシングルとして、二人泊ならツインとして、という使い方にしたっぽい。昔は飲食店雑居ビルだった名残だ。無理矢理ホテルにしているのでこういうことになる。面白いね。

館内の間取り図を見てみると、大浴場もやっぱりこの不等号の形のガラス張りだった。元々ホテルにする気なんてなかった建物をホテルにすると、あれこれ不思議な形になる。そういうのを踏まえて間取り図を見るだけでも結構楽しい。

テレビ

テレビ。

半分壁に埋め込まれた形。これ以上のサイズのテレビは絶対に入れないぞ、という強い覚悟だろうか。今の段階でパンパン。

トイレ

風呂場と、トイレと、脱衣場。ユニットバス。

トイレは、水を流すレバーはついておらず若干探した。正解は、タンクの上にボタンがあって、それをぐいっと押し込むことで水が出る。ボタンは二分割されていて、右半分が「小」、左半分が「大」。こんなの、見たことがない。

メーカー名は「COZY」だそうだが、聞いたことがない。

このホテルは中華資本だというけど、ひょっとしたら中国メーカーのものなのかもしれない。

部屋

我々がいる12階の間取り図。

中央部分に、円筒形の展望エレベーターが2基ある。あとは客室。

こうやって見ると、シングル利用をするには奥行きがありすぎる部屋だということがわかる。

かといって、飲食店時代だったときはどういう仕切りだったんだろう?ギザギザ窓二つで1店舗、くらいでスナック一店舗くらいか?

ホテルからの景色

12階の自室からの眺め。眼下にばばろあの車が駐車してある駐車場、そして川の左側が中華街。突き当たりのあたりが出島だ。

正面に見える山が、湾を挟んだ対岸で、稲佐山。

(つづく)

ソーシャルリンク

広告