長崎の過去と今-22

朽ちていく建物、護られる建物(その22)

教会は事前予約を良い

19:25
案の定、蛋白質から「散髪屋が混んでるので、集合時間に間に合わない」という連絡が入った。そりゃそうだ、30分後に集合!っていうのに、散髪屋に行くヤツがいるものか。

さっぱりした蛋白質が、集合場所であるホテルのロビーに戻ってきた。壁に貼ってあるポスターを見ているが、襟足がすっきりしていらっしゃる。さぞやさっぱりしたことだろう。・・・ただし、洗髪なしの1,000円カットなので、短い髪がたくさん残っていてチクチクするとは思うけど。

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蛋白質が眺めているポスターは、「教会を見学する際は事前に連絡してね」という注意喚起のものだった。教会に鍵がかかっていたりするので、事前連絡してもらえればガイドが対応しますよ、ということだった。

我々が明日訪れるかもしれない教会がポスターに書かれていたけど、実際に行くのかいかないのか、行くとしても何時になるのかがさっぱりわからない。なので結局連絡はしなかった。

なにせ、明日朝まず何をするの?ということさえ決まっていない。「昼、遠藤周作文学館に行って、夕方、池島に渡って一泊」ということだけが決まっている。アワレみ隊にしては行き当たりばったりすぎるが、それもこれも「蛋白質よ、お前は一体何が見たいんだ?」というのがよくわからないからだ。

昔っから変人キャラの蛋白質だが、歳を重ねるにつれてどんどん「謎キャラ」っぷりが強くなっている気がする。もちろん、意味不明な言動をするというわけではないけど、不思議なキャラクターではある。僅かな時間で散髪を強行するとか、そういうレベルで。

ただ、ばばろあも元からのキャラがより一層濃くなっている。人間、歳を重ねるとどんどん個性が強くなってしまうのだろう。独身だとなおさらだ。きっと僕自身も、以前と比べてクセが強くとっつきにくいキャラクターになっているに違いない。

あと20年もすれば、我々は「クソジジイどもの集まり」になっているのだろう。それはそれで、楽しみだ。

「お前、ええかげんにせえよ」「お前こそ人のことが言えるんか?」

なんてキャッキャと言いあいになるんだろうな、きっと。苦みばしったじゃれ合い。

長崎中華街

19:30
ホテルから近い、ということもあり、中華街を見てまわることにした。

横浜中華街と比べて非常にこじんまりとしており、お店が面している通りは数本しかない。

何か良いお店があればここで夕ご飯にしてもいいね、という話はばばろあとしていたのだけど、そもそも全くあてにしていなかった。中華街で何を食べるんだ?麻婆豆腐とか野菜炒めとか?

もちろん、本格的な料理人が作るそれらの料理は、旨い。しかし、その技術料や食材費は高くつき、どうしてもお値段が「うわ!」と驚く状態になってしまう。四川料理店や湖南料理店といった若干特殊なジャンルのお店ならともかく、日本で一般的な広東料理店ならば・・・すまん、恥を承知で書く。「餃子の王将でいいじゃないか」、と。

特に我々ご一行、同じ出身高校とはいえ社会人になって早20年。財力の差というのは当然ある。「高いけどうまいもん喰おうぜ!」というのは、誰かがしんどい思いをする可能性がある。だから、「安いけれどもうまいもん」を探すのがみんなハッピーになる近道。

金銭感覚が近い会社の同僚とか、よく会う地元の友達というのとは違うのがアワレみ隊。結構、こういうところは気を遣わないといけないのが2017年のスタイルだ。

ウェイパー味のソフトクリーム

中華街に入ってすぐのところにあったお店。ソフトクリームを点灯で売っているのだけど、「ウェイパー味」のソフトクリームが売られていたので大笑いした。

「中華街一危険なご当地ソフト」だって。

どんな味がするのか、想像がつかない。いや、もちろんウェイパーの味なんだろうけど。

要するに、町の中華料理店で炒飯頼んだ時についてくる、スープの味がするってことだよな?それ、うまいのか?

だからこそ、値段のところに「挑戦料」と書いてある。旨いかどうかはお前が確認してみろ、というわけだ。やるなあ。

ちなみに初級で330円、上級で350円。

上級になると、ウェイパーの量が増えるってことか。なにそれ怖い。

いったんは通り過ぎたが、「あとでもう一度お店の前を通ったら、挑戦しよう」と思った。が、数分後にお店の前を通ったら、お店は閉まっていた。ありゃ、19時半閉店だったのか!

土産物屋

19:36
中華街の中にある、お土産物屋さん。

お菓子だけでなく、中華食材も扱っている。

よりより

店頭だけでなく店内にも山積みになっていた、よりよりというお菓子。漢字で書くと「麻花巻」というらしい。

僕はこのお菓子のことを全く知らなかったのだけど、横浜中華街でも売っているらしい。しかし、本場は長崎で、長崎中華街定番のお菓子だという。

安くて量が多いので、職場に配るには最適だ・・・と思って買ってみた。後日職場で配ったら大好評だったし、僕自身食べてみたら「なにこれ!シンプルなのにうまい!」と驚いた。

この「よりより」、単に小麦粉とベーキングパウダーを捏ねて、紐状にしてねじって、それを揚げたものだ。ガチガチに硬く、歯が弱い人は歯が折れる危険がある。しかし、そんなよりよりをガリガリと食べると、かなりうまい。何でだろう、わざわざ通販したいくらいだ。

そんな傍らで、ばばろあは台湾の調味料「沙茶醤(さーちゃーじゃん)」を複数買い込んでいた。家で使うんだという。

「昔は凝った料理も作りおったけど、最近は面倒くさくなって。麺類、多いで」

と苦笑しながらばばろあが言う。麺類は汁物でもあり主食にもなるので、良いという。なるほどそういう考えがあったか。僕は殆ど自炊で麺類を食べないが、ちょっと試してみよう。

日が沈む長崎

19:41
結局「これはいい」という決め手がなく、中華街をあとにした。下調べしていれば、ナイスなお店があったのかもしれない。でも、外見だけ見ても正直よくわからなかった。店頭にあるメニューを見るとビビるし。

横浜中華街は今やすっかり観光客向けになり、食べ放題のお店がやたらと存在する。しかも、2,980円食べ放題、くらいだったのが、過当競争に巻き込まれて「1,980円オーダーバイキング時間無制限」みたいな有様に。

もちろんそういうお店で、中華街ならではの高い技術と高級食材!というのは無理だ。腹一杯食べられるけど、味としてはバーミヤンと同等というお店もある。

昔の横浜中華街は、「折角観光で訪れたのに、高級店ばっかりでちょっと敷居が高い・・・せや!店頭の肉まんで済ませたろ!」という場所だった。その点、庶民でもちゃんとお店でご飯が食べられるようになったのは良かったと思う。

一方の長崎中華街は、悪い意味での俗化は進んでおらず、食べ放題!激安!といったお店は見当たらなかった。

ばばろあがホテルのフロントで夕食がとれるお店のお薦めを聞き込み調査していたので、そのお店を目指すことにする。

我々の宿泊地、ホテルマリンワールドが丘の上で光り輝いている。飲食店ビルだったときは一体どれだけ華やかだったんだろう、この建物。

飲食店

19:45
長崎を侮ってはいかんな、と先ほどから驚きっぱなしだ。

いやー、繁華街が広い。繁華街、といってもドラッグストアとか携帯ショップとかそういうのではなく、飲食店街がズルズルと続く。バーやスナックのネオン街ではなく、一般的なお食事の店もかなり多い。

地方都市でここまで賑やかな繁華街ってどれほどあるのだろう。・・・あれ?全国各地を旅しているつもりになっていた僕だけど、「ご当地繁華街事情」ってのは全く疎いことに気がついた。旅行といって、山だったり温泉だったり、基本的に街中から遠ざかることしかしていないからだ。ましてや、スナックなんて僕には全く無縁だったし。

飲食店

五島列島料理のお店。タイミングさえあっていれば、今日今頃は五島列島にいたかもしれない。

「あれ・・・?」

なんの気なしにメニューを見たら、鯨料理が書いてある。さっき、鯨料理専門店があったばかりなのに。しれっと稀少価値のある食材を投げ込んでくるんだな。

「長崎って鯨が有名で?」
「まじで?そうなの?知らなかった」

ばばろあから教えてもらって、初めて知った。道理で、あちこちで鯨料理がメニューにあるわけだ。

しかも、新発見だったのが、長崎は日本でもっとも鯨肉消費量が多い土地なんだそうだ。シーシェパードが聞いたら発狂しそうな場所だな。

調査捕鯨しかできない今でも、あちこちのお店で潤沢に鯨料理が提供されているというのはすごい。これは是非、長崎滞在中に鯨肉を食べなくては。

飲食店

19:49
「思案橋」と呼ばれるエリアを歩く。

知らない町歩きというのは、本当に楽しい。

「あれっ、この時間でも個人商店が営業をやってるな?」と思って中を覗くと、酒屋さんだったりする。派手な形をした瓶のブランデーが並んでいて、恐らくスナックやパブといったお店に卸しているのだろう。

そういえば、スナックやバーでは、東日本はウイスキーを飲むのに対し、西日本になるに従ってブランデーを飲む比率が高くなるというデータがある。日本酒と焼酎の比率みたいに、洋酒でも日本の東西で差があるというのは面白い話だ。

(つづく)

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