長崎の過去と今-24

朽ちていく建物、護られる建物(その24)

アワレみ隊3名

21:26
夕食中アワレみ隊。

蛋白質はすっかり遠藤周作に感化されてしまっていた。ことある度に「ああ!それは遠藤周作もこう言っててな」と引用しようとする。しかも、かばんから遠藤周作の本を取り出し、該当するページを開き、ばばろあに「ほら、ここを読んでみ?」と差し出す。しかも、何度となく。

それをばばろあは一瞥し、

「お前、ちゃんと自分の言葉で喋れ。遠藤周作が好きなら、100回読み返せ。まだその程度じゃ好きとは言えん」

と本を一瞥したのち、返していた。

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「今のお前は自分の都合のええところを読んでるにすぎんで。体調がええとき、悪いとき、いろんなときに読んでいるうちに、この人が何を言いたかったんかホンマにわかるようになると思うんよ。遠藤周作が好きならそこまでやれ」

僕は中学高校時代、北杜夫(どくとるマンボウ)と遠藤周作(狐里庵先生)のエッセイが好きでよく読んでいた。日がな一日、やることがないので鼻毛を抜いて原稿用紙に貼り付けていたら編集者から怒られた、とかそんな話。なので、むしろ遠藤周作の硬派な小説というのは殆ど縁がなく、彼らの会話には突っ込んで入っていくことができなかった。

ホテルからの夜景

23:03
夕食の後半はばばろあオンステージ状態。彼が薫陶を受けた山本七平(イザヤ・ベンダサン)による日本人論にはじまって、自分の職場から見た日本の縮図とかいろいろな話がマシンガントーク。彼だったら2時間くらいの独演会は準備無しで余裕なのではないか?と思えるくらい、喋り倒していた。

そういえば「最近どう?」みたいな身近な話はあまりしなかったし、「最近どんなテレビ見た?」みたいな雑多な話も殆どなかった。そのかわりに新約聖書と旧約聖書が、とかそんな話を延々とやっているのだからアワレみ隊は独特な世界だ。

ホテルに戻ってみると、大浴場は23時でクローズだということに気がついた。ありゃー。ついつい夕食で話し込んでしまった。

部屋から窓の外を見ると、夜景がとても美しかった。東京の夜景とは全く違う。山という立体感がある地形があるし、大きなマンションがゴツンと固まって明かりを放っているのではなく、中~小規模の建物が一つ一つ、ばらけながら明かりを放っているのが美しい。

しばらくこの光景にみとれてしまった。

帯が短い

しかし一方で、目の前の景色はあんまり喜ばしいものではない。

なんだこの浴衣は。

浴衣があるのはありがたいんだが、帯の長さが完璧に短い。

帯を一回腰に回しただけで、残りの長さがこれだけしかない。これだと、帯を固結びにするしかやりようがない。一般的な帯の結び方は無理。

なんでこんな短いのか、信じられない。というか、よくもまあこんな帯が市販されているものだ。売る方も売る方だが、宿の備品として備える方も備える方だ。

・・・だが、あとになってこのホテルが中華資本だということを知り、納得した。宿のオーナー、日本の浴衣について理解がなかったのだろう。「所詮腰紐でしょ?短くても縛ることができれば問題ないでしょ?」という発想なのかもしれない。

24時前に就寝。

2017年05月03日(水・祝) 2日目

長崎の朝

07:40
アワレみ隊長崎ツアーの2日目。今朝は朝8時にホテルのフロントで集合という約束。

窓から長崎の朝を眺める。

中華街

08:05
朝ご飯をどこで食べるか問題があった。

一旦、ホテル目の前の中華街に行ってみることにした。ばばろあが「粥なんてやってる店、ないかねえ?」という。

多分ないだろうねえ、という話をしながら中華街を歩いてみたが、案の定やっていなかった。朝から営業しているお店自体が、ない。

これは規模が大きい横浜中華街も一緒で、あれだけの店舗数を誇る横浜中華街でさえ、朝食を提供するお店はごくごく僅かだ。観光客向けの場所でもあるので、そんなに朝早くからお客さんはやってこない、ということなのだろう。

もしこの中華街が駅前にあるならば、通勤途中のお客さん向けに中華粥のお店なんて流行るとは思うのだけど。

商店街

08:25
僕がネットで調べた、朝から「焼きカレー」を出す喫茶店を発見したのでそこを目指す。ちょうど長崎の観光地として名高い「眼鏡橋」の近くでもあったし、都合がよかった。

途中、商店街を歩いていく。

開店準備をしているお店のところに、「バイキング」という文字が見える。

ばばろあが店員さんに「バイキング・・・やってます?」とダメもとで聞いたら、「お昼なんですよ」と言われあっけなく轟沈。

商店街

08:27
それにしても長崎恐るべし。昨晩思案橋で飲食店の多さにびっくりしたけど、アーケード付きの商店街もかなり立派なものがある。こんなに栄えている場所だとは知らなかった。

「おい、ドトールあるで?」

ばばろあから報告が入る。つまり、「朝飯なんてドトールでええんじゃないか?」というお誘いだ。

「いや、折角だから」

と言い、当初目標のお店に向かう。何が折角だかさっぱりわからないけど。焼きカレーは長崎名物でもなんでもないのに。

ドトールとかプロントの横を通り過ぎていく。

商店街

08:29
「フレンチちゃんぽん」を出すフレンチレストランがあった。

シェフが「いらっしゃいませー」とポーズを決めている看板が印象的。

気になるフレンチちゃんぽん、1杯850円。フレンチレストランとしては安い。しかし一体どんな味なんだろう?写真を見ると、ムール貝が乗っかっている。さすがにこのお店は朝からやっているわけは・・・ないよな。この時間から営業していたら、予定を変更して入店していたかもしれない。

商店街

08:31
「結構歩くねえ」

地図で見ると目と鼻の先のような場所だけど、思ったよりも歩く。しかし商店街は途切れることなく、アーケードがなくなってからもまだ続く。本当にたいしたもんだ。坂が多い町なので住みやすいかどうかはわからないけど、住んでいて楽しい町だと思う。

(つづく)

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