長崎の過去と今-26

朽ちていく建物、護られる建物(その26)

お店を覗くばばろあ

09:17
時刻は既に9時を回っている。さすがに焼きカレーを朝食として選ぶと、調理にも食べることにも時間がかかる。とはいえ、未だにこの時点で「今日何をやる?」ということが全然決まっていない有様で、どうにでもなるだろう。

ひとまず、浦上天主堂に行く、ということだけは決まっている。それだけ。

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ホテル前に駐車してある車をピックアップするため、一旦ホテルまで戻る。

その道中、昆布屋があり、興味津々のばばろあ。

お店を覗くばばろあ

09:18
「眼鏡橋に行く前に、ここは寄らせてや」

とばばろあが熱望したのが、日之出饅頭店。木枠のショーウィンドウが目に付く、古い感じの和菓子屋だ。先ほどこのお店の横を通り過ぎた際、ばばろあが

「うおお、この店多分うまいで。あとで試してみんと」

と直感で感じ取っていた。ショーウィンドーのすぐ奥で、お菓子制作の作業中。職人さんの働きっぷりを見ると、購買意欲がかき立てられる。

しかし、その制作中のお菓子・・・らしきもの・・・が、なにやら見たことがない物体だ。豚の角煮かと思ったけど違う。コンニャク?いや、まさか。

ばばろあが、「あくまき」という食べ物だ、と教えてくれた。何それ?知らない。見たことも聞いたこともない。

九州地方、特に九州の南方面で端午の節句で食べられるお菓子だ、と教えてくれたが、一体何だありゃ?ぶるん、とした形で、しまりがあるようなないような。遠目でしか見ていないので、正体がよくわからなかった。初めて見る物体だったので、うまそうには見えなかった。

完成品は店頭のショーケースにも並べられていたけど、ガーゼのような白くて薄い布にくるまれ、両端を縛られ、とにかく怪しい外観だった。面白いお菓子があるものだねえ。

あとで調べたら、もち米を灰汁(あく)で炊いたものなのだそうだ。へええええ!だからあくまき、なんだ!

柏餅

さすがに大きなあくまきは購入しなかったけど、とても値段が安いのでばばろあに釣られて僕も饅頭を購入した。かしわ餅70円、温泉饅頭のような茶色い饅頭60円。

眼鏡橋がかかる川に出て、橋の上で饅頭を食べる。ばばろあ、絶賛。

「あんこが旨いねえ。こういうあんこがええんよ、最近なかなかないけえね、こういうの。もっとありゃええのに。なんでないんじゃろうねえ」

川

09:22
眼鏡橋のちょっと上流にある橋。こっちも石橋なんだな。立派。

眼鏡橋

09:23
そしてここが眼鏡橋。

先ほどの日之出饅頭店からすぐ近くなので、饅頭食べながら眼鏡橋観光をするにはうってつけだ。

橋のたもとでは、若い女性たちが写真撮影に余念がない。一人が橋の上に立ち、のこりの仲間が橋の下から写真を撮っている。橋の上の人はジャンプしたり大はしゃぎ。いいねえ、楽しそうで。

一方我々アワレみ隊の記念撮影はたるんどるな。もっと彼女達を見習って、躍動感ある写真を撮らないと。観光地でキヲツケのポーズで写真を撮るなんて、団塊世代とやっていることが一緒だ。せいぜい、真面目な顔ではなく笑顔になった分、団塊⇒団塊ジュニアへの進歩が見られるけど。

しかし今こうやって目の前に展開されている、「躍動感ある記念撮影」というのとは次元が違いすぎる。僕らも、もっと跳んだり跳ねたりしなくちゃ。写真がブレるくらいに。

眼鏡橋と眼鏡二人

と、言ってるそばから記念撮影がこれだ。みよ、これが団塊ジュニアの現実だ!!

この写真は三脚の先にカメラを取り付け、カメラのチルト式液晶画面をこちらに向け、セルフタイマーで撮影したものだ。自撮り棒方式なのだが、なにせカメラと自分たちとの間で距離が短い。カップルや女の子同士なら、密着することでなんとか写ることができるけど、いい歳をした男同士それはイヤだ。適度な距離をお互い確保しながら写真撮影・・・となると、いくら広角24mmレンズであってもこれが限界だった。「イヤッホウ!」と躍動感ある動きをした瞬間に、誰かが写らなくなる。

古美術

09:29
眼鏡橋からホテルに戻る途中、小さな古美術屋があった。ばばろあが

「すまん、ちょっとだけ中を見させてくれ」

という。まだ開店準備中だったお店だけど、店員さんに許可を取って中へと入っていった。中には伊万里などの皿が置いてあったようだ。

しばらくしてばばろあが戻って来た。

「何か戦利品、あったか?」
「特にはなかった」

相変わらず彼はこういう骨董品が好きなのだな。以前、アワレみ隊で長野の蕎麦食べ歩きをやった際、蕎麦屋に置いてあった陶器の一輪挿しがどうしても欲しくなり、店主に頼み込んで売ってもらった・・・という逸話がある男だ。

信州新蕎麦包囲網3
めぐりあい蕎麦 日 時:2001年(平成13年) 02月10日-12日 場 所:長野あちこち 参 加:おかでん、ばばろあ、しぶちょ...

「そういえば、あのときの一輪挿しはどうなった?」
「今思うとね、なんであんなん欲しかったんじゃろ?と思うわ。頼み込んで譲ってもらった手前申し訳ないので、お店に返しにいこうかと思ったくらいで」

あらら、そうなのか。

そういえば彼はオークションで、毒ガスマスクを蒐集するという趣味もあったっけ。それはどうなった?

「引っ越しの際に随分整理した」

あれっ、そうなのか。一時、ばばろあといえば毒ガスマスクというくらい、特殊な趣味の持ち主だったのに。

「かさばるんよ、あれ。使い道ないし」

まあ、そりゃそうだ。ゴムの部分が乾燥したり劣化してひび割れるので、真空パック状態にして保存しないといけないらしいし、案外デリケートなものだと聞いている。

質屋という選択

09:34
アーケードがある商店街に戻ると、頭上に大きく「質屋という選択」という看板が。

なるほど!そういう選択肢があったか!

全く思いつかなかったぜ。お金に困ったら、質屋という選択を思いだそう!

金券ショップとかメルカリとかオークションとか、そっちばかり目に付くけど、そういえば質屋ってあったよね、と今頃になって思い出した。それくらい、今やすっかり存在を忘れ気味の位置づけ。・・・でも、質屋に入れるものなんてないぞ?

浦上天主堂近くの駐車場

10:04
浦上天主堂を目指す。

教会には駐車場がない、ということだったので、駐車場手前のコインパーキングを見つけて駐車。

このコインパーキング、60分200円なのだが、一番奥のスペースだけ半額の60分100円になっていた。壁際で駐車が若干難しくなるのと、隣の敷地から木が突き出ていて邪魔だからだろう。敷地内の場所によって値段が違うコインパーキングなんて、初めて見た。

(つづく)

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