長崎の過去と今-29

朽ちていく建物、護られる建物(その29)

稲佐山展望台をあとにしたアワレみ隊一同は、そのまま外海と呼ばれる長崎の沿岸部を北上していく。

今日はこのあとシーサイドドライブを続けていくだけだ。

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途中遠藤周作文学館に立ち寄り、夕方までに池島行きの船が出ている瀬戸港に着けばいい。

遠藤周作文学館は、ちょうど長崎市街から瀬戸港に向かう中間地点くらいにある。

そして、瀬戸港はここ。

今晩のお宿、そして明日の炭鉱見学をする池島はここにある。ハデさでいえば軍艦島の方が上だけど、ここも以前から注目していた島。

日本で最後まで続いた炭鉱、ということで閉山してからの年月が他の鉱山跡と比べて浅い。なので、「現在と過去」をリアルタイムで見ることができるはずだ。

池島に行くには、前述の瀬戸港の他に、神浦港という場所もある。瀬戸港と比べて遠藤周作文学館寄りの場所にあるので、一見こちらの方が便利だ。しかし、一般的な池島の表玄関は瀬戸港という位置づけらしい。

ばばろあも、瀬戸港発着を前提に旅の計画を立てていた。しかし、このあと万が一予定が狂った場合、手前の神浦港発の船を使うことも想定しておかないといけない。

とはいえ、池島では明朝に炭鉱見学ツアーに申し込んである。なので、昼過ぎまでは池島に滞在する予定だ。無理に今日、池島を見て回る必要はない。焦らずに前へ進もう。

ばばろあはこのあたりで昼飯と食材の買い出しを想定していた。地図を見るとなにやら立派な埋め立て地がある。どうやら、長崎漁港がここにあるらしい。

お昼ご飯はともかく、なぜ「買い出し」が必要なのかというと、今晩の宿は素泊まりだからだ。メシ代を省いたというのではなく、素泊まりしかやっていない宿だからだ。「池島中央会館」と呼ばれる施設で、合宿所みたいな建物だ。島にはここしか宿泊場所がない。

島には僅かに食事がとれるお店もあるのだけど、閉店までに間に合うかどうかわからないし、営業しているかどうかも怪しい。何しろ、軍艦島同様炭鉱の島だったわけで、今や島の殆どが廃墟になっていると聞いている。いつ「廃業しました」になっていてもおかしくはない。

というわけで、買い出しができる場所で買い出しを、というわけだ。

「大丈夫かね、魚とか買って腐らんかね?」

買い出し場所が宿まで遠いことを気にするばばろあだけど、クーラーバッグに氷をしこたまつめて持って行けば大丈夫だろう。あとは気合いだ。刺身を買うなら、刺身そのものも、俺たちも気合いだ。

長崎水産食堂

12:08
魚市場のあたりをあてもなく走っていたら、なにやら「長崎水産食堂」という看板を発見した。渡りに船だ、ちょうどよさそうなお店があるじゃないか。

「観光客様大歓迎」と書いてあるし、今まさに営業中っぽいのぼりも立っている。GW中だけど営業してくれているとはありがたい。文句なし、即決で本日のお昼はここに決定。

水産食堂営業時間

水産食堂は朝6時から14時までの営業。さすが魚市場の食堂だけある。夕方はやっていない。

あと、魚はすぐ隣の魚市場で仕入れているので、魚市場がやっていない日は休業とのこと。

ということは、今日も魚市場、開いていたんだ?連休中、どうもありがとう漁師さん、市場関係のみなさん。

だったら容赦はいらねぇ、食べるぞ-。

ついさっき焼きカレーを食べたばっかりだけど。「どんどん時間が後ろにずれていく」アワレみ隊だけど、今日のお昼は違う。12時にお店に入るなんて珍しいことがあるものだ。

水産食堂メニュー

メニューは大まかにいうと、「刺身定食」「海鮮丼」「煮魚定食」といったところ。

水産食堂メニュー

ほかにももちろん丼ものとか麺類、定食類も取りそろっている。

しかしなんといっても観光客としては、魚料理が食べたいところだ。となると、先ほどの3種類の中から選ぶことになる。

刺身定食は900円。ただしいろいろオプションがあって、「特大アサリ味噌汁付」だと+300円、「鯛のあら汁付」も+300円、「甘鯛のから揚げ付」で+500円となっていた。

チクショウ、良い提案だぜ。ついついオプションを付けたくなってしまう。

カウンター

店内には、大皿おかずコーナーもあるのが変わっている。

食べたい料理をテイクアウトにしてもいいし、その場で食べてもかまわない。テイクアウトにする際は、パックを用意してくれる。

お総菜棚

扱っているおかず類。

魚が多く、焼いたり煮たり揚げたり様々。ハンバーグといった肉類もあるぞ。

ちょうどいい、今晩のおかずをここで買っていくのはアリだな。

くじらカツ

あっ、くじらカツ発見。

本当に長崎では愛されているんだな、くじらカツって。

「それにしても不思議だな、僕らって子供の頃食べたのは決まって『鯨の竜田揚げ』だっただろ?鯨のカツなんて食べた記憶がないんだが」

むしろ長崎では、竜田揚げよりもカツの方がメジャーな食べ物っぽい雰囲気だ。

食べた限り、ビールのつまみとしてはカツのほうが向いていると思った。どうしても竜田揚げはしっとりするし、できが悪いと粉っぽさも感じるから。

というわけで、おかずの追加一品としてくじらカツをガリガリと食べ、うまかったものだから今晩のおかず用にも買い求めた。なんだ、くじらってすごくうまいじゃないか。再発見だ。

蛋白質の定食

蛋白質の頼んだ料理。煮魚定食750円。本日の煮魚はサバだった。味噌煮ではなく、照り焼きにしてある。

おかでんの定食

一方僕がつい「うっかり」頼んでしまった、刺身定食に甘鯛のから揚げ付、1,400円。甘鯛がオプションでつくの?しかも唐揚げで?どんな料理だろう?と思って頼んでみたらこんな状態に。

本丸の筈の刺身より目立つぞ、甘鯛。

そうかそうきたか、丸ごと一匹、揚げたんだな。切り身かと思っていたので「うおっ」と思わず声をあげてしまった。

甘鯛といえばグジとも呼ばれる高級魚。若狭湾など日本海側で穫れる魚だと思っていたけど、長崎県でコンニチハ。

味は淡泊で水っぽさもあるけど、うまみがしっかりあっていい。

刺身盛り合わせ

甘鯛に気を取られてしまったが、刺身定食の本丸はこれ。

7種類もの刺身が載って、900円なのだからさすが安い。ありがてぇありがてぇ。ご飯が1杯では足りないくらいだ。

味噌汁を飲むばばろあ

オプションという名の魔力に引きずり込まれ、刺身定食に特大アサリの味噌汁を付けたばばろあ。大げさなお椀に入った味噌汁をすすり、「あああ」と声を上げる。

店内の掲示によると、

当店の料理は俳優山下真司さん・料理名人服部幸應先生・料理達人道場六三郎先生等ご来店され 絶賛を頂きました。

だそうで。なんでいきなり俳優の山下真司さんが?と思ったが、ああそうか、「食いしん坊!万歳」だ。

(つづく)

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