長崎の過去と今-41

朽ちていく建物、護られる建物(その41)

団地とは違う建物

18:28
団地エリアを抜け、池島中央会館に向けて戻ってきた。

コミュニティバスが通る、この島のメインストリートに出てきた。

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右奥に池島簡易郵便局の建物が見える。正面は、これまで見てきた団地とは違う2階建ての建物が建っていた。なんだろう、これは。

お店跡

「チョーコー醤油」などと書かれたホーローの看板が二階の柵に掲げてある。その隣は「美容」と書いてある。おっと、シャッターに「電気商会」の字も。どうやらこのあたりは住民の生活に必要なお店が並んでいたらしい。

もちろん今となっては一軒たりとも営業していない。でも、車が停車していたり、シャッターが上がっている店舗もあるので、中に人が住んでいるかもしれない。

自販機

18:31
中央会館に戻ってきた。

中央会館前の自販機は、東浴場と違って品揃えが充実していた。それでも、最上段にコーヒーが並んでいるのは一緒。池島ではコーヒーが大人気っぽい。

中央会館1階

18:35
中央会館の1階にある大会議室。

前方には舞台があり、ちょっとした演劇やら講演ならできそうだ。

展示物

会議室後方は池島の歴史を知ることができる資料館のようになっていた。これ幸い、とここでお勉強をしていく。

これまでほとんど池島の知識がなかったので、さっき歩いてみてもどこに何があるかわからないし、この島の歴史だってよくわかっていない。遅まきながら、勉強しなくちゃ。知りたいことがいっぱいありすぎる。

展示物

白い服が展示されていた。

えっ、鉱夫ってこんな白い服を着ていたの?と驚く。炭やら砂埃やらで真っ黒になるだろうに、こんな白い服を着る意味ってあるのだろうか。自動車メーカーのホンダは作業用のツナギが白いけど、それと一緒だろうか?

・・・と思ったら、鉱山救護隊の服だった。鉱山といえば落盤、爆発、ガス充満など危険と隣り合わせ。こういう救護隊も当たり前だけどスタンバイしていたというわけだ。

展示物

松島炭鉱(株)の歴史、というデータがある。

池島炭鉱は3つの炭鉱の中でもっとも歴史が古く、そしてもっとも最近まで操業し、出炭量がとても多かった。良質の炭鉱だったらしい。

展示物

「小中学校、アパート群完成間近」と銘打たれた白黒写真。

小中学校は奥にぽつんと離れた場所にある建物だろうか?だとすると、まさにこの写真のアパート群は、先ほど僕らが見てきた「緑に埋もれていく建物」だ。写真を見ると、造成したばかりなので草木がまったくない。瓦礫が転がっているくらいだ。この殺風景な景色から、よくもまあ今のような緑地化・・・人間が望まない形だけど・・・になったものだ。

写真中央上の、まださら地の部分が東浴場あたりだろうか。

昭和53年まで1,200戸が建設されたそうだ。ちなみに池島の人口が最大の7,776人になったのは、昭和45年(1970年)のことだ。2001年閉山とはいえ、人口ピークはその30年も前だったということになる。僕が生まれる前だ。

そりゃそうか、2001年の閉山までフル稼働で出炭して、いきなりブレーカーを落とすように「はい!今日で終わり!」ということはありえない。緩やかに閉山に向け、人員整理や規模縮小が行われていたのだろう。

展示物

池島港に停泊する石炭船の写真。

展示物

池島港の船着き場から、対岸の石炭を積み込む港が見えたが、当時は写真のように石炭が山積みになっていた。どんどん船に積み込んでいかないと、山が崩れそうだ。

ジブローダーというのは、貯炭場に積み上がった石炭をかき集め、ベルトコンベアに載せるための機械。

展示物

そして、ジブローダーによってベルトコンベアに載せられた石炭は、石炭積み込み機を経由して船へ。

展示物

「現在の池島(2000年頃)」と書かれた写真。

池島港を見下ろす位置から撮影している。どうやら、貯炭場の上にある、選炭工場上部から撮影したものだ。

あれっ、船着き場が見えるのだけそ、そのすぐ脇にもアパートが立ち並んでいる!?

ここ、もちろん先ほど歩いた場所だけど、何もないさら地だった。島の玄関口なのに、なんで何もない空き地なんだろう?と不思議だったのだけど。

放置されているだけでなく、取り壊しされた建物もあるのだな。しかしなぜ港周辺を壊したのだろう?傷みが激しくて、倒壊の恐れがあった・・・とか、たまたま住民が全員いなくなったので、取り壊した・・・とか、島の玄関口なので人が住んでいない空き家を残しておくのはよくないと思った、とか・・・理由はよくわからない。

展示物

こちらは書籍。炭鉱全盛時代の池島、と銘打たれている。

あ、こちらも港付近に団地がある。

島の右側が不自然なコブ状に膨れ上がり、海に突き出ている。これはボタを海に捨てていった結果だ。もともとの島の形ではない。

港がある入り江から一段高い高台に、アパート群が見える。我々がいるのも、ここ。小さく小中学校があるのが校庭の形ではっきりとわかる。

展示物

これは島の逆側から空撮したもの。

先ほどの写真では手前に見えていた池島港が、奥に見える。

これはすごい。異様な光景だ。島なのになんでこんなに団地があるんだ?と知らない人が見たら驚くに違いない。

アパート群の中に、赤い屋根の建物が見える。これがさきほど入った、「かあちゃんの店」がある建物。・・・いや、赤い建物は2つ並んでいるな。もう一つのほうが、今やさら地にされてしまった「池島ストアー」なのだろう。かなり大きかったことが伺えるけど、今や何も残されていない。

展示物

池島の立体地図。

建物がずらっっと密集していたことが伺える。

(つづく)

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