長崎の過去と今-52

朽ちていく建物、護られる建物(その52)

発電所

10:13
郷地区からの道は、港から島中央部に向かう主要道路と合流した。その合流地点にあるのが、でかい煙突と無骨な建物。

発電所跡だ。

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石炭火力発電で島内の電気をまかない、海水を沸かして淡水にし上水道としてつかい、お湯は各建物に供給していた。その「池島の心臓」がこれ。

もちろん今となっては稼働していない。電気は海底ケーブルを使って本土から運んだほうが早いのだろう。

発電所

発電所の前を、電線がスルーしているというのが物悲しい。

発電所

廃墟というのは遠くから眺めて、周囲の光景との対比をするというのが味わい深いが、アップにしてみると迫力が出る。

発電所

まるでロケット打ち上げ場みたいだ。

王立宇宙軍の軍歌を斉唱したくなった。

太陽の風 背に受けて〜♫

港への道

10:15
ここから港へ向けて高度を下げていく。

正面に、池島港が見える。湾の外に繋がる細い水路が見えるが、もともとはあれがなく、人工的に作ったものだということに改めて驚かされる。それだけじゃない、当時は「鏡池」だった場所をさらに掘って、おおきな石炭輸送船が出入りできるようにもしているのだから大変だ。

そこまでする値打ちがあった、というのがこの池島の石炭だ。

鉱山跡

改めて池島炭鉱を眺める。第一立坑はこの山の反対側にあたる。第二立坑ははるか先だ。

このあたりの施設は、石炭の選別から貯蔵、そして船に積み出すまでの、「掘ったあとのこと」に関するものだ。

むしろこういう施設が現存しているというのがすばらしい。炭鉱といえば坑道!探検だ!というのもいいけど、炭鉱が炭鉱として成り立っているのはこういう処理施設があってのことだ。

日本各地にある観光目的の鉱山は、こういう施設が残っていない。なので、本当にこの光景は貴重だし、驚きだ。

鉱山跡

あーあーあーあー

まだまだ健在、と思えた施設だけど、よく見ると崩壊一歩手前。というか一部壊れている。2001年まで稼働していたのだから、操業停止からわずか16年。たったそれだkで、こんなになってしまうのだな。

あと数年もすれば、危ないからということであの建物は撤去されてしまうかもしれない。さすがに施設の一部が腐食して、山から下に転がり落ちたらまずいだろう。

一番高いところにある施設は、地下深くから掘り出してきたものを一時的に保管する場所だったらしい。

鉱山跡

で、その下には選鉱所。つまり、掘ってきたものから石炭とそれ以外の砂利とを分ける場所だ。水に流し込んで、浮いたものが石炭、沈んだものがそれ以外。ざっくりいうとそういうことらしい。

軍艦島にもあった、丸い施設は、選鉱するのに使った水の処理施設。

そして、崖下のところが貯炭場になっていて、船に積んで出荷だ。

何か工業製品を作るというわけではないので、かなりシンプルだ。単純化すると、「掘ってきます。より分けます。出荷します。以上。」ということだ。

トロッコ軌跡

トロッコの軌道が見えた。この先に坑道があるらしい。我々がこの後利用する炭鉱ツアーは、坑道の中に入ることになっている。ということは、このトロッコ軌道づたいに坑道に入るのだろうか。さすがに立坑から地下深くに入るのは認めていないだろう。

積み出し港

10:17
石炭を船に積み込む場所。

岸壁に接岸した船に、貯炭場の炭を積み込んでいく。

炭鉱全盛期の写真を見ると、この背後に黒い石炭の山がうず高く積み上がっていたが、さすがに今は何もなくがらんとしている。

トリンマー

「トリンマー」と呼ばれる、船に石炭を積み込むための装置。

ベルトコンベアで運ばれてきた石炭を、こいつが船に移すのだという。しかし、どういう動き方をするのか、停止している状態ではいまいちよくわからなかった。残念ながら、ツアーではこのあたりの施設を見て回る時間がなかった。

(つづく)

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