長崎の過去と今-53

朽ちていく建物、護られる建物(その53)

港への道

10:20
港地区の集落が見えてきた。

「あれっ、ヤギがおるで」

犬の間違いじゃないか、と思ったが、なるほどヤギがいる。なんだなんだ、なんなんだ。

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小笠原諸島みたいに、昔家畜として飼われていたヤギが野生化して大繁殖、ということかと思ったが、ちゃんと首輪をつけられて木につながれている。どうやらペットらしい。

銭湯

アパートが並ぶなか、ヤギがいるあたりは芝が生えたていて何もない更地だ。公園のようにも見えるが、平地が少ない島でそんな贅沢なことをやっているとは思えない。もともとアパートがあったけど、倒壊の恐れがあったから撤去したのかもしれない。

そんな更地の端に、「港浴場」があった。昨日我々がお世話になった「東浴場」と対をなす、この島の銭湯。人口200人足らずで銭湯が二カ所にあるのだから、ひょっとしたら人口あたりの銭湯密度としては日本一かもしれない。というかきっとそうだ。(草津や別府のような温泉地は除く)

朝風呂でも浴びたい気分だけど、夕方からの営業なのでいまは無理。

あれっ、やぎがいる

前方の建物から、作業着を着た人たちが僕達に手を振っている。どうやら、炭鉱ツアーのスタッフさんらしい。

中央会館のひとが、「港まで行かなくてもこのあたりで拾ってもらえる」と言ってたけどそれは本当だった。

スタッフさんたちがいる方向に向かっていく途中、さらにもう一匹のヤギを発見。あらこんにちは。

ヤギの近くでは、芝刈り機を使って下草を刈っている人がいた。さすがにここはちゃんと手入れをしている。何も手付かずなら、あっという間に草と木に覆われてしまっているだろう。

もう一つの売店

10:24
ヤギたちがくつろぐ更地の隣にアパートが建っている。その一階部分が「港ショッピングセンター」だ。丸木ストアと、ひろせ酒店という文字が見える。

このうちひろせ酒店は角打ちができる酒店として愛されていたようだけど、2014年8月に閉店。スナックマキにしろこのひろせ酒店にしろ、あと数年我々の訪問が早ければ、もっと島の雰囲気を味わえただろう。どんどん炭鉱の島としての記憶が失われていっている。

センター

炭鉱ツアーのスタッフさんたちが待ち構えていたのは、開発センターの前だった。ツアーの集合場所は港なのだけど、いったんここに移動してから坑道に向かうことになるそうだ。

研修施設

荷物があるなら置いていくといい、と言われたので、荷物を開発センターに置いていく。

このあとここで、ツアー参加者がそろって解説VTRを見ることになるのだろう。

壁沿いには、ずらりとヘルメットやヘッドライトが並んでいた。

これまでいくつも金山や銀山をおとずれたことがあるけれど、ここまでの装備をさせるのは初めてだ。

車で送ってもらった

10:27
車で港にいくのでのっていきなさい、と言われ、お世話になる。

やあ、車だったらあっという間だ。歩くとそれなりに時間がかかるけど。ぐるっと入り江を回り込む、池島港ターミナルまでの道も楽ちん。

池島港ターミナル

池島港ターミナル。

まだツアー客らしき人は殆どいない。大半が、ツアー集合時間直前にやってくるフェリーに乗っての日帰りなのだろう。

改めて、港から鉱山

港から、炭鉱方面を眺める。

やあ、今日はいい天気だ。観光日よりだな。

炭鉱ツアーのポスター

ターミナルには、「本邦初公開!!池島炭鉱坑内体験ツアー」と書かれた、若干色あせたポスターが貼ってあった。

あ!ヤギの写真もある。解説を読むと、除草のために飼っているのだそうだ。そうか、ならばどんどん食べて食べて食べまくってくれ。なにしろこの島全部をみれば、いくらでも食べる草木はあるはずだ。

(つづく)

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