長崎の過去と今-57

朽ちていく建物、護られる建物(その57)

トロッコ乗り場

炭鉱弁当を食べ終え、身支度を済ませた炭鉱ツアー御一行様。いよいよ坑道の中に入っていくことになる。

後で知ったのだが、この日の行程はこうなっていた。ちゃんとwebにも掲載されてあった。お昼ごはんを食べてからツアーが本格スタートだよ、ということも含めて。いかに今回の僕が、事前学習をしていなかったかがよくわかる。僕らしくない。

池島港(徒歩約300m) →池島炭鉱倶楽部(炭鉱概要の説明)※昼食タイム(各自ご用意または炭鉱弁当) →坑外トロッコ電車停留所(キャップランプ、ヘルメット、保安靴等装着後(乗車)) →水平坑道奥部電車停留所(下車) →【坑内徒歩見学:約1時間(約600m)】坑道堀進跡(本物の巨大掘進機ロードヘッダー等) →石炭採掘現場復元箇所(採炭機ドラムカッター展示・ドラム模擬運転、穿孔(せんこう)機オーガー操作体験) →坑道内に設置された炭鉱操業時写真展示コーナー見学 →坑内発破の映像、発破スイッチ模擬操作体験コーナ →坑内救急センター跡(緊急避難所) →水平坑道内電車停留所(乗車) →坑外トロッコ電車停留所(下車) →(徒歩約300m。歩行途中石炭積み込み機、旧石石炭火力自家発電所、貯炭場等説明) →池島港

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というわけで、まず最初に訪れたのが坑外トロッコ電車停留所。ヤギたちがくつろいでいた空き地から少し歩いたところに、ドラム缶を真っ二つに割ったようなアーチがある。そのアーチのところまでトロッコの線路が伸びているので、ここで乗り降りするっぽい。

松岩

アーチの脇に、大きな黒い石が置いてあった。ガイドを務めてくださる方が、「これは何だと思いますか?」とツアー客に問いかける。ツアー客、めいめい「石炭!」と声を上げる。当たり前だろう、どうだ正解だろう、と。

しかし無情なるガイドさんは、

「これは石炭ではないのです。松岩、といって、石炭に似ているけど違うものです」

と自信たっぷりなツアー客の鼻をのっけからへしおってみせた。なんてこったい。

単に嫌がらせをしたいからひっかけ問題を出したのではなく、コイツが岩盤のなかにいるととにかく固くて始末に負えないのだそうだ。通常のドリルでは歯が立たないので、ダイナマイトで爆破しないといけないという。しかも石炭に似ているのに、燃えてくれない。役立たずの邪魔者、というわけだ。

「もうここに10年以上放置していますが、全く崩れません。石炭ならボロボロになるんですが」

という。なんてぇ太ぇ野郎だ。見た目はとても脆そうなのに。

ひとまず触らせてもらう。

「うわーかたーい」

適当なことを言う。当たり前だ。たぶん、「松岩とくらべて脆い」とされている石炭を触っても、「かたーい」と言うと思う。

トロッコ接近中

しばらくして、山の方からゴトゴト音がしてトロッコ列車がやってきた。

遊園地の乗り物のほうが大きいんじゃないか、というくらいに小さい。幅がないだけじゃなくて、高さもかなり抑えめだ。大きなトンネルなんて掘ってる暇があったら、もっと奥まで、もっと深くまで掘って掘って石炭を見つけるぞ!ということなのだろう。

トロッコやってきた

ヘッドマークは「M」。三井松島産業の略称だろう。

ピッタリと停止位置に停車して、一同拍手。

記念撮影

ここで、ツアーに参加したグループ単位での記念撮影タイム。蛋白質は、ガイドさんが手にしていた鉱山用のステッキのようなものを手にご満悦の表情。

トロッコ乗車

記念撮影後、トロッコに乗り込む。

さすがに客車にはネットが張ってある。うかつに手を出して怪我をするとまずい。もともとこうなっていたのか、それとも観光客向けに開放してからネットを取り付けたのかは不明。

高さがとても低い

それにしても頭上が低い。

座高が1メートルある僕の頭がつかえるのはしょうがないとしても、もう少し身長も座高も低い蛋白質、ばばろあ共に窮屈そうだ。背筋をぴんと伸ばすことができないので、若干前かがみになるしかない。

「お前、さては勃起してるだろう」「してるかアホ!」

男子校出身者ならではの下品な会話。

発電所方面

トロッコ列車はゆっくりと移動を開始。

発電所が見える。

通路らしきものが発電所に向けて伸びているけど、昔はここも軌道があったそうだ。

この発電所はもちろん石炭火力発電なのだけど、原材料の石炭は出荷されない石炭のカスみたいなもの(なんていう名前だったかは忘れた)を使っていたという。なんて効率的なんだ。

坑道へ向かう

進行方向右側にはネットがついていないのだな。こっち側は鉱夫が乗り降りする側だからだろう。危なくない程度に手を出して写真撮影。

「世界の車窓から」みたいだ!

(つづく)

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