長崎の過去と今-61

朽ちていく建物、護られる建物(その61)

坑道

坑道の行く手を塞ぐように、さび付いた巨大なメカがあった。元の色は黄色だったのだろうか、それとも錆びたからこんな色になったのだろうか。

暗い坑道ということもあって、各種機械は黄色であることが多い。たぶん、黒や灰色、茶色といった塗装だったら暗くて見失ってしまうからだろう。

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操業中の坑道はどの程度の明るさだったのだろうか?

安全確保のためには明るくしないとダメ!という発想だったのか、それとも最小限の明かりしかなかったのか。今となってはわからない。

坑道

坑道

黄色いメカには、「エアダンパー」と書かれた解説がぶら下がっていた。こんな巨大なものが「エア」で動いて、なおかつ「ダンパー」であるということがよくわからない。見ただけでは、こいつが何をやっていたのかはさっぱりわからない。

精炭した際に出たボタをここに集め、トロッコに積む装置が「エアダンパー」だという。

あれ?精炭所は山の中腹にあったはずだ。ということは、そこで出た「石炭として製品にならない砂利」はまた地中のここまで戻ってくるんだな。で、トロッコに積まれて、海岸のボタ捨て場まで運ばれていくという流れ。

エアダンパー、というのはその地上施設と地下のこことの仕切りのことだったらしい。空気で仕切りを開け閉めして、開けるとドサっとボタが上から落ちてくる。

坑道

エアダンパーの奥には、またビニールハウスのような場所があった。

この生地も、メッシュ地になっていて、帯電しないようになっている。そういえばビニールって静電気がすごいよな。手に吸い付くときがある。そうならないように金属を織り込んでいるのだろう。

ここは緊急避難時のシェルターで、それを再現しているそうだ。

こういう「安全」への配慮をちゃんと紹介してくれるのが、この炭鉱ツアーのすばらしいところだ。「掘って掘って掘りまくれ」という「攻めの鉱山」ばかりが紹介されがちだけど、その裏にはいろいろな体制があってこそ成り立つってことがむしろ面白い。

派手なロボットアニメのアンチテーゼとして、ロボットを維持運用するための人たちの苦労話が中心となる「機動警察パトレイバー」が出てきたのと同じ。

坑道

シェルター内に置いてある、飯ごうのような無骨な装備。なんだろうこれは。

坑道

これは緊急時に呼吸を確保するための装置だった。

どういう原理だったっけ。説明をいろいろ聞いたのだけど、細かいところを覚えていない。確か、一酸化炭素を吸い込んだらヤバいので、一酸化炭素を二酸化炭素化する仕組みだったような気がする。

坑道

無線ケーブル。

こういうケーブルが坑道内に張り巡らされていて、このケーブルにトランシーバーのアンテナを押し当てながら通話をしていたそうだ。

ああそうか、総延長96キロにも及ぶトンネルだから、普通の無線機じゃ電波が届かない。こうやって有線アンテナを用意しなくちゃ。

坑道

ダイナマイトも実際に触らせてもらう。このあと、発破のVTRも見せてもらった。わざわざ薄型ディスプレイがこのシェルターの中に備え付けられている。

ドカーン!と一発盛大に爆発するのかと思ったが、ガチの発破というのは時間差で爆発させていくのだそうだ。粉々に粉砕するのが目的ではなく、固い岩盤にひびを入れることが目的だからだ。

「なので、実際はそんなに派手ではないんです」

とのこと。

坑道

これで展示は終わり。

来た時に乗ったトロッコに乗り、スタート地点に戻る。

地上に出た

外界に戻ってきた。

いやあ、太陽っていうのはすごいな!これだけ広い世界を、満遍なく照らしてるぞオイ!

(つづく)

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