長崎の過去と今【軍艦島・池島】

入居者募集

12:51
「もっとそうめん、食べたかったなあ」と、神城のそうめんに最大限の賞賛を与えつつ「百年庵」をあとにする。目指すは吉野ヶ里遺跡。神城からはさほど遠くない。

「それにしても佐賀平野ってでけぇなぁ」

この日何度目かになる嘆息がでる。遠浅の有明海を埋め立てた広大な土地は、地平線が見えるんじゃないか?と思えてくる景色だ。

いや、そんなことよりちょっと待て。信号待ちで車が止まっている間、車窓から何やら変な物が見えた。

何の変哲もない、不動産屋の看板。「入居者募集」と書いてある。それはいい。しかし、その下に「物件名:target K」と書いてある。

さあ社内では審議ですよそりゃあもう。

「あれは、具体的な物件名を伏せているのだろうか?」
「いや、物件名だろ」
「あんな建物名にするかね普通?」

不動産で、物件名をあえて伏せ字にするというのはちょっと訳ありすぎる。ということは、建物の名前そのものが「target K」なのだろう。面白い名前だ。

帰宅後、suumoで調べてみたら、本当にこの名前の建物があったのでびっくりした。

そのまんまの名前、ということにも驚いたけど、suumoでちゃんと検索に引っかかるというのにも驚いた。軽量鉄骨2階建て4戸の住居だそうだ。

インターネット万能時代だけど、さすがに「target K」の名前の由来までは調査できなかった。やべえ、僕ら3人のうち、姓名のいずれかに「K」を含むイニシャルの人が二人いるのだけど。

ゴルゴ13みたいな人に狙撃されたら怖いので、ブルブル震えながらこの場所をそうそうに立ち去る。

吉野ヶ里遺跡地図

吉野ヶ里遺跡の中を突っ切る道を車で走る。途中駐車場があったが、無情なことに「満車」の表示が出ていて、中には入れなかった。

ばばろあが、ウヒョー!という顔をしながら叫ぶ。

「こんなに混むとは思わんかった!規模が大きくなっとるというのは知っとったけど、客も大勢来るんか!」

疾走する車の窓から見える吉野ヶ里遺跡は、木々に囲まれた広大な公園・・・といった風情で、このどこに人が集まるのかさっぱりわからない。

「何か覚えてるか?修学旅行の時のことを」

ばばろあが聞いてくる。

「いや・・・ほとんど覚えていないなぁ」
「じゃろ?当時はせいぜい高床式住居とかがいくつかあった程度だったはずなんよ。それが今やこんなに大きくなって、しかも客が大勢来とる」
「時代は変わるねえ」
「ほうじゃねえ」

弥生人もびっくりだ。

「こりゃやばいな、中に入れんかもしれんぞ」

こんな広大な敷地の公園なのに、中に入れないなんてことがあったらとんでもない事態だ。「さすがGW!」とは言ってられない。そんな馬鹿な。どれだけキラーコンテンツなんだよ弥生時代って。

東口駐車場に回り込んだ我々だったが、駐車場の入場待ち渋滞が少々あったもののなんとか入場を果たすことができた。

吉野ヶ里遺跡入り口

「ええ?こんな感じだったっけ?」

駐車場から下りて、公園入口の巨大なゲートを前に困惑が隠せない。

マスコットキャラクターもにっこりとお出迎え。ええと、駄目だ、全然覚えていない。まさか自分の過去の記憶は、誰かに書き換えられてしまったのだろうか?

それにしても高校時代のことなんて全然覚えていないものだな。道理で当時覚えた英単語がほぼ全滅状態になっているわけだ。今、中1レベルの英語がやっと、という退化っぷりだ。

それはともかく、僕が修学旅行で訪れた際の面影を探したが、全く見つからなかった。しかしそれは当然で、吉野ヶ里遺跡が発掘されたのが1986年。僕らが修学旅行で訪れたのが1991年。発掘からわずか5年後のことだ。道理で、まだまだ未整備だったわけだ。

そして今や「国営吉野ケ里歴史公園」に発展を遂げた。なんと、国営なのか!

吉野ヶ里遺跡

バーンとゲートをくぐったは良いものの、そこから先が広いのなんの。レンタサイクルが欲しくなる広さ。いや、ゴルフ場にある電動カートでもいい。なんでも、この公園は70ヘクタール以上あって、まだ今でも拡張中だという。最終的には117ヘクタールになるというのだから、ここは北海道か?と目を疑う広さだ。

ほら、はるか遠くに建物が見える。そうかー、あそこまで歩くのかー。

周囲には日陰なんて気の利いたものはまったくない。こりゃあ、真夏は地獄だと思う。熱中症注意。

吉野ヶ里遺跡

鳥?のオブジェが刺さったゲートをくぐる。

吉野ヶ里遺跡

環濠集落、ということで、集落の周囲には堀と塀がある。これでニンジャがやってきても大丈夫だ。

・・・いや待て、時代考証が間違っている気がする。

吉野ヶ里遺跡

堀の外周には、先を研ぎすませた木がたくさん地面に突き刺さっていた。
集落の方向を向いているけど、これはどういう仕組だろう?脱走者がここで串刺しになる、わけはないよな。

歩いていく

いやー、結構歩く。こりゃあ、歳をとる前に訪れるべき場所だな。足腰が痛くなる前にぜひ。そして季節は春か秋だ。暑くても寒くても、しんどい。

タイトルとURLをコピーしました