広島、ふるさとの味は今も【広島ミニ食べ歩き】(その8)

2017年11月04日(土) 2日目

朝食券

08:08
2日目朝。

若干床が硬かったようだ。少々背中がミシミシする。しかし、朝起きてすぐに風呂に向かい、身体をほぐすことができるので、全く問題はない。何しろ、日本最強の威力を誇るジェットバスがあるのだから、凝り固まった身体など一撃だ。目覚めも大変によろしい。

今日は11時から「肉のますゐ」で久しぶりの「ますゐ詣で」が開催される。昨日は一緒に行動しなかった同級生数名とで宴会を開く予定だ。その後僕は、新幹線で彦根に移動し、翌日は日本百名山の一つである伊吹山に登る計画になっている。

カプセルホテルのチェックアウトは11時なので、ギリギリまで風呂に入ったり朝寝をすることが可能だった。しかし、朝ご飯を早めに食べないと「ますゐ」でドカンと肉を食らうことができなくなる。おとなしく朝7時過ぎに、起床。

チェックインの際に朝食券を受け取っているので、それを持参する。なぜかリンゴの絵が描かれているのだけど、何の意味があるのだろう?VIPにはミカンの絵が描いてある食券が渡され、それを持参するときんぴらごぼうの小鉢が1皿サービスされる、とかそういうのがあるのだろうか。

朝食

6階のレストランで、朝ご飯を食べる。

仲間と連れだってカプセルホテルに泊まる、というお客さんは殆どいないので、お客さんはみな一匹狼だ。一人で静かにご飯を食べている。しかし、中にはレストランの店員さんと仲よさそうに喋っているお客さんもいて、多分カプセルホテル常連なのだろう。そういうライフスタイルもあるのか!

そのお客さんは広島弁を喋っているので、地元民っぽい。地元民でも、週末はカプセルホテルで非日常感を味わい、ガツンと風呂に入り、ご飯を食べる・・・というのは、なるほど快適だと思う。ほんのちょっとした贅沢だ。

深夜までこのホテル界隈で飲んで、タクシーを使って帰宅するくらいなら、カプセルホテルで一泊した方が安くつく場合もある。なるほどねぇ。

仏壇通り

10:02
10時前にチェックアウトし、流川界隈を散策しつつますゐを目指す。ますゐは歩いて行ける距離だ。

カプセルホテルがある裏手がまさに風俗街になっている。その手の業態は営業許可を得るのが難しいのか、ぎゅーっと狭いエリアに固まって存在している。物珍しさから、敢えてそんなエリアを通過したら、朝10時だというのに客引きのおっちゃんから「どうすか、イッパツ」と声をかけられ、困惑した。朝からやってるんだねえ、こういうお店って。

ギラギラした風俗店を通過したら、そこは仏壇通りと呼ばれる通りだった。その名の通り、仏壇屋が軒を連ねている。昔ここは、西国街道という街道が通っていたところで、その名残だ。

周囲はすっかり飲食店の繁華街なのに、そんな中に仏壇を売るお店がある、というのがシュールだ。現世快楽と、成仏したあとの快楽、両方が一度に解決できる場所。それが流川。

絵の道具を売るお店

10:05
飲み屋だらけの町だと思っていたけど、画材を売るお店があった。「ピカソ」という店名なのがすごい。

ついでに、店の壁面には、大きな絵が掲げられていて、女子レスラーが相手選手に片足タックルを決めているというものだった。中学生くらいの作品だろうか?ダイナミックな構図の絵だとおもうが、なんでこんな絵が店頭に飾ってあるのかが謎で、面白い。インパクトという点では、とても効果的だ。

コーヒーショップ

10:08
八丁堀エリアにやってきた。11時の集合時間までまだ時間の余裕があったので、どこかの喫茶店にしけこむことにした。デパートや東急ハンズ、パルコといったお店が並ぶエリアなのだけど、あんまりゴチャゴチャしたところにはいたくなかったので。

カントリードック

「安いなあ」

思わず、一軒の喫茶店の看板に釘付けになる。

「当店自慢のカントリードック」が210円。

モーニングは、ハムエッグサンドとコーヒー、青汁(!)がついて390円。

広島の町のど真ん中でこの価格。いくら地方都市だからって、コストがかかるものはかかる。こんなのでどうして商売が成り立つのか。慈善活動じゃあるまいか。

「これだったら、カプセルホテルを素泊まりにしておけばよかったなあ」

思わずぼやいてしまう。カプセルホテルの朝食も、朝をゆっくり過ごせたという点で大満足ではある。しかしせっかくだから、広島の町中で朝ご飯を食べるというのも良かったな。

僕は広島に長年住んでいたとはいえ、外食事情、特に朝食事情なんてのは全く疎かった。食事は実家で全て完結していたからだ。特に朝なんて、わざわざ外で食べる理由がない。だから、どこにどんなお店があって、何が食べられるか、なんてのは知らなかった。むしろ観光客の方がそういうことは詳しいかもしれない。

ドトール

10:09
で、結局、すぐ近くのドトールでアイスコーヒーを飲みつつパソコンをいじる。

なんだよ、せっかくの広島なのにドトールかよ。

もう少し気の利いたお店にすれば良かったのだけど、とっさに思いつかず、全国展開しているチェーン店を選んでしまった。

パソコンをいじろうと思うと、さすがにカプセルホテルでは無理だ。そういう自由は確保できないのが、カプセルホテルの限界。

肉のますゐ

10:54
肉のますゐ。何年ぶりだろう、ここを訪れるのは。

社長がお亡くなりになり、息子さんが跡を継いだというのは風の噂で聞いている。しかし、お店は相変わらず健在。

精肉部

10:55
11時開店の食堂部と違って、精肉部はすでに開店している。

おっと、「肉のますゐ特製焼豚」が今日は売られているぞ。

レストラン入り口

10:56
昔のますゐ詣でで、開店前でシャッターが閉まっている食堂入り口に参加者が並び、「今や遅しとシャッターが開くのを待つ」という写真を撮ったものだ。

今回は、我々参加者が揃う前にシャッターが開いてしまい、その構図を再現することはできなかった。

シャッターが開くと、どこからともなく人がふぁーっとやってきて、店内へと吸い込まれていった。

すでに到着していたばばろあが思わず声を上げる。

「おい、11時前なのにもうお店に入っとるで!」

当然ますゐには一番乗り、という心意気だった我々をさらにうわまわるガッツの人たちがいるとは。驚きだ。

それも、一人二人だけでなく、わらわらと店内に吸い込まれていく。

「やばい、席が埋まってしまうかも」

そんな焦りを感じさせるほど、盛況だった。もちろんますゐは席数が多いお店なので、そう簡単に席が埋まることはない。でも、一瞬心配になるくらい、開店時間前からお客さんが入っていっていた。やあ、相変わらず愛されているお店なんだな。

地元民に愛されているだけでなく、観光客にも愛されているようだった。

男性一人客が、先ほどからずっとお店の前をウロウロしている。メニュー看板を凝視し、店先の食品サンプルを熱心に観察し、しばらく姿を消したと思ったらまた同じことを繰り返す。その所作からすると、たぶん初めてお店にやってきた人だ。

どうするのかな、お店に入るのかなそれとも諦めるのかな、と遠巻きに観察していたら、しばらくして意を決したらしく店内に消えていった。

この人は一体何を食べたんだろう。サービストンカツだけじゃ勿体ないので、あれこれ食べていってほしいものだ。

(つづく)

ソーシャルリンク