マツダスタジアムの見学を終えたあと、どうしようか?という話になった。
当初僕は、比治山にある広島市現代美術館に行って現代アートを鑑賞しようかと思っていた。しかし同行するふたりがさほどこの提案に興味を示さなかったこともあり、広島の中心地に行ってみることにした。
「折角だから、『おりづるタワー』にでも上ってみるか」
なんて話をしながら。
「おりづるタワー」は、2017年に広島を訪れた際に発見して、仰天した建物だ。原爆ドームのすぐ脇にできている。
今回改めて、時間はあるし昼間だから眺めが良いだろうし、ということでおりづるタワーに行ってみた。確か入場料が結構高かった記憶があるが、まあ、この際ノリで行っちゃえ。
・・・と思ったが、ものの1分で我々は打ちひしがれてしまった。
屋上の展望台に行くには、入場料1,700円。
団体料金じゃないぞ、一人当たりの料金だぞ。
これが東京タワーや東京スカイツリーのように、「どうだ!塔だぞ!お前ら、高いところまで上ってみたいと思わないか!?」と主張してくれば、「仰るとおり!」と即答できる。しかし・・・ここ、建物の内部はオフィステナントビルだし。
「いやあ・・・どうする?」
お互いが顔を見合わせたが、どうする?と聞いても、誰一人「せっかくだから」というさっきまでの言葉を繰り返す人はいなかった。あまりに高すぎる。酔狂で上るには、ちょっとギブ。
仮に、三人のうちの誰かが「行こうぜ。この際だから」と高らかに宣言したとしても、やっぱり残り二人は「いやあ・・・」とうつむいていたと思う。
だったら、「どうする?」なんてお互い聞くなよ、と思うけど、それくらい困惑してしまったのだった。
結局、わざわざマツダスタジアムからおりづるタワーまで延々と移動してきたのに、空振りで終了。
仮にこれが1,000円でも躊躇する。
それだったら、近くにある高層ホテル、リーガロイヤルのレストランか喫茶店か、上層階にあるところから景色を楽しむ方がいい。
やることがないので、原爆ドームを鑑賞。
原爆ドームの象徴ともいえる、ドーム部分の鉄骨がいやにボコボコしている。
新手の避雷針だろうか?と思ってよく見たら、たくさん鳥が止まっているのだった。
原爆ドームから振り返ったところにある、おりづるタワー。
若干未練はあるけれど、まあ・・・せいぜい払えて500円だな。
原爆ドームすぐ脇にあった、ごみ箱。
えっ?と一瞬びっくりすることが書いてあった。
家庭ごみ 弁当ガラ等
それって、公衆のごみ箱で最も捨てちゃいけないヤツじゃないのか?それをここでは積極的に受け入れているのか?とびっくり。
よく見ると、この文字の下に、色あせた赤色で「捨てないでください」と書いてあった。
なんだ紛らわしい。
広島市民球場跡地に行ってみる。
見ろ!未だに、広島のど真ん中中のど真ん中に、こんな空洞があるぞ!
正月明け、ということで、出初め式の会場として使われていたらしい。なんて贅沢な、というか、勿体ない。
前回広島訪問記のときにも書いたけど、あまりに立地が良すぎて、市民球場移転後の利活用方法が紛糾。結局結論が出ないまま、野ざらしになっているという有様だ。
美人過ぎる女性が婚期を逃す、みたいなものか。男性陣が遠慮しちゃって。
そんながらんとした市民球場跡地だけど、市民球場時代から脈々と続く「セントラルリーグ優勝記念碑」はまだここに置いてあった。てっきり、マツダスタジアムに移転したのだと思っていたが、「俺たちは市民球場のことを忘れないぞ!」という愛情なのだろう。
その、終わりのない愛の結果、石碑が1つでは足りなくなって2つめが設置されちゃった。それがちょうど昨年、2018年。それにしても、カープって波があるよなあ。ダメな時は万年Bクラスなのに、最近の強いこと強いこと。それがファンの心をつかんで離さない。
まだおりづるタワーが気になる我々一同、今度は市民球場跡地側から写真を1枚。
あの最上階にいくだけで1,700円だぜ?すげえよな。一生の思い出になるわ。棺桶まで持って行けるわ。
(つづく)
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