「うしし」と「うへぇ」~行き当たりばったりの旅【鉛温泉】

2003年09月21日(日) 1日目

メチャ多忙のなか、なんとか4連休を確保した。9月という過ごしやすい季節に4連休!これは有効活用しなければなるまい、と鼻息荒くあれこれプランを立てる日々。

目論見は、あった。兄貴と山に登るという話が進展していたからだ。具体的な話は詰めていなかったが、尾瀬を2泊3日で巡るというプランがおかでんの頭の中ではできつつあった。

そんな中、兄貴に打診のメールを送ってみる。すると、帰ってきた返事が・・・

From: おかでん兄
To: おかでん
Subject: Re: GO

尾瀬とのことだが、ワタシは9/22出社せんといけなくなった。
1泊3日の工程ではちょっと不可能。

実はこの連休で利尻に行ってきた。
花の時期が終わったらしく、登山者はパラパラ。
たった1人で百名山の山頂に立つのは初めて。
周りは海、礼文島。なかなかよろしい

ぎゃふん、という擬音はまさにこのためにあるのではないか、ってくらい仰天してしまった。尾瀬に行けなくなったという事実よりも、この男が一人で利尻まで遠征していたという事についてあぜんとしてしまった。

一体何がどうなってそうなったのか、確認のメールを送ってみた。しばらくして帰ってきたメールは

From: おかでん兄
To: おかでん
Subject: Re: GO

> 利尻遠いな。
>
> 羽田→千歳→稚内(飛行機)
> 稚内→利尻(フェリー)
>
> か?

まず、9/10~9/17まで休みだった。
9/10に考えて決行。
その場その場で予定決定したので、飛行機代、宿代が高かった!

9/10 飛行機予約(特割1)
9/11 羽田~稚内(飛行機) 1時間30分程度

稚内の観光案内所で宿予約(高い!)

稚内~鴛泊(フェリー) 1時間40分程度

9/12 登山
鴛泊~稚内

稚内駅前の素泊まり宿にすべりこみ

9/13 レンタカー借りてウロウロ
9/14 汽車で札幌へ(何年か前に以前出張で泊まったホテル泊)
9/15 札幌~羽田(web割)

何だー、一人ぶらり気まま旅をしていた、というのか。ワイルドすぎるぜ、兄貴!

これで完全にこっちの予定は狂ってしまった。いや、狂ってしまったのは予定ではなく、判断能力だった。何しろ、あやつは「ふらりと北海道」に行ってきたというのだ。 予想外の攻撃に、慌てふためくおかでん。何かそれに負けない一発、噛まさないと。

「でも、利尻行かれちゃ、何やっても勝ち目無いよな~」

横でこのやりとりをウォッチしていたコダマ青年が、ニヤニヤしながら言う。

「勝てないねぇ、どうやっても。北方領土に侵入!とかしない限り、勝ち目ないぜこれだと」

何か焦りを感じながら、「日本百名山」のガイドブックをめくる。旭川まで飛行機で行って、大雪、十勝岳を攻めて来ようか・・・それとも、中標津まで飛行機で、雌阿寒、斜里岳か・・・

「おっ、おかでん北海道行きかい?」

またコダマ青年が首をつっこんでくる。

「うん・・・やっぱり、遠出している!って気にさせられるのは北海道だからね、あっちの山に登ってくれば気も晴れるかなと思って」
「でも、利尻には勝てないよなあ」
「余計な事を言ってはいかん。利尻と比べてはいかんのだよ」
「おかでんも利尻にのぼってきたら?」
「いやだ、後追いするのは」

ただ、どうも北海道行きというのも盛り上がらない。じゃあ、ということで今度は開聞岳とか韓国岳といった鹿児島方面の山のチェックに入っていった。

「あっれえ?おかでん何やってるんだよ、今度は鹿児島か?全然方向違うじゃん」

またコダマ青年だ。

「うー、どうも兄貴の旅行話を聞かされて、精神が乱れまくってるんだよー」
「だなあ、迷走してるよな。さっきは八甲田山をチェックしていたじゃないか」
「青森方面もいいかなあって。ただ、車で青森まで行くのは相当疲れるので、どうしたもんかな、と」

結局、一人で飛行機にのって北海道とか鹿児島に行くのはコストと思い出のバランスを考えて、割に合わないと判断がおりて却下。じゃあ、ってことでなぜか鳥取の大山に登ろうとしてみたり、讃岐うどんを食べにいこうとしたりと迷走はますますひどくなるありさま。

そんな中、「旅の窓口」で東北地方の空き宿を検索していたら、岩手県花巻の鉛温泉が一人旅の客でも受け入れてくれる事を思い出した。鉛温泉といえば、その重厚な建物が特徴的で印象に残っている。旅の窓口の感想欄では、みな一様にベタ誉めしているし、要望に対して全て宿の主人がコメントを記入しているということで非常に好印象だ。ならば、一人で温泉旅に行くというのも悪くはない選択肢かもしれないと思った。

できることなら、岩手県の山・・・岩手山か、早池峰(はやちね)あたりに登っておきたいところだが、あいにく天気予報は雨。ま、しゃーない、温泉マッタリ企画でいきましょうかね。

前日の23時過ぎ、旅の窓口経由で予約。1泊2食つき、税抜きで7,000円。安い。

温泉宿は、普通一人での宿泊客を嫌う。一人客でも四人客でも、一部屋を開放しなければならないわけで、それだったら部屋単価が高くなる複数人客の方がありがたいからだ。平日は一人客OKでも、土日祝日はNG、という宿も多い。また、一人客OKであっても、宿泊料金が数千円UPというところもある。

その点、この鉛温泉は湯治場の思想があるからか、休日だというのに一人泊OKだからありがたい。

と、いうわけで、東京出発6時間前にしてようやく目的地決定。今回は、岩手県鉛温泉にて1泊2日、これがターゲット。ええと、それ以外は全く何も決めてないぞ。

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