ついに食い地獄に沈む【シンガポール】

クリスマスツリー風みかん

本日のお宿であるヒルトンホテルに到着。

シンガポールは、「オーチャードロード」と呼ばれている通りが一番栄えており、その通りに面したホテルだ。

建物内にヴィトンやグッチといったブランドショップが軒を連ねており、ブランド好きの女性にはたまらない・・・かもしれないが、おかでん一家はそのようなものにあいにく興味がない。「ふーん」の一言で終了。

ま、どっちにせよ、今回のツアーはなにやらスケジュールがいろいろ押し込まれているので、個人の自由が利く時間なんてあまり無いのだが。

ホテルの入り口には、大きな鉢植えが飾られていた。・・・み、みかん?クリスマスツリーのように見えるが、よく見るとこれはみかんの木だった。みかんがたわわになっている。そういえば空港にも同じような飾りがあったっけ。どうやら、シンガポールでは(中華圏では)こういう飾り付けをするのが正月の風物詩ということらしい。

ガイドさんによると、正月になると、みかん2個持って知り合いのところを訪ね、そして自分のみかん2個と相手のみかん2個を交換するのだそうな。みかんは縁起が良い食べ物なのだった。なぜなら、「橘」の字と「吉」の字が発音が一緒、なんだとかで・・・。縁かつぎって、面白い。

新春を祝うイベント告知

ホテルの中でも、新春を祝うイベント告知なんぞが出ていた。

大きく「狗(いぬ)」という字が見える。

先ほどまで英語表記ばかりの看板などを見てきたが、あらためてここが中国文化圏であることを知る。

今日は大晦日。ははは、日本でつい先日正月を迎えたばかりなのに、一カ月もしないうちにまた正月がきちゃった。でも、格闘技番組や紅白歌合戦があるわけでもなく、初詣なんてするわけでもない。あくまでも僕らは傍観者として、この旧正月を楽しませてもらおう。

ヒルトンホテルの部屋

われわれが通された9階のエレベーターホールには、「和のくつろぎ」という掲示がしてあった。日本人観光客向けサービスアップフロアー、ということらしい。

われわれが2泊する部屋がここ。

和のくつろぎ、というから和室にでもなっているかと思ったがさすがにそのような細工はなし。ごく普通のツインルームだ。これから、ここにエクストラベッドを入れるという。最初から用意しておいてくれよ。

んー、3つのベッドが並ぶとすれば結構狭い。まあ、仕方がない。

それにしても、ベッドを運び込むボーイさんの動きのとろいことといったらなかった。ベッドを運び込むまで10分、リネン室からシーツを持ってくるのに5分、まくらを持ってくるのに5分、バスタオルを持ってくるのに5分・・・ってな感じ。「忘れられたんじゃないか?」ってこっちが心配になってしまう間延びっぷりだった。しかも、一度に複数の事ができないので、一つ一つ、ゆっくりと、しかし確実に遂行していく。

「んー、南方の国だから、どうしても動きが緩慢になるのかねぇ。日本人だけかもしれん、きびきび動くのは」と家族で話す。こちらとしては、部屋の準備ができ次第さっさと外出したいと気が急いているのだが。

マルチコネクター

電源コンセントを確認してみて、「あ!」と悲鳴に近い声を上げてしまった。

電源、マルチコネクターがすでに装着されていた。うわぁ、わざわざ日本で旅行用多機能コネクター買ったのに。さんざん悩んだ末買っただけに、ホテル側の用意周到っぷりには逆にがっかりしてしまった。準備いいなぁ。

ちなみにシンガポールは「BF型」と呼ばれる形状で、「 _ | _ 」というコンセントになっている。当然、日本の豚鼻型コンセントでは使えないので、変換コネクタが必要。電圧は230V。

これが「和のくつろぎ」だろうか・・・

そんなわけはないか。

部屋の備品確認

ボーイさんがベッドメイキングを終わらせるまでの間、暇なのであれこれ室内の写真を撮影してみる。

タイの時は、ドリンキングウォーターが毎日一人1本ずつ、無料で提供されていたがここはそのようなサービス無し。エヴィアン飲みたければ有料。もっとも、この国の場合水道水を飲んでも大丈夫というお墨付きがWHOから出ているので、喉が渇けば水道水を飲めば良い。

お菓子はキットカット、プリングルスなど。

冷蔵庫の中

冷蔵庫の中も調べてみた。

ワインとビールがあるくらいで、その他のアルコール類は無し。ビールの銘柄はカールスバーグだった。シンガポールを歩いていると、ビールといえば地元代表:タイガー、海外代表:カールスバーグという二大巨頭だった。それ以外の銘柄はほとんど目にしなかった。カールスバーグ、なぜかシンガポールで強し。

面白いのは、冷蔵庫の中にレッドブルが置いてあったことだ。タウリン、カフェインなどが入ったスタミナドリンクだ。

怪しい浴衣

おっと、和のくつろぎ発見。

なにやら怪しい浴衣がクローゼットに格納されていた。

「浴衣ってこんな感じだよね?」と見よう見まねで作ったような、そんな感じのガウン風衣料。ちょっと胡散臭い。

なお、腰ひもは背中のところで縫いつけてあって、脱落防止されているという優れもの?

実際母親が着用してみたが、なんともちんちくりんな格好になっていた。

お風呂と洗面所

お風呂と洗面所。

いろいろなティーパック

なるほど、和のくつろぎはこんなところにも。煎茶発見。

それにしてもいろいろなティーパックを詰め込んだもんだ。間違えて一つ甘味料まで撮影してしまったが(EQUAL)、それを除くと6種類のコーヒーから紅茶から煎茶まで、用意されていた。高級品じゃないが、ここまでいろいろそろっているのはちょっと珍しい。

ベストレート保証

ヒルトン・ベストレートという記述を館内案内の中で発見。

なんでも、「ウチのオフィシャルサイトで申し込んだ宿泊料金が一番安い事を保証しまっせ」ということらしい。別のホテル予約サイトなんかに安く卸したりしません、ご安心してオフィシャルサイトで申し込んでくださいという事だ。へぇー、やるなぁ。

もし、オフィシャルサイトよりも安い料金のサイトを見つけた場合は、宿泊料金をその安いサイトと同額にするばかりか、50米ドル相当の値引きをする、と宣言している。なかなか面白い試みだと思う。

がら空きのスケジュール

三食付きガイド付きで楽ちんなツアーではあったが、初日だけはフリーハンドになっていた。チェックイン後は自由であり、食事も自己解決しなくちゃいけない。

そこで、今日はチャイナタウンに行ったあと、シンガポール名物といえる「ホーカーズ(屋台村)」で夕食を食べて帰ろう、ということにした。明日から春節(旧正月)だ、明日ノコノコとチャイナタウンに行ったって、正月休みで店はしまってるしガラガラなはず。行くなら今日しかない。あと、屋台料理を食べるのも翌日以降のスケジュールを考えると、今日しかない。さあ、街に繰り出そう。

風水の影響で建物の作りが変だ

シンガポール一の目抜き通りであるオーチャードロードを通り、地下鉄の駅に向かう。それにしても・・・建物の形が変なのばっかり。シンガポールは風水をちゃんと考慮した上で建物を建築する風習があるらしいが(これは香港も一緒)、その影響かどうかは知らぬが何でこんなデザインなん?という建物があっちこっちにある。見よ、この写真の建物。右側のはいいとして、左側のビルの作りったらないぞ。何だか、ビニール買い物袋をびよーんと引っ張って、ビニールが伸びたまま戻らなくなっちゃった、みたいなデザインになってる。あの変な「ゆがみ」を作るだけで、一体どれだけ建造費がかさんだことやら。

あのゆがんだところの部屋で宿泊していたら、何だか悪い夢を見そうな気がしちゃうのだが、きっと良い「気」が流れているはずなのでそんなはずはない・・・と思う。

「ERP」と書かれたゲート

シンガポール中心部の道路を一言で言うと、「一方通行だらけ!」に尽きる。広い道路であっても、問答無用で一方通行だ。双方向に通行できる道路の方が少ないくらいだ。

このため、車に乗っていると目的地に向かうためには相当にジグザグなルートをとる。シンガポール初訪問でタクシーに乗った人は、「運ちゃん、メーターを増やすために大回りしやがったな」と腹を立てるに違いない。何しろ、目の前に目的地が見えていても、一方通行であるが故に到着しないなんてことはざらだ。

故に、翌日以降のツアーでも、「どの順番にホテルを巡回してツアー客をピックアップするか」というのはバスガイドの頭の悩ませどころだったらしい。このホテルからこっちへは容易に行けるけど、その逆はすげぇ面倒、なんていうパズルだ。街そのものが、パズルだ。

あと、道路に関してはところどころに「ERP」と書かれたゲートが建てられていた。何だ、それ?

ERPゲートの横

翌日、ERPゲートの横から撮影したもの。車を関知するセンサー、撮影用カメラなどがびっしり据え付けてあった。

そう、ERPとは日本で言うところのETCに相当するもの。シンガポールは、渋滞を防ぐために都心部に侵入する車には課金をするという「ロードプライシング」を実施しているのだった。そのため、街の中心部に入る手前には必ずこの「ERP」ゲートが設置されており、そこを通過したら自動的にちゃりん、とお金が引き落とされる仕組みになっている。ETCのように「時速20km/h以下で通行してください」なんてケチくさいことはいわない、この国のERPはびゅんびゅん飛ばしていても、ちゃんと課金される。よくできたシステムだ。

恐らく、ERPとは「Electric Road Pricing」の略なんだろう。日本もいずれ、この手の設備が東京都内にはできるかもしれない。

ちなみにこのERP、ナンバープレートを読みとるカメラは「後ろ向き」に設置されていた。日本のオービスやNシステムは車前部のナンバープレートを読みとるため、車前方にカメラが設置されている。しかしシンガポールはその逆。「じゃあ、シンガポール版オービスはどうなってるのか?」と思って高速道路で探してみたら、やはりオービスカメラも「背後から撮影する」タイプで、路肩に設置されていた。日本の感覚でそのオービスを見ると、「変な方向を向いちゃってる、ダメなカメラ」みたいに見える。

MRT乗り場に向かう

さて、地下鉄に乗ろう。

川崎重工が作った地下鉄で、MRTと言う。

地上入り口のところに既に電光掲示板が設置されており、次の電車到着まであと何分、という表示がでているのがわかりやすくて良い。

地下ホームまでのエスカレーターは強烈に早い。日本の1.5倍は早い。お年寄りに優しくないじゃないか、という抗議については、恐らく「危ないんだったらエレベーターに乗ってください、それで何か問題ありますか?」という事なんだろう。それはそれで非常に合理的な話だ。

ICカードを買い求める

外国にいく度に鉄道チケットの購入には首をひねるが、ここシンガポールでも非常にわかりにくい仕組みになっていた。

まずこの地下鉄では、日本のような切符を発券しない。全て、ICカードだ。SUICAやICOCAのようなチャージ型ICカードの「EZ Link Card」というのがシンガポール市民では一般的だが、われわれのような旅人にはそんなものはいらない。カード代で$5取られるのはもったいない。

スタンダードチケット

というわけで、使い捨て型なのがこの「スタンダードチケット」という緑色のICカード。デポジット代$1かかるが、下車したあとに自動改札機で返金をしてもらえる。でも、ちょっと面倒。

ちなみに、「ゴミ捨てたら罰金」というような厳しい国であるシンガポール、このチケットをぺちぺち指ではじいていたりなんかしたら、これも処罰対象になるという。うはぁ、油断ならねぇ。

罰則規定

そんな罰則規定が書かれた看板を駅構内で発見。

うひゃー、構内でタバコ吸ったら$1,000の罰金、だって。約75,000円。

名高い「ドリアン持ち込み禁止」は確かに記載があった。しかし、これは罰金規定はないんだな。まあ大目に見てやるよ、ということなのだろうか。他の罰金があまりに厳しいので、「ドリアン禁止。でも罰金は無しよ」と言われたら、何だか禁止されているような気が全然しない。

果物の王様、という呼び声高いドリアン。シンガポール人が愛してやまない果物の一つだが、それでも公共の場ではこういう扱いになってしまうのだな。悲喜こもごも。

シェントン・ウェイの超高層ビル街

さて、地下鉄でラッフルズ・プレイスで下車し、地上に出る。

外はそろそろ日没。でも、さすがは赤道直下、日の出から日の入りまでたっぷり12時間もある。1月とはいえ、夜の7時半くらいまでは明るい。

シェントン・ウェイの超高層ビル街を見上げる。

ここも風水の影響からだろう、独特の作りのビルだ。香港のセントラルと雰囲気が似ている。

くビルがデコボコしてる

こういう国で建築士になったら、腕の奮いがいがあるだろうなぁ、と思う。ただし、風水に精通していないと商売にならないだろうから、日本よりも勉強しなければならないいことは多いかもしれない。

とにかくビルがデコボコしてる。構造設計をきっちりとやらないと、偽装なんてしてたら地震でぽっきりだ。

あ、そうか、シンガポールは地震が滅多にないから、耐震構造なんて気にしなくて良いんだった。

ガイドさんの話によると、スマトラ沖地震の時はこのシンガポールでも一部は揺れて、一部は揺れなかったという。すなわち、地震が伝わるぎりぎり縁の方だったということだろう。

ナゴール・ダルガー寺院

近代的なビル群が林立するブロックから、チャイナタウン方面に歩を進める。さすがに大晦日ということもあって、営業していないお店が多い。夕暮れ時ということもあって、街はやや沈みがちな雰囲気だ。

そんな中、目の前に現れたなにやら怪しい建物。ナゴール・ダルガー寺院。1830年に建立されたイスラム寺院だという。

「うわ、廃墟みたい」

と、信者からすると許されざるコメントを思わずしてしまった。すまぬ。でも、建物の回りには改装中のため覆いが施され、そんな印象を受けても仕方がないところだ。

当然中には入ることができなかったので、外から「へぇー」と眺めて、通過。

チャイナタウンに来て、真っ先に見たのがイスラム寺院というのはちょっと意外だった。

シアン・ホッケン寺院

そのイスラム寺院のすぐ横には、今度は道教のお寺があった。シアン・ホッケン寺院。シンガポール最古の中国寺院だという。おお、チャイナタウンらしくなってきたぞ。

夕暮れということもあってか、中には入る事ができず。門には派手な装飾が施され、なかなか豪華なお寺だった。

門の写真も掲載したかったが、家族全員で記念撮影をしている写真なので掲載をやめておく。おかでん母は、断固webに掲載されることを拒んでいるので。

ちなみに、「あんまり家族の事書きなさんなよ。兄貴の事も書いちゃ駄目、写真なんてもってのほか」と言われているけど、もう既成事実として兄貴だけは相変わらずご登場願っている。この「へべれけ紀行」第一回目からの登場人物なんで、今更引っ込められんですよ。

アル・アブラーモスク

イスラム寺院→中国寺院。

いやぁ、チャイナタウンらしくなってきましたねぇ

で、そのシアン・ホッケン寺院の隣が、アル・アブラーモスクだった。またイスラムですか。

「モスク」と「イスラム寺院」は何がどう違うんだ、と我ながら思うが、違いが判別つかないのでガイドブックのままの表記にとどめておく。

ここは門が開いていたので、建物の中をのぞき込むことができた。中はというと、高い天井のホールがあるだけ。一心不乱にお祈りを捧げている人がいるが、特に神仏像が飾られているわけでもない。イスラム教は偶像を禁止しているので、これ以上無いほどシンプルな作りだ。日本人の感覚からすると、何とも御利益薄そうな建物なわけだが、イスラム教という宗教においてはこれがスタンダードスタイルなんだろう。逆に、日本のお寺なんて、「何じゃこりゃぁ」と思うんだろう。

入り口から中をのぞき込んでいたら、お祈りを済ませたアラブ系の人が近づいてきて、「ジャパニーズ?」と聞いてきた。首を縦に振ると、入り口脇の机からごそごそとなにやら探し出し、紙を渡してくれた。おや、日本語でのこのモスクの観光案内だ。驚いた。チャイナタウンの外れだけど、日本人観光客が結構くるんだな。しかも、流ちょうな日本語で、怪しいフォントを使った支離滅裂な内容ではない。ちゃんと日本語フォントを使っていることが判る。建物よりも、その日本語の方に感心してしまった。

ニコニコしている天使

閉まっているお店には、大抵このニコニコしている天使みたいな人がつがいで店先に飾られてあった。

後で台湾の友人に確認してみたところ、この人はお金もうけの神様みたいな位置づけらしい。さすが中国系文化だ。純真無垢な顔をしているけど、お金もうけできますように、ということなのだな。

この後、あちこちの正月飾りで「中国人がいかにお金もうけが好きか」というのを目の当たりにした。日本人は、お金もうけというのはダーティーなイメージがどうしてもつきまとうのだが、中国(圏)では、さらりと、明るく語ることができるのだろう。中国人は金に汚い、なんて悪口を耳にすることがあるが、金に汚いのではなく、当たり前のようにお金に対して実直なんだろう。純粋に、お金もうけを大切にしている。儲かることは良いことだ、と。

プラナカン様式

なにやら派手なドア。このお店に限らず、シンガポールにはこういうパステルカラーを用いた建物が結構ある。一階がお店で、二階以上が住居になっている長屋風建物。これらは、マレー系原住民とインドや中国からの移民の文化が融合した結果できたもので、「プラナカン様式」と呼ばれるものだ。ちなみに、プラナカン料理というものもシンガポールには存在する。とはいっても、圧倒的に中華系の料理が強い国だ。

「おー、プラナカンだ」と感心していたが、ちょっと待ってください、あなたは今チャイナタウンに訪れているんじゃないんですか?

あれ?

チャイナタウンの中心部

首をひねりながら、チャイナタウンの中心部に歩を進めると・・・

おお、目抜き通りには電飾がたくさん飾られている。春節を控えて、準備万端って感じだ。

さすがは中華系、日本みたいに渋い正月ではないのだな。電飾で派手にお祝いをしようというわけか。日本だと、どうしても年末年始になると神社仏閣づいてしまうので、地味になる。それとは正反対の感じだ。でも、電飾を正月飾りに使うというのはここ数十年の話だと思われる。恐らく、中国人はこういう「派手」なのが好きという民族性なのだろう。

スリ・マリアマン寺院

通りは相当な人通りだ。一体これだけの人間がどこから集まって、一体何をしようとしているんだ全く。日本の大晦日だったら、もう紅白歌合戦が始まってる時間だ、こんな時間になってまで「新年準備のためのお買い物」をやってる場合じゃないぞ。

人をかき分けながら進んでいたら、なにやら、派手な屋根が見えてきた。うわ、人だらけ。

これが、スリ・マリアマン寺院。シンガポール最古のヒンドゥー教寺院だという。・・・イスラム、道教、そして今度はヒンドゥーか。色々出てくるなあ。でも、ヒンドゥー教ってインドだよな。せっかく春節ムード盛り上がってきたのに、ここで一気にインド色に染まってしまった。あれー。

牛がちょこんと座っている

ほら。

ヒンドゥー教は牛が神聖な生き物。だから、寺院を囲う塀のところに、ちょこんと羊が・・・ああ違った、恐らく牛だろう・・・が座っていた。

ヒンドゥー教寺院潜入

拝観は自由。無料で入ることができる。土足禁止なので、入り口で靴を脱いで中に入る。中は、広い石畳になっていて屋根がない中庭もある。そういうところも靴を脱いで歩くので、すごく違和感を感じる。靴をはかないで外を歩くということが、こうも人間を不安にさせるのか・・・と、文明にどっぷり浸かった自分を実感。

ちなみにこの寺院、カメラ撮影したければ$3、ビデオ撮影ならば$6のお金を受付に払わないといけないらしい。面白い料金体系だ。入場はタダなのに、撮影器具で課金するとは。

しかし、そんなのお構いなしで、入場客はカメラ付き携帯を取り出し、バシバシ撮影していた。おとがめ無しなのだろうか。 「あれはあくまでもカメラだからOK」という論理だとしたら、トンチがきいていて素晴らしい。

パゴダ・ストリート

一本脇道に入る。「パゴダ・ストリート」と呼ばれるナイトマーケット道路だ。うわ、人が多い。

小さい子供を連れた家族なんか、絶対ここに来ちゃダメだ。間違いなくはぐれる。おっと、人の心配をする前に、自分の財布も気にしないと。尻ポケットにお財布を入れておくのは非常に危険。大臀筋及び肛門括約筋に力を込めて、財布をぐぐっとお尻に引き寄せても取られるときは取られる。ちゃんとお財布は安全なところに待避させる。

売られているものは、どちらかといえばお土産もの系のものが多かった。地元民向け、というよりも観光客向けっぽい。そもそも、この通りは2004年に政府観光局が復活させたという官主導のマーケット。観光客向けになっても仕方がないだろう。CD、アクセサリー、衣類。チャイナタウンという名前の割には、店員さんはマレー、インド系の人が多かった。

まあ、そもそもだ、この国自体が78%中国人でしめられているわけで、国全体がチャイナカントリーなわけだが。

なにやらパパパパパと爆竹のような音が聞こえる。屋台で、ピストル型ミニクラッカー連射器、とでも言えるオモチャが売られていた。シンガポールで爆竹は禁止されているはずなので、あくまでも「クラッカー」という位置づけなのだろう。その証拠に、ピストルの銃口から紙吹雪が飛び出している。やはり旧正月といえば爆竹を鳴らすのが通例。シンガポールでも「クラッカー」で擬似的に祝おうじゃないか、ということなのだろう。アイディア商品だな。

でも、店の回りは紙吹雪が散らかりっぱなし。「うるさい上にゴミまき散らしやがって」と迷惑そうな顔をして、隣の屋台のマレー人がほうきとちりとりで路上掃除をしていたのが面白かった。

トレンガヌ・ストリート

パゴダ・ストリートを曲がると、そこはもう絶望的なまでに人が多い通りにでくわした。トレンガヌ・ストリート。まともに歩くことができない。一歩一歩、人をかき分けながら進まないと行けない状態だ。えーいお前ら早くお家に帰りなさい!

観光客、地元民が入り乱れている。家族連れの場合、子供にチャイナ服を着せている光景があちこちで見受けられた。日本人が初詣に行くとき、「たまには振り袖でも着てみようかしら」となるように、こちらの国では「正月くらいはチャイナ服で」という気分になるらしい。ただ、大人は着ない。子供だけが、着ている。

チャイナ服といったら、大胆なスリットからちらちら見える細長い脚、という印象があるが、あくまでも子供達が着ているのは上着だけ。セパレートの服だ。

大量のお菓子が売られている

ココナツをその場で割ってストローを刺しただけのココナツジュースが人気だったが、この通りは他にもハンコ彫り、お菓子屋などが並んでいた。

人をかきわけるのが精いっぱいで、いちいち一つ一つの屋台を見る余裕がない。たった100m程度の距離を通過するだけで、10分近くかかった。

何かやたらとお菓子を売っている。お正月には欠かせないものなのだろうか?袋いっぱいに小さなお菓子を詰めたものが$1で売られていた。

ホーカー

われわれ子供達はこれくらいの混雑は平気なのだが、還暦を超えた母親にとってこれは相当キツい。「もう帰る」と言い出しやしないか、ハラハラしながら混雑を通過した。何しろ、さっきシンガポールに到着したばかりだ、いきなりこの気温、湿度、そして混雑に付き合わされたらぐったりしてしまう。

もっと奥深くチャイナタウンを探索したかったのだが、とりあえずこの混雑から離脱することにする。

離脱に使った道は、ホーカーがあった。ホーカーとは、路上屋台のこと。台湾や中国同様、この国はあまり「自炊する」という文化がない。屋台が発達しているので、食事はそこで済ませる事が多い。このため、シンガポールでは非常にホーカーが発達しており、あちこちで屋台群を見かけることができた。団地ごとに一つホーカーがあるくらいの勢いだ。ま、外食中心の風習であれば、それくらいの規模と密度で存在しないと絶対数が足りないだろう。

屋台、といっても、日本の駅前に出現するようなラーメン、おでん屋台の形態ではない。ちゃんとしたブースになっている固定型店舗だ。そういったお店がずらりと並ぶ。

写真入りでメニューを紹介するホーカー

ほぼ全ての屋台も、写真入りでメニューを紹介しているのでわかりやすい。現地名で書かれているメニューほどわかりにくい物はないので、これはありがたい。

料理の値段は大抵$3~$5。だから、200円ちょっとから400円程度。その割には盛りが良く、さすが屋台だと感心させられる。シンガポール自体の物価は日本と同等、くらいの印象なのだが、屋台料理に関しては素晴らしいコストパフォーマンスだ。

「東南アジアの屋台って・・・」とクレンリネスに心配を抱いてしまうが、シンガポールの場合は政府がちゃんとホーカーを管理しており、衛生面では全く問題がない。政府が屋台を一軒一軒チェックし、その衛生状況に応じて「A」から「E」までランクを付けるというから凄い。で、屋台はそのランク証明シールを店の目立つところに張る義務がある。

さすがにEとなるとバツゲーム的な意味合いでしか使えないと思うが、こういうホーカーだと大抵のお店はBランクもしくはCランクのようだ。確かに、屋台といってもちゃんとしたキッチンを備え、水回りも完備している。不衛生という印象は全くない。

いやー、それにしても目移りする。どれもビールの肴にぴったりだ。ああ、食べたい。路上に展開されているテーブルを見ていると、やはりみなさんビールを大瓶でぐいぐいと飲んでいらっしゃる。そりゃそうだよな、年中暑い国だし、料理は安くて美味そうだし、ビールが進むわけだよ。ここでもみなさん、タイガービール。例外的にカールスバーグ。他の銘柄はないんか?

腹を空かせた兄貴は「ここで食べればいいじゃないか」と言うが、僕が断固拒絶した。ここはチャイナタウン内のフードコートであり、中華料理が中心(のはず。ざーっと見た限り、情報量が多すぎて何が何だかよく分からなかった)。せっかくシンガポールまできたのだから、マレー料理やプラナカン料理も食べられるようなトータルバランスに優れたお店にしようじゃないか、というのが僕の主張だ。

電飾がきれい

「地球の歩き方」で見つけた別のホーカーに向かうため、MRTの駅まで歩く。

電飾がきれいだ。

途中、中国茶を伝統的な聞茶の儀式に則って飲ませてくれる「ティー・チャプター」というお店に立ち寄ったが、年末ということもあってお休みだった。激しく残念。シンガポールで一番立ち寄りたかったお店だったんだが。

正月飾り

でも、旧正月ということでいろいろな光景を見ることができて楽しい。

こちらでは、正月飾りがたくさん売られていた。赤と黄色のオンパレード。中国人がいかに赤色を好むかがよく分かる。

なぜかパイナップル型の飾りをあちこちで見かけたので、翌日ガイドさんに聞いてみた。すると、「パイナップルの中国語読みは、『黄金』と同音だから縁起が良いのだ」ということだった。しかも、イヌの鳴き声(ウォンウォン)とも近いので、戌年である今年は特に珍重されるんだと。

ちなみにシンガポール人は正月にパイナップルタルトを食べるらしい。

ここまでお金に執着した「縁起の良さ」ってのは日本人にはちょっとついていけない。まあ、縁起がよい・・・といっても、ダジャレみたいな感じなんだけどね。

歩行者天国

ここは歩行者天国になっていた。

電飾がきれい。

派手なゲート

派手なゲートを作ってるところもあった。

正月とは、明るくて派手な事なんだな、この国では。

、お菓子を売っているお店

こちらでも、お菓子を売っているお店があった。

お年玉代わりにお菓子を上げるのだろうか?そうでもないと、こんなお菓子の袋詰め売りに客が殺到する訳はないと思うのだが。

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