ついに食い地獄に沈む【シンガポール】

ラッフルズ卿

ラッフルズ卿上陸記念の地。

特に何かすごい岬であったりするわけではなく、普通の川沿いの地だ。

1819年1月、東インド会社の社員だったラッフルズはこの地に上陸し、貿易の中継基地建設を決めた。近代シンガポールのきっかけを作った人だ。

上陸記念の地といっても、何かその功績をたたえる資料館があるといった工夫は特にない。ただ単に、お散歩に適した川沿いの遊歩道の中に白いラッフルズ卿の像が建っているだけだ。

広い国で、観光資源が豊富にある国だったらこのような像はあまり観光名所にはならないだろう。しかし、シンガポールの場合、「とりあえず上陸記念地に言ってみるか」となってしまう。そして、縁もゆかりも興味もない、ラッフルズ卿の像の前でニコヤカに記念撮影をする。「シンガポールに来ました」という証拠写真、として。

奇抜なビル

対岸にシェントン・ウェイの高層ビル群が間近に見えてなかなか面白い。奇抜なビルが多いので見ていて飽きない。

たとえば、これ。

なんだこのビルは。

積み木で作ったビルで、一部の積み木を取り払ったかのようなデザイン。なにも、あんなところをごっそりと削って空中庭園を造らなくても。

偽装建築していたら、確実に倒れるビルだ。

シンガポールの地は地震が少ないとはいえ、先鋭的なデザインのビルが多いために構造計算はしっかりやっているんだろうな。

ボート・キー

対岸には、プラナカン様式のショップハウスが建ち並ぶボート・キーと呼ばれる一帯が見えた。夜になるとバーやレストランが開店し、大変人気のあるスポットらしい。

・・・今回のツアーでは立ち寄らないけど。

あれ?いや待て、ツアー行程表には「ボートキー&クラークキー」って記載があったぞ。

ということはアレか、今これが「ボートキー満喫しました」って事ですかそうですか。

ビクトリアコンサートホール&シアター

ラッフルズ卿上陸記念地のすぐ側にある真っ白な建物。

ビクトリアコンサートホール&シアター。

こういう建築物を見るにつけ、この地がヨーロッパの影響を色濃く受けていた事がわかる。

日本も第二次世界大戦中、3年間とはいえ領土としていた時期があったんだが・・・残念ながら、この国の人に根ざす文化は与えられなかったようだ。忌まわしき記憶としてだけ、残っている様子。

「軽食」の屋台

車はぐるぐると大回りしながら、マーライオンパークを目指した。ラッフルズ卿の像からだと歩いていける距離なのだが、何しろ一方通行が多い国のことだ、ひたすら大回りすることになる。

マーライオンパークにはちゃんとした駐車場がないため、路駐となった。パークといっても、単なる岸壁に過ぎない。川沿いの岸壁に降りるための階段周辺には大小様々な観光バスが路駐していた。

「20分後に集合」と細かい指示をガイドさんから受け、ひとまず解散。めいめいがマイペースでマーライオンを見に行く。

途中、屋台が何軒か見受けられた。フレッシュジュースの屋台が人気。ちなみに写真に写っている屋台は、「軽食」の屋台。えーと、ホットドッグ、フランクフルト、ハンバーガーから始まって、カキフライ、麺料理、炒め物、いろいろな料理を取りそろえていた。感心するしかない。

マーライオンパーク(といってもただの岸壁)から見た海

マーライオンパーク(といってもただの岸壁)から見た海。

なんとなく、南国に来たなあという気持ちになる。

マーライオン

そして、これがマーライオン。「世界三大がっかり」で名高い。とはいっても、汚名返上ということで周囲の整備をしたり、噴水の勢いを増したり努力はしているようだ。いざ見てみたが、それほどがっかりするようなものではなかった。まあ、「すごーい」という驚きは全く感じないのだが、「ほうほう、なるほど」とにっこり頷く程度の心の余裕はあった。

昔はもう少し内陸側にあったらしいのだが、2002年にお引っ越しをして今の場所に落ち着いたとのこと。マーライオンを正面から見ることができるように、海にカギ型にせり出した桟橋が用意されているのが親切。

お引っ越ししたおかげで、正面にはドリアン型のエスプラネードシアターがよく見える。

シェントン・ウェイの高層ビル群

そして背後には、シェントン・ウェイの超高層ビル群。

シンガポールを象徴する光景にマーライオンがぴったり収まった感じだ。

子マーライオン

ちなみにこのマーライオンの背後に、子マーライオンがいた。

何のために作られたのかは謎だが、マーライオンと並んで記念撮影したい!と駄々をこねる観光客の皆様には大変な人気のようで。適度なサイズ感もあって、かわるがわるみんな記念撮影をしていた。

口から吹き出る噴水がしょぼしょぼ。しょんべん小僧みたいだ。

大小マーライオンは背中合わせ

位置関係としてはこんな感じ。

大小のギャップがなんだか地味に面白い。

チャイナタウンのお土産物屋

集合時間になったのでバスに乗り込み、また移動を開始する。

「それではこれからチャイナタウンとスリ・マリアマン寺院に行きます」とガイドさんは言う。

「このあたりがチャイナタウンですねー。あっ、ほらこの右側に見えるのがスリ・マリアマン寺院です」

あっという間に通過。さよーならー。

これも、ちゃんとツアー行程表に書かれている「観光」の一つ。うわ、うそくさい。昨晩、訪れておいて良かった。このツアーをあてにしていたら、全然「観光しました」に入らなかったぞ。

で、チャイナタウンを華麗にスルーしておきながら、これだけはきっちりと忘れない。チャイナタウンの外れでバスは停車し、「それでは今から15分間。15分間でショピングね」だそうで。はぁ、そうですか。民芸品のお店らしい。

それにしても回りのお店は閉まっているのに、このお店だけ日本人ツアー観光客目当てで大絶賛オープン中。大変だなあ。

シンガポールのこま犬

お店の入り口には、シーサーと狛犬を足して二で割ったような置物があった。魔よけだと思われる。

その置物には、正月飾りのパイナップルがくくりつけられていたのが可愛い。このパイナップル、黄色じゃなくて赤だ。こんなバージョンもあるのだな。しかも、パイナップルの下には「福」という字がぶら下がっている。

土産物屋の店内

中は、ワニ皮だかなんだか、いろいろなバッグや財布、ベルトといったものを販売していた。

値段が格安というわけでもなく、全然食指が動かない。店員の接客をするり、さらりと交わす「修行の場」となっていた。一緒のツアー客も、誰も買っていなかったんじゃないか。

さすがに、先ほどのサプリメント屋で衝動買いしたのを後悔したのだろうか。

ガイドさんは、あちこち移動するたびに、そこにいるいろんな人に赤いぽち袋を配っていた。中華圏では、「家族親族」以外にもお年玉をあげまくる風習があるらしい。バスの運転手なら兎も角、立ち寄った土産物屋さんの店員にまで配っていたのには驚いた。まあ、中に入っているのは$1程度の少額なのだとは思うが。人とのつながりを大切にする民族らしい発想で、感心させられる。

変なマンション

さあこれで午前の部終了。お昼ご飯を食べに行くよー

・・・何だか、観光したんだか、土産物屋に行ったんだかよく分からない、あまり印象に残らない午前ではあったが。

外の景色はなかなか飽きがこない。ほら、あそこに変なマンションが。最近タワー型マンションが増えている日本だが、ああいう形のタワーは存在しないと思う。

「では、バスが到着するまでの間に、車内でちょっとだけお土産ものの販売をします。欲しい方がいたら、紙に番号と名前を書いて・・・」

うわ、油断していた。エクストラステージが控えていたとは。

シャングリラホテルのドアボーイ

お昼ご飯はシャングリラホテルで「選べる昼食」で、インターナショナル、飲茶、和食の3種類だという。

朝、ホテルでガイドさんと合流したときに「お昼はどうする?飲茶でいいですね?」と圧倒されてしまい、選ぶ間もなく飲茶で決定してしまった。

まあ、どっちにせよ飲茶を選んでいたとは思うのだが。インターナショナルだったら、どうせありがちなバイキング料理だろうし、シンガポールに来て和食を食べる気もしないし。でも、旅情ということを考えればここでぜひ地元のプラナカン料理を食べたかった。

恐らく、日本においても「お茶漬け」や「たこ焼き」が観光客ホテルや旅館でなかなか出てこないように、あまりに庶民的な料理というのはこういうホテルで取り扱う範疇ではないのだろう。

この日、ツアーバスの乗客は、3名のグループが「和食」を選択し、残りが「飲茶」を選んでいた。食事会場に誘導したり、ビールなどを頼んだりするときのための通訳として、それぞれにガイドが1名ずつついた。バスに一緒に乗っていたガイドは1名だけだったので、わざわざこのお昼ご飯のためだけに、1名ガイドが増援されてホテルのロビーで待ちかまえていたことになる。大変な手間だ。ガイド稼業も楽じゃないね、とつくづく思う。

シャングリラは高級ホテルとして名高く、さすがにわれわれが宿泊しているヒルトンよりは格上という印象を受ける。ちょっとオーチャードロードから外れた小高い丘の上にあるので、交通の便ではやや劣る。しかし、その分広大な敷地を確保してあり、広々としたスペースが心地よい。

入り口のボーイさんは、なにやら不思議な格好をしていた。これはどこの民族衣装なんだろう?一瞬、「チンギス・ハン?」と思ってしまったが、その想像には何の根拠もないことに数秒後に気が付いた。

エントランスの謎の赤色帯

面白いのは、エントランスの正面にこのような帯が二本、敷かれていたこと。ちょうど車で踏みつけるようになっている。

見ると、「吉」とか「寿」という文字が見受けられる。どうやら、正月ならではの縁起の良い文字を並べているらしい。車がこの上に停まると、あら不思議車まで縁起が良くなっちゃう、ということなのだろう。

すぐにびりびりにやぶれてしまいそうだ。踏みつけるなら早めに訪れるのが吉、か。

面白いねえ、こういうところに文化の違いってのが現れる。

「吉祥」「春」

ホテルの入り口には、日本だと門松を据え付けるべきところにこのような派手な飾りが。昨日シンガポールに入国して以来、日本における一年分くらい赤を見たような気がする。

「吉祥」「春」

と書かれている。ぼんぼりがぶら下がっていて、美しい。

美しいが、派手だ。

超巨大な正月飾り

1階エントランスロビーには入り口にあったやつの超巨大バージョンが飾られていた。クリスマスツリー並みだ。こちらには、「吉」と書かれていた。

さすがにこれだけデカい正月飾りを陳列していれば、いいことありそうだ。「吉」がびっくりしちゃって、「何?何か呼んだ?」ってやってくるに違いない。

翻って日本の門松って・・・地味よのぅ。あれが日本の渋みであり、良さなわけだが。そういえば、「超巨大門松」って見たこと無いな。デカけりゃ縁起が良いというわけでもないのか。

中華バイキングのレストラン

飲茶組の昼食会場。

広い宴会場が、中華バイキングのレストランに早変わりしていた。

着席後、ガイドさんが「何か飲み物飲む人?」と聞いてきたが、回りが誰も頼まないので僕もビールは控えておいた。何となく、知らない人がいっぱいいるとビールを飲もうという気になれない。タイに行った時は僕ら家族だけだったので、欠かさず昼も夜もビールを飲んだものだったが。

ちなみにお茶はジャスミンティーが出てきた。「日本人を見たらジャスミンティーを出せ」という誤った解釈(?)はシンガポールでも健在。

北京ダックに群がる人々

飲茶、という話だったが、飲茶じゃないですなこれは。普通の中華料理バイキングだ。

北京ダックもある。北京ダックの前には、お皿を持った人々が国籍関係なく、並んでいた。

あまのじゃくな僕は、逆に北京ダックはスルー。こんなところで意地を張る意味など全然ないのだが。

勢いに任せての盛りつけ

で、盛りつけて参りました。

相変わらず、各種盛らずにはおれんわけね。

利き酒ならぬ利き料理、って様相を呈してきた。どれも一口、二口ずつ、それをお皿に盛れる限り。

一体このお皿の上には何品、料理が載っているんだ?

・・・えーと、11品!

この後、もう2回くらい、少量ずつとはいえおかわりに行って参りました。これにて、めぼしいメニューはほぼ制覇、と。

またしてもここで食い地獄。いや、違うな、「地獄」というのは強制されるものだ。自らが招き入れるものではない。「食い三昧」という表現をすべきなんだろうが、やっぱりカロリー摂りすぎだってば。

謎の料理はパス

「デザートを除く全メニュー食べちゃおう」企画(自分一人だけで敢行中)の中で、気になる一角があった。

??刺身のツマみたいな、大根やにんじんの千切りが盛られたお皿。生魚がスライスされたお皿。そして、油で揚げたスナックのようなもの。これ、何だろう。

あまりおいしそうではなかったのと、いまいち食べ方がわからなかったのでパスしていた。

謎の刺身のつま料理

しばらくしたら、従業員さんが大皿を回転テーブルの真ん中に据えて、先ほどのツマと刺身を運んできた。おや、各テーブルに一つ、こしらえてくれるらしい。

ガイドさんが横から、「これは正月の時だけに食べる、縁起のよい食べ物です」と口添えする。へへー、正月にお刺身を食べるのか。

見ていると、大皿に油みたいなものとか、各種調味料を入れて、刺身、ツマ、スナック風の揚げ物を入れて、ざくざくと混ぜ合わせて完成。

刺身ごちゃ混ぜ料理

できあがったのがこちら。

早速食べてみたのだが・・・うーん、日本人の口にはあわない味だった。なんて形容すればいいのかな、ものすごく「工業的な」味というか、人工甘味料が入ってるような、そんな怪しい味がして、どうも箸が進まない。

テーブルのみなさん、各自一口くらい食べただけであとは食べ残していた。縁起が良くても、口にあわないとどうにもならない。

やはり、生魚の食べ方は日本食の方が進んでいると思う。

獅子舞登場

じゃーん、じゃーんという音が廊下から聞こえてきたな、と思ったら獅子舞がやってきた。

中国の獅子舞を見るのは初めてだったのだが、なるほど金色なのだな。日本のような、唐草模様の薄い生地ではなく、みるからに重そうなボディだ。劇場のどん帳みたいだ。

タイガーが二匹いるのは、つがいだからだろうか?このタイガー一匹を操るのに2名がかり。そして、その後ろに「控えの要員」が何名かいて、さらにシンバルなどのパーカッション軍団が数名。

何でこんなに控え要員が多いんだ、と思ったら、1-2分おきに人がくるくると入れ替わっていくのであった。昔、全く外から区別が付かないうり二つな覆面レスラーがタッグチームで存在して、自分がダメージを受けるとタッチしてないくせにもう一人とすり替わる、というファイトをしていたのをテレビで見たことがある。あれを思い出した。

なぜそんなにくるくる入れ替わるのかというと、結構派手なアクションをやっているからだった。恐らく、後ろ足担当の人の上に前足担当の人が飛び乗ったりするのだろう、いきなりタイガーの身長が3m近くまでぐいーんと伸びたりする。組体操みたいだ。

周囲を見ると、接客係から厨房のコックから、スタッフ総出でこの獅子舞を見物していた。日本のビジネス文化だったら、「何があっても自分の持ち場は離れない」ことを良しとするが、この国では「縁起物が来たんだから、仕事に支障がないんだし見物したっていいじゃん」という認識なのだろう。

お供え物の前で踊る獅子

それにしても、先ほどからずっとこの宴会場の隅っこで、われわれに尻を向けた状態で踊りを続けている。一体これはどうしたものか。愛想を振る舞いながら、客席を練り歩くパフォーマンスは一切なし。

なぜかと思ったら、あれれ、獅子舞の前にはなにやらお供えものが置いてある。タイガーたちは、このお供え物の前で踊っていたのか。

ひょっとしたら、この踊る方向にも意味があるのかもしれない。その年の恵方に向かって踊る、とかそういうのがあったのかもしれない。あくまでも、ホテルにとっての縁起ものであって、客を喜ばせるパフォーマンスとしての意味合いは薄かったようだ。

免税店

お昼ご飯を済ませて、また車上の人となる。

「午後は、免税店に行きますから」

また買い物ですか。僕ら買い物ツアーじゃないんですけど。

いい加減うんざりしながら、連れてこられたのはDFSギャラリア。海外旅行ではおなじみ、いたるところにある免税店ですな。

このお店はかなり巨大で、4階建てのビルだった。そういうこともあり、ガイドさんは「ここで1時間。1時間後になったら集合」と宣告した。1時間かぁ、何をして時間をつぶそうか。

「シンガポール的」なおみやげ物

1階は、「シンガポール的」なおみやげ物が並ぶゾーンだった。しかし、それを後目にわれわれは4階直通エスカレーターで4階に上る。

免税店の入り口で解散にしてくれればいいのに、なぜ4階まで連れて行かれるのか。・・・まぁ、大体想像はつくけどね。大抵この手の免税店というのは、「脱出しようとしたらほぼお店の全てを見て回らないといけない一方通行の通路」になっているものだ。今回も、4階からスタートして1階に降りるまで、事実上の一方通行なのだろう。

4階には、駅の自動改札みたいな場所があり、ガイドさんから渡されたバーコード付きの紙きれをスキャンしてからお店の中に入る段取りになっていた。「ルールですから、一人一枚必ず持って、支払いの際にはお店の人に渡してください」と言う。何か割り引きサービスでもあるのかと思ったが、そんなものは一切無し。なんでぇ、これって観光客を連れてきたガイドさんに対するキックバック金額を計算するためのものに過ぎないのか。「アンタがつれてきた観光客は、お店で$1,000の買い物をしたから、アンタには報酬として10%の$100をあげよう」といった計算をウラでしているに違いない。

お客様主体で物を考えられていない仕組みだな、まったく。建物の作りも「案の定」で、エスカレーターで1フロア下に降りたら、次のエスカレーターにたどり着くまでぐるっと売り場を回らなければならない仕組みになっていた。非常にお店都合であり、お客様の事をあまり考えていない作りだ。

ちなみにこのお店、「$300以上の買い物をしたら、付加価値税は空港で還付」というルールになっていた。・・・要するに、$300未満の買い物しかしなかったら、「免税」ではないということだ。何だよ、それ。買い物袋を封印するとか、空港引き渡しにするとかで免税にしてくれればいいのに。

結局おかでん一家は$300に満たない買い物だったので、免税店にもかかわらず税金かけられた買い物をして後にすることになった。何だか悔しいぞ。欲しい物があっても、「3個セット」になっていたりして、販売単価をつり上げているのが気に入らない。単品で売ってくれ。

ランの香りがする香水を購入しようとしたのだが、5種類ある香りのうち、欲しいものを組み合わせるとどうしても高くなってしまう。小瓶に入っているものは、同じ種類の香りが2個で1セット。僕が欲しいのは、違う種類の香りを2個欲しいのだけど。店員に「自分で好きに2つ、組み合わせられないのか?」と聞いたところ、「そんなアナタにはこれがお薦め」と、小瓶5種類詰め合わせパックをずずいと僕の目の前に押し出してきた。いや、だから違うって、2つ欲しいんですけど。すると、店員さんは「これは凄くお得だ。一つは友達、一つは父親、一つは母親、一つは自分、一つは恋人に」なんて言う。こら待て、それはアンタの論理であって、僕はそんなにいろんな人に香水を配って歩く気は全くないぞ。

リトルインディアの広場

DFSギャラリアに1時間ほど滞在したのち、われわれはまたバスに乗り、セントーサ島に向かうことになった。

セントーサ島は、シンガポール中心地の対岸にある小さな島で、政府が積極的にリゾート開発を行っているところだ。いろいろなアミューズメント施設があるということで、今日の夕方から夜にかけてはそこで滞在する段取りになっていた。

「ちょっと別のお客さんを乗せなくちゃいけないから」と、バスはリトルインディアにあるホテルに向かい、そこで大学生のゼミ旅行とおぼしき10名ほどのワカモノ+先生をピックアップした。

いろいろツアーが交錯しているようで、午前中に居たグループが居なくなっていたりする。結構ガイドさんも大変だ、ころころ状況が変わる。

リトルインディアの広場では、何かイベントが開催されているのか、ものすごい数のインド人が集まっていた。一体なんなんだ、これは。

インド人の大半は出稼ぎ労働者で、そもそもインド人は中国の旧正月に休むという文化は存在しない。しかし、雇い主が中国人であることがほとんどであることから、正月は会社がお休みになるらしい。

出稼ぎなので、家といっても質素なものなのだろう。ひょっとしたら二段ベッドで共同生活、くらいのレベルかもしれない。そうなると休みの日とはいっても、家でじっとしているのは正直しんどいわけで。・・・その結果、こうやって大挙して町に繰り出すことになる。

ガイドさんは、「これから向かうセントーサ島も凄く混んでると思う。インド人が多い」という。

なんだ?インド人は正月にセントーサ島に行くのか?

「正月の前に、会社のオーナーは社員にセントーサ島の水族館などの入園券を配る。休みの日にはここで遊んできなさい、と。そのため、正月はすごく混む」

「セントーサ島は安い。地下鉄で近くまで行けるし、入島料は$2。島内には無料アトラクションがたくさんあるので、一日遊んでもそんなにお金、かからない。だからみんな行く」

なるほど。でも、そんな混雑のまっただ中にこれから突入するのか。うはぁ。

バスでそのままセントーサ島に突撃

どうやらセントーサ島の島内は、一般車両入場禁止のようだ。大きな駐車場が島に入ってすぐのところに用意されている。

しかし、バスの運転手、駐車場に車を入れたあと、急に気が変わったらしくいきなりハンドルを切り、そのまま島内の道にバスを走らせてしまった。

「これははっきりいってルール違反ねー。島内は一般のバス、だめ」

とガイドさんは言う。

「だから、目的地着いたらすぐに降りてね」

おいおい。

目指すのは、水族館なのだがその手前で渋滞。オレンジ色の島内無料巡回バスがひしめいている。一般車両が入れないはずなのに、この混雑っぷり。さすが正月、なのだろうか。

正月なので人だらけ

どわっ。ものすごい人の数だ。

「りぞーと地」であることを忘れてしまうような人数。これは通勤ラッシュ並みだぞ。ええとみなさん、一体どこにご出勤ですか?

ものすごい人の数だが、これは無料バス待ちの行列だった。そうか、先ほど「ルール違反」をしなかったらこんな待ち行列を作ってバスに乗らないといけなかったんだ。一体どれだけ並ばなくちゃ行けなかったんだろう?ルール違反にひそかに感謝。

よく見ると、確かに色黒の人が多い。マレー人、インド人だ。これですか、オーナーさんからチケットを貰って、正月休みで遊びに来た人たちというのは。

中国人が家族連れや友達連れで訪問しているのに対して、マレー人やインド人の多くは一人、もしくは男同士で少人数のグループが多かった。やはり、出稼ぎだからだろう。

アンダーウォーターワールド

われわれが目指したのは「アンダーウォーターワールド」という水族館。入り口近辺は、これから入場しようとする人、出ていこうとする人、バス待ちの行列、記念撮影する人で大混雑。

「さしづめ、初詣客でごった返す明治神宮のようなものか」

と思ったが、それにしてはみんな動きがバラバラ。初詣の場合は一方通行で整然と人混みが移動するが、ここはそれぞれの人の方向性が定まっていない。「よっ」「ほっ」と言いながら人をよけつつ、入り口に向かう。

ちなみにこの入場料は$19.5。1,400円以上もするということで、それなりのお値段はする。ここのチケットを社員に配った会社のオーナーさんは結構な太っ腹だ。

アンダーウォーターワールドの中

いろいろ見て回る。

人が多すぎて、ゆっくりと鑑賞する余裕がない。

アンダーウォーターワールド

おー。

タカアシガニ

タカアシガニ発見。

カニを見ると、どうしても「あの足は旨そうだな」という事しか思いつかないのは、いかにも日本人的発想じゃのう、と思った。

アクリル製の透明トンネル

この水族館が「アンダーウォーターワールド」と呼ばれる所以は、アクリル製の透明トンネルが水槽の中を通っていて、水中から動物の生態を観察できるからだ。

水族館の入り口からしばらく進んだところに、トンネルの入り口があった。全長83m。

トンネルの中は動く歩道になっていて、歩かなくても移動することができる。立ち止まり防止の意味があるのかもしれない。

もっとも、動く歩道になっているのは床の半分であり、残り半分は普通の床になっている。立ち止まりたければ、動かない床の方に移動すれば良い。

動く歩道

前後をインド人に挟まれて、動く歩道に誘われるがままに水中の世界にごあいさつ。

鮫が泳いでいる。

トンネルと、おかでん

こんな感じ。

ホログラム

鮫が口を開けてこちらを威嚇している・・・ホログラムがあった。

下から見た魚

魚は下から見ると面白いね。

普段、横もしくは上からしか見ないので、新鮮な驚きがある。

何だか、お魚を下から見上げると、エッチな事をしているような、そんな気持ちになる。見ちゃいけないものを見ちゃってるような、そんな感じ。

正面から見たサメ

横からだけじゃなくて、正面からも見えますよぉーというのも、水中トンネルのメリット。

鮫と真っ正面からにらみ合ってみた。

正面から見るととても変は生き物だ。

人食い鮫じゃないらしく、歯は鋭くない。でも2本、セイウチのようなとがった歯が突き出ていて、かみつかれたら大変なことになりそう。

下から見たエイ

エイを下から見ると、とてもグロテスク。

こんな生き物が世の中に存在すること自体、不思議でならない。

おっと、そろそろ水中の世界も終わりのようだ。

この施設、それほど広くはないのでゆっくり見て回ったとしても1時間もかからない程度だった。

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