走行中に見かけた風景をご紹介。
何の変哲もないガソリンスタンド。しかし、レギュラー、ハイオク、軽油ともに価格が「888円」なのにはびびった。何事かと思ったら、チカチカと点滅している。お値段は内緒、ということらしい。近隣のガソリンスタンドも皆一様に「888円点滅」をやっていたので、ライバル同士にらみ合いが続いているということか。
にらみあうのは勝手だけど、それじゃせっかく高いお金払って作った価格表示電光掲示板の意味がない。あと、888円!高い!と思えるので表示するだけ無駄なような気が・・・電源落とした方が良くないですか?
スターバックスのドライブスルー発見。スターバックス=街の中心地や大型商業施設の中にある、というイメージが強かったので、「郊外」で「ドライブスルー」というのは今までの考えを覆された。どれくらい繁盛しているのかとても気になる。
15:02、マツダレンタカーの営業所に到着。15:30までに返却しなければならなかった事を考えたら、ちょうど良いタイミングだったと思う。無理をすれば温泉に浸かることもできたが、焦ってしまったに違いない。
熊本市内は車が多く、若干渋滞気味だった。余裕を見ておいて正解。
レンタカー営業所がある住所、「練兵町」という名前だった。昔の名残りなんだろうな。
滞りなく車返却処理を済ませ、身柄開放。
一歩道路に出ると、そこは路面電車の通り道だった。
全面チキンラーメンのラッピング電車だったのが珍しく、写真を撮る。
行き先は「健軍町」だって。練兵町、も勇ましい名前だが健軍町というのも勇ましいな。さすが天下の名城熊本城のお膝元だけある。
レンタカーの営業所から歩いて数分のところに「熊本交通センター」という場所がある。俗に言うバスセンターのことで、くまもと阪急の1階がバス乗り場だらけになっている。
今回博多まで行こうとしているおかでんは、ここで「ひのくに号」というバスに乗り、1時間50分の行程で天神バスセンターに向かう予定。
熊本~博多といえば、当然誰しもが真っ先にJRでの移動を思いつくと思う。しかし、この熊本ではJRとバスが激戦を繰り広げており、ひのくに号の便がとても多くて便利がよろしい。
JRだと「特急有明」か「特急リレーつばめ」に乗ることになるが、これだと所用時間約1時間20分で料金3,940円。一方、バスのひのくに号は時間で40分ほどの遅れをとるものの、料金が2,000円と約半額なのだった。大至急博多に行かなければ、という場合でない限り、バスの方がよい。
ちなみに料金表を見ていて気付いたのだが、同じ熊本県内である天草に行くバス「快速あまくさ号」は2,230円。高速道路を使って他県まで遠征する博多便よりも高い。競争が激しいところは価格にも影響がでる、という典型例だな。
天神バスセンター行きのチケットを購入後、博多で会う人のためにお土産を買うことにした。ちょうど都合良く土産物屋さんがバスセンターにある。
・・・何か黄色いポスターが威風堂々貼られているな、と思ったら、東国原宮崎県知事のイラストと、大きく「宮崎」の文字が。いや、そりゃ確かに今年は東国原知事の誕生によって宮崎は大きく話題になったですよ。でもねぇ、ここは熊本の玄関口の一つであるバスセンター。お土産物屋さんで宮崎はないでしょうに。見ると、ポスターの下には宮崎土産が山積み。ううむ、それでよいのか熊本。
当然購入するおみやげは宮崎、というわけにはいかない。行ってもないのに買う人がおりますかいな。というわけで、「熊本城」と書かれたクッキーを買った。うわ、ベタだなあ。でも、パッケージが立体的で、紙模型みたいに天守閣の形をしてるんですわ。ちょっとそれが「熊本に行ってきました!」という雰囲気を強く醸し出していてよろしいかなと。下手に美味いかまずいかわからないお菓子を買うより、こういう「少なくとも外見は面白い」方が保険がきいていてよろしい。
16:10発のスーパーノンストップひのくに号の出発まであと1時間弱。せっかくなので、熊本城に行ってみることにする。うわ、せわしないなあ。暇ができると途端にソワソワする人がいるけど、まさに自分がそれ。
いやね、購入したクッキーが「熊本城」だったし、レンタカーの営業所は「練兵町」だし、路面電車の行き先は「健軍町」だし。
そして、交通センターのタクシー溜まりには、その名もずばり「おしろ」というタクシーが停まっていた。もうこれは熊本城に行くしかあるまい。
それにしても「おしろ」タクシーって凄いネーミングだな。車体天井部のタクシー会社表示のところが天守閣のようなデザインになってる。
1時間弱なので、天守閣まで登るのは無理だ。そんな駆け足で見てもよくわからないだけだし、なによりも入場料がもったいない。天守閣まわりを散策するだけにとどめておこう。
交通センターから熊本城へは歩いて5分程度のところにある。
熊本城の入り口には加藤清正公がお出迎え。格好の記念撮影ポイントといえる。
しかし観光バスの駐車場は全然別の位置にあるので、清正公と写真を撮る人は自分ただ一人だった。周囲は完全なビジネス街。のんきに写真を撮っているのは自分だけだ。
時間がないことだし、早速お城の中に入ってみることにする。
お堀が奇麗だ。
日本三名城の一つに数えられる熊本城は、加藤清正が幾多の実戦の経験を生かし、慶長6年(1601年)から7ヶ年の歳月を費やして完成したものと伝えられている。周囲5.3キロに及ぶ豪壮雄大な構えで、120余の井戸を掘り、かつては櫓49、櫓門18、城門29を数えた。
だ、そうです。
西南戦争の舞台にもなった場所だし、建物自体は再建されたものだ。現在も再建工事が進められている真っ最中だった。
あー。
城の門をくぐった先には料金所があった。
そうかー、天守閣を見るのだけに料金がかかるのではないのだな。お城全体が庭園になっているわけだから、その分も考慮してお金をお支払いくださいというわけか。
500円。
うむー。あと50分しかないんですけど。1分10円。高いな。それにしてもすごい計算だな、これ。最高に貧乏臭いぞ。
「天守閣は別料金」ということで半額にまけてもらえませんかねえ。時間が無いんで、天守閣まで見ようとは思っていませんから。・・・ダメか。
で、買ってしまいました入園券。500円なりー。
いやだって、ここで引き下がるわけにはいかないじゃないですか。
じっくりと散策はできないけど、とりあえずひととおり見て回りますかね。
いやー今日は朝からせわしないなあ。
あ、2007年は熊本城築400年なんだ。知らなかった。
時間が惜しいので、「おっ、これは何か見どころか?」というところは写真に収めるだけにした。で、後でゆっくり落ち着いて確認すればいいやと。
この井戸も、井戸そのものの写真と解説文を写真撮影して、即移動。所用時間30秒。
何しろ、お金を払った以上は天守閣に登らなくちゃ、ね。ゆっくりしてられないんですよモウ。
熊本城天守閣とその手前に幾層にも連なる石垣。
熊本城の石垣は「武者返し」と呼ばれ、独特の勾配をしている。ふもとはややなだらかだけど、てっぺんのあたりはほぼ垂直になっている。なぜこんなになめらかなカーブが石垣で組めるのか、不思議だ。パズルゲームのように石をはめていったんだろうな。
武者返しアップ。
びっちりと石が組まれている。
お城によっては、石と石の隙間に足をひっかけてよじ登れるんじゃないかという雑な石垣もある。しかしここは無理だ。そしてこの傾斜。あとになればなるほどキツくなる。これをなんとかして登ろうとするのは相当難儀なことだろう。
熊本城天守閣。
昭和35年の再築だという。
威風堂々とはこのことだ。立派な店主だ。違った、天守だ。
あと出発まで35分しかないけど大丈夫かしら。
まあ、バスは座席指定ではないので一本遅れても問題はない。待ち合わせの相手に「すいません、熊本城にて幽閉されました。ちょっと遅れます」と連絡を入れる必要はあるけど。
天守閣の中にGO。
天守閣内は、各階ごとに昔の城下町のジオラマであったり、武具や調度品が陳列されていた。拝観者は一様に「ほー」とか「おー」などと言いながら興味深そうに眺めていた。
・・・で、その横を高速で素通りするわたくし、おかでん。
展示物の閲覧は一切省略とさせていただきます。あしからず。
天守閣最上層から見た景色。櫓が目の前に見える。
やぐら、といってもまるで天守閣のようだ。小さなお城だったらあれが天守閣といっても何ら不思議ではない。熊本城、スケールがでかいなあ。
西方面を眺めると、そこには雄大な阿蘇山が見えた。
いやあ、素晴らしい光景だ。
景観を損なう超高層マンションやビルが市内にないので、阿蘇山の山麓から山頂(といっても外輪山だが)がびしっと見える。
きっと、熊本の人は阿蘇山に非常に親しみを抱いているんだろうな、とこの光景を見て思った。
ちーん。お時間になりました。交通センターに戻ってください。
残り時間、あと30分を切りました。
ああもううるさいな、戻りますよ、戻ります。
天守閣中央を貫く階段で一気に下までおりる。
交通センターまで早足で戻ってみると、16時4分だった。
バスの発車時刻まであと6分。
なんというベストタイミングなんだ。
(つづく)
Comments