地獄と山のマリアージュ【阿蘇山・九重連山】

砂千里ヶ浜

12:04
中岳山頂から南方を見下ろすと砂千里ヶ浜。

その名の通り、砂(といってもごろごろした小石なんだろうが)がびっしりと砂漠のように広がっているのが見える。

標識

あそこから登ってくる予定だったが、案外ここから見ると標高差がある。砂の道をじゃりじゃりと歩いた後、急に坂がきつくなるのだろう。歩きにくい道だと思う。

高岳方面

12:08
高岳方面を見ると、雲がかかってきていた。普通、山用語では雲の事をガスと呼ぶが、ここでガスというと火山ガスと勘違いしてしまうので敢えて「雲」と呼ぶ。

ただ、ここからはなだらかな稜線歩きで山頂に行けそうな気配。一息に攻め落としてしまえ。

謎の配管

12:10
登山道の傍らにあった謎の配管。現在は使われていないようだ。何のための配管で、どこに繋がっていたのだろうか?

この周辺に建物の類は当然、ない。あるとすればロープウェイ乗り場くらいだが、わざわざここから配管するには距離が遠すぎる。

雨水を集めていたのだろうか?

謎だ。

しばらくこの管の行き先を目で追いながら検討してみたが、気の利いた答えは導き出せなかった。せいぜい、「阿蘇火口の地下には秘密基地がある」というどうしようもないアイディアくらいだった。

雲の中に突入

12:13
雲の中に突入した。

道は比較的分かりやすい。踏み跡がしっかりしている。しかし、高岳核心部に取り付く頃になるとまた岩がごろごろした状態に切り替わっていた。

も心当たりのない地形

あれ?

雲が晴れてくると、どうも心当たりのない地形に出てきた。

なだらかだ。山頂に向かっている道では、ない。

高岳に取り付いていたはずだったのに、それらしきものが見あたらない。しまった、道を逸れてしまったか。

何か人口建造物らしきもの
天狗の舞台

12:23
こういうときはむやみに動かないで、手元の地図を読図しながら状況把握するのが一番だ。

んー、写真上を見ると、向かって左側に見える山の上に三角形の「何か人口建造物らしきもの」が見えるんだよなあ。何だろう、あれは。月見小屋、という避難小屋が高岳中腹にあるので、それだろうか?しかし地図とうまく噛み合わない。

写真下は、特徴的な地形をしている。いったん切れ込んで、そして舞台のような突起が山にできている。どうやらあれは「天狗の舞台」と呼ばれている場所のようだ。高岳を通り過ぎている。

状況から勘案するに、高岳に向かう途中南腹を回り込んでしまったようだ。

登山地図を確認

12:23
結論として、どうやら「大鍋」と呼ばれる高岳東南方面に今いることが分かった。しかし、そこには「月見小屋」と呼ばれる避難小屋があるはずだ。それが見あたらないのが不思議だ。現在地が大鍋ということで間違い無いはずなのだが、その点が少し引っかかった。こんな見晴らしが良い処なのに小屋が見あたらないとはどういうことか。

心の片隅では、山の上に見える人口建造物っぽい三角形のものが小屋じゃあるまいな、という不安はあった。地形図上あり得ないとわかっていても、確信が持てなかった。

小屋→、と書かれた岩

12:23
小屋→、と書かれた岩を発見。自分から見て進行方向にやはり小屋があるようだ。目視できないが。

これで物的証拠はそろった。こんなところに長居は無用だ、さっさと高岳山頂をめざすべ。

それにしても、登山地図にルートが載っていないところにある山小屋って何だよ。実際に道が無いはずがないわけであって、あるんだけど記述が省略されていることになる。おかでんはまんまとその「記述されていないルート」に紛れ込んでしまったというわけだ。

わかりにくい道

12:24
このあたりになると道が枝分かれしていたり、道なのかそうでないのか分からなかったりとややこしい。そもそも、大鍋に至るルートは登山地図上には載っていないのだから、困ったものだ。おかでんはこの写真の右側のルートを通ったが、結果的に左側にいくのがリカバリー策としては正しかったようだ。

・・・どっちにせよ、正式な最短ルートから逸れたのは10分くらい前の話になるわけだけど。

このあたりは「高岳→」という矢印や表示が全くないため、適当に道を選んでいくしかない。

高岳山頂

12:26
うーん・・・。

よくわからん山だ。今いる場所はばっちり把握しているので山頂を見失う事はないが、先ほどあった道が案内途切れがち。道先案内をあてにしちゃいかんな。

正面に見えるのが高岳山頂と思われる。

しっかりした案内表示

12:26
しっかりした案内表示を発見。少し安心する・・・が。

黄色ペンキで大きく中岳とかかれているのだが、それ以前に書かれて既に薄くなっている白ペンキも気になる。

黄色ペンキだと中岳は左だと言っているが、白ペンキは左右の矢印と上の矢印が確認できるのだった。上に何があるんだ。というか高岳山頂しかありえんだろ。なぜ消す?

もういい。信用しない。

このまま案内に従っていると、本当に中岳まで連れ戻されてしまう羽目になる。それはバカバカしいので、道なき道をよじ登っていくことにした。どうせ今ここは高岳の中腹だ。一番高いところに登れば、そこが山頂だろ。

黄色ペンキの矢印

12:29
自分では道無き道を攻め入ったつもりだったのだが、敵もさるもの、待ち伏せ攻撃をしかけてきた。黄色ペンキの矢印がここにも登場。

しらんしらん、お前の事なんかしらん。信用せんぞ。

これが中岳行きの矢印なのか、高岳行きの矢印なのかさっぱりわからないからな。

高岳の山頂らしきもの

12:31
火山性の山なので岩がゴロゴロしているが、地形上のせいかそれほど険しくはない。緑が比較的多く覆い茂っているところを見ても分かると思う。

だから、道なき道を進むのは比較的容易。何度も中岳へのご案内が来たが、ことごとく無視してやった。

それ、そう言っているうちに高岳の山頂らしきものが見えてきたぞ。我が選択にミス無し。・・・道を一回踏み外して大鍋方面に行っちゃったけど。

しつこく中岳への勧誘

12:32

高岳山頂が目前だというのに、相変わらず中岳へのご案内が続く。おかでんがいる位置関係の問題だろうか。阿蘇山塊最高標高である高岳様を差し置いて、中岳、なんたる存在感。しらんしらん、お前なんか知らん。帰れ。さっき登ったわ。

紛らわしいなあ、もう。

月見小屋

12:34
山頂間近になって大鍋方面を振り向いてみると、行方不明だった月見小屋を発見。

写真だと小さくて分かりにくいが、写真中央に見える黒っぽいものがそれ。

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