06:58
沼山峠休憩所、というちょっとしたベンチが並ぶスペースがある。そこで、なにやら大仰しい三脚とカメラを据え付けている人たちがいた。一体何の被写体を撮影しようとしているのだろうか?タンチョウヅルが出てくるわけでもあるまい。
せっかくだから、このおかでん様の一糸まとわぬ姿を激写してもらおうかと思ったが、多分誰も得しないのでやめておいた。
07:05
湿原の向こう側に水面がちらりと見えた。おお、あれが尾瀬沼か!
時間があれば尾瀬沼ぐるり一周、なんてことをやってみたかったのだが、今回は燧ケ岳登山が優先。尾瀬沼はちらりと見るだけにとどめておいた。
07:41
高山植物お花畑のシーズンはさすがにもう終わっているのだが、それでもまだ咲いている花があった。エゾリンドウ。ちょっと心が癒される。常日頃荒んだ生活を送っているからだろうか。酒と女に溺れ続けている日々だからなぁ・・・といえば恰好よさそうだが、生まれてこのかた酒におぼれたことはあっても女におぼれた経験がないのだよなあ。
癒されるといえば、この湿原の解放感も相当に癒される。なにせ空が広い広い。コンクリートのビルも、空を覆う電柱・電線もなにもない。広い湿原なので周囲の山もあまり邪魔になっていない。ここで夜、星を眺めたらさぞや楽しめることだろう。
07:14
燧ケ岳が見えてきた。今日これから登る山だ。尾瀬沼が標高1,660mなので、2,356mの山頂まで標高差約700mということになる。それだけ聞くと楽勝っぽいのだが、単独峰ですっくと立ち上がっている山なので、なかなか大変そうだ。
07:15
湖畔を一周する木道に行き当たった。ここで燧ケ岳登山口の方に向かわず、逆方向に歩く。ここから時計回りに進んですぐのところに、山小屋や公衆トイレなどの施設密集地がある。いったんそこに立ち寄って、朝ごはんにしようと思う。お手洗いもここで済ませておかなくちゃ。
07:16
長蔵小屋。尾瀬で最初にできた山小屋で、歴史がある。収容人数300人は、尾瀬界隈の山小屋としては最大。尾瀬ヶ原の端、見晴地区(下田代十字路)には第二長蔵小屋があるくらいだ。
07:18
長蔵小屋の近くで朝ごはんを食べる。会津高原尾瀬口駅で受け取った「おにぎり弁当」だ。どんなものが出てくるのだろう?とワクワクしながらふたを開けてみた。
中には、海苔巻きおにぎりが2個、竹の子の土佐煮、沢庵2切れという構成になっていた。
07:19
おにぎりをいただく。コンビニおにぎりよりも大きく、食べごたえがある。これから山登りするのに際して、良いタイミングでエネルギーチャージができた。
てっきりおにぎり2個オンリーかと思っていたが、土佐煮や沢庵という名脇役も入っているのがうれしい。
07:25
ここには尾瀬沼ビジターセンターがある。登山にはやる気持ちはあるが、まずはじっくりビジターセンターで情報収集しておこうじゃないか。
ちなみにビジターセンターは朝7時から開館している。さすが山の中にある施設だけある。
07:27
今日・明日の天気予報がビジターセンターの入口のところに掲示されていた。
今日は「くもりのち晴れ、ところにより雷雨」。明日は「くもり ところにより朝から雨」という予報だ。あまり良い天気ではなさそうだ。なんとか天気がもってくれれば良いのだが。
07:29
ビジターセンターの中。動物や植物など、尾瀬の自然が紹介されているとともに、広大な尾瀬の各地の最新情報が張り出されていた。充実した展示内容だ。
07:29
「こんな時期はさけよう」という面白いパネルがあった。
ミズバショウのシーズン(5月下旬~6月中旬)、夏休み(7月下旬~8月中旬)、紅葉のシーズン(9月下旬~10月上旬)の週末の尾瀬は、どこへいっても人の波。とても、尾瀬の自然を楽しむふんい気ではありません。よりよい条件で、自然の美しさを満喫したいとお考えの方は、シーズンをはずすか、平日にくることをおすすめします。
だって。「尾瀬の見頃はこの季節だ!」というポジティブな内容ではなく、「尾瀬の見頃は混雑するからやめとけ」というネガティブな内容なのが意表を突く。確かに、尾瀬は決して幅広とはいえない木道をてくてく歩くことになる。途中エスケープできる場所は非常に少ない。前の人が写真撮影のために立ち止まったら、後ろの人は待たされることになってしまう。人が多いと、何かと邪魔。今回のおかでんのように、意図的にオフシーズンを狙うというのがやっぱり正解らしい。
07:34
ビジターセンターの脇には、立派な売店があった。山奥に来てまで何を買うんだ、荷物になるじゃないか・・・と思うかもしれないが、バンダナとかキーホルダーとか、そういうのをついつい買ってしまう人がいるものだ。
軒先では、冷水に浸かった状態のドリンクが売られていた。水が豊富な尾瀬だからこういうことができる。
ビールは350mlが450円、500mlが600円という値付けになっていた。さすがに下界より高いが、この場所の不便さを考えたらこれくらい当然だろう。
あっ、キリン「秋味」が売られているぞ。おかでんが今回尾瀬に持ち込んだ「山頂で乾杯するためのビール」と同じ。ちょっとうれしくなった。
というわけで、せっかくだから冷たい秋味を飲もうじゃないか諸君。えーと、秋味、ください。・・・やめとけ。今からビール飲んじゃったら、山に登る気力がうせる。ここまでやってきて山に登らないなんて、何しに来たんだかわからんじゃないか。
07:35
このエリアには公衆便所が二つある。ピーク時になると大勢の人がやってくるのだろう。
そのトイレだが、チップ制になっていた。一回の利用につき100円のチップなんだそうだ。これは尾瀬界隈全て統一されていて、どこの便所も一回100円だった。小銭持っていないと、500円とか1,000円払わないといけなくなるので注意。
教訓:尾瀬には小銭をチャラチャラ言わせながら行こう。
07:46
燧ケ岳の登山口(長英新道)に向かう。尾瀬の主要幹線道は全て木道が整備されており、地面に足をつけることはないと思っていたのだが、そうでもないところがあった。また、木道があっても、すれ違いが困難な狭い箇所もある。
07:53
長英新道の登山口に到着。これまでの湿原散策などは前菜に過ぎんのです、ここからがメインディッシュなのです。
山頂までは4.5キロ。
07:53
若干ぬかるんでいる登山道を歩きはじめる。
07:55
登山道の整備をしている人は「このぬかるみはよろしくないな」と思ったらしい。輪切りの丸太を置いたりして一応の対応をしてくれている。ただ、これが非常に歩きにくい。結局、ぬかるみの方を選んで登って行くことになった。
08:16
長英新道は比較的なだらかな山登りが続く。最初のうちはすいすいと登っていくことができる。ああ、この登りがずっと続いてくれれば楽なんだけど。
08:55
高さがある樹木がだんだん減ってきて、空が明るくなってきた頃になると、登りがちょっときつくなってきた。
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