2000年05月04日(木) 2日目
朝9時の黒部峡谷トロッコ列車に乗るため、朝6時起床。
おかでん「わ、実は結構キャンパーがいたんだな」
兄「ライダーも結構居るみたいだな」
今朝はうどんなのだ。
おかでん「黒部のかまぼこってのはなんでこんなぐるぐる巻きになっているのだろう?目が回る・・・あっ、醤油入れすぎちまった」
兄「おいっ、何だこの汁の色は!」
おかでん「か、関東風・・・」
兄「うそつけ、単に醤油入れすぎただけだろ」
兄「やっぱり辛いぞ、この汁は」
おかでん「うむ、辛いな。おかしいなあ、一気に味が濃くなってしまった」
兄「色見て分かるだろ」
朝一発目のトロッコ列車は満席のため、第二便に乗ることに。その間、あまり広くはない宇奈月温泉街を散歩。
おかでん「こういう写真をとると、篤志家みたいに見えるかな?」
兄「やらせ写真ばればれじゃないか」
おかでん「トロッコ列車の出発駅としては、近代的建築物でつまらんな」
兄「木造とかの方がよかったか?」
おかでん「いいねえ」
兄「やわな建物だと、冬の間に潰れるぞ」
トロッコ列車に乗って出発を待つ間に、カートにお酒やつまみ類を満載したおばちゃんが売り子としてやってきた。
兄「おや、おかでんならビールくらい買うかと思ったが」
おかでん「寒い!こんなに寒くっちゃビール飲みたくても飲めない!」
兄「夏は開放的なトロッコ列車もいいけど、こんなに寒いと拷問だな。」
おかでん「ありゃなんだい」
兄「あれか?冬とかトロッコ列車が走らない時期は、関西電力の人があの中を歩いて上流のダムに行く」
おかでん「窓も何もないぞ、怖いな」
兄「窓があったら雪が入ってくるだろ。何のための冬道だかわからなくなる」
おかでん「はぁー、なるほどねえ」
おかでん「すごい渓谷だなあ」
兄「いい加減寒くなってきた・・・」
おかでん「あっちこっちにまだ雪が残ってるもんな。おい、本当に今は5月か?」
兄「5月に決まってるだろ」
おかでん「しかし乗客ぎっちりだな」
兄「団体客が多いからな」
おかでん「囚人護送しているとしか思えないぞ」
兄「その割にはみんなわいわい騒がしいじゃないか」
おかでん「でも、だんだん大人しくなってきていないか?」
兄「寒いからな。人間黙らせるには寒くさせるに限る」
おかでん「これが水力発電所とは誰も思わないだろうな」
兄「面白い作りだな」
おかでん「面白いけど、観光客に色目を使っているようで、嫌だ」
おかでん「戻ってきました、宇奈月温泉街に」
兄「それにしても、宇奈月温泉の湯が黒薙温泉から引っ張っていたってのはちょっとショックだな」
おかでん「源泉から相当パイプのばしてるよな。それだったら、別に宇奈月という場所に温泉街構える必然性ってないんじゃないかって思えるぞ」
兄「やっぱり温泉は別府が凄いよ、うん」
おかでん「あれ?どしたの?」
兄「いや、おかでんだったら絶対にこういうところで写真を撮ると思って」
おかでん「んー、じゃせっかくだから写真を撮っておこう、お心遣い感謝」
宇奈月から下山し、国道8号線沿いにあった回転寿司「きときと寿司」にて昼食となった。
おかでん「きときと、とは?」
兄「そういえば、さっきも氷見港のきときとなお魚を・・・って広告を見たぞ」
おかでん「新鮮、ってことか?」
兄「どうやらそうらしい」
おかでん「このお店、まだ開店直後なのに混んでるなあ」
兄「人気があるんだろ。魚は氷見港直送って書いてあるし」
おかでん「でも、なぜか職人が冷凍の甘エビを持ってるのは?」
兄「・・・。」
おかでん「しかも、段ボールに築地って文字が見えるんだけど」
兄「・・・・・・・。」
おかでん「立山だ」
兄「何じゃこりゃ。人だらけじゃないか」
おかでん「室堂行きのケーブルカーは?」
兄「見ろ、本日分は全て売り切れ、だと」
おかでん「なぬー、たかだかケーブルカーごときでそうなのか、そんなことがあるのか!」
兄「当日分チケットは朝6時前から並ばないと買えないみたいだな」
おかでん「お、おそるべし立山。一見さんと飛び込みはお断りか」
おかでん「どーだい」
兄「うむ、凄いな」
おかでん「称名の滝。ここは絶景なんだよ」
兄「滝壺まで行きたいけど、雪崩の恐れがあり通行禁止っていうならしょうがないな」
おかでん「ああ、ケーブルカーに乗ることさえできてれば、今頃はあの崖の上をバスに乗って室堂に向かってるんだけど・・・」
一路、能登半島へ。
おかでん「雨晴海岸だ。」
兄「まあきれいなところではあるな」
おかでん「きれい。以上、って感じ」
兄「しょせんそんなもんだ」
おかでん「あれ、あれれっ。電車がやってきた。それ、写真を撮らないと」
カシャ。
おかでん「おおばっちり。鉄道ジャーナルとかああいう雑誌の表紙にならんかな」
兄「なるもんか、大体おかでん今の電車が何という路線だか知ってるのか?」
おかでん「・・・七尾線」
兄「ぶぶー。氷見線でした。ダメじゃないか全然」
おかでん「知名度高い氷見漁港だけど、あるのは道の駅と漁港だけだな」
兄「何を期待してたんだ?」
おかでん「いやね、何かもうちっと市場があったり、露天商がいたりとかあるのかなと思ったんだけど。きときとなお魚が買えるのは事実上道の駅だけじゃないか」
兄「でも、そんな店が増えても観光客目当てだから大した事ないぞきっと」
おかでん「うーん、旅情ってのは難しいもんだ」
兄「和倉温泉近辺にはテントを張れるようなところは無いなあ・・・。日が暮れそうだぞ」
おかでん「あっ!加賀屋だ!あのLeafの『痕』の『鶴来屋』がモデルにした旅館だ!千鶴さん!」
兄「?何を言ってるんだ?」
せっかくだから、和倉温泉にて一風呂浴びてきた。
兄「混んでいたなあ」
おかでん「洗い場で20分も立って順番待ちさせられるとは思わなかった」
兄「旅館の風呂には入らないのだろうか」
おかでん「日帰り客が多いのかな?」
和倉温泉から能登島に渡り、テント場を探すが見つからない。結局、「能登島家族旅行村weランド」なるアウトドア施設を使うこととなった。
兄「日が暮れてしまったから、急ごう」
おかでん「あーあ、まさかオートキャンプ場でテント張るとは思わなかったな」
兄「まあ良い勉強になるな」
おかでん「それにしても両隣、豪華だな。バーベキューやってるぞ」
兄「まあ、キャンプといえばバーベキューが王道だしな」
おかでん「ただ逆に、バーベキューしか脳がないのかコラ、と言いたくなるけどね。よっぽど天幕生活ってのがハレのイベントなんだろうな彼らは」
兄「おいおかでん」
おかでん「なんだ?」
兄「昨日の料理がしょぼかったから今日は海鮮料理でばっちりだ、っていう話だったよな」
おかでん「そうだな」
兄「でも、ふと思ったんだがこのエビとホタテのバター炒め、冷凍物なんだよな。別に東京でもどこでもこんなものならいつでも作れるぞ」
おかでん「ん・・・言われてみればそうだな」
兄「何やってるんだろうな」
おかでん「何やってるんだろう、馬鹿だな」
おかでん「じゃーん、お待たせしました、海鮮鍋の完成だい」
兄「おお。味は大丈夫か?濃すぎないか?」
おかでん「失敬な、今朝のは単なるイージーミスだって」
兄「おかでんはそのイージーミスが多いからなあ、信用できないんだよ」
おかでん「うぐっ」
兄「うん、結構うまいな」
おかでん「寒いからな、鍋だとあったまる」
兄「海がすぐそこだからな、寒いわけだ」
おかでん「それにしてもアレだな、明かりも暗いな」
兄「なに、こんなもんだろう」
おかでん「うん、でもね、両隣のテントサイトでコールマンのツーマントルランタンがてらてらと隅々まで照らしているから、なんかすごくこっちが貧相に見えるのよ」
兄「気にするなよ、人種が違うんだから」
おかでん「いや、別に自分の境遇を卑下する気は全くないし自信持っているんだけどさ、なんか相対的にみじめに見えるのかなあ、って」
おかでん「さあもう寝ちまおう」
兄「そうするか」
おかでん「明日は早いぞ、何しろ能登半島一周だからな」
兄「え・・・、やっぱり一周するの?」
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