カニのヨコバイ、アリの門渡り【立山・剱岳】

2001年09月23日(日) 2日目

[行程]
07:00雷鳥沢ヒュッテ→08:32一ノ越→09:25雄山[参拝]→11:13真砂岳11:28→12:13北峰[昼食]12:56→13:45剱沢小屋→14:10剣山荘(泊)

雷鳥沢ヒュッテ朝ご飯

朝起きてみたら、同室の兄ちゃんがなにやらごそごそやっている。「眼鏡がない、メガネが!どこにいっちゃったんだろう?」知るか、そんなの。

隣のオッチャンに「兄ちゃん、また無くしたの?」と呆れられていた。「また」って何だ?「いやあ、昨晩はすぐに見つかったんですけどねえ、今日はちょっと・・・」だって。おい、たった半日前にも同じ場所でメガネなくしたんか、おのれは!

それを見ていた兄貴(こっちは血のつながっている方)が、露骨にイヤな顔をする。

兄貴 「あの人、夜中にけろけろ吐いてたぞ。酒飲み過ぎなんだよ。山に来て吐くまで飲むなっての」

おかでん 「えっ、そうだったんだ。全然気づかなかったよ」

兄貴 「便所行って吐くならともかく、部屋で吐くなと。それ以前に吐くまで飲むなと。しかも、メガネ無くしてるんだからどうしようもないよな」

おかでん 「あー、そういえばあの人、昨晩談話室でウィスキーラッパ飲みしながら漫画読んでたなあ・・・」

吐くまで飲んでしまう山小屋、それが室堂の山小屋。山中奥深いところにある小屋だったら、絶対にそんなむちゃはしないはずなのだが。

結局、部屋の同居人の助言を受けつつメガネを探し、大騒ぎした結果ベッドの隙間に落ちていた事が判明。やれやれ。

朝食は06:00からだったので、まずは朝風呂。うむ、山に登る人間としてはこれ以上ないぜいたくなり。

朝食メニューは、切り干し大根、味付け海苔、かまぼこ、生玉子、壷漬け、ご飯、おみそ汁。写真では立派な朝食に見えるけど、よく見てみるとメインディッシュたる料理の核が一つも無かったりする。まあ、ご飯を効率よくたくさん食べろ、って事だろうか。炭水化物を摂取して、パワーを導き出せ、と。

朝7時に宿を出発

AM07:00雷鳥沢ヒュッテ出発。

東側は立山連峰があるため、この時間であってもまだ室堂は薄暗い。

これから立山に突撃だ。

川で滑って濡れる

途中、道を微妙に間違えてしまい、川を渡渉しなければならなくなってしまった。岩肌は、水没しているところは一様に苔で滑る滑る。

ずるっ。

思わず滑ってしまい、下半身ずぶぬれになってしまった。9月下旬の、標高2000mの水は大変冷とうございました。ううう。

おかでん 「くそ、まさかあそこまで滑るとは思わなかった。あともう少しでカメラ水没させるところだったよ」

兄貴 「おいちょっと待て、水のペットボトルが無いぞ?川に落としたんじゃないのか?」

おかでん 「え?・・・あー、本当だ、川に落ちてる!しゃあないなあ、もう一度拾いにいくしか・・・」

兄貴 「カメラ預かっとくよ」

おかでん 「よろしく」

・・・ずるっ。、またすべった。今度は、川底に尻餅をつく大失態。ますますびしょ濡れだ。

兄貴 「はははは!やっぱり!はははは!大丈夫か?」

おかでん 「俺の心配はいい!いいから、早くこの瞬間を写真で撮れ!撮ってくれ!」

とまあ、ほうほうのていで川からペットボトルをひっつかみ、逃げ出している写真が上のやつ。

おかでん 「どうだ、いい写真が撮れたか?」

兄貴 「まあまあ」

おかでん 「ダメだよ、こけた!と思ったらすぐにシャッターを切らなくちゃ」

逆に兄貴に説教をくらわすおかでんであった。

怪しい道をおそるおそる登る

遠目で見ると、まだ紅葉は始まっていないように見えたが、歩いてみるとほら、結構色づいている。秋は「すぐそこ」なんではなく、「既に始まっている」のであった。

足下は、じゃりじゃりの霜柱。秋なんてもんじゃない、一部冬じゃないかこれでは。

誰も踏んでいない霜柱を意識的に選んで、ぐりぐりと踏みつつ歩く。そういえば、都会暮らしに慣れてしまって、霜柱なんて滅多に見なくなったなあ・・・。

人だらけの登山道

変な道を通ったため、やや大回りして精神的ダメージを受けつつ、室堂から通じている登山道に合流。

・・・うわあ、何だこの人の多さは。

さすがにサンダルとかミニスカートといったナメた格好の輩はいなかったけど、もう登山道上から下まで観光客、観光客、観光客。「登山客」と呼ぶにはもうこの人数は多すぎる。ここが観光地であるというのを再認識だ。さっきまで紅葉や霜柱といった自然を楽しんでいたので、このギャップに一気に憂鬱になる。

しかも、この人たちは大抵団体旅行客であり、即ち20人、30人と隊列を組んでいるわけであり、そんな徒党を組むということはほとんどの人が登山慣れしていない人であり、結論をずばり言うとチンタラ歩いてんじゃねーよコラ、というわけである。

こういう集団と併走するわけにもいかないので、抜くとなったら一気に加速しなくてはならない。数十メートルの長さにまでなっている隊列を追い越す事数度、大した傾斜でもない登山道なのに疲れてしまった。オーバーペースだ。

お願いですから、山に登るときは少人数にしてください・・・。自然環境へのインパクトも考えて、「国立公園内の山に登るときは、10人以上の集団登山は禁じる」とか条例で決めてくれれば、僕ら少人数登山野郎にとってはずいぶんと楽なんですけど。

一ノ越

一ノ越到着。ここは、立山雄山の直下にある峠となっていて、黒部湖と室堂の境界でもある。

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