ついに食い地獄に沈む【シンガポール】

2006年01月29日(日) 2日目

2日目スケジュール

2006年01月29日(日) ツアースケジュール

午前
<市内観光&ショッピング>
○エスプラネードシアター、◎マーライオンパーク、◎ラッフルズ卿上陸地点、○クラークキー&ボートキー、○チャイナタウン、○スリ・マリアマン寺院、宝石店、●植物園&蘭園、健康食品店、◎ファウンテン・オブ・ウェルス、民芸品店

午後
昼食は、シャングリラホテル内にて「選べる昼食」
・飲茶 ・インターナショナルビュッフェ ・和食

昼食後、DFSギャラリア(免税店)へ。

夕刻
<ナイトセントーサ観光>
●アンダーウォーターワールド、●スカイタワー


夕食は、ビュッフェ。

夕食後、◎ミュージカル・ファウンテンへ。

(シンガポール泊)

凡例:◎:下車して観光、○:車窓から見学、●:入場/入園

2日目のスケジュールは、シンガポール観光で訪れる主要なところをほぼ網羅したてんこ盛り企画になっていた。しかし、よーく見ると、あれれ、チャイナタウンは車で通過するだけなの、とか結構メッシュが粗いプランであることに気がつく。走り行くバスの中から窓越しに見て、それは観光と言えるのかどうか。ま、そういうわけで昨日、シンガポール到着早々にチャイナタウンやエスプラネードシアターに行くという「自己解決」をしたわけだが。

そんなスケジュールの割には、しっかりとみやげ物屋に立ち寄る算段になっているのは安ツアーの宿命か。あらためて「本日の行程は・・・」と、じっくりとスケジュールを眺めてみるとその数の多さにげっそりする。えーと、宝石店、健康食品店、民芸品店、免税店。合計で4箇所に行くんスか。多いなあ。

おかでん一家はそろって「あまりモノを所持したくない」人であり、ショッピングを好まない。こんなみやげ物屋なんて、行くだけ時間の無駄なのは間違いないが、サボるわけにはいかないので仕方が無い。それにしてもちょっと無理があるぜ、これ。誰がシンガポールまでやってきて、宝石や健康食品なんて買う気になる?

ま、ツアー企画については文句言いっこなし。「うわ、またショッピングかよ」というシチュエーションを逆に楽しむことにした。しかし、一点だけ非常に気にしていることがあった。それは、食事だ。

朝:ビュッフェ。昼:ビュッフェ。夜:ビュッフェ。

3食ともビュッフェではないか。ちなみに翌日も、朝:ビュッフェ、夜:ビュッフェ。これから先、帰国までの間に6食中5食がビュッフェという状況だ。これは危険だ、危険すぎる!おかでんの性格上、「ビュッフェ=好きなものを、適量選んで食べる」という解釈ではなく、「ビュッフェ=並べられている全メニューを食べないと気が済まなくなる」となる。毎食ビュッフェを食べていたら、体重が激増してしまう!誰か助けて!

・・・いや、「誰か助けて」じゃなくて、自分で抑制すれば全然問題ない事なんだけどね。でも、それが難しいから困っちゃうんですよ。

朝食レストラン

朝8時15分にホテル前集合ということをガイドさんに指示されていたので、朝6時45分に置きだして身づくろいをする。昨晩寝たのが1時過ぎなので、ちょっと睡眠時間が不足気味。いやぁ、なかなかハードじゃのう。

ホテル一階のレストランでに行く。日本人観光客が非常に多いらしく、従業員さんは片言の日本語をしゃべることができる。また、「玉子をアナタのお好みに調理します」コーナーでは、わざわざ日本語で「目玉焼き」「スクランブルエッグ」「オムレツトマト入り」などと書かれた紙が用意されてあった。しかも、納豆まで用意されている。日本人パワー強し。

さあ戦いのはじまりです。

・・・いや、闘っちゃ駄目だって。落ち着け、冷静でいろ。しょせんホテルの朝食だぞ?特に地元名産が食べられるわけでもないだろ?こんなところで食べ過ぎて体重を増やすなんて愚の骨頂ではないか。

シリアルタワー

シリアル類が何種類か用意されていたのだが、レバーを押すと適量、お皿に盛られるという作りでなかなか面白い。「ご主人様不在時用の犬猫給餌器みたい」と一瞬思ったが、それを口にしてしまうと今まさにシリアルを取ろうとちしている人に申しわけない。ぐっと口を閉ざす。

おかでん朝食一式

本日のおかでん朝食一式。

やっちまった。相変わらず「商品カタログ」的にあれもこれも並べてしまった。でもこれで、抑制したほうなんですよ?ホントですよ?

神妙な顔のおかでん

いざテーブルにお皿を運んでみて、「あれっ、やっちまった」感を感じつつ、しかしその敗北感をなんとか払拭しつつ、朝食を頂く。ああ、なんだか既に昨日よりも顔がふっくらしているんですけど。昨日、ホーカーで料理をしこたま食べたからなあ。

観光バス

集合時間になってみると、ホテル前には大きな観光バスが横付けされていた。どうやら今日はこのバスで市内観光をすることになるらしい。昨日は、ワンボックス車で僕ら家族だけだったのに、今日はこのサイズ。ちょっとびっくりしてしまった。既にあちこちのホテルを経由してお客さんをピックアップ済みであり、おかでん家族が最後の乗車となった。参加者各位に話を聞いてみると、「今日は3日目」「今日は2日目」とみんなまちまちだ。いろいろなツアーが混在している混成軍になっているらしい。

バスの内部

昨日とは違うガイドさんに連れられて、一同出発。

「まずは国立蘭園に行きます」とガイドさんは言った。なんでシンガポールに来てランなんだよ、と思うが、シンガポールの国の花はランらしい。ランかぁ・・・。銀座の飲み屋なんかで、胡蝶蘭を見かけることは多いけど、それ以外などんな花がランなのかさえさっぱり覚えていない。ツアーのっけから、イマイチ盛り上がらない行き先となった。

ラン園

ボタニック・ガーデンという広大な公園の中に、目指すラン園はあった。入場料$5。

入り口でガイドさんから「では30分後にここに集合」と指示される。30分ランを見てなさいということか。うは、シンガポールを満喫するぞぅ、という朝一発目でこれはなかなか手強い仕打ちだ。

きいろいランの花

・・・と思ったが、これが案外楽しい。兄弟だけでこの地に放りこまれたらさすがに途方に暮れるだろうが、花についてそこそこ詳しい母親の解説を受けながら、そして「わあきれい」と喜ぶ母親の姿を見ていたら、まあなかなか楽しめるんじゃないでしょうか。

園内は若干高低差があり、その中を遊歩道が整備されている。遊歩道をぐるっと回れば、出口に戻ってくるという構造。

ランの花が咲き誇る

いろいろランがあるんですねぇ。

「え、これとさっきのって同じランの種類なの?」というくらい、様々なランが咲き乱れていた。

Akihitoと命名されたラン

おっと、Akihitoと命名されたランもあるぞ。

パネルの下部に写っておわすのは、今上天皇ではないか。

この国立ラン園、有名な人が来園された記念、とかどこかの王子様がご成婚記念、といった機会に品種改良したランをその人の名前に命名するようだ。

「masako」というラン

ほら、こちらには「masako」というランもある。

ご成婚記念のランかな?

他にも、「ペ・ヨンジュン」というランもあった。あれ、国家元首や国王クラスの人じゃなくてもランに命名されることがあるんだな。

シンガポールでもぺ様が人気とは思わなかった。

30分はあっという間

思ったより広大。30分では全然時間が足りない状態だ。ゆっくり見て歩くと1時間は最低でもかかる。

masakoランを見た時点でようやく道中は中間地点くらいだったのだが、既に20分が経過していた。「いかん、集合時間に遅刻する」とやや早足で道を急ぐ。

上から霧を吹きかける
宝石工場の見学

全員がそろったところでバスに戻る。

「では、次に工場見学に行きます。宝石工場の見学です」

とガイドさんはしゃべる。

んと、まっっったく興味ないんですけど。

ラン園は楽しかったけど、シンガポールツアー一発目でラン園というのはちょっと盛り上がりに欠けるねぇ、と思っていたところだった。次くらいは、ガツンとマーライオンだとかラッフルズ卿だとか、「らしい」ところに行きたかったのだが。よりによって「工場見学」?いや、小学生の社会科授業じゃないし。

到着したところは、「宝石城」というところ。写真だけ見ると立派な施設のように見えるが、ここは物流倉庫そのものであり、トラックが荷さばきをするようなスペースの真ん中に、ぽこんとお店チックな装飾が施された入り口が用意されていた。

宝石工場の中

「じゃ、説明しますからこっちに来てください」

と入り口から中に入る。入り口はここでぴしゃっとしめられる。閉じこめられた。

「工場なんですが、普段はここで作業をしています。今日はお正月なので作業はやってません」

だったら工場見学をツアーに入れるな、コラ。

「じゃ、説明はこの辺にして・・・」

もう終わりか。

宝石売り場

「30分後に集合」と言われ、解き放たれたのはご覧の宝石売り場。

えー。

何でシンガポールに来て宝石を買わないといかんのですか。宝石が名産というのであればまだしも、そんな話は聞いたこともないぞ。値段は特に廉価というわけでもないし、全然惹かれないんですけど。

店員はほぼ全員片言の日本語を操っていた。電卓を片手に、すすすっとすり寄ってくる。買うつもりないのに店員にすり寄られる母が、「もう、ちょっとここイヤだ。早く出たい」と悲鳴を上げる。

こちらも願うところだ、さっさと退却しよう・・・と出口を探す。ええと、「EXIT」と緑色の看板が出ているところに行くと・・・あれ、シャッターが閉まってる。では、もう一つのEXITに行くと・・・あれ?ここもシャッターが。では、入り口から出ようとしたら、「ここは入り口なので一方通行だ。出られない」という。おいおいおい。まるで、定置網漁にひっかかった回遊魚の気分だ。出られないじゃないか。こらぁ監禁だぞおい。

よく探したら、非常にわかりにくいところに出口があった。まるで「STAFF ONLY」用みたいな、さりげないドアが出口に通じる道だった。うわ、凄いな、出口をあえて判りにくくして、お客さん店内滞留時間を延ばそうという魂胆だ。

正月早々、出社して日本人相手にビジネスをやるのは大変にご苦労様なわけだが、でもシンガポール観光客に宝石を売ろうったってねぇ。買ってる人、居たんだろうか?

中国寺院

何だかやたらとぐったりした気分になりながら、バスは動き出した。

途中、なにやら派手な建物を発見した。三国志時代の戦争でも始めるのか、というような旗がたなびいている。何事かと思ったら、中国寺院だという。正月だから飾っているんだそうな。

いや、正月以前に、もともとの建物自体が派手なんですけど。ほんと、中国人は赤い色が好きだなあ。

「水顕宮」と旗には書かれていたが、意味不明。googleで検索してもヒットしなかった。何だろうか。日本には「水天宮」というのがあるけど、それと同じだろうか?日本の水天宮様といえば、安産・子授け・海難防止の神様だが。

派手な旗を掲げたトラック

うわっと。今度は派手な旗を掲げたトラックが現れたぞ。何だ何だ、国家に反対するデモ行進か。それにしてはやけに人数が少ないのだが、国民の数が日本よりも少ないシンガポールのことだ、デモをやるとなってもこの程度に落ち着いてしまうのだろうか?

ガイドさんによると、「獅子舞を演じる人たちが乗っているトラック」だという。あの派手な旗を掲げて、あちこちに出張しては獅子舞を踊るらしい。このシンガポール滞在中、あちこちでこの手のトラックを見かけた。正月期間中は、いたるところでタイガーダンスが踊られているということらしい。

クラークキー

バスは、一方通行の道をジグザグに走る。まるで誘拐犯が、行き先がばれないように道を走るような感じだ。ああ、こういうの、推理小説で読んだことあるなあと小学生時代に読んだ江戸川乱歩の「少年探偵団」シリーズを思い出した。

まさに攪乱戦法まがいのルーティングであり、一体この後どこに行くのかがさっぱりわからない。ガイドブックに書かれている順番を完全に無視しているので、開けてびっくり玉手箱状態だ。

シンガポールを代表するアミューズメントスポット、クラークキー。

通過する橋の上から遠目に眺めて、終了。

国会議事堂

国会議事堂。

これも車窓から遠目に眺めて、通過。終了。

おいおい。

シェントン・ウェイの高層ビル群を眺める

バスの最後尾窓から振り返った状態で、シェントン・ウェイの高層ビル群を眺める。

どんどん遠ざかっていく。以上。

ラッフルズ・ホテル

シンガポール・スリングでおなじみ、シンガポールを代表する・・・いや、世界を代表する名ホテル、ラッフルズ・ホテル。

ガイドさんの解説すらほとんどなく、華麗に素通り。

ファウンテン・オブ・ウェルス

そこまでして名所を素通りして、一体何をしたいのかというと「ファウンテン・オブ・ウェルス」という噴水を見るためだという。

日本語に訳すと、金もうけ噴水とでも言おうか。なんともどきつい名前だ。中国の五行思想では水=財力とみなされており、噴水というのはんなんとも縁起が良いのだという。そんなわけで、デカい噴水作ってみましたがどうでしょう、というのがこのファウンテン・オブ・ウェルス。

日本で噴水といえば、池からどばーと吹き上げるものを想像するが、ここの噴水は下からも吹き上げるが、同時に頭上にある輪っか状のところから「吹き下がる」(日本語が変)こともするという。天上天下唯我独財、とでも言おうか。

しかも、この噴水に風水で言うところの「良い気」を流しこむように、わざわざ噴水のためだけに周囲にビルを塩梅良く配置したんだという。そこまでするとなると、驚き呆れてしまう。へぼいビルが建っているんじゃないぞ、20階以上はある立派なビルが噴水の回りを取り囲んで居るんだぞ。何でも、「人間の左手の配置をイメージした」んだとかで、5つのビルのうち一つだけ、ちょっと位置が離れている。親指を意味するらしい。しるか、そんなの。

噴水の回りはロータリーになっている。・・・が、あれれ、噴水の「輪っか」は木々の間から伺うことができるけど、池の部分が見えないぞ。

あ!噴水って、地下にあるのか。

ガラガラのビジネス街

ガイドさんに案内されて、地下に潜る。

正月ということもあって、ガラガラのビジネス街だ。普段は繁盛しているであろう飲食店街も、今は人が全然いない。

なにやら、廊下の頭上に横断幕が掲げられている。何だろう。

帰国後、中国語ができる友達(Fish)にこの写真を見せて聞いたところ、

「そうだねぇ、日本語で言うと『儲かりましておめでとう』くらいの意味になるのかな」

という回答が返ってきた。徹底してるな、おい!

正月を祝う柱

徹底しているといえば、柱にこんなものも。

この噴水周辺の施設であるサンテック・シティの、期間限定イベント告知らしいのだが、何ともキンキラキンだ。「福」と書かれたバケツいっぱいの金貨。いやぁ、儲かるって良い事デスネ、という気持ちにさせられる。

これを見て確信した、数十年後には絶対世界経済は中国系民族に牛耳られる。間違いない。そして、それは今後数百年変わることはないだろうと。

欧州人、日本人などは「お金よりも家族との一時が大事」とか、そろそろまったりムードになりつつある。そんななか、「何を言う、お金は素晴らしい」と開き直ってビシバシとビジネスをする中国系民族が、圧勝するに決まってる。

ファウンテン・オブ・ウェルスにたどり着いた

ファウンテン・オブ・ウェルスにたどり着いた。なるほど、こういう作りになっているのか。夜になると、DJがプレイする音楽にあわせて光と噴水のショーが見られるらしいのだが、昼間の今は腰丈ほどの高さで水がしゃわしゃわ出ているだけだ。ウォッシュレットみたいだ。

その噴水だが、右手を吹きあがる水にあてながら、願掛けをしつつ時計回りに3周回ると願い事が叶うという。なんだか観光名所化するために作った逸話の香りがぷんぷんするが、まあいいや。「良い気」が満ち溢れているということだし。

噴水の傍に行こうとしたら、ガードマンに止められた。一度に噴水に近寄ることができる人の数には制限があるんだという。なるほど。それにしても、それだけのためにガードマンが一人張り付いているというのはなかなかご苦労様なことだ。正月早々から大変ですねぇ。

ファウンテン・オブ・ウェルスの輪っか

待っている間、噴水の下から輪っかを見上げる。なにやらUFOに急接近され、拉致された上にキャトルミューティレーションされそうな恐怖感に駆られるデザインだ。

右手を噴水に差し出して、時計回りに一周、二週、三周

自分たちの順番がやってきたので、言われるままに右手を噴水に差し出して、時計回りに一周、二週、三周。

んー、ご利益あるのかねえ。

あ、いや、疑った時点で負けだぞ?ここは、中国風に「お金が儲かりますように」とお祈りするのが一番よさそうだ。ナムナム。

キーサイド

ここからだったら、ラッフルズ卿上陸地やマーライオンパークも近いよな・・・さて、次はどこに行くのかな、と思っていたら「健康食品店に行きます」と通達があった。あっ、そう。観光地→土産物屋→観光地→土産物屋の繰り返しなのね。もう好きにして。

シンガポールで宝石というのも変な話だが、健康食品というのも相当に違和感を感じる組み合わせだ。一体何を売りつけようというのか!?ボルネオのジャングルに潜む大蛇から抽出したエキス、みたいな探検心をくすぐるようなイチモツが出てくるのだろうか。

車は、クラーク・キーの隣にある「キーサイド」という場所に到着。ここにも、プラナカン様式の建物が。うんうん、シンガポールって感じだなあ。

川にかかる橋がなんだかカラフル

でもわれわれご一行様は、そんなものは振り向きもせず、「こっちです」と案内されるがままに川沿いに出てきた。川にかかる橋がなんだかカラフルだ。うなされそうな暑苦しい色合い。日本人なら絶対に思いつかないカラーリングだ。例えるなら、子供の塗り絵。

COMAX

そんなほのぼのした雰囲気とは裏腹に、案内されたのはなにやら怪しい建物。すりガラスで中は全く見えない。ただ、垂れ幕で「COMAX」と記されているだけだ。うわ、はっきり言って胡散臭いんですけど。何か気まずいことがあったらいつでも跡形も無くトンズラできるような感じ。・・・といったら、真面目にやっているお店の人に申し訳ないのだが、実際そんな感じ。あれー、僕が想定していた「漢方薬とかそういう、オリエンタルムード溢れる伝統と歴史のある健康食品」のお店とは違うみたいだぞ。

健康食品の販売

不安的中。バス一台分くらいの乗客が座ることができる、椅子が並べられた小部屋に案内された!しかも、この小部屋、3部屋も用意されている。どうやら、まずはお客さんを小部屋に押し込んで、そこで洗脳・・・じゃなかった、商品紹介をするつもりらしい。詐欺まがいの商法でこんなの、見たことがある!やばい、やばいぞおい。僕が見たことがあるのは、周囲のお客は全員サクラで、全然大したことがない商品が紹介されているのに「すごい!」「これはすぐに買わなくちゃ!買った!」なんて言って、ターゲットのお客の動揺を誘うというものだ。まさか、これも・・・?と思ったが、さすがに周囲の人たちは今朝からずっと行動を共にしている観光客だ。サクラではあるまい。

健康食品がずらり

手渡された紙を見ると、このお店で取り扱っている商品の案内だった。

ロイヤルゼリー、プロポリスから始まって、真珠クリームだとか、ローズヒップオイルといった商品がずらりと並べられていた。ははーん、サプリ屋さんか、ここは。扱っている商品はいたって普通。「神秘的な効果」が見込めるジャングル奥地のナントカ、といった胡散臭い商品はなし。これでちょっと安心。少なくとも、とんでもないものを買わされるということはなさそうだ。

とはいっても、何でシンガポール観光でサプリメント買わないといかんのですか。リベート出すからぜひ立ち寄ってくれ、とお店から言われるから、旅行代理店は喜んでこういうのを旅程に組み込むんだろうけど、よく考えたほうがいいぞホンマ。お店だって、観光客相手にしてどれほど売上が見込めるんか、よーく考えたほうがいい。リベート出し損で、代理店だけが儲かる仕組みかもしれんぞ、これ。

しばらくしたら、ニコヤカな顔をした白衣のオニーサンが出てきて、「それではちょっとだけのお時間頂いて、簡単に商品の説明をさせていただきますねー」とフレンドリーに、流暢な日本語で話を始めた。あまりに上手い日本語なのでますます怪しい。・・・と思ったら、「私日本語上手いでしょう?・・・日本人なんですよぉ」とカミングアウトしてきたので、なんだそういうことか、と納得。この納得する過程で、ツアー客の警戒心をほぐすことに成功しているから上手いもんだ。

女性ツアー客が多かったことを考慮してか、10分ほどの説明時間のもっぱらを「宿便が面白いようにとれて体重が減る」という商品の説明に費やしていた。んー、宿便って実際には存在しない、というのが医学の世界では常識なのに、まだそんなことを言ってるのか。この時点でうんざり・・・なのだが、結構ツアー客には「なるほどなるほど」と好評のようだった。部屋での説明のあと、商品が売られているブースに案内されて、大商談会が開催されていたが、あれれ、結構サプリメントを購入している人がいるぞ。さっきまで、「誰がわざわざシンガポールまで来てまでそんなものを買うんだ」と思っていたのだが、予想を大いに覆された。意外だなあ。

ちなみに人気商品は、真珠クリームと宿便取りサプリの二つ。

おかでん家のお財布:びた一文金銭移動なし。

肝細胞の再生に良いとされるスクワレンが売られていたので、酒飲みの僕は少々興味があった。しかし、お値段は特に廉価というわけでもなかったので、購入はしなかった。

それにしてもなあ、旅に出ると財布の紐って緩むんだなあ、と真珠クリームを2個買おうか、3個買おうかと悩んでいるレディを前につくづく思った。この人たちは、この施設に入るまではこんなものを買おうなんてこれっぽっちも思っていなかったはず。それが、いまや嬉々として購入している。やっぱ、リベート払ってでも観光客を誘致したほうがいいのね、お店としては。参りました。

日式ラーメンのお店

健康食品屋の近くに、なぜか二軒も日式ラーメンのお店があった。日本語でメニューなどが書かれていたので、恐らく日本人ビジネスマンとか観光客向けということなのだろう。別に写真撮影したからといって何の記念にもならないが、ついついシャッターを押してしまった。

奇抜なホテル

バス待合場所の近くにあったホテル。

「安眠なんてさせないぞ。」と外環で宣言しちゃってるかのようなデザイン。しかも、建物下部よりも上部の方が床面積が広いといういびつな構造。日本だったら、大地震がきたら一発でぽっきり折れてしまう。それを考えただけでおしっこちびりそうだが、「大丈夫、シンガポールには地震無いから」とガイドさん自信たっぷり。むーう、国が違えば風土も違う。

1 2 3 4 5 6 7 8 9

コメント

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください