ついに食い地獄に沈む【シンガポール】

Rekyo Inn

混雑していたのは国境だけで、あとはスムーズに帰国することができた。マレーシアと比べて一段と厳しいシンガポール国境も越え、一路シンガポール中心部へ。

昼食会場として車が停まったのは、Rekyo Innというホテルの前だった。ここのレストランがお昼お世話になるマレー料理のお店。

お客さんだらけ

中にはいると、客席は人でいっぱい。ほほー、地元民もマレー料理が好きなんだな。そして、これだけ繁盛しているってことは人気店なんだろう。

あれ・・・みんな日本語しゃべってる。なんだ、ここは日本人ツアー客の巣窟になっているのか。

異国の地で、他の日本人ツアーを見るのってあまり気持ちが良いものではないが、ここはその集積地。イヤ参った。

シンガポールで、マレー料理を食べて、その客席には日本人。何が何だか、こんがらがっとる。しかも、天井からは中国の正月飾りであるパイナップルがぶら下がってるし。

フィッシュヘッドカレー

とはいっても、出てくる料理はちゃんとマレー料理。

・・・「ちゃんとマレー料理」って言ったって、中華とインドを足して二で割ったような料理なんだけど。

でも、このフィッシュヘッドカレーを見よ。これぞマレー料理。・・・あれ?違ったっけ?シンガポール名物だったような気もするけど・・・。

「飲み物はどうするか?」と言われたが、さすがにこのおなかの具合で「水道水」を要求する気になれず、ましてやビールを飲もうなんて気にもなれず、ウーロン茶を注文した。

ポッカのウーロン茶が出てきた。

ポッカ、意外なところで勢力があるんだなあと感心。

マレー料理1
マレー料理2

料理の数々。油揚げがマレー料理にあるのには驚いた。カレーはそれなりに辛い。ご飯が進む。とはいっても、体調不良につき味見程度しかできなかったんだけど。

マレー料理3
マレー料理4

やっぱマレー料理といえばサテですなぁ。ピーナッツソースが独特。焼き鳥に慣れた日本人からすると、この甘さはちょっと馴染まないけど、でもおいしい。量が食べられないのが残念でならぬ。

マレー料理5
マレー料理6

このあたりは中華料理って感じ。空芯菜の炒めものも出た。

マレー料理7
マレー料理8

最後はビーフンでシメ。とりあえずひととおりは食べたけど、ほとんど食欲が無かったので量はあまり食べられなかった。おかでん、大失態。こういうときこそ、食べて飲んでワハハハ、と大満足しないといけないのに。

スモウタクシー

食後、ツアー客ご一行様はまたもやDFSギャラリアに連れて行かれた。昨日ここに訪れたお客さんはこの後自由行動可能で、まだ訪れていないお客さんは昨日の僕らのように、お買い物をどーぞご満喫ください状態にされる。

体調を崩したまま絶不調の母親はホテルに戻って夕方まで休むという。僕らは、この自由時間を利用してリトルインディア方面に向かうことにした。

地下鉄の駅が近いDFSギャラリアまでツアーバスに乗っていったが、入り口のところで「じゃ、さようなら」としようとしたら、「いや、ルールだから、上で解散にします」とかわけのわからんことを言われてまたもや最上階の4階まで連れて行かれた。やめろー、この建物、上まであがっちゃったら下に降りるの、苦労するんだから。

しかも、ギャラリア4階の自動改札風ゲートのところで、そのまま通過しようとしたらガイドに呼び止められ、例のバーコード用紙を押しつけられた。「あ、いや、昨日貰ったんでいいです。いらないです」と言ったのだが、「いやこれ持って歩くことがルールだから」とまたわけのわからん自分勝手なルールを持ち出してきた。

ギャラリアでちょっと買い物をした後、外に出る。

道を走るタクシーで、なぜかお相撲さんが描かれているものがあった。こちらを見て微笑んでいる。なんなんだ、これは。

ガイドさんによると、「こんなに重い人が乗っても、料金は痩せている人と一緒」という意味らしい。

軍隊に入りませんか

地下鉄の駅構内にあった広告。

軍隊に入りませんか、というものだった。

東京23区の広さしか国土が無いシンガポールだが、軍隊って存在するんだな。でも、他国が攻め込んできたら絶対圧倒的に大敗するだろうな。

リトル・インディア

うー、体だるーい。

午前中まではなんとか大丈夫だったものの、さすがに体が疲労困憊してきた。今日は午前中からいろいろなところを観て回っているから、そのための疲労かとも思ったが、そうでもなさそうだ。体調不良から来ているもののようだ。

お昼ご飯、あまり食べられなかったもんな・・・。ふぅ。

旅先で食事が満足にできないと、途端にテンションが下がる。今がまさにその状態。

とはいっても、母親同様ホテルで休息なんていう選択肢はあり得ない。せっかくの自由時間だ、歩き回らないと。

目指したのは、リトル・インディア。インド人街だ。

地下鉄リトル・インディア駅を降りたったら、そこには香辛料のにおいが立ちこめる異空間が・・・

と、期待していたのだが、特にそんな強烈なインパクトはなかった。風向きの関係だろうか。ちょっと残念。「インド人=カレー=インド人街にはスパイス屋が立ち並ぶ」という勝手な印象を持っていた。ほら、最近じゃあまり見かけなくなったけど、七味を自分の好みで調合してくれるお店って日本でもあるでしょ、ああいう「スパイスに取り囲まれた店主がいるお店」っていうのがあるのかなー、と。

その代わり駅を降りてから真っ先に見つかったのが、違法コピーと思われるインド人ミュージシャンのCDだった。原宿のアイドルプロマイド売りみたいに、たくさんジャケットを並べて売っていた。なるほど、今じゃ「地元を懐かしむ」娯楽はCDなのだな。時代は変わった。

テッカ・センターに入ってみると、そこには結構な数のホーカーが並んでいた。インド料理ばかりかと思ったが、中華もあるしマレー料理もあるし、何でもあった。ただ、さすがにリトルインディア、お客さんは中華系の人が少なく、色黒のインド人顔の人が多かった。

通常であれば、「ではちょっとくらいつまみ食いしてみますかね」と、屋台に首つっこんで何かを買い食いしたはずだ。しかし・・・全然食欲がわかないんで、パス。

リトルインディアについてもう少し事前学習していれば、このテッカ・センターの奥には香辛料や肉野菜が売られているマーケットがある、ということに気が付いて、そこに行ったのだが見落とした。そのままスルー。惜しいことをした。

リトル・インディアの町並み

リトル・インディアの町並み。

道路には車がびゅんびゅん走っているのだが、インド人たちはお構いなしでビシバシ道路を横断していく。結構な車線数なので、一度に横断しきるのは至難の業。大抵は道路半ばで立ち止まり、車をやり過ごしてからまた歩を進める、といった感じだった。

とはいっても、自分が立ち止まっているレーンにも車はどんどんやってくる!ではどうするか。白線の上に立ってやり過ごすんですな、これが。うわ、あぶねぇ。腹側、背中側両方スレスレのところを車が通過していく。車も慣れたもんで、「アブねぇだろ、コラぁ」といった罵声やクラクションは聞こえない。ここでは、こういうのが「流儀」なのだろう。

早速僕らも真似してみた。なるほど、案外イケるもんだ。でも、間違っても日本でこれをやっちゃいけない。

八百屋

八百屋があちこちにあった。

色とりどりの野菜が山積みだ。にんじん、ジャガイモなどが山積みになっている光景は日本のスーパーでもよく見かけるのだが、オクラが積み上げられているのはちょっと意外だった。

オクラ?てっきり和の食材かと思った。インド人も食べるんだな。

しかもこのオクラ、どの八百屋も最前列の隅っこなど、通行人に目立つところに陳列されていた。インド人が大好きな食材っぽい。一体オクラでどんな料理を作るというのだろう?・・・カレーか、やっぱり。

セラグーン・ロード

セラグーン・ロードを歩く。

ショップハウス形式のお店が軒を連ねている。

その奥にマンションが建っているのがいかにもシンガポールらしい。

スリ・ヴィラマカリアマン寺院

インド人街ということもあってか、立派なヒンズー教寺院があった。

スリ・ヴィラマカリアマン寺院。

一体何百人があの上に乗ってるんだ、と彫刻の多さに驚かされる。イナバ物置の比じゃないぞ。

こういう繊細な彫刻があるということは、この地には台風や地震が少ないんだろうな、ということがわかる。日本でこんな建造物を建てたら、あっけなくぽきっと折れたり、紛失するに決まってる。

道路沿いに立ち並ぶお店

道路沿いに立ち並ぶお店。

どのお店もひさしを歩道いっぱいまで突きだしている。それは、通行人に「日差しがきついでしょう。どうぞ当店のひさしで涼んでくださいな」という善意からではない。車道ぎりぎりまで自店舗の商品を並べるためだ。おかげで、歩道が狭いったらありゃしない。ただでさえ人が多いのに、歩道が狭いものだからお互い肩をぶつけ合いながら歩く。

歩道の両脇に店の商品が陳列され、そしてひさし。なんだかトンネルの中を歩いているようだ。

このあたりのお店は、相変わらずCDショップが多いが、アクセサリー店も多かった。もっぱら金のアクセサリー。恐らく、もうけたお金は銀行に預金なんてしないで、金細工にして肌身離さず持ち歩いているんだろう。

アングリア・モスク

アングリア・モスク。

イスラム教寺院もある。ただしここはリトル・インディアのはずれのほう。

ムスタファ・センター

ディスカウントデパートで、いろいろなモノが売られているという「ムスタファ・センター」に行ってみた。

「センター」のスペルが、CENTREになっているあたり英国統治だったんだなあ、ということが分かる。

中に入ろうと思っていたのだが、時間が押してきているのと店内がえらい大混雑だったため、諦めた。

午後いっぱいフリータイムなわけではない。5時半にはナイト・サファリツアーに出発しなくちゃいけない。

ガラクタ市

アラブ・ストリート方面に向かうため歩いている途中、ガラクタ市を開いているゾーンに立ち寄った。

正月2日目ということもあって、市はやっているだろうか?とちょっと心配ではあったが、何事も無かったようにガラクタ市は本日も営業していた。

公園の路上にブツを広げて、ものが売られている。

ガラクタしか売られていない

いや・・・「売られている」のか?これ?

ほんっと、ガラクタだぞ。穴があいた中華鍋だとか、壊れた携帯電話とか、薄汚れた毛布とか。誰が買うんだ、これ。金を貰ってでも欲しくないようなものばっかりが、堂々と並べられている。

出展者の自己満足の世界ではないのか?

回りを見渡して、誰か購入しているような人がいるのかどうかを確認してみた。すると、まあほとんどが冷やかしで終わっているが、中には熱心に価格交渉している人もいた。おい、このガラクタで価格交渉っすか。ただ同然のがらくたを、これ以上値びかせてどうするんだ。

サルタン・モスク

ガラクタ市を通り過ぎて、アラブ・ストリート方面に向かった。

見えてきたのはサルタン・モスク。

おお、これぞモスク!という感じがする。朝、ジョホールバルで見たモスクは「それっぽくない」感じがしたが、これぞ「ああ、モスクを見たなあ」と納得させられる作りだ。

シンガポール最大・最古のモスクということだ。

中を見学させてもらおうとしたら、入り口にいるおっちゃんから「靴を脱げ」という身振りを受けた。靴を脱いで、正面入り口に立つ。・・・おっとっと、ここから中へは信者以外入っちゃだめなのか。靴を脱いでも数歩しか歩けなかった。

中は、外の派手さと比べて地味そのもの。広い空間は荘厳、とも言えるが、「がらんとしている」とも言えた。礼拝時間じゃないので拝んでいる人はほとんどいなかったが、とにかく広い。建物は2フロアに分かれていて、男性は1階、女性は2階でお祈りをすることになるそうだ。

ブッソーラ・ストリート

サルタン・モスクに突き当たるブッソーラ・ストリート。

このあたりは、マレーの民族衣装用の生地を売る店や、仕立て屋が並んでいる。あと、オープンカフェも何軒か。

歩き通しだし、カフェで一息入れたいのぅ、と思ったのだが、予定より随分と時間が押しているようだ。夜のツアー出発まであと1時間もない。早く宿に戻らないと。

宿に戻ってシャワーを浴びておかないと、この後ナイトサファリを見たあと、そのまま空港に移動して飛行機だ。帰宅するまで汗くさいままになってしまう。それだけはイヤだ。

ブギス・ストリート

地下鉄駅に向かう途中、ブギス・ストリートという商店街に立ち寄った。

このブギス界隈は最近急激に再開発がすすみ、西友なんぞも出店しているわけだが、ブギス・ストリートはちょっと前までオカマバーなどがあるいかがわしい一帯だったらしい。

ブギス・ストリートはこのあたりだ、と目星をつけて行ってみたら、おや、目指すところにはマスターカードのひさしがある。場所を間違えたかな・・・と思ったが、ここがブギスストリートの入り口。ちゃんと赤いひさしの上にブギスストリート、という電飾があった。商店街の入り口がひさしというのは初めて見た。

ブギスストリート内部

ブギスストリート内部。

アーケードの天井は高いのだが、通路が狭い狭い。どうしてかと思ったら、両側のお店がこれでもか、というくらい自分のテリトリーを通路側に確保してやんの。おい、そこは公共の道路だ。もう少し引っ込めろ。

そんなわけで、ただでさえ多い人なのに道が狭いからこんな状態。火事が起きたら絶対にパニックになって将棋倒しが起きるぞ。

オカマがいるなど、怪しい雰囲気を醸し出していることを期待していたのだが、特にそんなことはなし。Tシャツ屋、フレッシュドリンク屋、雑貨屋などが主だった。

時間的にも肉体的にも余裕があればじっくり吟味していただろうが、疲れ切っていたのでそのまま無感動に通り過ぎて、地下鉄に乗り込んでホテルへ戻った。ふう、疲れた。さすがにおなかを壊している状態でてくてく歩くと、疲労度合いが尋常じゃないな。

シャワーを浴びる時間は十分に確保でき、さっぱりしてから夜の部に備えた。

ナイトサファリ

さてシンガポールツアー最後の企画は、ナイトサファリだ。

夜しか営業していない動物園ということで、非常に特徴的だ。普段見ることができない、夜活動する動物たちの様子を、トラムに乗って見学することができる。夜限定サファリパーク、といった感じだ。ただし、サファリパークと違うのは、見学する手法はトラム(もしくは徒歩)であり、サファリパークのように「窓を開けちゃだめ、危険」ということにはなっていないことだ。・・・猛獣に襲われないのか?虎やライオンも確か居たはずだが・・・?

未体験なので、ちょっとわくわくする。

ナイト・サファリは19時開園

すぐお隣のシンガポール動物園が18時閉園なのに対し、こちらのナイト・サファリは19時開園という入れ替わりの営業となる。そりゃー動物の有効活用だな、と思ったがさすがに動物園とナイト・サファリで同じ動物を移動させているわけではないようだ。

まだ営業開始時間前の18時だが、すげにゲートはオープンになっていた。われわれはそのまま中に入る。ここで夕食を食べた後、お楽しみのトラム乗車となる。

事前に予約しておけば、トラムに乗車し動物を見ながら、フランス料理のディナーを楽しむ「グルメサファリ・エクスプレス」という企画もあるらしい。ただし、最小催行人数12名以上。通常、45分程度のトラムの旅なのだが、この企画の場合は2時間半たっぷりかけて動物見学+お食事となるらしい。

料理を車上で食べつつ動物を眺める、という発想がすごい。日本人だとちょっと思いつかないと思う。肉食獣を眺めつつ肉料理を食べる、とか。

ナイトサファリご案内

入り口で、ガイドさんから「ナイトサファリご案内」と日本語で書かれたパンフレットを貰った。日本人観光客がとても多い証拠だろう。

そういえば、園内を走るトラムは、英語解説バージョンと日本語解説バージョンの二種類がある。その他の言語バージョンは無い。英語は公用語なので当然として、あともう一種類の言葉に日本語が選ばれているというのは光栄なことだ。

まぁ、あと数十年もしないうちに、中国語に乗っ取られるんだろうな。東南アジアを旅して「わぁ、日本語が使える!」なんて無邪気に喜んでいられるのは今のうちだろう。

そういえば、ガイドさんと話をしていたとき、こんなことを言っていた。

「シンガポールでお金持ちの人は、正月休みによく日本に行く」
「え?そうなんですか?どうしてですか?言葉も通じないし、物価高いし」
「中国系の人がいる国に行ったら、みんなどこも正月で休み。日本はこの時期正月じゃないからお店やってる。買い物できる」
「あー、なるほど」

サファリ・レストラン

さてまずはお食事ですよん、ということで園内を突っ切って、サファリ・レストランというところに案内された。

インターナショナル・ビュッフェメニュー$24

インターナショナル・ビュッフェメニュー$24、と書かれている。

そうかぁ、今晩もビュッフェだったけ。最後の晩餐もビュッフェ。しかし、全く食欲が無いんですが。

シンガポールスリングの写真が色鮮やかにこちらを勧誘してくるが、食事すらまともにとれない状況下においてお酒なんてもってのほかだ。

サファリレストラン内部

通常モードのおかでんであれば、「よし。動物を観る前にまずは自らが野獣とならなくてはならん。肉食動物、草食動物両方の気持ちを心おきなくまで満喫するぞ」とかなんとかいって、チーターのような素早さで料理を取りに行くんだが・・・

乗り気になれねぇなぁ。

歩き疲れたからだろうか、ますます体調は悪くなってきた。朝食、昼食と比較しても、食欲はさらに減衰している。

やばい。衰弱しているのが動物に感づかれたら、襲われて食われる。いまのうちに体力をつけておかないと。

スパゲティの横にチャーハン

料理は結構無節操といえる品そろえ。

スパゲティの横にチャーハンが置いてあったかと思ったら、その横には天ぷらが置いてあったりして。

われわれと同じようなツアー客で料理の周辺は大混雑だ。おーおー、みなさん食欲があるねぇ。感心しますよ、ほんと。

僕はざっと眺めるだけで素通り。

アイスクリーム

まるで巨大紙粘土のような形をしたアイスクリーム。

ああ、アイスクリームだったら食べることができそうだ。後でこれを頂くことにしよう。

情けない、自らが情けない。暴飲暴食むちゃしてナンボを信条としてきた自分が、かくも落ちぶれてしまったことが。

あまりの絶望に、自らを動物の餌として動物園に供託し天寿を全うしようかと悩む。

この日の夕食

結局、この日の夕食。

何がかなしゅうてシンガポールまできて天ぷらを食べなくちゃいかんのか、と思うが、他の料理がどっしりと胃に貯まるもの中心だったので、やめにした。

サラダを食べても良かったのだが、野菜の山の上に虫がとまっているのを見かけてしまったため、ピックアップを断念。

ミネラルウォーター

そして、ミネラルウォーターを別料金で入手。値段が高いんだよなあ。普通だったら絶対に頼まない。

周囲のツアー同行者たちは、めいめい水道水を店員にオーダーしていた。こちらは当然無料。

さすがに体調を崩している今、水道水を飲むわけにはいくまい。水道水のせいでこういう事態を引き起こした可能性も否定できないわけで。

それにしてもこの写真の顔、随分と頬がこけている。順調にやつれてきたぞ。

シンガポールお手洗い

行く先々のお手洗いを使うので、シンガポールお手洗い評論家になりつつあるこの日一日だったが、ここのお手洗いは面白かった。

男性小用便所の上に覆い被さっているひさしに水を流し、軒先から雨のように水がしたたっている演出が施されていた。

ジャングルのスコールをイメージしているのかもしれない。なかなかに楽しい。

トライバルダンスショー

舞台ではトライバルダンスショーが始まっていた。

ボルネオ島のトンプアカ族の踊りだ。

火吹き、吹き矢、バンブーダンスなどのパフォーマンスを見せてくれた。

ナイト・サファリ地図

さて、本題のナイト・サファリ。

一周約45分のトラムルート上には、世界各国の様々なシチュエーションが再現されていて、いろいろな動物を観ることができるという。

トラム以外にも、徒歩のトレイルルートも用意されており、歩いてジャングル探検ができる。

園内を8の字を描くようにルートが設定されている。順に、「ヒマラヤ丘陵」→「ネパールの谷」→「インド亜大陸」→「アフリカ赤道付近」→「インドネシア/マラヤ地域」→「アジア河川地域」→「南米草原地帯」→「ビルマ丘陵」といった想定になっている。

トラム

これが、乗車するトラム。

正確な数はわからないが、10連くらい連結されている。

このトラムは日本人観光客向けのもの。ナイト・サファリの日本語ガイドさんが先頭車に乗っていて、マイクを使って解説をしてくれる。

目の前をひっきりなしにトラムが通過していく。相当な数のトラムがこの園内を走り回っているようだ。

トラムに乗車

トラムに乗車。

トラムに乗る際にはこつがある。ツアーは時計回りに移動するから、車両の右側に座るのが良い。左右どちらにも動物がいるとはいえ、右側の方が施設の内側になるので、なにかと種類が多いようだ。

あと、車両の連結が長いので、できるだけ前方車両に乗った方がよい。ガイドさんが「右側にライオンが見えてきました」と解説しても、後方車両の人はまだ全然違う景色を眺めている、なんていうことがある。ガイドさんもその点は理解しているので、「後方の方が今ご覧になっているのは○○で、あともう少ししたら右手にライオンが見えてきます」と配慮はしていた。ただし、ガイドさんの案内があって、ぱっと動物を観て、「おお!」と驚く、という一連の流ちょうな流れには欠けるので、ちょっとだけもったいない。

ナイトサファリ1
ナイトサファリ2

戦慄の!ナイト・サファリがスタート。

あまりに無防備なトラム。猛獣たちが迫ってきたらどうするのか?急発進急加速で逃げるしかあるまい。頼むぞ、運転手。

トラム乗り場の喧噪がやや遠ざかったところで、早速ガイドさんが「まもなく右手に○○(名前忘れた)が見えてきます」とアナウンスした。・・・まもなく?予告?

すると、確かに右手の崖の上に動物が居た。一同、「おおおー」とどよめく。すごい。こんな身近に動物がいるなんて。

突然現れたトラムに驚く様子もなく、動物(なんだったか忘れた)はその場でじっとしていた。

「ねぇ、あれってホンモノ?」

母親が僕の服を引っ張って聞いてくる。確かに、あまりの予定調和っぷりにこちらも信じがたい気持ちだ。でも、よーく見ると確かに生きている。むーう、こんなにあっさり動物を観ることができるとは思わなかった。極力照明は設置されていない状態だし、ジャングルが再現されているし、なかなか動物に会えないんじゃないかと思っていたのだが。

写真を撮りたいのだが、フラッシュ使用が禁止されているためまともに撮影ができない。ブレブレの写真をお楽しみください。

ナイトサファリ3
ナイトサファリ4

「前方車両の方、右手に▲▲が見えてきました。この生き物は・・・・。後方座席の方が現在左手に見えるのは■■で・・・。まもなく後ろの方は▲▲が右手に見えてくるようになります」

なんともガイドさんも一生懸命だ。長い編成のトラムであるが故に、前方と後方で見えている動物が違う。

それにしてもガイドさん、「まもなく右手に見えてくるのが」と、必ず登場予告をし、そしてそれがドンぴしゃであたる。動物、見放題。もっと茂みに潜んでいたりしてなかなか見られないものだと思っていたのに。どういう仕組みだろう。

あと、しばらくトラムは走り続けたが、サファリパークのように「動物が道路を横断中のためトラムが停車」であるとかトラムのすぐ横まで動物が迫ってきた、といった事は無かった。これもまた不思議だ。

ここで気が付いた。このナイト・サファリ、動物たちが放し飼いになっているゾーンの中にトラムが突入するのではなく、まるで動物公園の園内をトラムで走っているようなものだ、ということに。

一見、トラムが走っている道路と動物がいる場所との間には柵などの境界が無いように見えるが、実際はこっちに動物が移動できないような溝や柵が潜んでいるようだ。あと、ガイドさんがぴたり、ぴたりと動物の居場所を予告してみせるということは、案外個々の動物に与えられているスペースは広くないらしい。そういえば、複数の種別が入り交じって住んでいるゾーンは存在しなかった。種別ごとにきっちりと区画されていることが伺える。ナイト・サファリという名前からして、サファリパーク的なものを想像していたが、ちょっと違うようだ。

でも、それであるが故にいろいろな動物を間近で、次々と見ることができてとても楽しい。これはわくわくする。シンガポールに来て一番面白い瞬間だったと、最後の最後のイベントであるここ「ナイト・サファリ」で思った。

ナイトサファリ5
ナイトサファリ6

ライオンががるる、がるると唸っているのが遠くからでも聞こえる。こっちには絶対来ない、襲われないというのは分かっていても、暗闇の中なのでちょっとした恐怖感を感じる。肌に感じる、外気。そしてケダモノのにおい。その中で聞こえてくる野獣の咆吼は、分かっていてもちょっとだけびびる。

ケダモノのにおい・・・というか、まあ早い話糞尿のにおいなのだが、さすがにそれなりに周囲に充満している。こんな中で、フレンチのフルコースディナーをトラムに乗って頂こう、というのはなかなか乙な話だ。あらためて、企画した施設の人はすげーと思う。僕はちょっとイヤだ。

ナイト・ショー

約45分間「おお」「わぁ」という感嘆しっぱなしのトラムの旅は終わった。

途中から、体調が悪く疲労困憊していた母親が居眠りを始めてしまった。「ここで寝たらもったいない!ほら!右に動物がいるよ!」なんて余計なお世話かもしれない檄を飛ばして、母親を起こし続けた。

かくいう僕自身も相当にぐったりしているし、元気な兄貴とはいえやっぱりこの強行軍には疲れを隠しきれない。

かくして、シンガポール旅行最後のイベントは終了した。

このナイト・サファリ、ナイト・ショーというイベントも名物だという。動物の生態や特徴をショー仕立てで紹介する20分程度のイベント。とても見てみたかったが、ツアーであるが故に自由はきかない。ガイドさんに導かれるままに、施設の外に。

先ほどは閉店していた敷地内のDFSギャラリアが、この時間になると開店していた。正月休みなのかと思ったが、単に夜だけ営業しているということだった。このお店では、動物のぬいぐるみや人形がたくさん売られていた。

ライトアップされた動物

ナイト・サファリの入り口付近には、ライトアップされた動物がたくさん。

虎の前で兄弟そろって記念撮影

ガイドさんが「ぜひ記念撮影した方が良い」というので、虎の前で兄弟そろって記念撮影。

チャンギ国際空港

そのまま空港に運ばれるのかと思ったら、バスはシンガポール都心部に入っていき、ラッフルズプレイスで停車した。ここで、夜景ツアーに行っていた人をピックアップし、空港に向かうという。非常に複雑な運行管理がされていて、とても感心する。様々なツアー客、バス、ガイドが入れかわり立ち替わり、そして最適化されたシンガポールツアー。こういうところで効率化しないと、旅行業というのは成り立たないのだろう。

夜10時過ぎ、チャンギ国際空港に到着。24時間営業の空港なので、この時間も人でにぎわっていた。

夜11時の便で出発する、というツアー客がバスには居たけど、間に合ったのだろうか。相当に慌てただろうな。

出国ゲート

チェックイン後、出国ゲートに向かう。

目の前すぐに出国審査官がいて、審査を受けて・・・そのまま何事もなく通過したら、もうシンガポール出国。あれっ、やけに早いな。

「何かが足りない」と思って首をひねっていたら、手荷物検査が無いのだった。この空港は、飛行機ごとの搭乗口の手前に専用の待合室があり、そして専用の手荷物検査場を持っていた。これだと、羽田空港の朝みたいな大混雑は防ぐ事ができる。・・・ただし、設備費用と人件費がバカにならないが。

椅子に倒れ込む兄貴

あっという間に出国してしまったため、深夜1時の飛行機出発までまだ2時間半もある。もう疲れ切った、頼むから休ませてくれ。

家族3人中唯一無傷だった兄貴も、椅子にひっくり返って寝てしまった。

僕は、空港内にマッサージ屋があることを発見し、母親をたきつけて二人でマッサージを受けにいくことにした。30分で50ドルくらいだったと記憶している。なかなかに気持ちよかったが、体調不良までもが直るわけではない。飛行機、飛行機はまだか。

クロワッサンの夜食

我慢しつづけ、ようやく飛行機に搭乗できた。やっと一安心。

深夜1時、定刻どおりシンガポール航空関西空港行きは出発した。「飛行機だー」と、普段はしばらくそわそわしている僕であったが、さすがに今回は疲労感が勝っていた。離陸する前から、もうぐったり、家族3人そろってお休みモードに入っていた。

離陸後しばらくしてから、クロワッサンの夜食が提供されたのだが、結局りんごジュースだけ手をつけるだけにとどまった。機内食に心ときめかす性格なのに、体調がそれを許してくれなかった。

おやすみなさい。目が覚めたら、翌朝はもう日本。

1 2 3 4 5 6 7 8 9

コメント

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください