ベッドの正面には、鏡と、テレビと、冷蔵庫があった。
この鏡がくせ者だ。場所的にたまたまここしか姿見を設置できなかったのかもしれないが、それにしてもベッドの正面って。
試しにベッドの上に乗り、M字開脚してみたら大層良い塩梅に自分の姿が鏡に映った。その写真もあるのだが、破廉恥なので掲載はやめておく。
テレビの位置は微妙すぎる。ベッドから見るにしても斜め方面だし、そもそも部屋の隅にある座椅子と全く向きが違う。あの座椅子、単なる飾りとしか思えない。
テレビの下にある冷蔵庫は空。好きなものを入れてよろしい。
なお、500mlのペットボトル水が2本用意されてあったのは有り難かった。買わなくて済んだ。
天井近くに、なにやら巨大なライトが据え付けてあった。何かは不明だが、恐らく非常灯なのだろう。
今はあまりないとは思うが、一頃は電力事情が相当悪かったのだと思う。停電がたびたびあって、その名残だろう。
それとも、台風が頻繁に訪れる国なので、停電になりやすいという地理的事情があるのかもしれない。この辺りの事情はわからない。
日本人的発想だったら、「万が一の停電に備えて、枕元に懐中電灯」となる。しかし、台灣だとこんなド派手なサーチライトみたいなものになるのだな。でもこれじゃ、部屋から出られないよ。部屋だけ明るくても困る。停電が復旧するまで大人しく部屋で待機していなさい、ということか。
この宿だけのものかと思ったら、翌日お世話になった部屋でも同じ物を見た。台灣では一般的なもののようだ。
懷寧旅店の御案内。
日本だと必ず非常時の脱出経路が記載されているが、台灣ではそういうルールは無いらしい。「緊急事件の時は安全門から逃げろ」とだけ書かれてあった。安全門、どこですか。後で確認しておかないと。宿の構造上、火事になるとヤバそうだ。
わざわざ部屋代が記載されているのが面白い。
住宿:2,160元 休息:540元
と記されている。ほらー、やっぱり休息ってそういう意味じゃん。
Fishに、「このホテル、『住宿・休息』って記載があるけど、休息ってやっぱり連れ込み宿って意味だよね?」と聞いた際、「さあ?違うんじゃない?」と言われていた。しかしやっぱりそうじゃん。
とはいっても、ちゃんとビジネス/観光ユースにも対応していて、よく読むとモーニングコールやらタクシー手配、按摩さんの呼び寄せ、クリーニングなども対応しているようだ。米ドル、香港ドル、日本円の両替までやってくれる。幅広い客層に対応しています、ということか。日本人的感覚からいったら幅広すぎだけど。
チェックアウトが12時というのが、大層ゆっくりできてよろしい。ただし、観光で台北を訪れる限り、このチェックアウト時間はあんまり意味がないとは言える。あ、でも台北最終日が午後便の飛行機だったら、チェックアウトぎりぎりまで大きな荷物を置いておくメリットがあるな。
トイレ兼風呂場を見に行く。
いったん段差を降りて玄関に出て、スリッパに履き替える必要があるのでやや面倒くさい。
中にはいると、無駄に広いスペースが広がっていた。こんなに長細い洗面所は見たことがない。もっとコンパクトにまとめても良いだろうに、と思うのは貧乏人の発想だからだろうか。
広いが故に、浴槽のところにシャワーカーテンが存在しない。少々水しぶきが飛び散っても問題はないという考えなんだろう。
タオル、バスタオルは完備されていて問題なし。
トイレは・・・さすがにここまで和風套房ではなかった。洋式。便座の上部に大きなボタンがあり、それを押すと流れる。日本のように「大」とか「小」といった水量切り替えは無しだ。台灣の人、日本に来てトイレを流そうとすると困惑するのではないか?「大」「小」って何だよ、って。
なお、中国語でトイレの事は「馬桶(まーとん)」という。なんちゅう名前だ。まあ、日本の「便所」というのも露骨っちゃあ露骨な名前だが。やはりここは「洗面所」という奥ゆかしい表現を積極的に使いたいところだ。
台灣で忘れてはいけないのが、使用した紙の始末だ。台灣では原則、紙をトイレに流してはいけない。使用済みの紙は、便座脇にあるゴミ箱に捨てる事になる。大変に不潔だと思うが、現状そうなっているから仕方がない。台灣の人が日本に来て驚き、喜ぶのはトイレの清潔さと利便性らしい。ただこれは台灣の人に限った話ではないが。
なぜ紙を捨ててはいけないのだろうか。Fishに聞いてみたら、「さあ?」で終わってしまった。「便所では紙を捨てない」ということを当たり前として育ってきたので、疑問にすら思わなかったのだろう。もっとも、疑問に思ったとしてもFishは台灣の雑学王でも何でもないわけで、知らないことがたくさんあって当然なのだが。
ホテルや立派な観光施設/飲食店などを除き、台灣の洗面所には紙が設置されていない。自分で持参するのが原則だ。だから、台灣の人、特に女性はティッシュペーパーの携行が欠かせない。Fishは台灣に帰国する前、日本で「鼻セレブ」というポケットティッシュをたくさん購入していた。なぜそんなものを、と聞くと、台灣では必需品であるということと、紙質は日本の方が上だという答えが返ってきた。
そんな「水に溶けない」ティッシュが洗面所で利用するから詰まってしまうのではないか?と思うわけだが、調べてみるとそうではないらしい。台灣は下水道事情があまり良くなく、パイプが細いために紙を流すと目詰まりを起こすというのが事の真相。下水道の基本設計を甘く見積もってしまったらしい。
たとえ水溶性のトイレットペーパーであっても、溶けるまでは時間がかかるわけであり、台灣のトイレに流すと危険。ネットで検索してみたら、「逆流して酷い目にあった」という悲惨話を散見することができる。涙無しでは読めない。中には、「もうこんな生活耐えられない」と帰国してしまった日本人妻もいるようで。トイレというのは、生活に密着しているだけに重要だ。日本の上下水道を管理している行政及びトイレ用品メーカーに感謝だ。
なお、台灣滞在5日のうち、1回だけどこかで「紙をトイレに流しても良し」という張り紙がしてある洗面所を見かけたな。どこだったかなあ・・・。高鐵站だったかな・・・。まあ、それくらい珍しいってことだ。
アメニティ類は問題なし。廉価ホテルではあるが、この辺り全く抜かりがない。
まあ、「廉価」といっても日本人的感覚での話であって、台灣物価から考えるとそれなりにお高い宿ではあるのだが。本当に安宿を探せば、台北車站近辺でも500元(=約1,600円)程度の宿はある。ただし、二段ベッドの相部屋だったりするが。
さてここのアメニティだが、当然二人が泊まる事を想定して歯ブラシなどは2セット用意されている。しかし・・・
ええと、ひげ剃りは1つだけか。そのかわり、シャワーキャップが1つ。
やっぱり、明らかに「男女が泊まる」事を前提にしておるな。全くもってけしからん。
「けしからん」といいながら写真をとるおかでん35歳男性独身。そろそろ身の振り方考えろ。
さて、アメニティの中に石けんがあったので、試しに開封してみた。普通、日本の宿ではボディソープとシャンプーなどの「液体系」なものしかないからだ。珍しい。
開けてみたら、見事なまでに無骨な、真四角な石けんが出てきた。しかも、製造工程時に付いたと思われる縦筋(というか、キズ)があちこちに入っている。これは現代日本では絶対にお目にかかれないレアアイテムだ。思わず石けんごときを写真に収めてしまった。
部屋の写真を撮影していたら、あっという間に時間が過ぎてしまった。
いかんいかん、荷ほどきすらまともにできていないのに。
慌てて20時から予約を入れてある整体に向かう。ここで時刻が遅延すると、21時30分待ち合わせのJennyにも迷惑がかかる。何ともせわしない。
横断歩道がないので、やっぱりいったん地下道に降り、台北車站前の交差点をアンダーパスしてから地上に出る。3番出口出てすぐ、「國際観光商業大樓」。先ほど、奇妙なタイ式オイルマッサージ屋の看板を見かけたところだ。
日本で雑居ビルといえば、秋葉原の電気街を除けばほとんどが「飲食店」だと思う。しかし台灣ではそうではなく、多様な店がビルの中にひしめき合っているから面白い。ただし、日本の店舗に慣れている身からすると、胡散臭く感じてしまう。多分、おかでんの母親なんてこういう雑居ビルに入るのは嫌がると思う。
で、「國際観光商業大樓」。名前は大層なものだが、実際は間口の狭い、何がどう「國際観光」なんだかわからないビルだった。こんなところに整体が、と思うが、まあ場所さえあれば何でも商売はできるってことだ。
一階には「台北火車頭」という店が出ていた。何を商いしているのかさっぱりわからないが、いちいちこういうのに反応していたらきりがない。スルーしよう。
「Taibeiの鉄道エソジソ」と書いてあったが、こういうのにも突っ込み入れるといくら時間があっても足りない。
この雑居ビルの6階が、目指す「知足健康中心」だ。台北車站すぐという立地条件の良さ、日本語がある程度通じること、台北ナビなどへの広告宣伝に抜かりなしということで日本人観光客に人気のマッサージ店らしい。
入口には「いらっしゃいませ」という表示と、「ちそくけんこうセンター」の文字。
入口が二重になっていて、木の扉と、格子扉があるというのがいかにも台灣風。・・・いや、この時点ではまだそのことに気がついていないんだけど。
整体を始めるには、特殊な設備は特に必要がない。最悪、ベッド一つで事足りる。健康医療関係では、精神科医に次いで初期投資が不要な業態ではないか。そんなことを感じさせる、店の作り。
もちろん、ベッドだけじゃ客は来ない。特に女性は嫌がる。だから、カーテンつけたりリネン類を頻繁に交換したりいろいろするわけで、結局ある程度の投資は必要なのだが。
この店の場合、ベッドが3つあって満員御礼。その客全てが日本人だったのにはちょっと驚いた。また、自分の施術後にやってきたお客、予約の電話をかけてきたお客全員が日本人というのも驚きだった。日本人専門店舗か、ここは。
きっと、日本にも「アメリカ人ばかりの店」とか「アラブ人ばかりの店」ってのがあるんだろうな。日本人が知らないだけで。
そんな店だったが、一応入店時のごあいさつは中国語で。「晩上好!(わんしゃんはお=こんばんは)」。
そうしたら、店の奥から「いらしゃいませー」と日本語で応答されて、半分がっかり、半分ほっとした。発音がネイティブじゃないので、すぐに「あ、日本人だ」とバレたらしい。
台北ナビで既に予約してあり、ペーパーで予約票を印刷してあったので話は早い。
台北ナビのwebサイトでは、希望日と時間を第三候補まで入力することができ、予約の仲介をしてくれる。店と連絡をとりあって、予約が確定したら予約票を発行してくれるからありがたい。なお、支払いは台北ナビ経由ではなく、直接店舗にて。
台北ナビには、知足健康中心の10%割引クーポンがついていたのでありがたく使わせてもらうことにする。
ここは足裏マッサージ、全身マッサージなどを受けることができる。いずれを選んでも60分1,000元(=約3,200円)。日本のマッサージ相場は10分=1,000円なので、それを考えれば半額近い。とはいえ、台灣物価(大卒初任給が10万円~12万円程度)を考えると、結構高額だ。お客が日本人だらけというのはうなずける。
なお、60分1,000元というのは台北の中でも高い部類だと思う。もっと安い店はいくらでもある。ただ、日本語ができるとか、台北ナビで予約できる、といった安心料込みということでこの価格設定だ。
マッサージは製造業や流通業ではないので、経費は場所代と人件費と、その他少々で済む。うまく商売が軌道に乗れば、相当儲かるはずだ。ましてや、日本人相手のビジネスとくれば儲かりやすい。しかし、旅館業と一緒で、観光客が来ない閑散期や平日は商売あがったりになるので、辛いところだ。為替レート次第で日本人客が増減するだろうし。簡単そうで、気苦労が多いビジネスかもしれない。
おかでんは全身マッサージ60分コースをお願いする。足裏マッサージが気持ちよい、と感じた事が一度もないからだ。とはいえ、これだけ足裏マッサージ店があるということは、実は相当気持ちよいに違いない。時間とお金があったら、歩けなくなるくらいまでぐりぐりやってもらいたいのだが・・・。
このお店のメニュー先頭に、「足裏60分+全身90分=2,500元」という記述があった。こりゃ全身骨抜きにされそうだ。試してみたいのぅ。
マッサージを受ける。
日本の一般的なマッサージと何か違うところがあるのか、慎重に様子をうかがってみたが特に違いは見つけられなかった。台北ナビの口コミ欄にあるような、ハードなゴキゴキもなし。期待していただけに、若干拍子抜けだった。まあ、ゴキゴキ言わせるのが正解かどうかは大きく疑問だけど。
これだったら、いつもお世話になっている自宅近所の中国気功整体の方が上手だと思った。吉林省出身の方がやっている。こちらだと、回数券利用で60分4,500円くらい。
ただ、「技術」と「値段」のバランスというのはとても難しく、少々雑でも安くて時間が長い方が有りがたかったりする。このあたり、整体選びの難しいところだ。
ゴッドハンドと名高いこのお店の店主だが、施術をお願いしようとすれば指名料が別途かかる。300元だったかな?。割引クーポン適用外。少々高いお金を払ってでも(それでも日本と比べれば安い)、ゴッドハンドでボキバキやられたいという方はぜひそちらをどうぞ、なのです。
21時、診療終了。
漢方茶を頂戴し、一息ついてお店を後にする。ふう、良い感じ。
ベストな気分か、というと「ベターである」と言わざるをえないが、それでも満足度が高い。場所も良いし、また訪れたいところではある。感謝感謝でお店を後にした。
さあ、引き続いてすぐに台北車站から捷運(じえゆん=MRT)に乗らないと。早足で地下街に潜り込む。Jennyを待たせるわけにはいかない。
台北車站から、士林夜市の最寄り駅である剣潭站まで約15分。21時30分集合にしてあるので、すぐに移動しないと。ホンマ秒刻みだなあ。
台北を南北に貫く「MRT淡水線」に乗る必要がある。台北車站は、その他MRT板南線、台鐵、高鐵がそれぞれ地下にホームを持つので紛らわしい。地上に大きな駅舎を持つ駅だけど、乗り入れている路線は全て地下ホームだ。
自動券売機でチケット代わりのICメダルを購入し、自動改札に向かう。
自動券売機の動作のトロさ、自動改札の構造の非効率性は、台灣風といえる。日本だったらクレームものだ。逆に、日本が神経質すぎるんだな。0コンマ何秒の世界で効率を競い合っちゃってる。日本人がいかにせっかちか、というのが分かる瞬間。ということは「台灣風」なのではなく、「日本だけが世界で孤立」しているというのが正解なのだろう。
とはいえ、台灣人も負けてはいない。電光掲示板に、次の電車があと何秒で入線するかをカウントダウンタイマーで表示しているのだった。5秒刻みで、カウントダウンされていく。おかでんが乗らないといけない淡水線は、行き先が「北投」行きなのだが、写真の表示だと0:55。これが到着時刻なのか出発時刻なのかはわからんが、いずれにせよせっぱ詰まっているのは事実だ。それ急げ。急いでホームに舞い降りろ。
台北車站は全ての接続路線が地下ホームであるため、淡水線の場合は深く潜らないといけない。改札をくぐったからといって油断してはいけない。その後、長い階段が二階層、待っている。
あのカウントダウン電光掲示、駆け込み乗車を助長する気がするけど大丈夫か?
それとも、「ああもう間に合わない」と諦める人が出てくるから、逆に効果的なのだろうか。大変に興味深い。
少なくとも、JR東日本を中心に実施している「発車を告げる音楽」は、日本においては「それ急げ、全力ダッシュだ」と奮起を促す音楽にしかなっていない。
15分足らずで、MRT劍潭站に到着。
間違っても、「士林夜市」に行くからといって、お隣の士林站で降りないこと。そっちは、故宮博物院の最寄り駅だ。
MRTの站ホームから、本日の主戦場でなるであろう士林夜市の「美食広場」が見える。前回訪台時、あの中をうろうろしたなあ。
Jennyとのコミュニケーションについては、この段階では既に開き直っていた。さすがに数時間、一人で異国の地にいると言葉が通じなくてもどうでも良くなってくる。
予定時刻より早い到着だったが、Jennyは既に待ちかまえていた。
カタコトの英語で再会のあいさつの後、早速出撃することにした。
Jennyから、「ここで何がしたい?買物?食事?観光?」と聞かれて、一瞬たじろいでしまった。士林夜市=屋台料理を楽しむところだ、と勝手に思いこんでいたからだ。実際、ガイドブックにもそのような紹介のされ方が多い。そんな思考回路だったので、「買物・食事・観光」という3つの選択肢を提示され、びっくりだ。Jennyから、「食事はもう食べてきた?」と確認があったのにも、驚いた。士林夜市へは腹を空かせていくものだ、という先入観があったからだ。
でも、そりゃそうだよな、ここには店がたくさんある。飲食店ばかりが夜市ではない。おかでんはガイジン観光客としてここを訪れたに過ぎないが、地元民からすれば生活の場だ。何だってあってもおかしくない。
とりあえず、「食事はまだなので、食事!」と答えておいた。そうしたらJenny、「分かった」といってずいずいと人混みの中に突撃していった。あれ?美食広場に行くんじゃないの?
ここが地元民の地元民たるゆえん、なのだろうな。いきなり美食広場に行くのは観光客でありシロウトということなんだろう。
「何が食べたい?」と聞かれたので、
「臭豆腐は必ず食べたい。後は、デカいチキンで有名なお店。前回食べそびれたから気になる。それから、胃袋に余裕があれば蚵仔煎(牡蛎入りオムレツのこと。おあちぇん、という)だなぁ。」
「なるほど。わかった」
「あ、あと」
「ん?」
「香草(シャンツァイ)がいっぱい入った料理って、どこかに売ってない?」
「香草?」
唐突な質問にびっくりしたようだ。まさか、台灣に来て香草食いたいという奴はなかなかいないだろう。日本人が、外国からやって来た友達をおもてなししようとして、「美味い紫蘇が食べたいんだけど」と言われたようなものだ。そりゃ面食らう。
日本において香草は大層不遇な扱いを受けている。日本人で香草が食べられない人は相当数に及ぶ。その結果、タイ料理店に行っても、「パクチー抜きで」というオーダーが多いし、何も言わなかったら料理に添えられるパクチーの量が少ない。香草好きとしてはこれが大変に悲しい。
最近、香草がスーパーのハーブ売り場で売られるようになったが、値段は高止まりしている気配。もっと安く、大量に、がっつり、香草を食べたいのだが。おい、そこのお前。「カメムシの臭い」などと言ってはいかん。
そんなわけで、香草に理解がある台灣だったら、気持ちよくもりもり食べることができるのではないか?と思ったわけだ。
しかしこれは難題だったようで、Jennyはしばらく思慮の後、携帯を取り出して友達に電話をしはじめた。あちこちに連絡をとって、該当する店が無いか調べてくれているらしい。いや、そこまでしてくれなくっても・・・ありがたいやら、アホな申し出をして申し訳ないやら、恐縮してしまった。まあ、結局「ごめんなさい。希望するようなお店は見つけられなかったわ」と言われたけど。そりゃそうだ。
士林夜市の位置をおさらい。
今、突撃しようとしているのは、多分「文林路101巷」の通りだと思う。
夜市でごった返しているのは、東は文林路、北は大南路、西は小西街、南は基河路あたりの一角。Googleマップでは道路が簡略化されているが、実際はあらゆる裏道、細道があって人混みも多く、うっかりするとすぐに連れとはぐれる。
ただ、範囲はそれほど広くないので、「道に迷って途方に暮れる」ことはあまりないと思う。
なお、一般観光客が多く訪れる「美食広場」だが、地図には載っていないが捷運劍潭站を出てすぐ、駐車場マークがあるところ。百齢高中の南側に位置する。
カオスと化している路地裏(なのか、メインストリートなのか?)に突入する手前で、早速われわれを出迎えてくれたのは例の強烈な臭い。あっ、臭豆腐だ。遠くからでも分かるこの臭い。隣の家でこの料理を作っていて、換気扇を回していたら怒鳴り込みにいくような臭い。でもこれが食べたくて台灣に来たといっても過言ではない。
「おおう、臭豆腐!」
とおかでんが勝手に感動しているうちに、Jennyはそそくさと屋台に歩み寄り、串2つをオーダーしていた。おお、なんという流れるようなオペレーション。そこには、感動や驚きなど微塵もなく、「日常生活」という姿があった。これは現地人が同行しているからこそ、得られる景色だなあ。
臭豆腐はいろいろな調理法があり、前回訪台時には「鍋形式」の麻辣臭豆腐を食べた。今回は、一回揚げたものを、炙ったものだ。一串、25元。台灣の漬物である泡菜が上にのっている。臭いは、鍋よりはキツくない。やはり鍋の場合、ぐつぐつ湯気を立てるので、容赦無いらしい。
※泡菜:簡単に言うとキャベツの浅漬け。日本人がカレーに福神漬けが定番であるように、台灣では臭豆腐に泡菜は定番らしい。
それにしてもこの屋台は良くできている。フライヤーと、串焼き器が一体化されている。コンパクトによくまとまっているもんだ。感心することしきり・・・なんだが、Jennyから「ほら、食べよう?」とくっさい奴を突き出され、現実に引き戻された。
いいねえ、この「地元民の日常生活的間合い」。観光客目線だと、ダラダラとこの屋台を観察したり、わあわあ言いながら時間を過ごしていたに違いない。それはそれで面白いが、この膨大な情報量を誇る士林夜市でそれをやっていたらきりがない。だから、この素っ気なさ、最高。なんか自分も庶民に紛れ込んだ気がして、ワクワクした。
・・・あれ、ところでお会計。おーい、Jenny。25元払います。
「いや、いいよ。アナタはお客様だから。」
「でも悪いし」
「大丈夫、安いんだから」
そりゃ安いけど、こうもあっけなくご馳走になってしまうとは。さあ、台灣流おもてなしの始まりです、といったところか。
そういう心の逡巡を遮るように、Jennyから「ほら、熱いうちに食べて」との催促。一口かぶりつくと、ああ懐かしやこの臭豆腐の臭いと味。味は普通なんだけど、どうしてこうも臭くなっちゃったの、という摩訶不思議感。
臭豆腐を一口かぶりついたところで、Jennyはずいずいと人混みの多い方におかでんを誘導しはじめた。なるほど、食べ歩きスタイルが台北っ子の流儀か。臭豆腐を落とさないように気をつけながら、狭い路地に迷いこんでいく。
この辺りは、前回ジーニアスと訪れたとき、「あまりに人が多くてやばい。入るのをやめよう」とびびった場所だ。さすがに現地人が居るとその点安心だ。
治安が良い台灣ではあるが、やはり悪い人は人数に比例して必ず増える。ここ士林夜市ではスリの被害が多いと聞く。そりゃそうだ、これだけ人が多く、そして屋台やらお店が建ち並び、視界に入ってくる情報が多いと注意力が落ちる。観光客は特に、「うわあ・・・すごい」と周囲に気を奪われてしまいがちだ。その結果、財布への配慮はがら空きとなる。スリにとってこれほど格好の相手はいない。
実際、おかでんは何度もJennyに腕を引っ張られたり、押されたりした。うっかりするとはぐれてしまうし、人とぶつかる。カヌーと一緒で、「船をコントロールしようと思ったら、川の流れよりも速く船を漕ぐこと」だ。
たこ焼きの屋台を発見。
「日章魚小丸子船」だって。これのどこがたこ焼きになるの?と聞いたら、「日船」が店の名前?で、「章魚小丸子」がたこ焼きの意味になるらしい。なるほど、確かに入れ物の船はフタが閉まるようになっていて、帆掛け船のようだ。調べてみると、チェーン店舗らしい。屋台のチェーンって、ちょっと不思議。個人商店オンリーの世界かとおもっていたよ。
外見はたこ焼きなのだが、よく見ると相当テカっている。油をたっぷり使っているようで、若干フライっぽい気配がある。
そういえば、Fish妹が来日した際、訪れた諏訪城にたこ焼き屋台が出ていたっけ。それを見たFish姉妹ともども、激しく興奮。ぜひ記念写真を撮ってくれ、特に屋台に山積みになっているタコのぶつ切りを中心に撮影してくれ、と言われて面食らった。何でそんなものを、と聞いたら、台灣にも日本の影響でたこ焼きはあるが、こんな大きなタコブツは見たことがない、という。
そんなことを思い出しながらたこ焼きを眺めていたら、Jennyから「たこ焼き、食べる?」と聞かれた。もちろん、「不要」と答えたが。サブカルウォッチャー的観点で興味津々に眺めていたら、地元民であるJennyからすると「食べたいのかな?」と思うようだ。なぜなら、地元民にとってこれも一つの「日常光景」に過ぎないわけだから。
台灣のマヨネーズは甘いので、うっかり日本のたこ焼きと思って食べるとえらい目に遭うので注意。食わず嫌いですが、わたくしは甘いマヨネーズでたこ焼きを食べたくはないです。
人をかき分けながら前へと進むJennyに必死に付いていくと、Jennyはある屋台の前で止まった。そのお店の看板には「奶茶媽媽冷熱飲」と記されている。どうやらドリンクショップのようだ。Jennyは店の人となにやらやりとりをし、何かを注文していた。
何だ何だ、何が始まるんだ。
これはおかでんリクエストではないので、「Jennyお勧めの品」ということになるのだろう。先ほど、「何か食べたいものは?」と聞かれたとき、「台灣らしいもの。士林夜市ならではのもの」ともリクエストしてあったので、それに該当すると思われる。
しばらくすると、手提げ部分が縛られたビニール袋が屋台から出てきた。このビニール袋から、にょっきり極太ストローがニーハオしている。東南アジアみたいに、「ビニール袋にそのままジュースが入っている」というわけではなく、ちゃんと紙カップにドリンクは入っているのでご安心を。それをビニール袋に入れ、ストローだけ外に突き出して縛り、ぶら下げて持ち歩けるようにしているわけだ。飲まない時は、縛った袋を指に引っかけてぶらぶらさせながら街を練り歩きなさい、というわけだな。なるほど現地風だ。小回りが利くので大変便利。単にカップだけ渡されたら、完全に片手が塞がるもんな。これだと、最悪「指一本」だけが塞がる。
ところで注文したのは何?
Jennyに聞いたら、「これだよ」と屋台脇に表示されていた写真入りメニュー紹介を指さした。そこには「珍珠仙草冬奶/40元」の文字が。写真を見ると、なんか怪しい飲み物の中に、コーヒーゼリーを粉砕したようなものが入っている。何だ、これ。漢方ドリンクだろうか。仙草って聞いたことはあるが、漢方に使われるやつだよな。
Jennyのお勧めだからゲテモノ系ではないだろうし、日本人相手ということなのでブッ飛んだものを出すとも思えない。当たり障りのないドリンクだとは思うが・・・。
漢字だらけの解説文は、さすがの日本人でも読む気力がうせる。特にこれだけ人が多いとなおさらだ。そんな中、紹介文中のところどころに「Q的」だとか「Q滑」という文章が書かれている事に気がついた。
Jennyに聞いてみる。「このQって何?」するとJennyは、「まあいいからとりあえず飲んでみて」と言う。言葉に従い、飲んでみる。仙草=漢方=苦い、というのを想像していたが、甘い。ただ、味の詳細については聞かないでくれ。正直、忘れた。ごめん。
カップはとても大きい。ハンバーガーチェーンでドリンクLを頼んだくらいの大きさはある。そして極太のストロー。なんでこんなにデカいの、と思ったら、その極太のストローからゼリー状のものがちゅるんちゅるんと喉に滑り込んでくるのであった。
「そう、それ」
Jennyが言う。この「ちゅるん」感が「Q的」なのだという。何でアルファベット?
それにしても納得した。なぜJennyが、「Q的」の説明の際言葉に窮していたかということを。簡易な英語ではこの「ちゅるん」は伝えられないからだ。実際試してみて、十分よくわかりました。うん、これ食感が面白くて大変おいしいです。「ゼリーを丸呑みしてのどごしを楽しむ」というのはちょっと意外な発想でござんしたよ。
[後日談]
帰国後、この怪しい飲み物について調べてみた。このお店「奶茶媽媽」は、士林では名の知れたお店らしい。
「奶茶(ないちゃー)」はミルクティーのことで、「媽媽(まあまあ)」はお母さんの意味。
「珍珠(ちんじゅう)」はタピオカ、「仙草(しぇんちゃお)」はシソ科の薬草で、香港やシンガポールで見かけたことがある。日本ではほとんど馴染みがない草だ。客家の人たちは、夏の土用の日にはこれを飲むらしい。そうするとその夏はあせもをかかないんだとか。どういう仕組みなんだ?
タピオカといえば、台湾発祥のデザートで近年日本でも人気が高い。確かにJennyがおかでんに飲ませようとするのはよく分かる。うれしい選択だ。
うわ、タピオカミルクティーなんて定番すら気付かないで、「なんだ?これ」と飲んでいたのか、オレ。でも、中国料理店のデザートで出てくるタピオカってもっと小さい玉だぞ。金魚の餌みたいな奴だぞ。
でもこの店のは、もっとごつい。蒟蒻ゼリーを喉に詰まらせて乳児が死んだ、といってメーカー相手に訴訟が起きるような日本じゃ、とてもじゃないが売れない商品だ。
あれ?待て、「冬」という言葉がメニューに入っているが、これは何だろう。お店のメニューは写真に撮影してあったので、説明書きを読み取ってみる。
「不只喝得到冬瓜的甜味、奶茶的香。還吃得到香Q的珍珠和滑溜的仙草。」
うんうん唸って翻訳してみる。意訳になるが、「冬瓜の甘さとミルクティの香りだけじゃないです。タピオカのちゅるん、と仙草のなめらかさも楽しめるんです」といったところか。仙草と冬瓜が入ったタピオカ入りミルクティー、というのがその正体だったわけだな。
タピオカミルクティーすらわからないなんてバーカバーカと思うだろうが、ドリンクはビニール袋の中の、さらにカップの中。実物を見ないで、ただ「にゅるん」「ねろん」を体感しても、何者だかわからんですよ。しかも、仙草とか冬瓜が入ってるんだし。そんなの、日本じゃお目にかかれないよ。
Q的美味を楽しみながら、またもや歩き始める。
すると、前方に赤い提灯が見える。また怪しい日本料理を売ってるな。
店の名前は「日式碳烤麻糬」。「日式」を名乗っている以上、日本料理を模したものらしいのだが、さっぱり意味が分からない。そもそも漢字が読めない。全部日本の常用漢字じゃない「日式」って何。
屋台を覗き込むと、焼き鳥の焼き台のようなところで、串に刺した何かを焼いていた。・・・餅のように見えるが、正体不明。メニューを見ると、1串30元であり、「日式カレー」だとか「日式イカ」なんてのがあるのでますます謎だ。
立ち止まって眺めていたら、Jennyが気を利かせて「食べる?」と聞いてきた。あ、いや、違います。こんな怪しい日式料理は今日はやめておきます。
「これ、日本の料理みたいに謳っているけど、何で?」と聞いたら、「餅だから」という。やっぱりあれは餅だったのか。というか、餅だったら日式なのか?こっちでも餅は食べるんじゃないのか?疑問だらけだ。
[後日談]
これも帰国後調べてみた。やはり、餅を串に刺して炙った料理の事を指すらしい。まあ、玉状ではない無骨な焼き団子だと思えばあんまり外れていない。
「碳烤」は炭火焼きの事だった。このスタイルが生まれてからまだ10年も経っていない、「屋台界のニューフェース料理」だと言える。でも日本ではこんな料理売っていないんだから、堂々と「台灣屋台料理でございます」と売ればいいのに。「日式」を付けた方が、なんかカッコエエのかな。
日本のドラマやアニメがDVDでたくさん売られているお店もあった。
へたに吹き替えしないで、字幕で対応しているのが好感。台灣に居れば、日本語勉強のツールには困らない。ただ、店頭のTVスピーカーから日本語が聞こえてくるので、もの凄く違和感を覚える。
Jennyが「日本より安いでしょ?買って帰ったら?」と言ってきたが、さすがにやめておいた。ドラマを見る習慣がもともとないのに加えて、税関で没収されたらイヤだからだ。台灣は最近著作権関係は随分と整理されたと聞くが、屋台で売られているようなソフト、怖くて手が出せない。
そのまま進んでいくと、今度は「おお」と目を引く商品を発見。ちなみに「そのまま進んでいくと」といっても、先ほどのQ的な店から10mくらいしかまだ歩いていないのだが。
このお店、「龍鬚蝦捲」と書かれた、エビ反りの海老看板あり。龍のヒゲとはこれまた大げさな。で、店頭ディスプレイを見て納得。うわあ、何だこれは。遠目だと海老の天ぷらのように見えるのだが、近づいてみると、身にまとった衣はそうめんのような細い糸状のもので構成されていることがわかる。その糸状のもので海老さん、ぐるぐる巻き。新手の拷問ですか、これは。
そんな海老を揚げているので、食感が楽しそうだ。揚げたては特に美味いだろう。ぱりっ、さくっ、といきそう。さっきのタピオカがQ的なら、これはP的とでも命名しよう。
これはアイディア勝負で一本勝ちだ。良いですな。外の糸状のものが何かは正体不明。ポテトでこれができたら、相当旨いと思う。
ただ、海老の皮は剥いていないだろうから、「丸ごと一匹食べることができる」人でないときつい食べ物かもしれない。
1串35元。3串なら100元とお得でございます。
飲食店屋台が多いのは当然としても、それ以外の店も数多ある。
なるほどJennyが「買物か、食事か、観光か」と最初に問うた意味がよくわかる。「美食広場」だけで満足してこの地を去っていたら、分からなかったことだ。
なんだか気のせいか、ランジェリーショップが多い気がする。おかでんがエロい人だから、ついついそっちに目がいってしまうからだろうか?いや、でも気のせいではないく、確かに多いと思う。
売られているのは普通のランジェリーではない。相当セクシーなやつだ。
台灣女性って、化粧っ気があまりない。南国ということもあって、服装も相当カジュアル・・・というより、ラフに近い。それを考慮すると、この派手な下着は相当違和感を感じる。「普段はTシャツに短パン、サンダルだけど脱ぐと凄い」のだろうか。それは違うと思うのだが。
Jennyに「何で下着を売る店が多いの?」と聞いてみた。こういうとき、少ない語彙で問うのはとても難しい。変な単語を使ってしまったり、文章構成を誤ると単なる変態セクハラ親父になってしまう。
Jenny曰く、「この辺りには学生が多く、若い人がたくさん来るのよ。だから、下着を売る店が多いんだと思う」とのこと。うーん、言葉の意味は分かるんだが、内容は理解できない。その論理だと、「台灣の学生はみんなセクシーな下着を身につけている」という事になる。
さすがに「一般的台灣人女性の下着事情」は知らないし、道行く人に見せてくださいというわけにもいかないので、この辺りは未解決のまま終了。
でも、若い人向けのお店、特に女性向けのお店が多いのは事実。若い女性はショッピングがお好き、というのはどの国も同じなのだろう。
写真のお店はアクセサリー類を扱っているお店。「妹の飾品専賣店」というらしい。不二家のペコちゃんみたいな二頭身半の女の子がマスコットキャラクター。
「の」というひらがなが、中国語圏では結構当たり前になっているのがよく分かる。ちょうど中国語で「的」に相当する言葉なので、置き換えやすいのだろう。漢字だけだと堅苦しく感じるのは、漢字オンリーな中国語圏でも同様なようで、デザイナーや編集者は意識的にひらがなを混ぜ込み、ユルさを演出しているそうだ。
さらにこの手のファンシーショップは、へなちょこなフォントを敢えて使って、気軽さを演出している。丸ゴシックの利用が多い気がする。
で、格調高く見せたい店は明朝体。これは日本と同じだ。
ちなみに、「妹」という字の前に何か呪文のようなマークがある。漢字には見えないが、これは一体何か。後でFishに確認したら、「台灣における発音記号」なんだそうだ。日本語におけるひらがなと位置づけが似ている。「注音符號」と呼ぶそうだ。
大陸の中国語ではこの「注音符號」は存在せず、代わりにピンインというローマ字的なアルファベットを使う。だから、これは台灣独自のモノだ。台灣は中国語の国だ、と単純に言っても、さすがに大陸から分裂して半世紀以上。言葉や文化にズレがでてきている。
なお、おかでんが持参した電子辞書は、ピンイン入力にしか対応していない。後日、Fishに「Jennyと電子辞書を介してもう少しやりとりをしたかった」と言ったら、Fishから「多分Jennyはピンインを知らないと思うから、無理だったと思うよ」と言われて仰天した。台灣人は注音符號でタイピングし、漢字変換する。だから、ピンインを知っているのはごく一部の人に限られるのだそうだ。し、知らなかった・・・。ちなみにFishは、語学研究者だった事もあって台灣人だがピンインを使いこなす。
中国語学習の本とかwebを見ても、大陸のルール(簡体字、ピンイン)しか見かけないので中国人はピンインできて当然だと信じ込んでいた。やっぱり13億人の国と、2300万人の島国の言葉じゃ、13億人の方が優先されるのだな。まあ、13億人といっても、広東語や上海語をはじめ各地に様々な言語が散らばっている国ではあるが。
話が長くなったので、中国と台湾の言葉の違いについては、また別途。
シンプルな屋台で、ロールケーキらしきものを売っていた。ケーキ、というかパンかな?
一応名称は「木材麺包」だそうで。草苺葡萄味だとか椰子味など各種。さすがに名称通り木材のようなコイツを丸ごと一本買うヤツはいないだろう。傍らに計量器があって、重さ単位で売っているようだ。ただ、断面を見ると中はギッシリ。ふっくら気泡があるかとおもったら、もう、ぎっちぎち。こりゃ腹に溜まりそうだ。写真だけ撮影してスルー。
後で調べたら、「麺包」とはやっぱりパンの事なんだそうだ。
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