かぐや姫を捜して【大多喜町たけのこ狩り】

以前から、たけのこ狩りをしてみたいと思っていた。

採れたてのたけのこはそりゃもう美味いという事で、絶賛する著名人をよく雑誌や書籍で見かける。究極的に美味いのは「地獄焼き」といって、まだ地面に生えたまんまのたけのこの周囲を掘り、そこに落ち葉や木の枝を敷き詰めて燃やしてしまうというものだ。皮に守られたたけのこは生きたまま(?)で適度に蒸し焼きにされ、これに勝るたけのこの食べ方はないらしい。

・・・理論としては分かるんだが、「※ただし絶妙な火加減だった場合に限る」という条件付きだと思う。大抵のたけのこは黒こげになるか、生焼けで食べられたもんじゃないと思う。

毎年、たけのこ狩りの事を忘れたままシーズンを終えてしまうという定番ムーブメントをやらかしていたのだが、今年は運良くベストシーズンにそのことを思い出した。テレビ朝日「食彩の王国」でちょうどたけのこが特集されていたのを見たからなんだが、ちょうどタイミングが良かった。思い立った日がタケノコ、ということで、早速翌日、房総半島にたけのこ狩りに行くことにした。

2009年04月19日(日)

房総半島を目指したのは、半島中部にある「大多喜町」で良質なたけのこが採れると聞いたからだ。これも「食彩の王国」の受け売りだが。なんでも、「西の京都、東の大多喜」というらしいから大したもんだ。京都のたけのこがおいしいのは有名だけど、大多喜のたけのこというのは初めて聞いた。灯台もと暗しだな。

そもそもたけのこ狩りいうレジャー自体がマイナーだ。いちご狩りだの桃狩りだのいろいろフルーツを狩るのはあるが、たけのこという「果物以外」を狩るのはあまり知名度がない。ハウス栽培などで人工的に飼育しているものではないため、どうしても安定供給という点と、敷地の確保という点で一般公開しづらいのだと思う。

また、フルーツ狩りだと「収穫したその場で食べる」事が可能なので、お子様奥様は興奮のるつぼだ。大変にわかりやすく、簡単に楽しめる。しかし、たけのことなると、

(1)山をよじ登る。
(2)登っている間にも、たけのこを探して地面をイヤラシイ目つきでなめまわす
(3)鍬を使って地面をひたすら掘る

という、地味さ+体力消耗イベントだ。しかも、掘ったからといってその場で食べるわけにもいかない。お持ち帰りにしてー、あく抜きのためにゆでてー、半日がかりで冷ましてー、それからたけのこご飯などの調理を開始してー、となる。食卓にのぼるのは翌日夜、なんてなると、すっかりたけのこ狩りのテンションが下がった時分。これではなかなか「家族全員でハイテンションで掘りまくる」というのは難しい。大人の娯楽、なのかもしれない。

今回は大人の男性(ジェントルメン)代表として、おかでん様がたけのこ狩りに挑戦だ。もうね、クルージングだのカジノだの高級ブランドショッピングには飽きた。これからはたけのこ狩りの時代だ。・・・と今決めた。この週末限りだけど、そう思うことにした。

早速大多喜のたけのこ農家を探したのだが、webサイトを持っているところがどこにもなかった。秘密結社か?大多喜町役場のページから、かろうじて何軒かたけのこ農家の連絡先もわかったが、それ以上の事がさっぱりわからない。営業時間は?料金は?必要な道具や装備は?

恐らく、せいぜいシーズン中の一カ月~二カ月程度しか営業しないわけであり、そのためにサイトなんぞ作るのは面倒、って事なんだろう。そりゃそうだわ。仕方がないので、目星をつけた「平沢たけのこ村」に直接電話をかけてあれこれ聞いて、情報収集をした。一昔前って、こうやって「現地に電話をかける」のが当たり前だったんだよな。インターネット普及前/後とではこうも状況が違うのか、と改めて驚いた。

アクアライン

やっぱり朝訪れた方が良いそうなので、東京は朝早くの出発とした。アクアラインがあるとはいえ、大多喜まではちょっと距離がある。

渋滞する道

途中、沿線の菜の花などを愛でつつ目的地に向かうと、なにやら道が渋滞し始めた。何事かと思ったら、たけのこ農園の駐車場渋滞。えええ、渋滞するほど人が集まっているのか。これは己の無知を恥じねばなるまい、タケノコスキーが世の中にはいっぱいいたとは。同士よ!

車がびっしりの駐車場

駐車場にはかろうじて車を停めることができたが、広いスペースに車がびっしり。相当なものだ。

たけのこ狩りのベースキャンプ

たけのこ狩りなんてやったことがないので、全く勝手が分からない。

入園料表示

入園料は1,400円。たけのこを2kgまでお持ち帰りする費用込み、ということだ。2kgを越えると、1kgにつき900円かかる。ええと、たけのこを丸ごと買ったことがないので、高いのか安いのか、わからない。普段スーパーで買っているのは、中国産の真空パックされた水煮だもんなあ。これだと298円。比較対象に全くならない。いきなり国産ブランドたけのこなんて食べたら、びっくりして僕、おなか壊しちゃうんじゃないか。大丈夫か?

たけのこといえば、大学に入って一人暮らしを始めたとき、真っ先に作った料理がたけのこご飯だった。その時は「たけのこにはあくがある」という事を全く知らず、皮をむいた生のたけのこをそのまま炊飯器に投入。結果、もの凄いあり得ない味のご飯ができ上がり、一口食べただけで廃棄となってしまった。まさに「苦い思い出」だ。あれ以来、生のたけのこは買っていない。

お食事メニュー

お食事メニューも受付で承っていた。そうか、敷地内にたくさんあるテーブルと椅子は、座って食事ができるようにという配慮なのか。単なるご休憩所というわけではないのだな。

たけのこ尽くしの定食が800円~1,500円で3種類、その他たけのこ弁当をはじめとして単品のメニューがあれこれ。たけのこの唐揚げなんてちょっと面白い。

そりゃもう、ここに来たからには今日はたけのこフィーバー決定。ドル箱をいっぱいにするかのように、僕たちの思い出と胃袋、両方ともたけのこで満たしてやって頂きたい。

たけのこ狩りが終わったら、ぜひここでたけのこ定食を食べよう。奮発して1,500円のA定食でもいいぞ。

たけのこの掘り方

たけのこの掘り方を説明している看板があった。

それによると、地面から頭を出しているたけのこの、お辞儀をしている方向から鍬を入れよ、と記されている。そして最後、根元からばっさりやるときも、頭の方向から殺れ、と。後頭部方面から掘ってもダメよーん、だって。そうなのか。礼儀には礼儀で接することこそ重要なのだな。不意打ちは武士道にあらず、か。

しかし、この文章をまじまじと読んだのはたけのこ狩りが終わってから。写真は撮っていたくせに、中身を全く読んでいなかった。そのため、この後無駄な労力を使いまくることに。

周囲はたけのこ山

連れがお手洗いに行っている間、辺りを見渡す。のどかな山里だ。

雑木林で形成された山かと思っていたら、よく見ると山一面が竹だ。なるほどこういうところを探検して、地面を探しはいつくばり、そして掘り返そうってぇのか。こりゃなかなかの体力勝負だぞ。

気になるのが、駐車場の混雑状態を考えるとわれわれは相当後発組だろう、ということだ。9時半に到着したというのに。早く現地に着いて俺たちウィナー、たけのこ選びたい放題採り放題を想定していただけに、大きくあてが外れた。たけのこ合戦会場に到着してみたら、既に雌雄は決していて、掘り返された穴ぼこだらけの地面を前にあぜんとするわれわれ、という光景が目に浮かぶ。それはまずい。

いや、さすがにそれはあんまりなので、客の数に応じて別のたけのこ山に案内するかもしれない。「きのこの山」ではないと思うが。その際、「手前の山は既に早くいらっしゃった方でいっぱいですからネ、ここから約20分ですが歩いて貰います。私から離れないよう、隊列を組んで歩いてくださいネ」とネイチャーガイドみたいなおじさんに案内されつつ鍬持って延々移動、というのはちょっと憂鬱なシチュエーション。できるだけ楽させてもらいたいんですが、どうなんでしょう。

バス乗り場

敷地の片隅に、竹で作った簡易ベンチがある。段違い平行棒みたいになっているので気がつきにくいが、良く見るとバス乗り場、と書いてある。良かった、八甲田山の行軍ではなく、ちゃんとバスでたけのこ山に送迎してくれるんだな。

たけのこ山への送迎車

人数がある程度まとまった頃を見計らってワンボックスカーがやってきて、お客を乗せて出発。松茸山に分け入るのとは違うので、目隠ししなければならない、とか道が分かりにくいといった事はない。でも、夜中にたけのこ泥棒が入ったらどうするんだろうね。毎晩、見回りの人を巡回させているか、セコムか何かで防犯センサーでも山中に仕込んでいるか。

社内に掲示された注意書き

もっとも、真っ暗な中ライトの明かりを頼りにたけのこを探すというのは至難の技。たけのこ泥棒は事実上無理だと思う。もしそんなけしからん人がいたら、捕まえて警察に突き出すより、たけのこ狩り職人として更生させた方がいいかもしれない。

くわを受け取る

ワンボックスカーにすし詰めとなったわれわれは、敷地から5分ほど離れた山の中で下ろされた。これまでは車一台がやっと通れる山道を走っていたのだが、ここは軽トラが何台か止まっている広場になっていた。ここがたけのこ合戦の前線基地。軽トラに積んである鍬を借り受け、いざ山の中へ。

びっしり竹が生えている

たけのこ狩りなんて、単に裏庭に竹が生えています、っていう一角を開放しているだけでしょ?と最初は舐めてかかっていた。農作物のように種まきしたり、害虫駆除をする必要はないんだから、チョロい商売でしょ?と。

しかし、実際にこれからの主戦場となる竹やぶを見て、「チョロい商売」という発想は大間違いだと気がついた。これ、相当手間暇かかっているぞ。チョロなんてとんでもない。

写真がその竹山なのだが、見ていて違和感を感じないだろうか?普通、竹藪ってもっとぐちゃーっと雑木林と渾然一体となっていて、あまり奇麗なものではない。それがここでは、まるで杉の植林をしたかのように整然と並んでいるのだった。

しかも、下草が奇麗に刈り込まれている。普通、竹の周囲には草むらができていて、そこに雨でしわくちゃになったエロ本が捨てられていたり、不法投棄があったりするものだ。しかしここにはそれが全くない。もっとも、こんなところでエロ本発見したら「誰が落としたんだ、おい」と突っ込みたくなるが。

それから、山は結構な急斜面ではあるが、その斜面の至る所に切った竹を横向きに敷いて、階段代わりにしてある。法面が崩壊するのを防ぐ役目もある。相当な手間暇だ。頻繁に山に入って手入れしないと、こうはならない。

そびえる竹

聞くと、生えてから3年以上が経過した竹はたけのこ作り能力が落ちてくるので、古い竹からどんどん伐採し新陳代謝を促しているのだという。これまた結構な手間だ。それだけ管理された場所でたけのこ狩りができるのだから、1,400円という入園料はむしろ安いと思う。2kgのたけのこお土産付きだし、送迎付きだし。

守銭奴おかでんだったら、恐らくここで「軍
手100円」とか「鍬レンタル500円」なんてせこい商売を始めていたと思う。それがない分、単純にすごい。

こんにちは、たけのこ

既に山肌に多くの人が張り付き、鍬をガシガシ地面に突き立てている。われわれもゆっくりしていられない、すぐに山に入る。多分麓近辺はすでに掘り尽くされた後だろうから、どんどん上に登っていきたいところだ。

きょろきょろしながら山の斜面をよじ登っていくと、案外あっけなく見つかるものだ。あれれ、まだ掘られていないたけのこってあるのか。君、命拾いしたな。

しかし、そいつは既に地面から数センチ以上頭を覗かせており、結構偉そうだ。既に兄貴と呼ばれてもよい風体だ。

「ええと、たけのこって・・・地面を良く見ると、僅かに盛り上がっているかな?くらいの奴を掘り起こすのがいいんだよな?」
「そう聞いている」
「じゃあ、これはもうダメということか。デカそうなんだが」
「うーん。とりあえずキープ、ということにして次に行ってみる?」

というわけで、見送り。掘り起こしてみたら、「たけのこ」ではなくて「竹」になりかかっていました、というのでは悲しすぎる。

そんなこんなを繰り返していると、キープたけのこの数がどんどん増えてしまい、いつまで経っても掘削開始ができない状態に陥ってしまった。そもそも、キープしてあるたけのこの位置、既に忘れてしまったし。

とりあえずこのたけのこをターゲットに

しばらくして、ようやく気がついた。

「地面に出るかでないか、という段階のたけのこって、プロが発見するものであって、われわれレベルじゃ無理なんじゃないか?」

ということに。地面の枯れ草の盛り上がりに一喜一憂しながら辺りを探索していたら、いつまで経ってもたけのこ「狩り」ができない気がしてきた。それじゃ、単なる「山歩き」だ。何しに来たんですかあなたたちは。

覚悟を決めて掘り始める

「だったら、ある程度頭が顔を覗かせていても(←変な日本語)、それでいいんじゃないか。しろうとだもの みつを」

結局はそういう妥協でいくことにした。掘削条件を緩和すれば、結構あちこちに掘ってヨロシイ、といえるたけのこちゃんは散見された。とりあえず掘ってみようじゃないか。

たけのこ掘り1

たけのこ掘り2

掘削開始。

「かぐや姫が出てきたらどうしよう。まだ僕独身なんだけど、やっぱり僕が親になるのかなあ」

なんて言っていたが、よく考えりゃかぐや姫って「たけのこ」から産まれたんじゃなくて「竹」から産まれたんだった。安心しろ、たけのこには入っていないから。

でも、掘り当てて家に持って帰って、ゆでてみたら中から胎児状態のかぐや姫がゆであがって出てきたらどうしよう。殺人罪適用?動物虐待?それ、燃えるゴミの日に捨てても大丈夫?

たけのこなんてザクッ、バキッと簡単に掘ってやらぁ、と思ったのだがこれが結構な重労働。

畑を耕すイメージで、大きく鍬を振りかぶって地面に振り下ろす、ができない。そんなことをやったら、夏のスイカ割りのようにたけのこを真っ二つにしかねない。結構慎重に、少しずつ掘っていく事が求められる。しかも、山の斜面なので足場が悪い。転がり落ちないように踏ん張りながらの作業なので、疲労感UP。外国人がこのたけのこ狩りを体験したら、「オウ、ZEN(禅)の心境デスネ」とか意味不明な事を言いそう。

「たけのこの掘り方」看板をちゃんと読んでいなかったために、たけのこ周囲360度全部を露天掘り。本当は「頭が向いている方向だけを掘ればよい」のだが・・・。無駄に体力を消耗。

そして、最後はたけのこの向きなどお構いなしに鍬をねじ込んでぶっこ抜いたので、ここでも無駄に体力を使った。なるほど、こりゃスポーツ系レジャーだ。いちご狩りだのサクランボ狩りとは次元が違うぜ。

ようやく掘り当てた

結局、1本抜くのに15分を要した。二人がかりで、疲れては交替を繰り返してこの効率の悪さ。なかなかなもんです。サイズは、まずまず。でも、皮を剥いたらどれだけ小さくなってしまうのだろう。

「ビリーズ・ブートキャンプ」や「コアリズム」といったダイエット系エクセサイズの次のブームはこれで決まりだな。「バンブーディガー」。

二本目

2本目はこちら。これも14分かかってようやくぶっこ抜き。

なかなか良い形のものが手に入った。

地面からにょっきり出ていないたけのこは、皮が薄い。先ほどの一本目は熊のような野性味溢れる皮を誇示していたが、2本目はまだ色が薄かった。なるほど、こういうたけのこが「当たり」なんだな。

ただ、写真を見ればわかるように、皮の部分にキズが入って裂け目ができた。鍬使いをミスってしまい、たけのこに触れてしまったからだ。たけのこギリギリのところを掘ろうとすると、こういうことになる。

こういうのが狙い目のたけのこ

一応2本は確保したので、これから後は露骨に地面から顔をだしているやつは完全に無視することにした。できるだけ分かりにくい、まだ地面に顔を出す直前の奴を探して山の上を目指す。

たとえば写真のようなやつ。分かりますか?緑の部分が、たけのこの頭。これでもちょっと成長しすぎ感はある。これだけ緑が出ちゃっていたら、また剛毛皮のふてぶてしいたけのこになる。もっとウブな奴が欲しいのだよ、コネコチャン。

ミニサイズたけのこ

かといって、本当にウブそうな奴を発見した!それ、掘れ!と掘ってみたら、ウブどころかアンタこれ乳幼児じゃないか、というのが出てきてびっくり、なんてことになった。家にあるウスターソースの容器よりも小さいぞ、みたいなのに行き当たったときのガッカリ感といったら。

そうと分かれば、途中で掘るのをやめればよいのだが、

「ここまで来たら止められんよ」
「小さいたけのこだと、掘るのが楽だねえ」

なんて言ってそのまま掘り続け、結局手に入れてしまうのだった。

戦利品を並べる

お一人様2kg、という目安がわからない。どれくらいが2kgなんだ?

別に2kgを越えたとしても、超過料金を払ってお持ち帰りすればよいのだが、これ以上のたけのこはいらん。おかでん及び同行者、それぞれ一人暮らしなので、たけのこを何本も持ち帰ったら数日間たけのこ地獄だ。

結局、ポークビッツクラスのやつも含めて5本掘ったところで打ち止めにし、退却することにした。

一応全ての収穫物を振ってみたが、中身はギッシリ詰まっている感じ。間違ってもかぐや姫は入っていないと思う。

手つかずのたけのこが沢山

山の上あたりまでくると、あちこちたけのこがぼこぼこ生えていた。今日は日曜日だから、前日土曜日にもたくさんの入山者があったはず。その人たちの猛攻にも耐え、まだたけのこが平然とにょきにょき生えているんだからすごい生命力だ。

「竹には天敵が数多くいて、産まれてきた赤ちゃんのうち大人になれるのはごく僅かと言われています・・・」

みたいな、大自然に生きる動物たちのドキュメンタリーを思い出した。でも、竹に天敵っていないよな、多分。

静寂のたけのこ山

たけのこを採った後も、同行者が「しばらくこの山の『気』を吸収したい」と座禅を組み始めたのでゆっくりと時間を過ごす。おかでんは太極拳をする。

気がついたら、さっきまであんなにたくさんの人がいたのに、既に殆ど誰もいなくなっていた。あれっ、引き際早いな。

結局、掘っちゃえば後はもう退却するしかないわけで、現地滞在は正味1時間もかからないといったところだった。

さて、われわれもそろそろ引き上げよう。

林のあちこちに、たけのこの皮を剥いだ跡が残されていた。多分、計量を少しでも軽くするための対策だろう。あと、皮って自宅で剥いたら結構な量の生ゴミになるし。

ドキドキの計量

送迎のバスを待つ。何台かは既に満車でやり過ごした後、ようやく乗ることができた。結構大がかりな輸送だ。まさにピストン輸送というやつで、ひっきりなしに外見上何の変哲もない里山を車が走り回っていた。たけのこ山だと知らなかったら、異様としか言いようがない光景だ。

われわれが山に突入したベースキャンプとは別に、この山には100mおきくらいに山道沿いにベースキャンプがあちこち作られていることが分かった。多分、手前の第一ベースキャンプに所定数お客さんを下ろしたら、次は少し奥にある第二ベースキャンプに輸送を切り替え、そこもいっぱいになったら第三・・・というオペレーションにしているのだろう。

受付まで戻ってきて、早速計量。二人で5本だったわけだが、計量すると3キロちょっとしかなかった。大損だ。しかし、計量係のおっちゃんが即座に1本、手頃な奴を追加してくれて晴れて4キロに。金魚すくいで失敗しても、金魚一匹は貰えるのと一緒だな。ちゃんと不足分は補ってくれるんだ。ちょっと得した気分。

2kgの見本

計量場所のすぐ近くに、「2kgの見本」と書かれたはかりが置いてあった。

はかりの上には、ずんぐりした良いサイズのたけのこが2本。そうか、しっかりしたたけのこで1本1kgだったんだな。最初に見ておけば良かった。無駄にドキドキしてしまったよ。4kgに全然足りていないたけのこを手に、「4kg超えていたらどうしよう」なんて心配したのがばかばかしい。

うかうかしていたら弁当は売り切れていた

さあ、お昼時だし、たけのこ料理でも食べようではないか!と意気込んで受付に行ってみたら、「オーダーストップ申し訳ありません」という張り紙がメニューボードに貼ってあった。あれー。売り切れなのか・・・。

一品料理の類も全滅。朝早い時間にわーっとたくさんの人が押しかけるので、みんなここでわーっと早い時間にご飯食べちゃうんだな。事前に食券を買っておけば良かった。

参った。

たけのこ汁サービス

敷地内を歩いていると、一角に大きな釜があった。覗き込むと、お味噌汁だった。そういえば、入園料のところに「たけのこ汁サービス」って書いてあったっけ。これがそのことだな。説明も何もなく、ただお釜が置いてあるだけなので大変にわかりにくい。

もしこの味噌汁を飲んだ後、「アンタ何無断飲食してるんだ!」と言われたら非常に困るんだが、多分「サービス」のやつに間違いないだろう。頂く事にする。

当初はたくさん入っていたであろうたけのこだが、料理がオーダーストップになるくらいだ、もちろん先人たちによってあらかた採られ尽くしている。しかしこちらも負けてはいかん、単なるお味噌汁ウマーじゃ意味がないので、お釜の底をさらってなんとかたけのこの切れ端をお椀によそった。

たけのこ汁で飢えをしのぐ

うん、たけのこ汁うまし。たけのこの独特の味が大層よろしいでごわす。

これでたけのこ定食が食べられれば良かったんだが・・・さて、どうしたものか。昼食難民になってしまった。大多喜って、食事ができるところがあまりないんだよな。