ノーアイディア・上海【上海2】

雪花、という名前のビール

バンドブルワリーを楽しんだ後、コダマ青年の家に帰ることにした。

地下鉄にのれば手っ取り早いのだけど、ちょうどバンドブルワリーから1ブロック離れたところにトロリーバスの始発駅(駅、でいいんだよな?)があるのでトロリーで帰ることにした。

「座って帰りたいじゃん。ちょうど始発だから都合が良い」

ちなみにトロリーバスはどこまで乗っても運賃は2元。非常に廉価だ。一方、ほぼ同じ路線を地下に走る地下鉄の場合、距離に応じて運賃は上がっていく。確か地下鉄の初乗りは2元だったはずなので、遠くになればなるほど価格差ができる。

「貧乏人はバスに乗るわけだな」

これと同じ光景を香港で見たことがある。香港島の地下鉄と同じ路線を路面電車が走っているのだが、路面電車の方が廉価。金持ちの乗り物=地下鉄、貧乏人の乗り物=路面電車。

それにしても寒い。空調がガンガンに利いている。上海のバスの場合、行き先表示のところに「空調」と書かれいてるのが普通。これは「うちはクーラー(暖房)が利いていますよ」ということをPRするためなのだが、今時クーラー無しのバスなんて存在しない(はず)ので、あんまり表示には意味が無かったりする。

そして、「空調」という言葉の隣には、漢字が読めない人用なのか、雪の結晶をデザインしたロゴが描かれている。

その雪の結晶ロゴが今まさに現実のものに。さすがの上海人もよっぽど寒いらしく、空気の吹き出し口を一生懸命自分から遠ざけようとしていた。一体何度に設定しているんだ、このバスは。・・・なに?16度?それは寒い訳だ。寒すぎる。

外が相当蒸し暑かっただけに、最初は良かったのだが後半きつかった。

コダマ青年の部屋に戻り、シャワーを浴びたりしてくつろいだところでコダマ青年が

「ほい、ビール。飲むだろ?」

と冷蔵庫からビールを持ってきた。おお、気が利く。というか、今日は立て続けに飲むねえ。こういう飲み方は久しくしてこなかったので、うれしい。

「見慣れない銘柄だな。雪花?」
「結構こっちじゃ有名なブランドだぞ。青島の次に有名なんじゃないかな」
「えっ、知らなかった。それにしてもMONSって一体なんだ?」
「逆逆。SNOWだ」
「あれ・・・ああ、本当だ。SNOWだ。紛らわしいなあ、MONSに見えるぞ、これ」

1 2 3 4 5 6

コメント

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください