11:45
ガスが少し晴れてきて、眼下に尾瀬ヶ原が見えてきた。でも、あともうチョイ晴れてくれれば良いのだが・・・。この後、期待しながら山を下りていったのだが、ガスが晴れるより先に自分が樹林帯の中に突入してしまい、「広大な尾瀬ヶ原を見下ろす」ということはできなかった。しょうがない、明日、至仏山の山頂で再挑戦しよう。でも明日って、雨の予報が出ているんだよね。困ったなあ、晴れてくれないかな。
11:48
岩がごろごろしている登山道を歩く。途中、温泉小屋道との分岐があったが、現在廃道になっているため、ロープを張って通行をブロックしていた。山小屋である「温泉小屋」「元湯山荘」がある赤田代地区に直行できる登山道だったのだが。
尾瀬の山小屋は数あるけど、温泉(冷泉)が出るのはこの2つとあともう一つ(渋沢温泉小屋)だけだ。温泉好きなおかでんとしては、当然「温泉が出る山小屋」の宿泊を検討していたのだが、肝心の登山道が廃道になっていることを知り、あきらめた。古い登山ガイド本だと、登山道があるように描かれているので注意が必要。
11:52、12:41
見晴新道はひたすら下っていく。道が結構凶悪で、石だらけだ。石が滑るし、浮石で動くし、段差が結構あるし。これはなかなかにキツい。登りで利用した方がむしろ楽じゃあるまいか、と思ってしまうくらいだ。
13:05
ふてくされて登山道の脇に座り込むおかでん。
「いつまで続くんだ、この悪路は!」と本当にご機嫌斜めだった。まあ、チョコ食べて落ち着け。
13:25、13:32
ふてくされて座り込みをしたのが奏功したのか、燧ケ岳さんは少し情けをかけてくれたようだ。斜度が少しなだらかになり、ゴロゴロ石の悪路も少しは楽になってきた。
おっと、「見晴まで2.0km」という標識が出てきたぞ。でも、まだ2キロも残っているのかー。平地の2キロなら楽勝だけど、山道の2キロって結構まだあるぞ。
13:47
あっ、木道が出てきたぞ!と思ったら、尾瀬ヶ原と尾瀬沼をつなぐ主要幹線道の木道との合流はすぐそこだった。ひゃー、ようやく下界におりてきたぞ。疲れたなあ。
見晴まであと0.6キロ。あとはほぼ平地の木道を歩けば本日のゴール地点。さあ、「最後まで気を抜かずに頑張ろう」ではなく、「下山しちゃったからあとは気を抜いて気楽にいこう」というつもりで、ちんたら歩いて行こうじゃないか。
13:49
快適な木道歩き。もう足元がぐらぐらする石の上を歩かなくて済むと思うと、うれしい。
当初計画で「14時に山小屋着」という予定だったが、ほぼその予定通りに到着することができそうだ。14時に山小屋着だなんて、それからあと何をして過ごせばいいの、僕は。・・・それを思うと、思わずほほが緩んでにやけてしまう。贅沢だなぁ。
13:59
見晴(下田代十字路)到着。この辺りは山小屋が軒を連ねている。尾瀬の山小屋って、湿地の上に杭を打ち込んで建っているものかと思っていたが、さにあらず。ちゃんとしっかりした地面の上に建てられていた。湿原のふちに位置するのが、ここらしい。
13:59
まず最初に見えてきたのは「原の小屋」。
軽食をとることができるようで、黒板には「あっさり正油ラーメン」「山小屋カレーライス」などのメニューが書かれていた。
後でざっと山小屋群を眺めてみたら、多くの山小屋で軽食の提供はできるようだった。これだったら、尾瀬にやってきた時の昼ごはんは山小屋で食べる、という行動パターンも可能だ。お昼ごはんの弁当分荷物を減らすことができるので、楽になるだろう。
13:59
第二長蔵小屋。尾瀬沼湖畔の長蔵小屋のフランチャイズ。
尾瀬小屋。
14:00
桧枝岐(ひのえまた)小屋。
併設の「ひげくま喫茶」のメニューを確認しておこう。ええと、生ビール700円か。なるほど了解した。おかでん、ビール以外のメニューにまったく興味なし。やっぱり下山してきて、山小屋でのんびり過ごす時間といえばビールしかないでしょう。きっぱりと断言しちゃる。ちなみにカップラーメンは300円なり。
14:02
弥四郎清水。木道脇に湧水している。水の補給はここでどうぞ。おかでんも、さっそくここで明日に使う水を汲んでおいた。
14:05
弥四郎清水からすぐのところにある、弥四郎小屋に到着。今回おかでんが泊まる山小屋だ。
見晴にはこれまで見てきたように山小屋がいくつもある。その中でなぜここを選んだかというと、宿泊定員が多い(200名)ことがある。定員が多いということは施設が大きいはずであり、お手洗いとか風呂とか売店とか、結構立派なんじゃないかと踏んだからだ。
14:05
あと、立地条件が良いというのも事前の情報収集で判明していた。密集する山小屋の中で、一番尾瀬ヶ原寄りの場所に建っているのが弥四郎小屋だった。ほら、写真を見よ!どこまでも続く湿原が目の前に広がっているぞ!この光景は弥四郎小屋だけのお楽しみだ。
14:05
建物は本館と別館、二つの建物で構成されていた。別館の方には男女別のお風呂がある。山小屋でお風呂に入れるなんてありがてぇありがてぇ。
14:07
フロントでチェックインをする。「今日は混雑していますので、相部屋になりますけどよろしいですか?」と念押しされた。そりゃもう、当然相部屋オッケーすよ。閑散期だったら、一人でも一部屋あてがう勢いだぞ、この様子だと。すごいな。
旅行代理店で発行してもらったクーポンを渡し、あと翌日昼のお弁当を注文する。こちらはクーポンに含まれていないので、700円のお金をその場で支払う。
夕食と朝食の説明を受ける。夕食・朝食ともに今回は2回転するとのこと。
夕食:17:30~18:05、18:10~
朝食:05:30~05:55、06:00~
夕食は35分、朝食は25分で食べてくれ、ということらしい。どんな食事が出てくるのかな?今から楽しみだ。ちなみに食事時間の指定はできない。おかでんは本日の宿泊客のうち相当早くチェックインしているので、夕食・朝食ともに1回転目での食事となった。
なお、消灯は21時、風呂は15:00~19:00となっている。
14:13
宿の人の先導で、相部屋に向かう。靴は持って移動。そのため、玄関先に下駄箱はない(サンダル用の下駄箱はある)。靴は部屋の脇にある下駄箱に格納する。
14:14
通された相部屋は結構広い。山小屋の睡眠事情といえば、下の畳が見えないくらい布団を敷きつめてあり、そこで肩を寄せ合って「仮眠をとる」のが普通。熟睡なんて考えちゃダメだ。しかし、ここは全然別世界だ。なんという解放感よ。たぶん一人で畳2畳以上のスペースを専有できるはずだ。さすが完全予約制の尾瀬の山小屋だけある。「来る者拒まず」の山小屋とは全くスタンスが違う。
14:16
窓から外を眺めてみたら、尾瀬ヶ原が目の前に広がる、最高の眺めだった。
なんだこりゃあ。素晴らしすぎるぞ。
14:22
いったん宿の外に出て、自分がいた部屋を確認してみた。あ、ちょうど一階入り口の真上に位置する部屋だったんだな。こりゃ眺めが良いわけだ。
もっと「相部屋」って隅っこのほうでひっそりと存在するのかと思ったけど、これだと個室より眺めがよさそうだ。ありがとう弥四郎小屋。
早くもこの宿に泊まって正解だったな、と思うおかでん。
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