11:01
木でできた階段を登る。ぐいぐいと強引に標高を稼いでいる感じ。
「ひゃー、きつい!」
思わず声が出る。登っては休み、休んでは登るの繰り返しで、なんとか先に進む。
11:08
まだまだ登る。あの先には山頂があるんだ、と最後のふんばりで登ってみたら、もっと先にさらに標高が高い場所があり、階段が続く・・・の繰り返し。勘弁してほしい。
11:31
山頂到着。ここでようやく一組のグループと遭遇。この山は今日一日おかでんの貸切かと思ったが、さすがにそんなことはなかった。
山頂には、山座同定盤の類はなく、ほこらもない。山頂を示す標識が一本立っているだけだった。雨の中で記念撮影。
山の鼻からスタートして到着まで約2時間半といったところか。まずまずのペース。
11:38
山頂の様子。大きな岩がゴロゴロしている上に水たまりができているので、ゆっくり休息できる場所は少ない。まあ、この雨の中、ゆっくりくつろぐなんてのは至難の業だがな。
11:41
至難の業の中、お昼ごはんをここで食べることにする。ちょうど時間的には日本全国昼ごはん日和。相変わらずの雨ではあるが、ご飯を食べてカロリー摂取すれば気分的にも体力的にも随分楽になることだろう。
ザックから取り出したのは、今朝弥四郎小屋で受け取ったお弁当。中を開けてみたら、予想通りおにぎり2個が入っていた。しかし、予想外だったのはさらにお稲荷さんが一個と、魚肉ソーセージが入っていたということ。おお、なんという心遣いだ。お稲荷さんなんて作るの、大変だっただろうに。ありがたいねえ。
それにしても、なんで魚肉ソーセージが?
11:43
ああそうか、これだ。これのために魚肉ソーセージがあるんだ。
プシッ
ぐいぐいぐいっと。
はぁ~、秋味、良いですなあ。ぬるいけど。泡だらけになるけど。雨の中だけど。
秋味をごくりと飲み、そのあと即座に魚肉ソーセージを口の中にドスン。うん、うまいうまい。
11:45
秋味をあっという間に飲み干したのち、おにぎりに取り掛かる。それにしてもでかいな、このおにぎり。でかい上にぎゅうぎゅう詰めにご飯を握っているので、そのボリュームたるや相当なものだ。こんな野趣あふれるおにぎり、ずいぶん久しぶりに食べた。お弁当、頼んでよかったなあ。お稲荷さんもおいしかったし。
12:02
山頂でゆっくり時間を過ごすつもりだったが、雨は相変わらず降っているのにはまいった。さすがにここでの長居は無理だ、体が冷え切ってしまう。下山するべ、下山。下山して、あらためて冷たいビールを飲もう。ビール飲んで体を温めよう。
この山頂ではおちおちビールが飲めない。下山途中にて、思いっきり蛇紋岩で転倒するかもしれないし。至仏山で遭難、救助要請・・・なんてのは相当情けないシチュエーション。
12:13、12:20
下山している最中の光景。もう、雨がカメラに振り込んでくるので写真がめちゃめちゃ。レンズをタオルでぬぐってもほとんど効果なし。しかも周囲はガスってきたので、たとえうまく写真が撮れても、風景が全然奇麗に見えない。狭いお風呂で湯船にお湯を貯めたら、湯気で周囲が見えなくなっちゃった、というシチュエーション。
12:33
小至仏山が見えてきた。小さなピークだから巻き道があれば楽ちんで良いのだが、登山道はバカ正直に小至仏山の山頂を経由。ちょっと面倒くさい。
12:45
小至仏山山頂。ここも墓石のような標識があるだけ。狭い岩場の山頂なので、三脚を立てて記念撮影するほどの余裕がない。標識の写真だけ撮影して、歩を進める。
特にこの時は、先ほど抜いた団体客の方々が背後に迫ってきており、また団体の後塵を拝するわけにはいかない、ということで頑張って先を急いだ。
道中、一度はぶち抜いた人に後々追いつかれるのって、相当イヤなものだ。だから、後ろからひたひた迫ってくる雰囲気を感じたら、己の体にムチ打ってできるだけ先を急ぐことにしている。
12:50
登りに使った山の鼻からの登山道は、愚直なまでにまっすぐ山頂を目指していてしんどかった。しかし、下りの鳩待峠に向かう道は比較的快適。風光明媚だし、変化に富んでいるし、つるつる滑る蛇紋岩の影響はあまりないし。
遥か遠くの山中に、2棟の建物が小さく見える。どうやらそこが今回のゴール地点、鳩待峠らしい。やあ、まだ結構距離があるな。でも大丈夫、怪我でもしない限りは鳩待峠発のバスに乗り遅れることはない時間だ。安全第一で進もう。
12:56
こちらも木道、階段が増えてきた。木道が案外侮れないヤツで、油断していると結構滑った。蛇紋岩のエキスを靴のソールが吸収しているかのようだ。いろいろなものがつるつる滑る。
13:01
岩場歩きもところどころある。ここで滑ったら崖下に滑落だ。気を付けなければ。
13:05
こんな光景の中を歩く。晴れていればさぞや楽しい山歩きになっただろうな・・・。雨は小雨のまま、本降りになっていないのは不幸中の幸いなのだが。
13:13
13:11に笠ヶ岳分岐到着。ここまでの所要時間は1時間10分くらい。
標識を見てびっくり、これまで至仏山山頂から歩いてきた距離が1.1キロ。ここから鳩待峠までは3.4キロ。まだまだ相当先じゃないかこれは!
あららこりゃ先が長いな、とため息をついたところで、景色の良いところに出た。こんなところにも湿原があるのか。
湿原歩きで少し気分が和む。でも、和んだ瞬間に足元がスリップしたので危ないったらありゃしない。木道だからって油断禁物だ。
13:23
湿原歩きが終わったら、あとは単調な下り。それほどきつくはないので助かる。
13:57
木道がない箇所は、登山道が深くえぐれていた。人が歩くことでわだちができ、そのわだちに雨水が川のように流れることで、より一層えぐれてくるようだ。こうやって登山道は荒廃していくのだな。木道を整備しないといけない意味がよくわかる。
この道、今後もえぐれ続けるのだろうか?人の背丈ほどえぐれたら、それはそれで見ものなのだが。
14:25
靴の裏用のブラシがあるところに出た。ここから至仏山を目指す登山者はブラシで靴の裏をこすり、下界の植物の種子を至仏山に持ち込まないようにする。自然環境の管理はこういうところまで徹底している。
・・・と、いう設備がある、ということは、まさにここがゴール地点の鳩待峠だということだ。うひゃあ。
14:26
やぁ、ようやく下山できたぞ。下山には2時間30分弱かかったことになる。
これにて尾瀬旅行は無事ゴール地点に到着。怪我無く到着できてよかったー。
ここからはバスにバトンタッチ。いったん尾瀬戸倉までバスで移動し、そのあと高速バスに乗り換えて新宿駅東口までGO。
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