鳳凰さんざん【鳳凰三山】

バイオトイレ

06:41
あ、トイレのにおいがするな!と気がついたら、山小屋はもうすぐそばという証。山のトイレはどうしてもにおいとは切っても切り離せない関係だ。

あれ?でも、南御室小屋は奇跡的に全く臭わなかったな。あそこは水場が近いということもあって、水洗にしているのだろう。でも、こういう例はごくまれ。山小屋によっては、崖下にそのまま直接便をダイブさせるというところもある。つまりトイレは崖の上にせり出している訳で、結構そこで用を足すのは肝が冷えるとか。何しろ、便器から下を見下ろせば数百mの崖になっているわけで。

でも最近じゃそういう「崖に垂れ流し」は環境に悪影響だろう、という話になって、環境省や地元自治体が山小屋と協力して、バイオトイレを設置したりする動きがあるという。

トイレ解説

ほら、見えてきた、この薬師岳小屋のお手洗いも、微生物と牡蠣の殻を使ったバイオトイレだ。あれ?でもその割には臭いはするんだな。さすがに無臭とまではいかないようだ。

このトイレは今年(2012年)の夏に完成したものらしく、まだ新築ぴかぴかだ。

薬師岳小屋

06:41
そして、到着しました、薬師岳小屋。標高2,720m。印象としては、「小さい!」に尽きる。南御室小屋も相当小さく感じたものだが、ここはそれをさらに上回るコンパクトさだ。このどこに「定員:100名」を押し込むのか、想像がつかない。ええい、この山小屋の小屋番はテトリスの達人か?

これを見たら、そりゃあ「本日満員です」と南御室小屋でストップをかける訳が分かる。本当に100名以上やってきたら、阿鼻叫喚となるのは想像に難くない。

倒れた看板

とはいえ、夜叉神峠側は南御室小屋という「門番」がいるから登山客をブロックできるが、薬師岳/鳳凰岳側からやってくる登山客をブロックする術は存在しない。結局、今回のような三連休だったら、やっぱり100名を超える人々が一晩中くんずほぐれつのレスリングを展開することになるのだろう。

ガスと紅葉

06:44
薬師岳小屋では出立が遅い人達がまだ小屋前にたむろしていた。今日はどこへ向かうのだろうか?夜叉神峠方面に向かうのかもしれない。それだったら、ゆったりしていても大丈夫だ。

そんなわけで、小屋前で一息つくにはちょっと狭かったので、休まずに山登りを続行。薬師岳山頂までは高低差が60mなのでほんの一息だ。それ、一気に登ってしまえ。

砂の道

06:45
標高2,700mオーバーの場所なんだけど、森林限界のギリギリのところらしい。薬師岳小屋付近ではまだ木々が生えていたのだが、数分登ればもう高い樹木は姿を消し、低木であるハイマツ中心の植生になった。地面は、砂払岳同様の砂地に変わってきた。

ちょっとガスが晴れてきた

06:46
ちょっとガスが晴れてきたのかな、でもこれで油断していたら、すぐにガスはこちらの期待を裏切ってくれる。ぬか喜びはやめておこう。

ここから先は鳳凰三山縦走の核心部分。きっと、展望はさぞや素晴らしいのだろうけど・・・いや、「もしも晴れていたら」という仮定の話は今となってはあまりに空しいのでやめておこう。

山頂標識

06:49
おっと、薬師岳山頂到着。標高2,780m。山頂には木の柱に「鳳凰山 薬師岳 2780m 山梨百名山」と書かれた標識が突っ立っていた。でも、柱が黒ずんでいるのと、文字が黒いために記念写真を撮影しても何が何だか分からない状態に。

薬師岳山頂

結局、行き先案内の標識の方が分かりやすい。

広い山頂

06:51
広い山頂。天気が良ければさぞや気分爽快になれた場所だろう。・・・あっ、いけない。また「たられば」の話をしてしまった。もう止めようと思ったのに。なかなかやめられんなあ。それだけ、この山は魅力があるってことだ。

さてここから45分で、鳳凰三山二番目の山、観音岳だ。

観音岳に向けて歩いて行く

06:54
観音岳に向けて歩いて行く。広い稜線で、砂地の道を歩いて行く。ガスってはいるが、ちょっと楽しい。観音岳は鳳凰三山の中で一番標高が高く、2840m。とはいっても、地蔵岳から高低差60mなので、それほどきつい登り下りはない。

天気が良ければ、進行方向左手に白峰三山がよく見え、振り返れば富士山も見えるらしい。あくまでも風の噂ですけどね・・・。

ハイマツに覆われた稜線

07:01
ハイマツに覆われた稜線を歩く。向こうから人がやってきたら避けるのに苦労しそうだ。

すぐに樹木が迫ってくる

07:06
ちょっと木を許せば、いや、気を許せば、すぐに樹木が迫ってくる。森林限界という「お日様の光を遮るものがない」場所は、環境が厳しくても木々にとっては魅力的な場所なんだろう。

岩がごつごつ

07:09
かと思ったら、砂地と岩で構成される山肌になったり。先ほどの写真とタイムスタンプを見比べて欲しいのだが、たった3分でこの変わりよう。厳しい気候と、もっとテリトリーを増やしたい木々とがせめぎ合っている最前線だ。

とがった岩

07:16
岩の間をすり抜けながら歩いて行く。道は恒に稜線の真上を通っているのではなく、右へ左へと障害物を避けつつ、進んでいく。

標識

そろそろ山頂に近づいたっぽい。

観音岳山頂

07:20
標高2,840m、今回の行程ではもっとも標高が高い地点である観音岳に到着。地蔵岳のオベリスクが象徴的であるが故に、あれのてっぺんが鳳凰三山では一番高い地点のような印象を持つ。でもそれは間違い。

ここにもケルンがあった。狭い場所に無理矢理設置しているので、傾いていた。倒れないのか、これ。

ケルン

脚が壊れて「二脚」になっていた三脚をなんとか使って、標識前で記念撮影をしようとしたが、どうしても無理だった。そんなとき、「写真撮りましょうか?」と言ってくれる人がいて、大いに助かった。持つべきものは友だ。あ、この人友達じゃなかったか。ならばますますありがたいことだ。

ここはどこ?

07:32
観音岳山頂でしばらく休憩を取った後、行動再開。

ガイド本ではこう書いてある。「観音岳は鳳凰三山の最高峰で、さえぎるもののない岩峰からの眺望は一級品。とりあわけ対峙して聳えるオベリスクが印象的だ」と。いやもう、ガスがさえぎりまくっているんですけどー。

方位磁石がないと、今北に向かっているのか南に向かっているのかさえ分からない。

人とちらほらすれ違うようになった

07:35
下りに取りかかる。あとは下るだけだ!といきたいところだが、まだ「三山」の一つ、地蔵岳が待っているのであともう少し頑張ろう。観音岳の山頂標識によると、地蔵岳まで1時間15分。

このあたりになると、下から登ってくる人がちらほら現れるようになってきた。どうやら、この先にある鳳凰小屋で一泊した人たちがここまで到達したのだろう。この人達は、このまま今日のうちに夜叉神峠に下山すると思われる。

道は岩稜が続く。

ガスと砂場

07:47
岩場が続くのかと思ったら、また砂場に出る。ふかふかの砂・・・それはすなわち非常に歩きにくい事を意味する・・・の道を歩く。一歩歩く度に、ずるっと足が滑る。岩や木道でスリップする「滑る」とは全く違う、砂ならではの滑り方。ひそかに体力および脚力を消耗しそうな予感。

カラフルな人とすれ違う

07:49
ワーオ、相当人が登ってきたぞ。一体どれだけの人が鳳凰小屋に泊まっていたんだ、と思うくらいの人たちだ。みんなレインウェアを着込んでいるので、とてもカラフルで何かのお祝い事でもあるかのようだ。あれ、そういえばレインウェアを着ていないのって、おかでんと・・・あとはほとんどいないぞ?中にはスパッツまで履いて気合い十分の雨用装備の人もいるっていうのに。

迫る木
迫る木2

07:54
下っていきます。またすぐ木が迫ってきている。

茂る草木

07:57
ほらー、また木が覆ってきたよ。黄色く色づいているからうれしいけど、せっかくの高所登山なんだから、ちょっとは控えて欲しい。

また砂地

08:02
と、思ったら、すぐにこれだ。

ありゃ、また登るのか。

ぼんやりと先に山が見える

08:05
目の前にぼんやりと山が見えている。ということは、あそこには行かないといけないってことだ。頑張れ、自分。

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