山中秘湯旅館を貸し切り大満喫【那須岳・三斗小屋温泉】

共同浴場の脱衣場

17:21
共同浴場の脱衣場。あまり広くはなく、扇風機や体重計、流しといった脱衣場によくありがちなアイテムは一切ない。棚と、かご、それだけ。

内湯

17:22
浴室に入ってみると、全面板張りの風呂だった。なかなか悪くない風情。でも、やっぱり露天風呂を独り占めして心置きなく大自然を満喫していたことと比べると、ここは物足りない。というか、じっとしていると退屈だ。だから、10分もすれば飽きてきて、結局そそくさと外に出た。

入浴方法の指南

17:22
壁に、温泉の効能などが書かれていたのだが、ちょっと変わったことが書いてあった。

入浴法 1日3回~7回
1回の入浴時間 30分~60分位

だって。普通、湯あたりを恐れて、「えっ、たったこれだけしか入っちゃいけないの?」と驚いてしまうくらい回数と時間は制限されているものだ。しかし、ここではしこたま入れ、入りまくれ、と指示しているのだった。のぼせても構わん、というわけだ。これは珍しい。1日に7回も入るって、並大抵のことじゃないぞ。しかも1回30分以上ときたもんだ。健康になりに来たつもりが、倒れそうだ。体調管理には気を付けよう。

女性専用風呂

17:37
共同浴場を後にし、せっかくだから女性専用風呂も見学させてもらうことにした。どうせ今日は僕しか泊まっていないんだから、うっかり覗いて「キャー、のび太さんのエチー」t言われることは100%ない。

「女」と染め抜かれた暖簾が下がっているのは、なにやら洗剤とかがごてごてと並ぶ流しのすぐ脇だった。入口が狭い。家庭のお風呂みたいな感じだ。

女性用内湯は狭い

17:37
中も狭かった。脱衣場には大人二人が入ればぱんぱん状態。そして、浴室も湯船が畳1畳強のサイズ。これは、女性グループがこの宿に泊まりに来て、「じゃあみんなでお風呂入りにいこー」と言って行ける場所ではない。ちょっと要注意だ。

あと要注意といえば、暖簾の正面に脱衣場から浴室に向かう扉があること。つまり、出入りの際、暖簾の向こうからあられもない姿が見えてしまうので、ちょっと気を配る必要はある。まあ、そこでじっと人の出入りを見ているような男性はいないけど。念のため。

夕暮れの三斗小屋温泉

17:40
また露天風呂に戻った。やっぱり、この景色、このお湯、この雰囲気を独占できるのならばそれを最大限利用しないと。それに、まだ物思いに浸らないといけないことはいっぱいある。さっきの時間では何一つ、悩みを解決できていない。

どぶん、と湯船につかる。ちょうど風呂は西側に向けて開けているので、夕暮れ時の情景を楽しむことができた。あいにくの曇り空ではあるが、カンカン照りってのも露天風呂的には困るので、これくらいでちょうど良かったと思う。

遠くに、ひとつだけ高い山が独立してそびえていた。どうやら、尾瀬にある燧ケ岳(ひうちがたけ)らしい。昨年あそこに登ったなあ。ということは、視線を右側(北側)にずらしたところにある山々は会津駒ヶ岳か。あそこも以前登ったぞ。このあたりは、「へべれけ紀行」の手垢がついている場所なんだな。ということはすなわち、俺様の領土ということだ。自分の土地を見下ろしながらの貸切露天風呂。これはなかなか気持ちが良い。

※webに掲載している写真サイズでは、燧ケ岳も会津駒ヶ岳も確認できません。小さくてごめんなさい。

ひたすら露天風呂で悩む

18:07
沈みゆく夕日を眺めながら、ひたすら内省を続ける。

今後自分は何をすべきなのか、いや、明日下山してすぐに何をすべきなのか、それを考える。おかでん39歳、来年で40の大台だ。40代を華麗なスタートダッシュで飾れるように、今できることは何でも取り組んでおきたい。そのためにはもっとさまざまな経験と人との出会いが必要だ。

悟りを開こうとしているわけではないので、抜本的な解決策がひらめくなんてことはないのだが、一つ一つ問題点を整理することができ、それぞれについて対処療法を導きだすことはできた。ひとまず良かった。やはり、宿が、そして風呂が貸切になったのが大きい。他に宿泊客がいたら、気が散って何も考えられなかっただろう。ましてや、その宿泊客が女性客だった日にゃ・・・!混浴にやってきた!なんてことになったらモウ。

やめとけ。妄想は大概にしとけ。今日は自分の内面をひたすら見届ける日だ。余計なことは考えるな。

ヘッドライトをつけて入浴続行

19:16
さすがに19時を過ぎると暗くなってしまった。ヘッドライトを持参してあったので、それを頭に装着のうえ、さらに風呂に入り続ける。こうなったら意地の張り比べみたいなもので、消灯時間が迫るまで湯船からは出ぬ!と決めている。どうせ部屋に戻ったって、特にやることはない。持参した登山ガイドブックを読む程度だ。そんなのは家でもできるんだから、この三斗小屋温泉に来ている以上は、ひたすら風呂だ。それ以外はありえん。

天気が良ければ、「満天の星を見ながらの風呂」となるのだろうけど、今日は曇り。星なんて全く見えない。それでも風呂が気持ちいいので、何ら問題はない。

部屋に戻って就寝準備

20:26
さすがにもういいだろう、と思ったので、20時過ぎに露天風呂を引き払った。消灯時間前に部屋に戻って布団をセッティングしなくちゃいけない。その気になれば、露天風呂は24時間入浴可能なので、消灯後もひたすら粘り続けたっていい。今の僕なら、「夜明けまで耐久露天風呂」企画をぶち上げてそのまま敢行しかねないが、さすがにそれだけはやめた。明日、己の二本足でちゃんと山に登り返し、そして下山しなくちゃいけないんだから。

部屋で布団を敷く。シーツはのりがきいたものが用意されてあった。おお、旅館だな。でも、その上を虫がじたばたと行進してたけど。この建物、たてつけが悪いのであちこちの隙間から虫がばんばん入ってくる。

21時前、就寝。消灯時間になって、バツンと唐突に電源を落とされたらなんだか物寂しいしびっくりするので、こういう時は一足先に電気を消して寝るに限る。おやすみなさい。

2013年07月06日(土) 2日目

早朝の露天風呂

04:39
ここ最近、ストレスのせいでずっと睡眠がうまくとれていない。おかげで朝は目覚ましいらずで、早朝覚醒してしまっている。この日もそうで、前日あれだけ山歩きして、風呂に入りまくったというのに朝4時起きとなった。でも、常に緊張状態が続いていて気が張っているので、眠気やだるさはさほど感じていない。一体、自分の体や心に受けた疲労はどこへ消えているんだ?と毎日とても不思議に思う。

だからこそダイエットしているわけでもないのに1か月で3キロ以上のペースで体重が落ちるという異常事態になっているわけで。

部屋でゴロゴロして体力温存すべきなのだろうが、目が覚めてしまったからには仕方がない。今日も露天風呂に向かう。真っ暗になるまで風呂に入り続け、夜明けと共にまたお風呂。本当に三斗小屋温泉を満喫しまくっている。

朝からとっくり風呂を満喫する

04:53
今日も相変わらずの曇りだけど、雨が降らないだけましだ。比較的空は明るいし、これなら上できだろう。朝食まであと2時間近くもある。それまでゆっくりお風呂に浸かっていることにしよう。幸い、考え事は昨晩のうちに済ませておいたので、今回はあまり思いつめないで気楽に時間を過ごしたい。

行程を再確認

06:28
部屋に戻り、今日の行程について再確認する。今日は、

隠居倉→熊見曽根→朝日岳(1,896m)→峰の茶屋跡→下山→那須湯本温泉で風呂→家に帰

というルートをとるつもりだ。午前中には下山が完了し、ゆっくり那須湯本で風呂に入っても夕方には帰宅できる見込み・・・だったが、そうだ、デジカメを新しく買い替えないと。どうせすぐ次の旅があるに決まってるんだ、デジカメを壊れたままにしておくわけにはいかないだろう。

僕の場合、「デジカメを修理する」という選択肢はあまりない。それは、修理に要する2週間程度の時間が惜しいからだ。その間に、撮影するタイミングはいくらでもある。だから、とっとと新しいデジカメを買ってしまうのだった。

朝食は大広間

06:29
そろそろ朝ごはんの時間なので、大広間に向かう。今朝、宿のご主人と露天風呂で会った際に、「時間になったら大広間にお越しください」と言われているからだ。玄関先の太鼓がドン、と鳴ることは結局なかった。

大広間に着いてみると、広い畳敷きの中に一つだけぽつんと僕の席が用意されていた。窓を向くでもなく、壁の方に向かっている。うーん、これはなんだか孤独感と哀愁が漂うな。でも平気。何しろ、昨日からずっと一人ぼっちだったから。逆に人がいる方が煩わしい。

煙草屋旅館の朝食

06:30
煙草屋旅館の朝ごはん。メインとなるおかずは存在していない。生玉子をはじめとするいくつかの脇役で、ご飯を食べ進めよというわけだ。でもそれで十分。こんな山奥で、やれ湯豆腐をよこせだの焼き立ての干物が食べたいだの言うつもりは全くない。

それにしても今回もおひつのご飯がきゅうきゅうになっている。多分、昨晩僕がおひつをきれいにカラにしたので、宿の人は大いに発奮したに違いない。朝も盛ってやるぜ、と。一回り大きなおひつにならなかっただけ僕としては救われたと思う。さすがにそんな量は、食べられないよ。

用意して貰ったお弁当

06:31
緑色の包みが、遅れて届けられた。特に何も宿の人から話はなかったけど、多分これは昨日注文しておいたお弁当なのだろう。大きさからいって、おにぎりが2個入っているっぽい。500円でおにぎり2個ぉ?バカ高いじゃないか、と思うかもしれないが、山の中でお弁当を頼んだらそんなもんです。中身はもう少し豪華になるものの、1,000円という価格設定の山小屋だって珍しくないくらいだ。ちなみにおにぎりはちょっと大きい。食べ甲斐がありそうだ。

でも、多分お昼時になる前に今日は下山しちゃうと思うんだよな。この注文、ミスったかもしれない。当初計画では、朝8時にこの宿を出発するつもりだった。でも、実際は1時間前倒しの7時発になる見込み。下山時刻もそれにつられて前倒しだ。

朝ご飯中

06:31
ご飯をおひつからお茶碗に移そうとしたが、面倒臭くなって途中でやめた。おひつをお茶碗に見立て、そのままダイレクトに食べることにした。うん、大振りのどんぶりで食べている感じで、ちょうどいいや。

煙草屋旅館を後にする

07:06
宿の人においとまをして、出発。風呂に入りすぎて体がだるくなっているのではないかと懸念されたが、そんなことは全くなし。良くも悪くも、湯あたりを全くしないお湯だった。さて、目指すはここから80分先にある隠居倉というピークだ。

いや、でもその前にこの近くに「温泉神社」というのがあるようなので、そこをまずは目指そう。

温泉神社

07:08
歩き始めて2分、煙草屋旅館の裏手の茂みを進んでいたら、目の前に鳥居が出てきた。あ、本当にこの先に神社があるんだ。小さなほこら程度のものがあるのだと思ったけど、この鳥居の様子からして、本格的っぽい。

三斗小屋温泉神社

07:10
鳥居をくぐり、石段を登った先に何やら木造の建物があった。これが三斗小屋温泉神社、ということらしい。シンプルすぎるその外観は、神社っぽくない。しかし、中に入ってみるとちゃんと装飾が施されたつくりになっていた。外観はあくまでも中身を保護するための「殻」ということらしい。ほら、中尊寺金色堂みたいなものだ。

解説書きによると、神殿の豪華な装飾は、日光東照宮の造営に携わった彫刻師が、保養に来た際に制作にあたったとの言い伝えがあるそうだ。日光で仕事をしたあとに三斗小屋温泉に保養?ちょっと遠い気がする。日光湯元温泉に行った方が早いと思うんだが、当時はどうだったんだろう。でもまあ、いずれにせよ山奥の神社にしては立派な装飾なのは間違いがない。

空に向かって歩く

07:18
神社をやり過ごしたのちしばらく進むと、だんだん空が見えるようになってきた。このあたりはあまり木々は覆い茂っていないようだ。自然環境が厳しいらしく、木々の生育があまり気合いが入っていない。その分、歩いていて気持ちがいい。