奥多摩湖の湖畔に建つ、「水と緑のふれあい館」に自転車を停めた。いったんここで大休止。
館内は、子供が喜びそうな展示がいくつかあった。さすがに僕らからしたらちょっと次元が違うし、かといって同伴者が背負っている赤ちゃんにとっては理解不能の世界だしで、これらは軽く見る程度でスルーした。
お食事処もあるにはあったが、この界隈唯一の食事処ということもあってとても混んでいた。ここでの食事はあまり期待しないほうがいいだろう。同伴者は、売店でパンを買っていた。
ふれあい館の前で、ラーメンを作る。
ラ王袋めんと、カット野菜持参。カップラーメンと違い、食べ終わったら袋を畳んでコンパクトにできるのがいい。
肉を入れたほうがよりリッチなラーメンになるけど、常温保存となるので痛むのが心配だ。だから、カット野菜で終わりにした。これだって、真夏だったらカット野菜が昼飯時には生臭くなる。秋口の今だからこそできることだ。
本当の山ヤなら、野菜は乾燥野菜、麺はマルタイの棒ラーメンと徹底して軽量化・コンパクト化しなければならない。しかし今日は日帰りだし、サイクリングだし、そんなにストイックになる必要はない。
カップラーメンのカップが後々ゴミにならなくていいよね、といっても、カップラーメンを食べる段階でお湯を沸かさないといけない。そのためのガスストーブや、鍋を持参しないといけないのであまり意味がない。
やっぱりアウトドアにおいてはおにぎりが最強だと思う。あとは水筒に味噌汁でも詰めておけば言うことなしか。でも、こうやって「野外で自炊やってるゥゥゥ」感も楽しさの一つ、美味しさの一つなので文句いいっこなしで。
ほら、このご満悦の表情。
家の冷蔵庫に入っていた青唐辛子を持参して、それをラーメンの中に投げ込んでみたのだが、これが思ったよりもラーメンを辛くしてくれた。「辛いのう、しんどいのう」と言いながら、ラーメンを食べた。なにしろ、汁をどこかに捨てるわけにはいかない。すべて飲み干さないと。ああ辛いのぅ。
お口直しに、イタリアのビスコッティを。日本にあるクッキーとはちょっと味わいが違い、これはこれでおいしい。
登山だと、歩きながら頻繁に水分補給をしたり、ちょっとした栄養を摂ったりするものだ。しかしサイクリングの場合、両手両足がふさがっているためになかなかそうはいかない。サイクリング慣れしていない僕にとっては、栄養補給のタイミングがなかなか難しかった。
食後、一休みしたところで奥多摩湖を後にした。母子の体調が気になったが、本人たち(赤ん坊含む)はいたって元気。というか、この子全くぐずらず、おとなしくしているけどなんなの?将来が嘱望される大物かもしれん。ひたすら寝ているのかと思ったらそうでもなく、「何?」という目でこっちを見ている。
予定通り、いったん奥多摩駅前のトレックリングに戻ることにする。ここであらためて体調をチェックするつもりだ。
奥多摩湖からの戻り道は、待望のダウンヒルとなった。ペダルを漕がないでもどんどん下っていく。町中で、ちょっとした坂道を走るのとわけが違うぞ。ひたすら、延々と下り坂が続くんだ。何分もずっと、重力を全身で感じながらのダウンヒルはかなりのエクスタシーだった。「うひょぉおおお」と思わず声を出してしまう。
途中、鉄道の橋脚が見えた。まるで碓氷峠の信越本線跡を見るかのようだ。
奥多摩駅からさらに奥も、こうやって線路は伸びていたんだな。旅客用に使われていたという話は聞いたことがないので、林業のために、木材運搬用として使われたのだろうか?
上り坂だと、どうしてもうつむきがちになってしまう。でも、下り坂だと全く疲れないので、周りの風景をもっと楽しむことができる。ウヒョォォォォォ。
というわけで、たいそうご機嫌で奥多摩駅まで下山。往路に要した時間は2時間弱、復路は50分ちょっとだった。半分以下の時間で下りてきたことになる。行きは道に迷ったり、あっちこっち立ち寄って見学していたからだ。
この時点で14時40分。ここから青梅までは下り坂とはいえ、20キロ以上ある。ちょっと時間が気になるが、同伴者は親子そろってやる気まんまん。引き続き、ダウンヒルを続行することにした。
自転車の返却先は、青梅の市街に1軒と、青梅からさらに立川寄りの「河辺」に1軒ある。青梅の方は今日は定休日だというので、河辺まで返却することになる。
ここから先、先程の「むかしみち」みたいに細かい立ち寄りポイントはないはずだけど、さてどうかな。ちょっとテンポよく進んでいかないと。
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