バックネットのところに、仮設ステージが作られていた。
12時のイベント開始を前に、参加者は全員グラウンドに降りるように指示されたので、この仮設ステージを取り囲む形で待機する。
イベント開始とともに現れたのは、フリーアナウンサーの辻よしなりだった。新日本プロレスの実況中継でとても有名な人だ。古舘伊知郎の後釜として、長年「ワールドプロレスリング」の顔として君臨してきた。おかでんはプロレスファンなので、この登場にはとても喜んだ。
そして悟った。なるほど、鬼ごっこをプロレス風に実況するのか、と。
折角、こんな大げさでばかばかしいイベントをやってるのだから、演出面においても派手にやらないといけない。そこで白羽の矢が立ったのが、プロレス実況で定評があった辻氏というわけだ。これは面白くなりそうだ。
大会の概要説明があったあと、辻アナウンサーは「逃げまくるぞ!」とか「ヴィッツが欲しいか!」と参加者をあおった。場を盛り上げるための常套手段なのだが、こういう場でこういうあおりをやると、どうしても「アメリカ横断ウルトラクイズ」や「高校生クイズ」を思い出してしまう。おかでん世代だと、福留さんというのはカリスマアナウンサーの一人だ。
次に、準備体操が行われた。
ニューバランスの専属トレーナーだかなんだか、という女性が登壇し、全身を動かした。
さすがにここで「ラジオ体操」というわけにはいかない。ラジオ体操だと、「ニューバランス!うひょー!」という参加者のテンションに水を差してしまう。
21世紀なんだし、東京オリンピックが近いことだし、今風なダンスビートに乗った「ラジオ体操21」みたいなのを作っても良いのではなかろうか、文部科学省さん?
トレーナーの指示に従って体を動かしていて気がついたのだが、人工芝って結構ふわふわしていて心地よかった。もっと堅いものだと思っていたけど、踏ん張りがききつつも適度にやわらかい、ちょうど良い感じだった。これなら戦える!一時間でも鬼に追いかけられても大丈夫だ!
それにしても、こうやって球場の芝をダイレクトに踏みしめられるのはありそうでなかなかない機会だ。コンサートなどのイベントの際には、養生シートがすっぽり覆うはずなので、じかに触れる機会はない。まさか「鬼ごっこ」をするためにこうやって人工芝を堪能できるとは思わなかったぜ。長生きはするもんだなお父さんお母さん。
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