屯田兵になろう【北海道ハタケ仕事1】

広い敷地

この日はマメヒコ側も合わせると9名くらい?が参加していたと記憶している。初対面の人もいるし、「そういえば見かけたことはあるけど、話をしたことはなかった」という人もいる。そういう人たちが黙々と協力しあってハタケ仕事をしているという光景は、なんだか不思議でもある。しかも、共通項といえば、渋谷・三茶の喫茶店に顔を出しているというだけのことだ。北海道とも、農作業とも無縁なのに。

でもだからこそ意味があるんだと思う。

農業とか食の安全とか、そういうのに問題意識がある人は自力でも調べたり行動する。今回この北海道遠足は、本格的に何かをするまでのガッツはないけど興味はある、というライト層に対して問題提起ができている。土いじりをするだけで、今後いろいろモノを考えるきっかけとなる、と僕自身感じた。

これは多分、あからさまな「観光農園」で「芋掘り」とか「イチゴ狩り」みたいなのではダメなんだろう。お客様と、それを相手にする商売人という構図がきっちりあるから。そこで芋を掘ったとしても、消費者という立ち位置からは動けない。しかしこのハタケで作業をやっていると、少しだけ生産者側の立場に立ったような「気になる」。その「気」があるだけでも大事。

延々と続く手竹

それにしてもきりがない。手竹を刺しても刺しても、終わらない。広大すぎるからだ。慣れない作業のせいでチンタラしているせいでもあるが、この広さなら仕方がない。

写真を見れば一目瞭然だが、すっと直立している手竹と、ずいぶんとしなっている手竹とがある。このあたり、シロウトならではの雑な作業だ。地面が固くて手竹が刺さらない場所もあるし、45センチ等間隔のつもりが、途中で訳がわかんなくなって間隔が短くなったり。

この手竹の間隔がうまくできていないと、生い茂ることで日当たりが悪くなり生育がよくない部分ができてしまったり、風通しが悪くなって収穫に影響が出る。

手竹が紐で縛られている

3本の手竹を束ねるのは、紐だ。いやあローテクだわ。

でも、ローテクとはいえこの膨大な数。農業をやるって、設備投資がバカにならないということを身をもって知らされた。こんな竹の棒っきれである手竹だって、1本だけなら安いのだと思う。しかし農業をやるなら千本単位のオーダーになるので、買うとなるとかなりな出費だ。

「これ、秋に収穫が済んだらまた一本一本取り外すんですよね?」

井川さんの奥さんに聞いてみたら、そうだという。まあ、当たり前の話だ。で、さっき倉庫に積んであったように、束ねてもとの位置に戻す。とんでもない重労働だ。

「もうちょっと今風な、楽なものってないんですかね?樹脂製で軽くて、ジャバラ状になっていてびゃーっと引き延ばしたら簡単にトンネル状のものが伸びて設置完了、とか」

と聞いてみたら、やはりもう少し便利なものは存在するらしい。そりゃそうだ、こんな作業をいちいちやるのは大変すぎる。しかし、さすがに本業で農業をやっているわけではないマメヒコとしては、今既にハタケにあるものを最大限使う方針だった。効率を良くして大規模農業をやろう、なんて野望をもっているわけでもないのだし、使い古された手竹で十分、というわけだ。

種としての花豆

時間も時間だし、とりあえず手竹が組めたところから花豆を植えていくことになった。

種用の花豆がこちら。

豆を手竹の根元に植える

みんなで手分けして、花豆を植えていく。

植えている最中

手竹の根元部分に花豆を2粒ずつ埋める。さっきの大豆もそうだったが、豆というのは一株に2粒ずつ植える、というやり方が多いようだ。ちなみに、「種まき」という言い方は、正式には「播種」と言うらしい。うわあ、聞いたことない言葉だ。

ひたすら植える

本来の農業セオリーとしては、豆が発芽してしばらくしたら支柱となる手竹を立てるらしい。しかし今回は遠足ということで戦力がたくさんいるので、一気に手竹までやってしまえ、というわけだ。

今日は3列で終わり

この日、手竹立てと播種ができたのは3列だった。我ながら、この広大な土地でよくやれたと思う。仲間との連携プレイだ。

未着手エリアが残る

「今日は全然できてないよ、あとこれだけあるんだから」

満足げにしていたら、井川さんが手つかずのハタケを指さす。えっ、こっちも手竹刺すの?

「明日全部やらないといけないんだからね?今日のようなペースでやってたら終わんないから、明日はもっとペース上げないと。おかでん、キミが仕切って」

どうすんだよ明日。終わるわけねーよ。

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