実りの大地【北海道ハタケ仕事3】

バスに並ぶ人たち

06:47
バスの搭乗が開始となった。「K」というところに並び、搭乗手続きをする。

機内の座席は、先頭から順に1列、2列、3列・・・と並んでいくのだが、13列目は存在しないはずだ。少なくとも僕がこれまで乗ってきた飛行機には、なかった。おそらく「13」という数字が不吉な数字だからなのだろう。

だったら、「K」という搭乗口はどうなんだろうか。「苦しい」「KILL」を想起させるからやめて欲しい、なんて言い出す乗客はいないのだろうか?

そういえば、アパートやマンションでも、「104号室」とか「209号室」といった、4と9が付く部屋番号をすっ飛ばしていることが多いな。賃貸とかの場合、「4号室」「9号室」だったらなかなか借り手がいない、なんてことがあるのだろうか?まさかねえ。

変なところをバスは走る

バスいっぱいに人が乗り込んだところで出発となったのだが、動き出してみてわかる現在地の変な位置関係。なんじゃこれ。なんだか建物に囲まれている、隙間を移動しているぞ。

頭の中のイメージとしては、バス乗り場から出発したらすぐに青空広がる広い場所に飛び出すものだった。それが、なにやら怪しい建物の狭間をうろうろ。工場や発電所内の見学会にでも参加しているかのようだ。

LCCの搭乗口だから、本当に「わずかに空いている、隙間」に施設をこしらえたのだろう。見栄えとか利便性とか完全に無視だ。こういう割り切りを見ると僕なんかは「うおおお」とテンションがあがる。

これまでの「飛行機というのはお高くとまっている乗り物なんだから、空港の設備は小ぎれいでなくちゃ」という先入観を突き崩しているのが、「新しい時代」を感じさせるからだ。

このビルの隙間から「新しい時代」を見出す、というのも大げさではあるが、偽りない気持ちだ。

タラップを使って機内へ

06:55
建物をすり抜け、ようやくイメージどおりの「青空の下に駐機している飛行機」とご対面だ。

ボーディングブリッジで空港ターミナルの中からそのまま機内に入るのではなく、いったん地面を踏みしめてから階段を歩き、そして乗り込むというプロセスはむしろ新鮮だ。今日のように天気がよければなおさらだ。

「このままわーッと滑走路まで走ったら面白いよな。しかも全裸で」

なんて、できっこないくせに妄想だけは膨らませる。そんなことをやったら、場所が場所だけに捕まった後は過激派扱いされてケツの毛がむしられるまで公安に調べまくられるだろう。私生活まで調べられ、Amazonでこれまで買った商品もいちいち吟味されるだろうし、無料動画で何を見たかまで詮索されそう。やめろ、それだけはやめてくれ。

ANAがバックアップ

バニラエアの機体に接続されていたトーイングカーは、ANAのロゴが入っていた。こういうところは親会社のANAのリソースに依存しているようだ。

機内パンフ

08:14
一路、北海道へ。

さすがに隔月で3回目となる北海道ともなれば、特に感慨もない。出張に行くようなものだ。これでゆっくりする時間が確保されているなら、「じゃあ今晩は何を食べようか!?肉?魚?それとも野菜?」とわくわくしながらあれこれ検討ができる。しかし今回もやっぱり、現地で食事が出るのかでないのか、どれだけフリータイムがあるのかないのかもよくわかっていない。

5月のとき、暗中模索ゆえに「もしこういう展開になったらこの案、逆にこうなったらこっちの案」といくつも腹案を用意し、その結果随分疲れる羽目になった。ああいうのはもうイヤなので、今回は何も考えていない。せいぜい、初日午前、ハタケに行く前に仲間たちと支笏湖ドライブをすることが決まっているだけだ。

その支笏湖ドライブだって、前回7月のときは当日朝になって急遽「雨が降りそうだから空港到着次第ハタケに来て欲しい」というマメヒコ側からのメールによって取り消しになっている。今回、そういうオーダーは今のところないが、まだまだわからない。「やっぱり支笏湖ドライブ中止!」ってなってもおかしくない。ゆめ油断なさるな。

というわけで、もうこのハタケ遠足というのは、ひたすら無心でいるのが一番よいのだった。「せっかく北海道に行くのだから!あれも!これも!」なんて考えてはいけない。「もしフリータイムができたら、ノーアイディアだったら時間の無駄じゃん?」なんて心配してはいけない。なんやかんやでフリータイムなんてできないんだし。

さて、機内には冊子があった。どうやら、機内食を有料で、キャッシュオンデリバリーで承っているらしい。

バニラエアの機内食

中を見てみたら、「温かいお食事」ということでいろいろ用意されていてびっくりした。てっきり、コンビニおにぎりとかコンビニサンドイッチみたいな、シンプルかつ手軽に食べられる系のものだけ取り扱っていると思っていたからだ。

ハッシュドビーフとかクリームソースといったこってりした名称がメニュー上で踊る。すげーな、レンチン料理だとはいえ、わざわざこういうものまで用意しているのか。ANAやJALの国内線では、こんなサービスはないので(上級シート除く)、ある意味ラグジュアリーではある。まあ、機内でこの手の料理をわざわざ注文する人がどれだけいるのかは疑問だけど。よっぽど時間がない人か、よっぽど飛行機とか好きな人が食べるのだろうか?

試される大地

08:24
眼下に「試される大地」、北海道が見えてきた。

日高地方ならではで、あちこちに競走馬用の牧場が見える。競馬場を模したトラックが見えるので、そこが牛の牧場ではなく馬の牧場であるということがわかる。まさかこのあたりの人が日々、陸上競技にいそしんでいるわけではあるまい。

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