24時間温熱をくらえ【四万温泉】

バス停

12:42
沢渡温泉のバスに感心していたが、肝心の僕が乗る四万温泉のバス停はどこにあるのだろう。ロータリーを見渡していたら、駅舎出口すぐのところになにやら変なシルエットを発見した。

近づいてみたら、これが木彫りの鹿でやんの。おっす、何やってんのアンタ。・・・ああ?四万温泉行きのバス停か。そりゃどうもお世話になります。

「これは鹿ではなくカモシカではないか」

とも思ったけど、よくわからない。いやそもそも、「カモシカ」も「鹿」の一種だろ?あれ?そうだよな?とか考え出したらややこしくなってきた。「鴨鹿」だとしたら、実は鳥類?いやまさか、やつは空を飛ばないと思う。

やめろやめろ、今注目すべきはそんなことではない。バス停、という事実だけ認識すれば十分だ。

さすが四万温泉行きの路線バス停。ビシイッと駅前超一等地だ。沢渡温泉よりもエエ場所にバス停がある。沢渡温泉はこじんまりした温泉地だが、四万温泉は「温泉街を持つ」大きな温泉地だからな。「温泉郷」と呼ぶにふさわしく、温泉集落の端から端までの距離は数キロに及ぶ。

時刻表

四万温泉行きのバスはおおむね1時間に1本。わずかに1時間に2本運行される時間もあるが、「気のせい」レベルだ。

だから、鉄道との接続というのはとても大事だし、トイレに行っていたり焼きまんじゅうが焼きあがるのを待っている間にバスが行ってしまうと、とてつもなく悲しい。たとえば16時に宿に到着予定だったのが、1時間遅れて17時になった時のがっかり加減たるや、もう。17時チェックインだったら、荷物の整理とかでゴソゴソして、お風呂に入りにいって戻ってきたらすぐご飯だ。落ち着く暇がないし、お楽しみの宿探検すらできやしない。

そんなわけで、乗り遅れ厳禁。余計な色気を出してこの界隈でお昼ご飯を食べないのは、バスに乗り遅れないようにするためだ。

この時間からバスに乗れば、宿のチェックインよりもはるかに早い時間に四万温泉に到着してしまう。でもご安心を、積善館はチェックイン時間が通常の宿より早くて14時だ。しかも、僕はまだ空腹だ。四万温泉に着いて、ご飯を現地で食べて、時計をふと見るとちょうどいい塩梅でチェックイン時間、というわけだ。すべてはそれを想定して、逆算して東京の自宅を出発している。

四万温泉行きバス

12:49
四万温泉行きのバスがやってきた。12:50発ということだったが、バスが定刻1分前になってようやく現れたのでびびった。ひょっとしたら運転手さんが寝坊でもしたのか?と心配になったくらいだ。始発だし、早い時間にバス停に到着して待機しているものだと思っていたからだ。

行き先表示のところには大きく「関越交通」と書かれている。で、肝心の行き先は運転席のところに紙のパネルが置いてある。方向幕の意味をなしていない。バーンと自社名をPRして一体どうしようというのか。

おそらく、必要に応じてあちこちの路線に転用されることも想定しているのだろう。わざわざ方向幕をこしらえて、それが使われなくなったら切ない。だったら最初から使うのをやめちゃえ!ということか。

バスの中

12:57
乗客は中高年の皆様しかいらっしゃらない。齢40の僕でさえ若造、といえるくらいだ。そういえば、一人旅も僕しかいないじゃないか。おいおいどうなってるんだ。

いや違うか、こんな平日にお前なにやってるんだ、と言われるほうが正しいのか。だとしても、いい大人が一人温泉というのも変なのだろう。自殺志望者と勘違いされないだろうか、心配だ。勤めてニコヤカにいよう、一瞬でも暗い顔をしたら、おまわりさんを呼ばれるかもしれない。

過去、アワレみ隊で「男二人で温泉旅行」なんて頻繁にやっていた。今から思えば、そういうのは他人からすると「ゲイ同士の旅行」と見られていたのかもしれない。そんなの知ったこっちゃないけど、「男二人旅行」ってのが案外(この当時では)一般的ではないシチュエーション、というのには今更ながら驚く。

これが女性二人旅だと、「仲の良い二人」とみなされるのに。この違いはなんだ?

四万温泉到着

13:25
35分で四万温泉に到着。温泉集落は川沿いに細長く伸びており、最初の温泉旅館をバスが通過してからしばらく温泉街の中を走った先が終着点だ。

バスから降りたら、はっぴを着たおじさんたちが「いらっしゃいませ!」と出迎えてくれた。悪い気はしない。・・・が、それは僕が泊まる旅館とは違うホテルの人たちだった。「お、おう」と応えつつ、横をすり抜ける。

源泉

バス停脇に源泉が流れていた。

早速飲んでみる。うむ。

・・・うむ、としかいいようがない。

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