13:33
落合通りをダラダラ歩きながら今来た道を戻る。
お昼ご飯、食べなくちゃ。
なにしろ、夜は「弁当風の料理でひもじいおもいをするかもしれない」という恐怖がある。ガッツリ食べておかないと。
療養しにきたのだから、「ガッツリ食う!」なんて言ってるんじゃねーよ。もう少し、やつれた顔をしてため息でもついてろ。「最近食欲がなくって・・・」とでもため息ついている方がサマになる。
しかし、実際の世界では、うつ病の人は食欲が落ちる場合もあるし、逆に過食になる場合もあるという。不眠になる人もいれば過眠になる人もいるというし、メンタル系の不調というのは外野からしたらよくわからないものだ。「あいつブタみたいにがっつきやがってよ」「猫みたいに一日中寝てやがるぜ」という人が実は心身不調、ということは十分にあり得る。
とはいっても僕自身はうつ病ではないので、「ガッツリ食う」ことの言い訳にはならないのだけど。
で、この日のご昼食会場として目星を付けていたのが、落合通りにある蕎麦屋だった。よりにもよって、二軒が軒を連ねている。なんで同業が並んでいるんですかね?「どっちかが潰れるまで、つぶし合いだ!」と意地を張っているのだろうか。
この二軒のうち、どちらかイイカンジの店に入ろうと思っている。
ふーむ、手前は中島屋。リフォームしたのか店が新しいのか、外観はきれいだ。「石臼挽き蕎麦」ののぼりがはためいている。
一方こちらはもう一軒の蕎麦屋、「小松屋」。
昔ながらのお店といった感じ。縄のれんで提灯がぶら下がっていても違和感がない。
こういう「観光地で、古い蕎麦屋」ともなれば味については・・・とちょっと見くびってしまったが、いやいやどうして、「自家製粉」ののぼりがあるし、黒板には「中之条産蕎麦」と書いてある。なんと、まさに地元の蕎麦で蕎麦を打っているのか。中之条産の蕎麦が風味豊かなのかどうかは知らないが、旅情をビシビシかき立てるのは間違いない。地産地消ですよモウ。
13:46
結局、この小松屋に入った。中島屋の方は本日定休日だったからだ。明日あらためて訪れようと思う。
小松屋で食べた蕎麦はこれ。「舞茸天丼と豚汁せいろ」。
蕎麦喰い人種行動観察にこの時の食事について記事を書いている。
かなりしっかりと食事をしているが、それもこれも「夕食対策」のためだ。蕎麦一枚だけ手繰っておしまい、というのはさすがに怖かった。
13:58
さて、いよいよ本日のお宿に向けてGOだ。時刻はちょうど14時前。タイミングよろしく、全国チェックイン日和でございます。平日火曜日の午後である、ということを除けば。こんな日にチェックインする人はなかなかいない。水曜定休が業界標準である不動産屋さんとかだったらアリかも。
積善館の入口。赤い欄干の橋が目印。
その手前の建物も積善館の一部らしい。ただしかなり年季が入っており、今では多分・・・使われていないと思うなぁ。
で、ひょっとすると今晩安価で泊まることができる「一番館」なる建物というのは、まさかコイツではあるまいか疑惑が。建物は古いですけどお安いです、と。
いやまあ、一人旅だし、味のある建物は好きだ。だからおんぼろな建物であっても歴史的建造物であっても全然OKではある。しかし、それでも「えっ、これまだ使えるん?」という建物がまさにこいつ。現役感が全然乏しい。
その「現役感が乏しい」と言わしめた建物は、入口が封鎖されていた。
「通り抜けはできない」と書かれた木札が掲げられてある。将軍さまによる何かのトンチだろうか。一休さんになった気分で考えてみるが、気の利いたトンチは思いつかなかったので「見なかったふり」に徹した。
で、橋の奥を見たところ。これが積善館本館。四万温泉を紹介する際、必ずこのアングルの写真が使われる。四万温泉を代表する宿だし、まさにこの写真のアングルそのものが四万温泉を象徴している。
・・・で、どれが「本館」なんだっけ?建物がいろいろあってよくわからない。
橋の右側、ちょっと洋風チックな窓になっているところは「元禄の湯」という内湯。これまた、四万温泉を代表する浴室となっている。外来入浴も可能。
そしてその元禄の湯の上の階が、かなりおんぼろくなっている。ぼろいと言うな、風情があると言え・・・と自らを叱責してしまうが、それでも「床が抜けるんじゃないか?」という予感をさせるような古めかしさがある。あれが元禄時代から続く建物だろうか?
バカを言え、窓ガラスがあるぞ。ガラスが元禄時代にあるものか。
とはいえ、かなり古いのは事実だ。この元禄の湯二階、恐らく宿泊部屋だったのだと思うが、人の気配がない。まさかこれが「一番館」?それならそれで構わないけど、なるほどこれなら安いわけだ、と納得の古さだ。
積善館本館の紹介看板。
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