潜入、湯治宿【大沢温泉】

花巻駅西側

花巻駅は改札口が一つしかなく、線路の東側にある。なので、僕が今歩いている西側には改札がないし、「駅の裏手」ということもあって飲食店やコンビニなどが並んでいることはない。・・・まあ、駅東側も、さほどお店があるわけではないのだけど。

それにしてもなんたる開放感。

駅前大通り、と呼ぶべき道を今まさに歩いているのだけど、この広さよ。折角だから、何かの優勝パレードか、天皇皇后両陛下の御幸などに、ぜひ。

花巻駅西口

駅方面から見た、「駅前大通り」。

あれ?こうやってみるとそこまで幅広の道ではなかったか。片側一車線の対面通行。

しかし、車がまったくいない。それ以前に、人が歩いていない。お店がないのだから当然だ。お店どころか、家もまばらだ。

改札口の反対側ということもあるので、もし車で家人をお出迎え、なんてことがあっても反対側のロータリーに車を寄せるのかもしれない。

なるほど、道理でさきほどの格安3DK賃貸なわけだ。

花巻というのはそこそこ知名度のある地名なので、もっとバーンと栄えた町だと思ったが、とても慎ましやかだった。

花巻駅西口のバス停

駅にはロータリーがなく、だだっ広い空間があるだけだった。適当に場所を用意しておいたから、勝手に駐車するなり転回するなりしやがれ、というこの潔さがすばらしい。

駅前にぽつんとバスの停留所があったので確認してみたら、1日3本しか運行されていない路線だった。しかも平日朝のみ。花巻南高校行きだということを考えると仕方がないのだが、今の学校って土曜日は完全にお休みなんだっけ?あと、平日であっても「最終便」が朝08:05。この「終バス」に乗り遅れてしまうと、もう学校に行く手段がなくなってしまう。学生だからタクシーを呼ぶというわけにもいかないだろうし、果たしてどうしているのだろう?学校の先生が救済のためにマイカーを出したりするのだろうか?

変わった道

がらんとして何もない駅前だけど、駅の傍らにはロータリー的な道があった。なんだこれ?

ロータリー、というより、小さな陸上トラックのような感じ。楕円形に、道がある。車寄せにしては形が変だし、位置もおかしい。一部は駐輪場になっているけど、
チャリンコ用の道にしては広すぎるし。

もともと鉄道が走っていたらしい

ありゃ。こんな看板を発見。

花巻電鉄「花巻駅」跡地、だって。

昔はここから大沢温泉や鉛温泉に向かって電車が走っていたのか!しかも、別路線として花巻温泉に向かうものもあり、2路線もあったのか!知らなかった。

そりゃそうだ、大正4年から歴史が始まり、昭和47年には廃業してしまっている。まだまだ「社員旅行」などの団体旅行が盛んだった高度経済成長時代で歴史を終えているのだから随分気が早い。おそらく、観光路線としてだけでなく、林業などの貨物輸送もやっていたのだろう。その貨物輸送の収入が減少したので、やめたんだと思う。僕の勝手な推測だけど。

で、その駅の跡地がまだこうして変な形の楕円形道路として残っているのだから面白いものだ。

看板の写真を見ると、「花巻温泉郷」という看板が掲げられている。温泉客でにぎわった時期もあったのだろうな。

なにせ、この花巻は温泉密集地だ。僕がこれから向かう「南花巻温泉郷」は、豊沢川沿いに松倉温泉、志戸平温泉、渡り温泉、大沢温泉、山の神温泉、高倉山温泉、鉛温泉、新鉛温泉・・・と8つもある。これとは別に「花巻温泉郷」があり、こっちは4つの温泉地だ。なんなんだこのエリア。

駐輪場

そんな花巻電鉄花巻駅跡地の一部が駐輪場になっていた。

普通の光景ではあるけど、立て看板で

「自転車を盗むのは窃盗罪 懲役刑(10年以下)」

と大きく書かれていた。執行猶予が付かず罰金も科せられず懲役ってぇことは随分前科がある人だなきっと。

かわいこチャンのハートを盗んだ場合はどうなんですかね、無期懲役でその人に尽くすってことですかね

とか連想してしまう僕はきっとオッサンなんだと思う。いまどき「かわいこチャン」なんて言葉自体が、死語だ。そもそも、職場でこの単語を言い放った瞬間にセクハラになるからなー。

地下通路

改札口がある駅東側には地下通路がある。

事前にこの存在を知っているのだから、一体どれだけ下調べしていたんだよ?ということだ。よくないなぁ、当初、温泉療養企画を立ち上げたときって、「宿泊前後は観光をしない。脳を疲れさせないために」っていう方針だったのに。ガッツリ調べまくってるし、なんなら岩手県最終日には盛岡観光しよう、なんて考えている有様だし。

さて、地下通路を使って東側に向かおう。そろそろ、バスの時刻だ。

東口に戻ってきた

というわけで、駅東口に戻ってまいりました。おお、西と東とでは全然違うな。青空が広い、というのは一緒だけど。

花巻駅バスのりばご案内

大沢温泉方面に向かう、「新鉛温泉行き」のバス乗り場は・・・と調べてみたら、よりによってロータリーの最果てだった。観光客が多く使うであろう路線だから、改札出てすぐ目の前くらいにあると思ったのに。この図だと、港の防波堤のように突き出たところに乗り場がある。やっべー、随分遠い。

バスに逃げられた

あーあーあーあー

目の前を新鉛温泉行きのバスが通り過ぎていった。バスに乗り遅れちゃったよ、余裕があるからってあちこちウロチョロしていたものだから。なんてこったい。

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