うっかり、観光【奥塩原】-12

奥塩原新湯共同浴場

宿の中の風呂も気になるところだけど、奥塩原新湯に3つあるという共同浴場も気になる。日没後は利用できない、ということなので、夕食前にお出かけしてくることにした。

まずは、宿のすぐ横にある倉庫のような建物。これが「寺の湯」。昔、この地にお寺があったことから名付けられたらしい。

日塩もみじライン沿いにあり、外来の入浴客も多いかもしれない。ただし、ここは3つの共同浴場のうち唯一の混浴。女性にとってはハードルが高いと思う。

新湯爆裂噴火跡の看板の隣。だから共同浴場のすぐ背後には、例の荒涼とした山肌と、今でも立ち上る噴煙が見える。こいつァさぞ良いお湯が沸いていることだろう。是非このオレ様も、温泉玉子同様に茹でてもらいたい!半熟だけどね~、と中山美穂の名曲が口をつく。ああ、あの曲も既に30年ほど昔の歌か。

寺の湯の入り口

単純酸性硫黄温泉(硫化水素型)、湯温65.8度、pH2.8だという。

酸性が強く、魅力的だ。やっぱり全国各地でおなじみの「ナトリウム塩化物泉」(要するに食塩水のことだ)とは全然違う。

是非これはザブンと!・・・と思ったが、中に人の気配がする。湯船の写真が撮りたかったので、一旦ここは後回しにすることにした。

階段を下る

共同浴場はいくつもあるんだ、逃げやしないんだから別のところに行ったらァ!と次のいで湯を目指す。

温泉宿の隙間をすり抜けるように石段があるので、その階段を下っていく。

湯屋が見えてきた

すると、ちょっと下ったところに「いかにも共同浴場でござい」という屋根をした湯屋を発見。これが「むじなの湯」。

いわれの説明

「むじな」というのはタヌキのことだという。ああそうか、「同じ穴のムジナ」のムジナか。

たぬきが傷を癒やしているのを発見したことから、この名前がついたとかなんとか。全国各地でこの手のネーミングには事欠かないけど、実際に野生動物は温泉を好むのだろうか?あくまでも「都市伝説」ならぬ「田舎伝説」なのか、本当に傷を癒やしていたのか。

各地で、「鶴の湯」とか「鹿の湯」、「白猿の湯」といった湯があるけど、僕が実際に知っている「動物でも温泉に入る」というのは、サルとカピバラくらいだ。今でも、もし山中にいで湯があったら、動物がやってくるのかどうか、観察してみたいものだ。

入り口

むじなの湯。ここは混浴ではなく、ちゃんと男湯と女湯が分かれている。

集落の中にあるということもあってか、とても賑わっていた。いかん、これは写真が撮れるかどうかなんていう次元ではない。全く撮れそうもないので、おとなしく一風呂浴びることにした。

共同浴場と建物

湯船はとても小さく、大勢の入浴者がいるためにキュウキュウだった。

入浴中は気づかなかったのだけど、風呂上がりにカツが「岩からお湯がわき出ていましたね」と教えてくれた。えっ、そうだったの?

このむじなの湯、「霊岩」と呼ばれる湯船のへりにある岩から、お湯がこんこんと沸いているのだという。知らなかった!気づかなかった!人が多くて、そっちの方には近づけなかったからだ。

「岩からお湯がわき出る」ってなんかいいよな。お得感あるよな。

こらこらやめなさい、「お得感」とかいう表現を使った時点で、すごくゲスい。

でも、湧出直後の、空気に一切触れていないお湯がそのまま湯船に注がれているのだから、霊験あらたかなのは間違いない。

酸性含硫黄-アルミニウム-硫酸塩温泉(硫化水素型)、湯温59.2度、pH2.4。

先ほどの寺の湯と比べて、ちょっと成分が違う。距離が近いのに、面白いものだ。

(つづく)

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